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子どもと法・21の管理人メモ RSSフィード

2017-04-21

[][] テレ朝玉川徹のツッコミに自民党共謀罪の正体をポロリ「目的はテロ対策じゃない」「市民の座り込み抗議にも適用」 - リテラ(2017年4月21日)

http://lite-ra.com/2017/04/post-3094.html

共謀罪の目的はやっぱりテロ対策じゃなかった!

ついに国会審議がはじまった共謀罪。19日の衆院法務委員会安倍首相は、「我が国テロ組織による犯罪を含む国際的な組織犯罪の抜け穴になることを防ぐ上において極めて重要」などと“テロ対策”であることを強調したが、もはやこんな詭弁通用するわけがない。

というのも、今回の共謀罪の取りまとめ役となっている自民党法務部会長である古川俊治参院議員が、「テロだけじゃない」とテレビで断言したからだ。

その発言が飛び出したのは、昨日20日に放送された『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)の人気コーナー「そもそも総研」でのこと。コーナー進行役の玉川徹氏が共謀罪の重要人物である古川議員取材を行ったのだが、そこで古川議員が語った内容は、まさに共謀罪の恐ろしさを裏付けるものだった。

たとえば、安倍政権共謀罪の捜査対象はテロ組織などの「組織的犯罪集団」に限られているというが、277ものの犯罪のうち、ひとつでも2人以上で計画や準備行為をしたと見なされれば「組織的犯罪集団」とされてしまう。そこでもっとも懸念されているのが、沖縄における基地反対のように、一般市民が参加する運動が「組織的な威力業務妨害罪にあたる」として共謀罪適用されるのではないか、という問題だ。

そこで玉川氏は、沖縄のように基地建設を阻止するために市民たちがトラック車両を現場に通さないよう座り込みで抗議する、そのことのために銀行でお金を下ろすなどしたときにも共謀罪適用されるのか?ということを古川議員に質問。すると、古川議員はこう述べたのだ。

「仮に完全にトラックを防止するっていう目的だけにみんなが集まると、仮にですよ、仮にね。極めて具体的な計画でやる。具体的な計画といったら危険性が出てくるということですから、まさにやろうとしているということなんですね。そして、そのための実行準備行為をやったという段階じゃないと、これ適用になりませんから」

沖縄の基地反対運動にも共謀罪適用されると、自民議員が明言

ここですかさず玉川氏は「逆にいえば、そこまでやれば適用できるということですよね」と言うと、古川議員は「そうなれば、組織的犯罪集団として認定される可能性はありますね」と明言したのである。

つまり、トラック阻止を計画し準備しただけで「組織的犯罪集団」となり、共謀罪で逮捕されてしまう、というのだ。安倍首相は「一般市民が対象になることはない」と繰り返し強調するが、とんだ大嘘ではないか。

反対運動だけではない。例として、原発のような国策を推進する企業に対してSNS上で集団で批判を書き込むといった行為を信用毀損・業務妨害罪にあたるとして共謀罪適用される可能性について、古川議員はこのように言い切った。

「故意があるということは確定的に何か証拠に出ていて、かつ、その具体的な計画で、まさに実行の段階に入って、それで実行準備行為があるという段階になれば、それはその犯罪は成立するので、あり得ることです」

この古川法務部会長の説明によって、共謀罪とはやはり、テロとはまったく関係がない一般市民に、権力者の思うがまま、いくらでも適用できる法案だということがよくわかるだろう。しかも、古川議員はこんなことまで言い出したのだ。

テロなんて言ってませんよ、この法律だって」

「それはいろんな意味でですよ、テロだけじゃないですね」

テロ等準備罪」とテロの脅威を利用した嘘っぱちのネーミングに置き換えたのは安倍政権だが、その取りまとめ役たる法務部会会長である古川議員は自らが、“この法案テロだけが取り締まりの目的じゃない”ときっぱり宣言したのである。

ようするに、「テロ等準備罪」というのは詭弁でしかないと自民党議員によってお墨付きが出たわけだが、問題は、安倍首相がこうした詭弁を弄して国会議論を掻き混ぜ、共謀罪を押し通そうとしていることだ。

