嫌疑ある段階で一般人ではない 「共謀罪」で盛山副大臣 - 共同通信 47NEWS(2017年4月28日)

https://this.kiji.is/230609553767858183
http://archive.is/2017.04.28-093256/https://this.kiji.is/230609553767858183

共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の審議は28日午後も衆院法務委員会で続き、盛山正仁法務副大臣は同日午前に一般人は捜査対象にならないと答弁した根拠について「何らかの嫌疑がある段階で一般の人ではないと考える」と述べた。民進党逢坂誠二氏への答弁。
民進党井出庸生氏は、その後の質問で「無罪推定の原則と真っ向から対立する」と批判。盛山氏は「一般の人とは言えないのではないか」と繰り返した。
盛山氏は28日午前の審議で「通常の団体に属し、通常の社会生活を送っている一般の方々は捜査の対象にならず、処罰されることはない」と答弁していた。

「知らない」けど「賛成」? 「共謀罪」法案 全道世論調査 - 北海道新聞(2017年4月27日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170427-00010002-doshin-soci
http://archive.is/2017.04.27-135613/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170427-00010002-doshin-soci


若年層は賛成多く、高齢層ほど反対
犯罪を計画段階で処罰する「 共謀罪 」の趣旨を盛り込んだ 組織犯罪処罰法 改正案について、北海道新聞社が21〜23日に全道世論調査を実施したところ、改正案の内容を「知らない」と答えた人が49%と半数近くに達した。特に30代以下では70%を占めた。改正案の賛否については「賛成」48%、「反対」45%と拮抗(きっこう)した。改正案は14日から衆院法務委員会で実質的な審議に入ったが、認知が進んでいない実態が浮き彫りになった。
テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の内容について、「少しは知っている」が44%、「よく知っている」が7%で、合わせて「知っている」は51%。一方で「あまり知らない」は32%、「まったく知らない」も17%いた。男性は43%、女性は54%が「知らない」と答えた。
改正案の賛否では、「反対」が70歳以上で56%、60代で62%、50代で58%とそれぞれ過半数を占めたのに対し、40代では「賛成」が57%、30代以下では71%に達しており、改正案の内容を「知らない」した割合の高い若年層ほど改正案への支持が高かった。

「共謀罪」対象277犯罪の内訳判明 分類変え「テロ」最多に 資料入手 - 東京新聞(2017年4月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017042802000129.html
http://megalodon.jp/2017-0428-1119-37/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017042802000129.html


犯罪に合意しただけで処罰する「共謀罪」の二百七十七の対象犯罪について、政府が当初案から分類方法を変え、「テロの実行」が最多になったことが、本紙が入手した政府作成資料で分かった。当初は組織的犯罪集団の「その他資金源」に関する犯罪が最多だったが、暴行や脅迫により人をさらう略取・誘拐などの分類を「テロの実行」に変更。国会に提出された組織犯罪処罰法改正案では「テロの実行」が最多となり、「テロ対策」が強調された。 (山田祐一郎、大杉はるか)
政府は対象犯罪を「テロの実行」「薬物」「人身に関する搾取」「その他資金源」「司法妨害」の五つに分類。本紙は対象犯罪が六百七十六だった今年一月時点と、現在の二百七十七の対象犯罪の全罪名と分類を入手した。
現在の対象犯罪が一月時点ではどう分類されていたかを調べたところ、一番多いのは「その他資金源」の百五で、「テロの実行」はそれに次ぐ九十九だった。現在は「テロの実行」が百十に増え、「その他資金源」の百一を上回って最多となっている。
一月時点では「未成年者略取及び誘拐」「営利目的等略取及び誘拐」など八つの罪は「人身に関する搾取」に関する犯罪に、「強盗」「組織的威力業務妨害」「組織的強要」の三つの罪は「その他の資金源」にそれぞれ分類。現在審議中の共謀罪法案では、この十一の罪の分類を「テロの実行」に変えたことで「テロの実行」が最多になった。
分類が「テロの実行」に変わった組織的威力業務妨害や組織的強要は、市民団体や労働組合への適用が懸念されている。
法務省は取材に「いくつかにまたがって分類できるものがある。内訳の変更は検討段階で整理した」と説明。これまで、どの罪がどの分類に当たるか詳細は明らかにしていなかった。

