「トモダチ作戦」157人が米で東電を提訴、50億ドル基金要求 - ロイター(2017年 8月24日)

http://jp.reuters.com/article/tepco-idJPKCN1B40NP
http://archive.is/2017.08.25-040737/https://jp.reuters.com/article/tepco-idJPKCN1B40NP

東京電力ホールディングス(9501.T)は24日、2011年3月の福島第1原発事故発生後の米軍による被災地支援活動、いわゆる「トモダチ作戦」に従事したという米国居住の157人が、放射能被ばくによる被害を受けたとして、50億ドル(約5450億円)の基金の創設や損害賠償を求めて米国の裁判所に提訴したと発表した。
東電によると、157人は今月18日、米カリフォルニア州南部地区連邦裁判所で提訴。損害賠償の請求金額は訴状には記載されていないという。
同社は、2013年3月15日付で米国で同種の提訴(24日時点の原告数239人)を受けており、今回の原告は同訴訟との併合を求めているという。
提訴に対し東電は、「原告の主張、請求内容を精査して適切に対処する」としている。業績への影響は不明だという。
(浜田健太郎)

総務省への請求 漏えいか 下村元文科相事務所の日報に記載 - 東京新聞(2017年8月25日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017082502000127.html
https://megalodon.jp/2017-0825-1017-12/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017082502000127.html


下村博文(はくぶん)・元文部科学相の政治資金に関する情報公開請求があった二〇一四年十月当時、下村氏の事務所日報に「菅(すが)官房長官 大臣秘書官より 一昨日、マスコミから総務省に開示要求が入りました」と記載されていることが分かった。開示請求の二日後の十月二十三日付の日報で、本紙は週刊文春を通じ、印字された日報データを入手した。当時、日刊ゲンダイの記者が文科相だった下村氏はじめ、全閣僚の政治資金管理団体の少額領収書の公開請求をしており、総務省側から請求情報が漏えいした可能性がある。 (望月衣塑子)
少額領収書は各政治団体が保管し、総務省都道府県選管に情報公開請求があると、政治家側は、同省などに写しを提出する仕組みになっている。日報には、菅義偉(よしひで)氏の秘書官から「総務省より、少額領収書の開示要求がきます。それが届いたら、二十日までの期日を、三十日まで必ず延長してください」「この連絡は厳秘!」という連絡があったと記載されている。
政治資金規正法によると、開示命令を総務省から受けた場合、原則二十日以内に情報開示することを求めている。延長が認められるのは、選挙時や大量に領収書がある時など、事務処理上困難な場合に限るとされている。
ゲンダイによると、総務省の開示は何度も延長され、全閣僚分が開示されたのは開示請求から九カ月後の一五年七月二十三日だった。
下村氏は今年六月末、学校法人「加計(かけ)学園」側の陳情状況などが日報に記載されていたとする週刊文春の報道を受けて会見し、「日報がデジタルデータで漏えいした」と述べていた。今回の日報について、下村氏の事務所からは、これまで取材への回答はなかった。
下村氏の事務所関係者は本紙の取材に、日報は下村氏の秘書が作成したと認めたうえで、「政治資金に関する開示請求者の情報は、よく事務所に伝わっていた。なんらかの経路で、総務省から漏えいしているのではないか」と指摘する。
ゲンダイ側は「当時、公開請求したことを外部に漏らしたことは一切ない。政治資金に関するあらゆる情報は誰もが即時に見られるようにすべきだ」としている。
一方、菅氏は七月十三日の会見で「秘書官は(開示請求の)情報は入手していないと言っている。日報に書かれているような指示もしていない」と否定。総務省は「(外部に)教えることはあり得ない」と説明する。
政治活動に関する情報公開を巡っては、昨年十月に請求者情報を漏らした富山市職員が懲戒処分を受けた例もある。政治資金規正法に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は「秘匿されるべき開示請求者の情報を、官房長官側が総務省から得て、かつ、それを元に違法な運用を指示したとすれば大問題だ」と話す。

教員定数3800人増 要求 負担減、小学英語も視野 - 東京新聞(2017年8月25日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201708/CK2017082502000135.html
https://megalodon.jp/2017-0825-0926-19/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201708/CK2017082502000135.html

文部科学省は二十四日、二〇一八年度予算の概算要求で、公立小中学校の教職員定数の三千八百人増を盛り込むことを決めた。長時間労働が深刻な教員の働き方改革を進めると同時に、次期学習指導要領に沿った授業を円滑に実施できるよう、小学校で英語などを専門に教える「専科教員」の増員を目指すのが柱。いじめや不登校、貧困といった課題に対応する要員も充実させる。
教職員の定数は主に学級数や児童生徒の数で算定。少子化で一八年度の定数は三千人の自然減となるため、実質的には八百人増の要求となる。
ただ、教職員の若返りで人件費が低くなるため、給与に充てる義務教育費国庫負担金の要求額は一七年度比で六十億円減の一兆五千百八十九億円となる見通し。
文科省は「国民に財政負担の追加を求めないよう最大限努める」としており、恒常的な財政支出につながるとして定数増に慎重な財務省の理解を得たい考えだ。
二〇年度から全面実施される次期指導要領では小学校で英語が教科化され、授業のコマ数が増える。また「主体的・対話的で深い学び」の実践も掲げており、教員の負担増が懸念されている。
そこで文科省は、小学校で英語や体育などを担う専科教員を二千二百人増やすよう要求。教員一人が受け持つ授業を減らした上で、授業準備にかける時間を増やせるようにする。中学校では生徒指導を重点的に担う五百人の増員を求め、いじめや不登校への対応を強化させる。
校長や副校長、教頭が受け持つ業務を軽減し、学校の運営体制を強化するため、事務職員四百人や主幹教諭百人の増員も求めた。