[][] 実質審議入りの「共謀罪法案 多数決で大臣隠しの異常 - 毎日新聞(2017年4月21日)

https://mainichi.jp/articles/20170421/ddm/005/070/088000c

http://archive.is/2017.04.20-222928/http://mainichi.jp/articles/20170421/ddm/005/070/088000c

共謀罪」の要件を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の実質審議が衆院法務委員会で始まった。

委員会の冒頭、委員長自民)が野党の反対を抑えて、法務省刑事局長を政府参考人として呼ぶことを職権で採決し、賛成多数で出席が決まった。答弁が不安定金田勝年法相の代わりに答えさせる狙いとみられる。極めて乱暴委員会運営だ。

金田法相法案の提出責任者だ。その大臣の答弁が不安ならそもそも法案に問題があるのではないか。

政治家主体国会審議にする狙いから、1999年に国会活性化法が施行され、官僚委員会出席は原則として禁じられた。

政府参考人制度は、官僚行政の技術的な点などについて閣僚を補佐するために導入された。

より充実した審議のために補佐は認められていい。ただし、参考人出席は委員会が全会一致で議決するのが慣例だった。野党の了承がないままの採決は衆院で初めてという。異常な慣例破りである。

法案は、2人以上で犯罪を事前に計画・合意し、実行のための準備行為をすれば罰せられる内容だ。

組織的犯罪集団を適用対象と明記するが、一般市民も対象になり得るのではないかという点が最大の懸念材料だ。さらに、犯行着手前の「合意」を処罰するため、警察の捜査次第で、監視社会に道を開くのではないかという不安の声も強い。

金田法相は2月、法案に関して「国会提出後に議論すべきだ」と質問封じとも受け取れる文書報道機関に公表し、わずか1日で撤回した。

その後もあいまいな答弁で野党に追及される場面が続いた。委員会の審議中、補佐する事務方が耳打ちする光景は最近でも見られる。

審議入りした法務委員会でも、処罰対象の団体が過去の共謀罪法案とどう違うのか野党委員に聞かれ、先に答弁に立った刑事局長の説明をほぼそのまま繰り返す場面があった。

金田法相は「実務的な部分は事務方がコメントするのは問題ない」と述べるが、法務委員会の審議に入り、質問の大半は法案の根幹に関わることだ。もう弁解は通用しない。

法相法案の中身について自信をもって説明できなければ、法案そのものへの信頼が失われるだろう。

[] 減らない子ども自殺 昨年、小中高生320人 - 朝日新聞(2017年4月21日)

http://www.asahi.com/articles/ASK4P04M6K4NUUPI007.html

http://archive.is/2017.04.20-222750/http://www.asahi.com/articles/ASK4P04M6K4NUUPI007.html

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■小さないのち 大切な君

子どもたちが自ら命を絶つ悲劇が繰り返されている。日本全体の自殺者数は減っている中で、小中高校生では減っていない。子ども自殺を防ぐために、社会や一人ひとりは何ができるのだろうか。

警察庁統計によると、2016年、320人の小中高校生が自殺で亡くなった。小学生12人、中学生93人、高校生215人。3分の2は男子だった。

自殺者全体の数は、03年の3万4427人をピークに減少傾向で、16年は2万1897人。06年施行の自殺対策基本法に基づく、各自治体の相談窓口の整備などが背景にあるとされる。一方、小中高校生の自殺者はこの10年、年間300人前後で推移し、350人を超えた年もあった。厚生労働省によると15〜19歳では自殺が死因の1位、10〜14歳では2位だ。

16年の小中高生の自殺の原因(複数の場合あり)を警察庁統計でみると、「学業不振」など学校問題が36・3%で最も多く、「親子関係の不和」など家庭問題が23・4%、「うつ病」など健康問題が19・7%と多岐にわたる。学校問題のうち、いじめが原因とされたのは6件(全体の1・9%)だった。

自殺予防に詳しい高橋祥友・筑波大教授(精神科医)は「子ども自殺は、いじめや友人関係といった学校に関わる要因のほか、家庭や、精神疾患など複数の要因からリスクの高い状態となり、そのうえで何らかのことが引き金になって起きる。いじめは深刻な問題だが、いじめ予防だけでは不十分だ」と話す。