◆テロ対策強調の意味合い
立命館大学松宮孝明教授(刑事法)の話> ちょっとでも「テロの実行」を増やして「テロ対策」を強調する意味合いがあったのだろう。対象犯罪でテロの実行に分類されている中にも、一般の人がイメージするテロとは関係ないものがたくさん入っている。どう分類したかだけでなく、対象から除外した罪についても根拠を示すべきだ。
共謀罪法案の対象犯罪> 政府が共謀罪創設の根拠とする国際組織犯罪防止条約は、法定刑が死刑や4年以上の懲役・禁錮の罪を共謀罪の対象とするよう求め、国内の現行法の対象犯罪数は676。「数が多すぎる」との批判を受け、政府は277に削減した組織犯罪処罰法改正案を今国会に提出した。対象犯罪については、2005年の共謀罪法案の基準で計算すると、277ではなく316になることも判明している。

千葉市、朝鮮学校への補助金取りやめ 日韓合意批判で - 東京新聞(2017年4月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017042802000114.html
http://megalodon.jp/2017-0428-1119-10/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017042802000114.html

慰安婦問題を巡る日韓合意を批判する展示をしたなどとして、千葉市は二十七日、学校法人「千葉朝鮮学園」(同市花見川区)主催の美術展と芸術発表会への補助金五十万円の交付を取りやめたと発表した。
市によると、学園は昨年十二月に市内で開いた美術展で、全国の朝鮮学校に通う子どもの絵画を展示。作品二点の解説文に「当時の日本軍の戦争犯罪を追及することが今後できなくなってしまった」などと、二〇一五年十二月の日韓合意を批判する記述があった。
今年二月の芸術発表会では、朝鮮学校生が披露した歌に、北朝鮮の最高指導者の一族を賛美する内容が含まれていたという。
市は一三年度から外国人学校と地域住民の交流事業への助成を始め、千葉朝鮮学園には一四、一五年度にも補助金を交付した。熊谷俊人市長は二十七日、「補助金に対する批判もある中、地域交流が必要と実施してきた。われわれの思いを踏みにじられたと言わざるを得ない」と述べた。
学園の男性校長は取材に「互いの歴史的認識は違うのは当然で、朝鮮人としての表現の自由を認められるべきだ。今後も地域交流事業を続けていきたい」と話した。

22年度開校の都立小中高一貫校 中学から第二外国語必修 - 東京新聞(2017年4月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017042802000122.html
http://megalodon.jp/2017-0428-1118-40/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017042802000122.html

東京都教育委員会は二十七日、二〇二二年度に開校予定の都立の小中高一貫校について、教育課程の概要を発表した。世界で活躍する人材を育てるため、十二年間を通じて語学教育に力を入れ、英語は小学一年から、第二外国語は中学から必修科目にすることを盛り込んだ。
都教委によると、公立の小中高一貫校は全国で初めて。中高一貫教育をしている都立立川国際中等教育学校立川市)の近くに付属小学校を設置する。
フランス語や中国語といった第二外国語は、小学校では課外活動として触れる機会をつくり、中学では選択制の必修とする。数学や理科などを英語で学ぶ授業も導入する。外国籍や海外から帰国した児童・生徒の特別枠を設けるほか、海外留学しやすい環境の創出も目指すとした。
定員は千四百四十人程度を想定し、小学校は各学年八十人、中学以降は各学年百六十人ほどとする。

籠池氏「昭恵夫人に適時報告」 財務省が賃料提示も - 共同通信 47NEWS(2017年4月28日)

https://this.kiji.is/230526758399559160
http://archive.is/2017.04.28-070143/https://this.kiji.is/230526758399559160

学校法人「森友学園」の国有地払い下げ問題で、籠池泰典前理事長は28日、学園側と財務省とのやりとりについて「安倍昭恵夫人には適時、交渉内容について電話で報告していた。昭恵夫人が名誉校長就任後は、業務の一環として報告を続けた」と明らかにした。国会内で開かれた民進党ヒアリングで述べた。
また、国有地の定期借地契約で、財務省側から「値段にはストライクゾーンがある。高い方は2700万円、低い方が2100万円」という具体的な賃料の提示があったことも明らかにし「低い方にしてくれとお願いした」とも述べた。

