高校生の主権規制 政治活動「届け出」導入の動き - 東京新聞(2016年2月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016022190071800.html
http://megalodon.jp/2016-0221-1144-05/www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016022190071800.html

十八歳以上への投票年齢引き下げに伴い、デモや集会参加など高校生の校外での政治活動が認められた。これを学校への届け出制とするかを、高校を所管する首都圏の七都県と四政令市の教育委員会に本紙が取材したところ、「導入しない」と明言したのは横浜、千葉両市だけで、他は「各学校に委ねる」など導入に余地を残した。届け出制は高校生の活動を萎縮させ政治参加の自由を損なうとして、高校生団体のほか、国会議員からも反対の声が出ている。 (早川由紀美)
文部科学省は昨年十月、高校生の政治活動を禁じた一九六九年の通知を廃止し校外での活動を容認。選挙期間中に特定候補を応援するなどの選挙運動は選挙権を持つ人、高校生なら十八歳以上に限られるが、政治活動は年齢の制限はない。
政治活動の届け出制について、文科省は今年、生徒指導関係者向けに作成したQ&A集の中で、「必要かつ合理的な範囲内」で可能とする見解を示した。
本紙の取材に、届け出制を「導入しない」とした千葉市は、その理由を「高校生の校外での政治活動等は、家庭の理解の下、生徒が判断して行うもの」と説明。横浜市は「導入しない」ことを基本としつつ、学校の求めがあれば「その都度検討する」とした。
「各学校に委ねる」としたのは東京都と埼玉、千葉、茨城県の四教委だった。群馬県教委は「今後、必要に応じて検討する」と答え、担当者は「具体的な事例がないので今は決められない。今後、起こったできごとに応じて学校と相談する中で、選択肢として届け出制もある」と話した。
届け出制に対し、デモや勉強会などの活動をしている高校生団体「T−ns SOWL(ティーンズ・ソウル)」は「主権者として認められるべき自由と権利をないがしろにする」などとして、反対する声明をインターネット上などで公表している。
維新の党の初鹿明博衆院議員は一月、政府への質問主意書で、政治志向を学校に知られることで進学や就職に影響することを生徒が恐れ、政治活動の自由が萎縮すると指摘。憲法が保障する思想良心の自由などを損なうのではないかとただした。政府は「憲法の規定も踏まえ、各教育委員会等において適切に判断すべきだ」と答弁した。
◆校外活動へ無言の圧力
<五十嵐暁郎・立教大学名誉教授(日本政治論)の話> 十八歳選挙権をめぐっては、校内での学習内容は政治的中立性を強く求められ、学校現場は萎縮に萎縮を重ねている。そんな中で校外の活動を届け出制とすれば、高校生は無言の圧力と受け取ることもありうる。政治の能力の核となるのは主体性。それを伸ばすには自由が必要だ。

安倍政権が放送局への介入を躊躇しない理由が判明した - videonewscom(2016年2月20日)

http://www.videonews.com/commentary/160220-01/


安倍政権がなぜ放送法を誤って解釈し、放送局という言論機関に当たりまえのように介入できているのか、その理由がよくわかるやり取りが、今週、国会であった。
2016年2月15日の衆院予算委員会で、民主党山尾志桜里衆院議員が安倍首相に対し、「精神的自由の経済的自由に対する優越的地位」の意味を問うたのに対し、安倍首相は官僚から渡されたメモを読みながらも、きちんとその意味を答えられないという場面があった。
山尾議員から「表現の自由の優越的地位とは何か」と問われた安倍首相は、「法的に正確にお答えをすれば、経済的自由、そして精神的自由より優越をするという意味において、この表現の自由が重視をされている、ということでございます」と、官僚から手渡されたメモを読みながら答えた。
その回答自体が正しい理解とは逆転している点は、急な質問に慌てたために、しどろもどろになった結果だったと好意的に受け止めるとしても、法学部出身でもある首相が、「精神的自由の経済的自由に対する優越的地位」や「憲法二重基準」といった民主憲法の根本原則を理解していないことは明らかであり、またショッキングなことでもあった。
ところが首相は山尾議員の質問に対し、「いずれにせよ、そうしたことを今、この予算委員会で、私にクイズのように聞くこと自体が、意味がないじゃないですか」と切り返し、一国の首相の憲法の大原則に対する認識が、国会の場で議論されるべきものではないとの考えを述べている。・・・・・
精神的な自由と経済的な自由の関係や、そうした自由を保障しつつも、いかにして放送局の公共性を維持していくべきかなどを、ジャーナリストの神保哲生社会学者の宮台真司が議論した。

高浜4号機、汚染水漏れ 再稼働作業一部中断 - 東京新聞(2016年2月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022102000130.html
http://megalodon.jp/2016-0221-1143-33/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022102000130.html