日本では子ども自殺の実態把握や再発防止の取り組みが十分とはいえない。どんな要因が重なるとリスクが高まるのか、などは国内の統計ではわからない。

いじめが疑われるケースでは、いじめ防止対策推進法に基づき、真相解明と再発防止のための調査が学校や教育委員会に義務づけられている。だが、調査結果は十分共有されず、いじめを苦にした自殺は後を絶たない。いじめ以外のケースも文部科学省が学校や教育委員会に調査を求めているが、義務ではない。

北日本公立中学校の教師(60)によると、数年前に女子生徒が自殺未遂した際、教委が原因を問い合わせてきたが、いじめでないとわかると対応は学校と保護者任せになった。教師は「原因が何であろうと子どもの命が大切なことに違いはない。すべてを予防するべきだ」と感じたという。

海外では、国の主導で子ども自殺の背景を分析し、予防につなげる動きがある。英国では16年、国の委託を受けた研究チームが、心の問題があって自殺した10代のケースを分析。「54%に自傷行為の経験あり」「27%は亡くなる前1週間以内に自殺について周囲に話していた」などの分析を踏まえた予防策を5月に発表する。米国では事故や虐待自殺などによる子どもの死亡事例の検証を予防につなげる制度が根付く。

子ども自殺について分析する東京都監察医務院の福永龍繁院長は「10代の自殺は動機がわからないことが多い。実態がわからないことを出発点として、そこから対策を考えていくべきだ」と話す。

[] 生徒の生きづらさきっかけ 「命の教育」に取り組む学校 - 朝日新聞(2017年4月21日)

http://www.asahi.com/articles/ASK4N4V03K4NUUPI00F.html

http://archive.is/2017.04.21-020855/http://www.asahi.com/articles/ASK4N4V03K4NUUPI00F.html

■小さないのち 大切な君

自殺を防ぐための教育を授業に採り入れている学校を、記者が取材した。

「もう消えたい。話しかけんといて」

「1個しか命ないんやから、大事にしなさい」

1月末、近畿地方公立中学校。「総合的な学習の時間」に1年生が2人1組になり、「消えてしまいたい」と打ち明ける役と、打ち明けられる役を演じる「ロールプレー」に取り組んでいた。

打ち明けられる側の生徒は「叱る」「励ます」「感情を理解する」の3パターンを演じてみて、感想を言い合う。「叱られたら、傷つくと思う」「励まされるのは結構よかった」――。生徒たちの受け止めはさまざまだ。

担任(当時)の30代の女性教諭が語りかける。「どうしていいかわからないなら、よい聞き手になることで十分。でも自分たちで解決できない時は、信頼できる大人につないでほしい。あなたたちを見守っている人がたくさんいることを忘れんといてほしい」

この中学校では15年度から「いのちの学習」に取り組む。兵庫県加古川市教育委員会の学校支援カウンセラー、阪中順子さんが作ったプログラムを元に、昨年度は全9回行った。友だちの気持ちを理解しようとする姿勢を教え、「心の危機」の時は信頼できる大人につないでほしいと伝える。自分が苦しい時にはゆっくり休む、電話で相談する、といった対処法も紹介する。

[] 沖縄自治権強化求める 憲法審で参考人4人全員 - 東京新聞(2017年4月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017042102000124.html

http://megalodon.jp/2017-0421-1116-03/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017042102000124.html

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衆院憲法審査会は二十日、「国と地方の在り方」をテーマに学識者を招いて参考人質疑を行った。国民主権地方自治憲法でどう実現するかという議論の中で、四人の参考人全員が、沖縄県米軍基地負担が集中し、政府対立する現状を問題視。それぞれ異なる道筋を示しながら、沖縄自治権強化を求めた。

沖縄大の小林武客員教授憲法学地方自治法)は、選挙で示された民意にかかわらず同県名護市辺野古(へのこ)で米軍基地建設を進める政府について「地方自治をないがしろにするもの。国と地方の対等関係をまっとうに理解しているとは言えない」と批判地方自治を保障した憲法第八章の「完全実施」こそ求められているとし、根幹的な行政権自治体への移譲を訴えた。

明治大の大津浩教授(憲法学)も、沖縄の問題は地方自治でも特に重大と語った上で「沖縄は他地域と違う扱いをすべきだ」と指摘。包括的で幅広い権限を沖縄に移譲するため、憲法九五条が定める住民投票を実施すべきだとした。