「昭恵夫人にその都度報告」と籠池氏、土地取得の過程説明 民進党のヒアリング - 産経ニュース(2017年4月28日)

http://www.sankei.com/west/news/170428/wst1704280036-n1.html

学校法人「森友学園」(大阪市)が大阪府豊中市の元国有地で進めていた小学校建設をめぐる問題で、民進党は28日、国会内で元理事長の籠池(かごいけ)泰典氏からヒアリングを行った。籠池氏は国有地取得に向けた財務省側との一連の折衝を振り返り、安倍昭恵首相夫人に「その都度報告していた」と説明。学園側の要望に沿って国有地を確保できたことについて、昭恵夫人の影響力が財務省側に働いたとの認識を示した。
ヒアリングでは、籠池氏と妻の諄子(じゅんこ)氏が昨年3月15日、財務省の担当者と面会した際のやり取りがテーマとなり、録音データを書き起こした書面も公表された。その中で担当者が「特例」と発言したことも明らかにされた。
面会は小学校用地から新たなごみが発見されたことを受け、学園側が申し入れた。対応者は理財局の国有財産審理室長とみられる。
書面によると、籠池氏側は地下のごみについて「国には地主責任がある。きちっとやってもらわないと。風評が流れたら学園の命取りになる」「国に損害賠償(請求)を起こす」と財務省側に対応を迫った。
一方、担当者は「この件の経緯がね、貸し付けするってことが特例だったもので」「貸し主の責任としてこれからどうして行くべきか、法律の専門家にも相談して行く」と応じた。
学園はこの面会に先立つ平成27年5月に、国有地の定期借地契約を近畿財務局と締結。地下ごみの発覚とこの面会を挟んで、28年6月に鑑定価格より大幅に安い代金で国有地を取得していた。
ヒアリングで籠池氏は、交流のあった昭恵夫人に24年ごろから小学校計画について相談していたと説明。それ以降「適時、財務省との交渉内容を昭恵夫人に電話で報告していた。家内(諄子氏)は数え切れないくらい(電話をしている)」と土地交渉について連絡を取り合っていたと強調した。
そのうえで、当初は借地契約に難色を示していた財務省側が「突然態度を変えた」といい、「『特例』とはこのことを指しているのではないか」と昭恵夫人の影響力を示唆した。
また籠池氏は定期借地契約を結ぶ際、財務省側から「値段にはストライクゾーンがあり、高い方が2700万円、低い方が2100万円」と具体的な賃料の提示があったとも明かした。籠池氏は「低い方をお願いした」と述べた。
昭恵夫人は一時、学園が開校を目指していた小学校の名誉校長に就いていた。籠池氏は「昭恵夫人に名誉校長になってもらったことで、ある時期から土地についてスピーディーにものごとが動いた」との認識を示した。

森友と財務省 特別扱いの理由を示せ - 朝日新聞(2017年4月28日)

http://www.asahi.com/articles/DA3S12913306.html?ref=editorial_backnumber
http://megalodon.jp/2017-0428-1117-56/www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_shasetsu_01

森友学園」への国有地売却で、財務省がいかに異例の対応をしていたか。その実態を示す資料が次々に出てきた。
改めて問う。問題の国有地はどのような経緯で破格の安値で売られるに至ったのか。財務省には説明の義務がある。
学園の籠池泰典氏は16年3月、財務省の担当室長と面会した。朝日新聞が入手したその際の録音によると、籠池氏は当時賃貸契約を結んでいた国有地の地中からごみが見つかったと説明し、安倍首相の妻、昭恵氏の名前にも触れて対処を求めた。
室長は、売却が原則の国有地について「貸し付けすることが特例だった」とした上で、ごみが見つかったことは「重大な問題と認識している」と応じた。
この面会の9日後、学園は土地の購入を申し入れ、3カ月後、鑑定価格から約9割引きの安値で売買契約が結ばれた。
この経過について、籠池氏は今年3月の証人喚問で「神風が吹いた」と表現した。財務省の佐川宣寿理財局長は国会で、16年3月の面会について「(室長は)現場で適切に対応すると応じたが、その他については具体的に記憶していない」と答え、詳しい説明を避けている。
特別扱いぶりは、国会の質疑で明らかにされた資料にも表れている。近畿財務局が作成し、14年12月中旬に学園に渡されたという「今後の手続きについて」と題した資料だ。
売買契約を締結するまでの手続きを14項目にわたって説明。15年2月に国有地売却の是非を協議する審議会が予定されていることを示したうえで、それまでに必要な書類を指摘し、「速やかに提出」と記した。
また15年1月をめどに要望書を提出する必要があるとし、近畿財務局長宛ての要望書のひな型が添付されていた。「校舎建設等に多額の初期投資を必要とする」といった「事情を斟酌(しんしゃく)」し、売り払いが原則の国有地について「10年間の事業用定期借地契約と売買予約契約の締結をお願いいたします」とある。期日と学校法人名を書けば完成するようになっていた。
そのほか、土地の貸し付けや売買予約のための書類のひな型もあった。
財務省の佐川局長は国会で、「予断を持って(土地の)処分方針について伝えたことはない」と繰り返すが、その言葉を国民が信じるだろうか。
学園側との面会で何を話し、なぜ、特別扱いにしか見えない対応を重ねたのか。説明できないようでは、財務省に国有地を管理する資格はない。