関西電力は二十日、再稼働の最終準備を進めている高浜原発4号機(福井県高浜町)の原子炉補助建屋内で、放射性物質を含む一次冷却水漏れがあったと発表した。関電は再稼働に向けた作業を一部中断し、原因を調べている。究明に時間がかかった場合、二十六日前後に再稼働する工程に影響する可能性がある。
関電によると、核分裂反応を抑えるホウ素濃度を調整する系統に通水した際、警報が鳴った。通水作業を止め、現場を確認したところ、原子炉の熱を取り除く一次冷却水の不純物除去設備近くの床に、水たまりが見つかった。計約三十四リットルが漏れたとみられる。含まれる放射性物質は約六万ベクレルで、国への報告基準の約六十分の一以下で環境への影響はないとしている。
4号機は核燃料の装填(そうてん)を終えており、二十六日前後に再稼働する見通し。3号機は一月二十九日に再稼働した。関電の担当者は「4号機の再稼働への影響は何とも言えない」と話している。

安全は幻想だった 私の見た福島事故 - 東京新聞(2016年2月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022102000110.html
http://megalodon.jp/2016-0221-1142-57/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022102000110.html

「日本の原発は安全」との安全神話は、国や電力会社だけでなく、立地する地域住民にも染み渡っていた。
「周りの橋も壊れてないのに、なんで原発が事故になるんだ。そんなはずがあるものか」。福島県楢葉町の柴田富夫さん(75)、寿子(としこ)さん夫婦はあの事故で幻想を打ち砕かれ、戸惑いながら友人らとともに栃木県日光市の温泉を目指して逃げた。
その四十年前、富夫さんは東京電力福島第一原発1号機の建設時、コンクリートを流し込む型枠大工として働き、2〜4号機でも工事に携わった。寿子さんも、東電の下請け企業が入る企業棟で掃除などの仕事をした。
「東電に依存しない人の方が少なかったんじゃないか。わしらの前の世代は、冬になると東京に出稼ぎに行き、下水管を埋める作業なんかをやっていた。それが原発が来て、出稼ぎは必要なくなり、役場は立派になり、(巨大なサッカー施設の)Jビレッジも建った」
直接的、間接的に経済的な恩恵を受ける中で、柴田さんの頭からは原発にリスクがあることが消えていった。一九八六年四月、旧ソ連チェルノブイリ原発事故が起きても、二人とも「構造が違うし、あれは別物。日本の原発は安全・安心」と信じていたという。
まさか自分たちがかかわってきた福島第一が自分たちに牙をむき、日光に逃げた後は、四年間も福島県いわき市仮設住宅暮らしを強いられるとは夢にも思わなかった。
好きな畑仕事もできない仮設暮らしに疲れ、昨年四月、避難指示解除前の長期準備宿泊の段階から自宅に帰った。母屋は屋根が壊れて荒れ果て、解体・建て直しが終わるまで、大きな物置をすみかにした。
ようやく新居が完成し、畑にはハクサイやダイコンなどが実り、明るい生活を取り戻した。ただ、集落内で帰還したのは他に一軒だけ。イノシシが出没するようになり、夜はほぼ真っ暗闇だ。
地震津波だけならこんなことにはならない。放射能のせいだ。見た目は以前と変わらないのに、こんなの異常。むなしい」。夫妻の表情が曇った。 (山川剛史)
◆あなたの東日本大震災を募集します
2011年3月11日に起きた東日本大震災東京電力福島第一原発事故から、まもなく5年。当時の体験をふり返り、今を見つめ直す投稿を募集しています。
投稿は200字程度。住所、名前、年齢、職業、電話番号を明記。〒100 8525 東京新聞編集局「あなたの東日本大震災」係へ。ファクス=03(3595)6934。本紙ホームページからも投稿できます。趣旨を損なわない範囲で添削することがあります。

辺野古の環境監視4委員、業者側から寄付・報酬 - 朝日新聞(2015年10月19日)

http://www.asahi.com/articles/ASHBK54G2HBKUUPI001.html?iref=comtop_list_pol_n02
http://megalodon.jp/2016-0221-1158-22/www.asahi.com/articles/ASHBK54G2HBKUUPI001.html?iref=comtop_list_pol_n02

米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画で、国が進める工事を環境面から監視する専門家委員会の委員3人が、就任決定後の約1年間に、移設事業を受注した業者から計1100万円の寄付金を受けていた。他の1委員は受注業者の関連法人から報酬を受領していた。朝日新聞の調べでわかった。
4委員は取材に対し、委員会の審議に寄付や報酬は影響していないとしている。違法性はないが、委員の1人は受領を不適切だとして、委員辞任を検討している。
この委員会は「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会(環境監視委)」。沖縄県仲井真弘多(ひろかず)・前知事が2013年12月、辺野古周辺の埋め立てを承認した際に条件として政府に求め、国が14年4月に設置した。普天間移設事業を科学的に審議し、工事の変更などを国に指導できる立場の専門家が、事業を請け負う業者側から金銭支援を受ける構図だ。