東大大学院斎藤誠教授(行政法地方自治法)は、基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」と指摘。「憲法の条項を充実させるのが一つの方策」と、地方自治の権限を強化する改憲が必要とした。

中央大の佐々木信夫教授(政治学)も「沖縄民意と国家の意思のずれ」に言及。沖縄を独立した州とし、知事沖縄担当相とすることで国政に意見を反映させることを提案した。

(金杉貴雄)

日本国憲法第八章(地方自治

九二条

地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨(ほんし)に基いて、法律でこれを定める。

三条、九四条

(略)

九五条

一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

[]<いのちの響き>ある知的障害者の更生(上) 自分を見つめ直し償い - 東京新聞(2017年4月20日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201704/CK2017042002000191.html

http://megalodon.jp/2017-0421-1116-28/www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201704/CK2017042002000191.html

雨で客足が鈍い。負けじと、男性(33)の声が大きくなる。「さあっ! おいしいカキはいかがっすか」

三月下旬、岐阜県内の神社の縁日。夜になり、出店が軒を連ねた参道の一角に、愛知県西尾張地方にある障害者就労支援施設が構える店があった。毎月の縁日のたび、利用者数人が出向き、焼きガキを販売する。

男性も施設利用者の一人。中度の知的障害があり、漢字の読み書きやお釣りの計算が苦手だ。自分の気持ちをうまく表現できないと、一方的に話し続けてしまうこともある。

それでも、慣れた手つきでカキをむき、気さくに客と会話する様子を、隣で手伝う男性代表(67)はしみじみと見つめた。「よう板についてきた」。施設に来た三年前は品物を客に手渡すのがやっとだっただけに、見違えるようだった。

男性は長崎県出身という。六歳から名古屋市内の児童養護施設で育てられた。兄姉も同じ施設にいたが、ほかの家族の所在は分からず、「生みの親の記憶もない」という。

小中学校には施設から通い、野球剣道が好きだった。しかし、漢字や計算の授業にはついていけず、多くの時間を特別支援学級で過ごした。上級生から「なんで勉強できんの」とからかわれるたび、見返せないのがつらかった。

特別支援学校高等部を中退後、学校の紹介で障害者を受け入れているごみ収集会社などで働いたが、長続きしなかった。やがて、夜の繁華街をうろつくようになり、そこで出会った少年らとミニバイクの窃盗や置引などの非行に走った。「警察から逃げるスリルが楽しかった」

成人後は、キャバクラや風俗店の客引きをしたという。会社勤めしていたころから障害がない同僚との給与の差に不満があり、「昼の仕事より稼げると誘われた」のが理由だった。

しかし、金を求める生活の代償は軽くなかった。二〇〇九年、逮捕され、昏睡(こんすい)強盗罪で懲役三年八カ月の実刑判決を言い渡された。判決では、知人女性と共謀し、テレクラで男性会社員をホテルに誘い出し、睡眠導入剤を入れたコーヒーを飲ませて眠らせ、現金四万円入りの財布を盗んだことなどが事実認定された。「働いてもまともに給料をもらえない。日銭を稼ぐためには仕方ないと思っていた」と男性は振り返る。

しかし、逮捕後の取り調べや服役が心境に変化をもたらした。空き時間、六法全書を借り、読めない漢字を教わりながら、犯した罪について調べてみた。「自分の行いをどう思っているのか」。弁護士らに繰り返し尋ねられた質問の意味を考えるためだった。「楽して生きようとする自分の弱さが、周りの人に迷惑を掛けた」。まともに生き直すことが償いだと思った。

出所後、県内の市役所を訪ね、就労支援施設の紹介を頼んだ。しかし、逮捕歴があることを知りながら、受け入れようという施設はなかなかなかった。ようやく見つかったのが、現在身を寄せている施設だった。

あれから三年。「生活保護障害年金と合わせても、収入は客引きしていたころの半分にもならない」。時折、そんな不満がこみ上げる。しかし「ほかに行き先はない」。その思いが、男性を踏ん張らせている。 (添田隆典)

[]<いのちの響き>ある知的障害者の更生(下) 自立こそ一番の恩返し - 東京新聞(2017年4月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201704/CK2017042102000189.html

http://megalodon.jp/2017-0421-1116-55/www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201704/CK2017042102000189.html