「共謀罪」法案へ反対声明 ジャーナリストら有志14人 - 朝日新聞(2017年4月27日)

http://www.asahi.com/articles/ASK4W546TK4WUTIL03Q.html
https://megalodon.jp/2017-0428-0857-47/www.asahi.com/articles/ASK4W546TK4WUTIL03Q.html

放送局のキャスターやフリージャーナリスト、漫画家ら有志14人が27日、東京都内で記者会見し、「共謀罪」法案に反対する声明を発表した。声明では「内面の自由、プライバシーを踏みにじる道具になり、言論の自由表現の自由報道の自由を著しく破壊する」と主張している。
参加者の中で戦争を知る世代のジャーナリスト、田原総一朗さんは「一般国民に関係ないといいながら政府批判をする人々を逮捕していったのが治安維持法。そっくりの構図だ」と発言。TBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さんは「平成の治安維持法で人間の内面を裁くもの。あの時マスメディアの人間が何をしていたのかと言われないように、声を上げるのが重要だ」と語った。
フリージャーナリストの安田浩一さんは「日常生活に網をかけないと共謀の立証はできず、一般の人たちが無関係であるはずはない」と語った。
漫画家の小林よしのりさんは薬害エイズ事件の経験に触れ、「90%以上の人がもの言わぬ市民で一生を終えるが、権力と戦わないといけない、もの言う市民になる時が来るかもしれない」と発言。「多くの人は自分たちとは関係ないと思っているかもしれないが、そうではない」と訴えた。
会見では、メールやLINE(ライン)など日常のコミュニケーションが捜査当局による監視対象となり、一般市民へ影響が及んでいくことへの懸念が繰り返し表明された。(編集委員・豊秀一)
27日の記者会見で発表された声明の全文は以下の通り。

     ◇

私たちは「共謀罪」法案に大反対です

私たちは、放送やインターネット、執筆活動などを通じて、広義の報道に携わっている者です。私たちは、現在、国会で審議中の「共謀罪」法案に大反対です。「テロなど準備罪」などと言い換えていますが、法案の骨格や内容は、過去3回廃案になった「共謀罪」法案と本質的には何ら変わっていません。

共謀罪」は、まだやっていないことが取り締まりの対象になります。

共謀罪」は、私たちの内面の自由、プライバシーを踏みにじる道具になります。捜査機関に際限のないフリーハンドが与えられ、監視社会が現実化するおそれがあります。監視のまなざしは人々に内面化されていきます。人々は心を閉ざす方向へと向かいます。何とか自分を守るために。となれば、私たちジャーナリスト、表現者は、取材活動がままならなくなります。私たちの仕事は、真実を知るために多様な考え方の人々の心の内面に入って行くことが常だからです。

結果として、取材し報じられるべきことが伝えられなくなります。つまり、「共謀罪」は、言論の自由表現の自由報道の自由を著しく破壊するものなのです。監視は人間の自由を殺す、とは歴史の教えるところです。

この時点で何も言葉を発しないのは、未来に大きな禍根を残すことになると思います。だから、私たちはここで声をあげることにしました。

世界に目を向けると、シリアや北朝鮮をめぐる情勢など、「共謀罪」を新設したい勢力には「追い風」が吹いているようにも見えます。強い力に擦り寄っていく人々もメディア上を跋扈(ばっこ)していて、「共謀罪」の本質を隠しているようにも見えます。

共謀罪」はテレビを殺します。「共謀罪」はラジオを殺します。「共謀罪」は自由な情報発信を殺します。人々のコミュニケーションを権力の監視下に置くこの「共謀罪」法案の新設に私たちは、強く、深く、長く、反対します。

                    2017年4月27日

桑原武夫氏の蔵書1万冊廃棄 京都の図書館、市職員処分 - 京都新聞(2017年4月27日)

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170427000086
https://megalodon.jp/2017-0427-1641-24/www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170427000086

京都大人文科学研究所を拠点とした「新京都学派」を代表する仏文学者、故桑原武夫氏(1904〜88年)の遺族が京都市に寄贈した同氏の蔵書1万421冊を2015年、当時、市右京中央図書館副館長だった女性職員(57)が無断で廃棄していたことが27日、分かった。市教育委員会は同日、女性を減給6カ月(10分の1)の懲戒処分とした。

蔵書は1989年に市国際交流会館(左京区)が開館した際に寄贈され、一般公開されていた。市教委によると、2008年に京都に関する資料を収集する機能を備えた右京中央図書館がオープンしたのに合わせ、蔵書を同館に移動させたが、保存場所がないとして、向島図書館の倉庫に移した。15年に向島図書館の職員から、「置き場所がなく処分したい」と女性職員に相談があり、了承したという。

今年2月、市民から「蔵書を閲覧したい」と右京中央図書館に問い合わせがあり、同館職員が「廃棄した」と答えたため、市民が市教委に連絡。市教委が調査し、発覚したという。市教委は「貴重な蔵書を廃棄してしまい、大変申し訳ない」と話している。

女性職員は生涯学習部の担当部長で、27日付で部長級から課長補佐級へ降任した。

蔵書は日本文化研究、日本と世界の名著などの全集類のほか、政治や哲学の仏語原書など。右京中央図書館には、現在も「桑原武夫コーナー」として、桑原氏が生前に使用していた机や椅子、直筆のノートなど20点が置かれている。

桑原氏は「赤と黒」で知られる小説家スタンダールや「社会契約論」を著したルソーなどフランスの文学や哲学、評論などの研究で知られる。研究対象は人文科学全般に及び、哲学者の故鶴見俊輔氏や民族学者の故梅棹忠夫氏ら多くの学識者に影響を与えた。国際日本文化研究センター西京区)の創設にも尽力。京大学士山岳会の遠征隊長を務めるなど登山家としても知られる。

「先生の学問体系失った」 桑原武夫氏蔵書、無断廃棄 - 京都新聞(2017年4月28日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170428-00000002-kyt-soci
http://archive.is/2017.04.28-030355/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170428-00000002-kyt-soci

京都大人文科学研究所を拠点とした「新京都学派」を代表するフランス文学者、桑原武夫氏の遺族が京都市に寄贈した同氏の蔵書1万421冊を2015年、当時、市右京中央図書館副館長だった女性職員(57)が無断で廃棄していた問題で、桑原氏の関係者らは「なぜ」と驚きの声を挙げた。
遺族の1人は「役立ててもらおうと市に預けたのに、なぜそんなことになったのか分からない。残念です」と言葉少なに話した。
人文研では現在、遺族から桑原氏のノートや手紙を預かって、整理している最中という。高木博志所長は、「ノートや手紙、蔵書を分析することで桑原先生の学問全体の体系が分かるはずだった。失われたことは非常に問題だ」と指摘した。
蔵書は市国際交流会館(左京区)の開館に合わせ、1988年に遺族が寄贈し、一般公開されていた。2008年、右京中央図書館の開館に合わせて移管されてからは開架されていなかった。翌年には、保存場所がないとして向島図書館に移され、15年に担当の職員から「置き場所がなく処分したい」と女性職員に相談があり、了承したという。蔵書は段ボール約400箱に詰められ、市教委職員が古紙回収に出した。
廃棄した理由について女性職員は市教委の調べに対し、「寄贈図書が、もともと図書館にある蔵書と重なっている」「市民からの問い合わせはほとんどなく、あったとしても目録で対応できる」と説明したという。
職員は生涯学部の担当部長で図書館運営の責任者だったが、27日付で減給6カ月(10分の1)の懲戒処分を受け、課長補佐級に降任した。
市の要綱では、一般的な寄贈書の管理運用は、市教委に一任されている。ただ桑原氏の蔵書は、保存を前提に市に寄託されており、他の寄贈書とは取り扱いが異なっていたという。
京大教育学研究科の福井祐介講師(図書館情報学)は「碩(せき)学の桑原氏の資料群だからこそ貴重なもの。同じ本があるから処分したというなら、一般図書の方を整理するという選択肢もあったはず」と話す。蔵書には、和漢籍や海外の文献など手に入りにくい貴重な本も含まれていたという。
右京中央図書館には、現在も「桑原武夫コーナー」として、桑原氏が生前に使用していた机や椅子、直筆のノートなど20点が置かれている。