前科があるのを分かって、見ず知らずの自分を受け入れてくれる場所がある−。昏睡(こんすい)強盗の罪で三年八カ月の刑期を終えた知的障害がある男性(33)は、二〇一四年五月、愛知県西尾張地方の障害者就労支援施設に向かった。「罪を償って出てきたんだから、過去にはこだわらん」というのが、施設の男性代表(67)の考えだった。

施設は、障害者総合支援法が定める「B型事業所」に区分される。企業への就職や、雇用契約を結ぶ「A型事業所」での就業訓練が難しい障害者に、内職などを提供する。代表は、男性にまず、住まいを世話し、生活保護の受給申請をして、作業所で衣類用防虫剤の袋詰めなどの内職を教えた。

ただ、代表の目に男性の勤務態度は必ずしも真面目には映らなかった。事業所でもらう工賃は月一万円ほど。「生活保護障害年金を足しても、自由に暮らせない」と不満をぶつけた。気持ちがうまく伝わらないと、一方的にまくしたてる傾向もある。

しかし、地域のイベントや縁日などの出店では、表情が見違えた。内気で人と接するのが苦手な利用者が多い中、自ら進んで客に声を掛けた。「接客が向いてるのかもしれん」。そう考えた代表は一年前、新しい仕事を任せた。施設の近くでオープンさせたばかりの喫茶店の接客係だった。

注文取りから、配膳、皿洗いと、どれをやらせてもそつがなかった。計算が苦手なため、大人数の会計では、障害がない施設のスタッフらに手伝ってもらわないといけない。それでも、自分のもてなしが店の売り上げに直結しているという実感が、男性を生き生きとさせた。

代表は暇を見つけては飲食店やレストランに男性を連れて行き、店員の接客を見て学ばせている。「いろんな客と接していけば、誰に対しても落ち着いて話せるようになるんじゃないか」。いずれ就職面接などを受ける際、困らないようにとの気遣いだった。

「一日でも早く自立させたい」という代表の願いは、日増しに強くなっている。昨年末、脳梗塞で倒れて二週間ほど入院した。そう遠くないうちに自分が活動を続けるのは難しくなると悟った一方、自分がいなくなって施設が立ちゆかなくなれば、男性たちが行き場を失わないかとの不安がよぎる。

代表が倒れる少し前、男性には一般就労のチャンスが訪れていた。スーパーで生鮮食品を管理する求人を紹介され、面接に臨んだ。スーパーは前向きに採用を考えてくれた。でも、「長続きするか分からない」と自信が持てず、最終的に辞退した。

それでも、代表は「もうちょっとだ」と励ましてくれる。施設に来たころは、嫌気が差すと夜中に行方をくらますことがあったが、接客で自信をつけた今は逃げ出さなくなった。

次のステップに進めない焦りを覚えつつも、次のチャンスこそ、逃げずにつかみたいと思っている。言葉で代表にうまく感謝の気持ちを伝える自信はないけれど、「それが恩返し」と分かっているから。 (添田隆典)

[] 仏大統領選挙 EUの意義尊ぶ選択を - 朝日新聞(2017年4月21日)

http://www.asahi.com/articles/DA3S12902036.html?ref=editorial_backnumber

http://megalodon.jp/2017-0421-1115-03/www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_shasetsu_01

国境の壁を取り払い、人や物の往来を盛んにすることで平和と繁栄を築く――。2度の大戦を経て欧州が始めた壮大な実験が、試練に直面している。

23日に投票されるフランス大統領選挙である。結果次第では欧州連合(EU)の将来に一気に暗雲が立ちこめそうだ。

選挙は混戦模様だ。ただ、EUからの離脱を唱える候補たちが一定の支持を集めている。

フランスは、EUの前身が創設されて以来60年間、ドイツと共に欧州統合を牽引(けんいん)してきた。そのリーダー国が反EUに転じれば、衝撃は計り知れない。

自国最優先の内向き志向が広がる流れを断ち切るためにも、賢明な選択を期待したい。

選挙は、23日に過半数の得票をした候補がいなければ、上位2候補による決選投票が2週間後の5月7日に行われる。

主な候補4人のうち、反EU派は、右翼政党国民戦線マリーヌ・ルペン氏と急進左派のジャンリュック・メランション氏。ともにEU離脱を問う国民投票選択肢に掲げている。

フランス第一主義を唱えるルペン氏、自由主義経済に否定的なメランション氏と、基本的な立場は異なる。だが、テロが生んだ社会不安、伝統産業の流出による雇用喪失が、「閉じた国境」への共鳴を広げている。