中学教諭6割が過労死ライン=月80時間超相当の残業―授業、部活増加・文科省調査 - 時事通信(2017年4月28日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170428-00000038-jij-pol
http://archive.is/2017.04.28-012229/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170428-00000038-jij-pol

文部科学省は28日、2016年度の公立小中学校教員の勤務実態調査の速報値を公表した。
中学教諭の約6割が週60時間以上勤務しており、過労死の目安とされる水準を超過。前回06年度の調査に比べ、教諭や校長ら全職種で勤務時間が増えた。授業時間が増加したほか、中学では土日の部活動の時間が倍増。同省は「学校が教員の長時間勤務に支えられている状況には限界がある」として、中央教育審議会に改善策の検討を諮問する。
調査は全国の小中各400校を抽出し、16年10〜11月のうち7日間の勤務時間を、教諭や校長などの職種別、授業や部活動、会議などの業務別に調査。小学校397校(8951人)、中学399校(1万687人)から回答を得た。
調査結果によると、教諭の平日1日当たりの平均勤務時間は小学校で前回調査から43分増の11時間15分、中学で32分増の11時間32分だった。小学校では33.5%、中学では57.6%の教諭が週に60時間以上勤務し、20時間以上残業していた。これは厚生労働省が過労死の労災認定の目安としている月80時間超の残業に相当する。
業務別に見ると、1日当たり「授業」が小学校で27分、中学で15分、「授業準備」も小学校で8分、中学で15分増加。「脱ゆとり教育」の学習指導要領導入により、前回調査時から授業コマ数が増えた影響とみられる。中学では土日の「部活動・クラブ活動」が前回の1時間6分から2時間10分にほぼ倍増した。

 

教員勤務実態調査 中学教諭、6割近くが「過労死ライン」 - 毎日新聞(2017年4月28日)

https://mainichi.jp/articles/20170428/k00/00e/040/242000c
http://archive.is/2017.04.28-030316/https://mainichi.jp/articles/20170428/k00/00e/040/242000c

校長や教頭など全ての職種で「教員の多忙化」改めて浮き彫り
2016年度の中学校教諭の1週間あたりの平均勤務時間は63時間18分で、10年前より5時間12分増えたことが、文部科学省の調査(速報値)で分かった。「過労死ライン」に達する週20時間以上の残業をした教諭が6割近くを占めた。土日の部活動の指導時間が10年前の2倍になったことなどが主な要因。小学校も含め、校長や教頭など全ての職種で勤務時間が増えており、「教員の多忙化」が進んでいることが改めて浮き彫りになった。

教員勤務実態調査は06年度以来。16年10〜11月、全国の公立小中学校各400校の教員を対象に連続7日間の勤務状況などを尋ね、小学校397校の8951人、中学校399校の1万687人から回答を得た。

中学校教諭の1日の平均勤務時間は平日で11時間32分(06年度比32分増)、土日で3時間22分(同1時間49分増)。業務別でみると、土日の「部活動・クラブ活動」が2時間10分(同1時間4分増)と倍増した。過労死ライン(残業月80時間)に達する計算になる週60時間以上勤務した教諭は57.6%。うち過労死ラインの2倍に相当する週80時間以上は8.5%いた。

小学校教諭は平日で11時間15分(06年度比43分増)、土日で1時間7分(同49分増)。1週間では57時間25分(同4時間9分増)で、過労死ラインに達する60時間以上働いた教員は全体の33.5%だった。旧学習指導要領に基づく教育課程(カリキュラム)だった06年度に比べ小学1〜2年で授業時間(1単位時間45分)が2時間、小学3〜6年で1時間増えたのに伴い、授業の準備時間も増えた。

教諭の年齢構成をみると、30歳以下は小学校で25.9%、中学校で24.4%を占め、10年前より10〜11ポイント増えた。若い教諭はベテランに比べ授業の準備に時間がかかり、部活も任されるため、全体の勤務時間を押し上げる一因となっている。

松野博一文科相は28日の閣議後記者会見で「看過できない深刻な事態が客観的な数字として裏付けられた。早急に対処したい」と述べ、中央教育審議会に対策の検討を依頼する方針を示した。【伊澤拓也】