どちらかが大統領になっても、すぐEU離脱が決まるわけではない。だがEUはすでに英国の離脱決定で揺れている。統合に後ろ向きな政権フランスに誕生するだけでも、欧州経済は混乱に陥り、国際秩序は不確実性を高めることになろう。

その英国は6月の総選挙実施を決めた。今後本格化するEU離脱交渉に備え、メイ首相が足場固めを狙ったものだ。交渉が難航し、さらなる混乱や新たな離脱国を招かないために、EU側も結束固めが必要な時だ。

ルペン氏が移民規制など排外的な主張を掲げているのも懸念される。人権重視や多様性の尊重など、EUが国際社会に同調を呼びかけてきた価値観が損なわれる恐れがある。

確かに、エリート層による政治支配やグローバル化による格差拡大への庶民の怒りは強まっている。だからといって安易に欧州統合移民をやり玉に挙げるのは、ポピュリズム大衆迎合)のそしりを免れまい。

EUという単一市場が繁栄の土台になってきたことは紛れもない事実だ。

欧州の国々が価値観を共有し、協調して問題解決に取り組んできた歴史的意義をふまえた判断を望みたい。

[] 五輪開催都市契約を検証できず 本紙公開請求に都が非開示と回答 - 東京新聞(2017年4月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017042190071428.html

http://megalodon.jp/2017-0421-0903-11/www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017042190071428.html

五輪開催都市と国際オリンピック委員会(IOC)が結ぶ開催都市契約について、過去二大会の開催都市は公開しているのに東京都は非公開としている。本紙の情報公開請求に対して都が十四日、非開示と回答した。都は「契約に盛られた守秘義務に違反するため」と説明する。現在、公表に向けてIOCと協議中としているが巨額の開催費用が見込まれる五輪運営の透明化は道半ばだ。 (中沢誠)

開催都市契約は、大会開催に当たって、開催都市とIOC双方の権利や義務を定めている。東京大会は招致決定直後の二〇一三年九月、契約を締結した。都によると、守秘義務の規定はIOCから示されたが、その理由は確認していないという。少なくとも過去二大会では規定はなかった。

規定が盾となり、情報が開示されない事態も生じている。昨年十一月の都議会で、大会組織委員会が支払った「支払手数料」が一四年度の四億九千万円から一五年度に九十億円に跳ね上がった理由を議員が尋ねた。都側はIOCに支払った権利使用料(ロイヤルティー)などと説明したが具体的な内容については「守秘義務」を理由に回答を避けた。

契約内容は近年、公表の流れにある。一二年のロンドン大会では守秘義務の規定はなかったが、運用で非公開にしていた。しかし、開催四年前に市民団体から開示請求を受け、IOCの同意を得て開示した。前回のリオ大会では、ホームページで公表していた。

小池百合子知事が設置した都政改革本部は昨年十一月、都に公表を求める提言を行った。本紙は提言後の二月、契約書と関連文書情報公開請求した。非開示とした理由を都は「IOCが合意に至ってないため」としている。都オリンピックパラリンピック準備局の原陽一郎計画運営課長は、「(開示すれば)IOCとの信頼関係を害する恐れがある」などと説明する。

ただ二〇年大会の開催都市契約の「原型」は、二四年大会への立候補を目指していた米国ボストン市などがIOCの了解を得て二年前からネット上に公表している。同市は立候補の準備のためIOCから入手した。

権利使用料に関しては、エンブレムやマスコットの使用料や大会入場料の収入の5〜7・5%をIOCに支払うとの記載がある。実際の契約と同一か都は明らかにしないが、都政改革本部の上山信一特別顧問は「一見してほぼ同じ内容だった」と話している。

◆透明化進まず

二〇二〇年東京大会を巡っては、新国立競技場建設や五輪エンブレムのデザインでも、不透明な決定過程が国民の不信を招いた。最大一・八兆円と試算される大会費用も昨年末にようやく公表。開催都市契約の非開示について、スポーツジャーナリストの小川勝さんは「すべて非公表というのは理解し難い。都の情報公開に後ろ向きな姿勢が表れている」と批判する。

五輪理念などをうたう「オリンピック憲章」は、開催地の人々に祝福されて実施することが前提に作られているという。東京大会に目を転じると準備を巡って相次ぐトラブル。開催費用の高騰から都外の開催自治体の不満は高まっている。

「今、起こっていることは五輪への国民の支持を下げるようなことばかり。国民の支持や共感がなければ大会の成功はない。そのためには情報公開が原則だ」と小川さんは訴える。

[](筆洗)黒く塗りつぶされ、その中に白い丸 - 東京新聞(2017年4月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017042102000128.html

http://megalodon.jp/2017-0421-0859-13/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017042102000128.html

小学校一年生の最初の算数の授業。先生は黒板にチョークで丸を書き、配った答案用紙に同じものを書いてごらん、と言った。皆すぐに答えを書いて、ハイ、ハイと手を挙げたが、一人だけ手を挙げない子がいた。

先生はその子のそばに行くと、感心してじっと見ていて、答案がようやく出来上がると皆に見せた。それは黒く塗りつぶされ、その中に白い丸が注意深く塗りのこされていた。

思想家鶴見俊輔さんは著書『思い出袋』で、こういう教育、何が問題かを自分で考え、自分なりの答えを探す力、自問自答する力を養う学びが日本の教育制度では失われていると書いた。

そんな教育のありようを改めて考えさせられたのが、経済協力開発機構(OECD)が各国の十五歳に生活の満足度を尋ねた調査結果だ。日本の十五歳の満足度は四十七カ国・地域中、四十一位。

日本や台湾といった学力調査で好成績を残す東アジアで満足度が低く、中南米など学力調査ではふるわぬ国で満足度が高いというから、皮肉なものである。

日本では学力評価が低い生徒ほど満足度も低い傾向にあるという。それは、なぜか。誰かがつくった問題への○か×かを効率よく答えることばかりが評価され、子どもたちが学力という一つのものさしだけで自分に○×をつけるようになっているのではないか。そういう自問自答を誘う「四十一位」だ。

[] 森友問題:勃発から2カ月 「森友学園」はこうして生まれた 安倍政治の「教育」の“根源”に迫る!=伊藤智永さん - サンデー毎日(2017年4月23日号)

https://mainichi.jp/sunday/articles/20170410/org/00m/010/001000d?inb=ys

http://archive.is/2017.04.21-050411/https://mainichi.jp/sunday/articles/20170410/org/00m/010/001000d?inb=ys

森友学園」新理事長の籠池町浪氏が、「右翼的教育」を一切やめるという安倍教育政治への決別宣言を発表した。この声明文に今の「保守」の底の浅さを見る異能記者が、「森友学園」を生んだ安倍政治の正体と、それ以前の「教育」をめぐる戦後右派潮流を読み解く。

[] 森友資料開示、財務副大臣与党の了解が必要」 - 朝日新聞(2017年4月20日)

http://www.asahi.com/articles/ASK4N570NK4NUTFK00T.html

http://megalodon.jp/2017-0421-1508-38/www.asahi.com/articles/ASK4N570NK4NUTFK00T.html

学校法人森友学園」への国有地売却問題に関する資料の開示について、大塚拓財務副大臣が20日の参院国土交通委員会で、「本件は相当、政治的な問題になっている。一般的に与党理事に相談するのは普通だ」と発言し、開示には与党の了解が必要との認識を示した。

真相解明に向けた政府の姿勢をただした共産党の辰巳孝太郎氏への答弁。辰巳氏は「国交省財務省が『与党の許可が得られないと資料を出せない』と言ってきた。三権分立観点からもおかしい」「与党による事実上の検閲だ。行政機関与党が一緒に疑惑を隠蔽(いんぺい)しようとしている」と述べ、政府の対応や大塚氏の発言を批判した。

辰巳氏によると、売却価格を不動産鑑定価格から約8億円値引きした根拠となる地下埋設物の確認箇所を記した地図などの開示が「与党の許可」を理由に拒まれているという。(杉浦幹治、南彰)