(筆洗)「近所の中学校でバレー部の指導をしてほしい」 - 東京新聞(2017年8月25日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017082502000142.html
https://megalodon.jp/2017-0825-0927-04/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017082502000142.html

職場の上司から、こんなことを言われたらどうするか。「近所の中学校でバレー部の指導をしてほしい」。バレーボールの経験などないのに、上司は強引に引き受けさせようとする。
では、その条件は?と聞けば、「平日は毎日夕方に所定の勤務時間が終わってから二〜三時間ほど無報酬で、できれば早朝も勤務時間前に三十分ほど。土日のうち少なくとも一日は指導日で、できれば両日ともに指導してほしい」
そんなことを強要する上司がいたら、とんでもないブラック企業だろう。だが、そのとんでもないことがまかり通っているのが今の学校なのだと、名古屋大学准教授の内田良さんは新著『ブラック部活動』(東洋館)で指摘する。
部活動は、あくまでも「自主的な活動」だ。放課後などの部活動の指導は「勤務時間」には入らず、時間外勤務手当も出ない。しかし現実には、八割以上の中学校で全教員の部活の指導が実質的に義務付けられている。
中学校の教員の六割近くの残業時間が「過労死ライン」を越えるという過酷さの一因に部活がある。そういう現実を、どれだけの保護者が知っているだろうか。
朝も夕も部活。疲れ切っているのに土日も休めず、家族との時間もとれない。先生も、生徒も。そんな部活こそ「ブラック企業戦士への予備軍を生み出しているのではないか」との内田さんの警鐘が、重く響く。

休日の昼 一緒におやつ 荒川区に子ども食堂:東京 - 東京新聞(2017年8月25日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201708/CK2017082502000173.html
https://megalodon.jp/2017-0825-0927-46/www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201708/CK2017082502000173.html

給食のない休日の昼に子どもたちの居場所をつくろうと、荒川区西尾久4に今月「おやつ食堂・ふらっと」がオープンした。地域の子どもたちに安価で食事を提供する「子ども食堂」の一つ。こども食堂ネットワーク事務局(渋谷区)によると、おやつの時間をメインに開設される子ども食堂は全国的にも珍しいという。 (中村真暁)
五人のボランティアが第二、四日曜の午後一時半から三時間、手作りパンとスープなどを提供する。宿題を手伝ってもらったり、裁縫やアクセサリー作りを楽しんだりできる。参加費は子ども百円、大人三百円。
場所は、代表の八百(やお)和子さん(68)が経営するバレエスタジオ。八百さんはこれまでも、バレエ教室の合間に高齢者向けサロンに場所を提供。一昨年からは孤立しがちな母親と乳幼児向けの子育てサロンを始めた。
おやつ食堂をつくったのは、給食がない夏休みにやせてしまう子どもがいる−と報道で知ったからだ。子ども食堂を手伝ってみると、子どもたちが生き生きしているのを実感。「こんな場所を」と決意した。
今月十三日に初めて開設した。八百さんは「子ども食堂は平日や夜が多いが、休日を一人でさみしく過ごす子どもたちもいるかもしれない。そんな子どもの居場所を少しでも増やしたい」と話している。
次回は二十七日。ふらっとは、JR尾久駅から徒歩約十分で、明治通りの荒川七中入口交差点そば。手伝ってくれるボランティアも募集している。連絡は、ふらっと=電090(2419)1021=へ。

浅野、待望 不器用な父親になる 映画「幼な子われらに生まれ」 - 東京新聞(2017年8月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2017082402000190.html
https://megalodon.jp/2017-0825-0928-43/www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2017082402000190.html

犯罪や暴力を伴う役柄で強烈な個性を発揮してきた俳優浅野忠信(43)が、映画「幼な子われらに生まれ」で新たな一面を見せている。演じるのは「普通」であろうと努力する不器用な父親。家族や親子のありようを問い続ける重松清の同名小説を原作に、浅野は40代を迎えてから熱望していた役だったと明かす。「過激なことは何も起きないけど、つらくても家族の前では笑顔でいる。そんなリアルな日常を演じたかった」 (浜口武司)
寄生獣 完結編」や「新宿スワンII」で激しいアクションやバイオレンスシーンをこなし、海外も注目した「私の男」「岸辺の旅」「淵に立つ」では陰のある男を演じてきた。
「ぼくはエッジの効いた(個性の際立つ、とがった)役を任されることが多かったので、こういう役は新鮮でした」。浅野が演じる信(まこと)は4年前に、娘2人を抱えるシングルマザーの奈苗(田中麗奈)と再婚し、郊外のニュータウンに暮らす。元妻(寺島しのぶ)との間にも娘
がいて、定期的に面会しているが、奈苗が新たに妊娠したことは言えずにいた。
「出演が決まって、台本を本当に死ぬほど読んで。面白いんですよ、台本が。信は『家族のため』って頑張って、振り回されるんだけど、実は彼自身は何も変わらないでいる。その意味では彼は神経がずぶとくて『俺、大変だよ』ってのを楽しんでいるんです」
奈苗の長女の薫は母親の妊娠を知ってから、信に嫌悪感を示すようになり、実の父親(宮藤官九郎)に会いたいと言うようになる。
「ぼくも実生活で離婚しているけど、子どもたちにはいつでも会えるし、再婚はしてないので状況は全然違う。想像したり、知り合いから話を聞いたりして、たくさん(プランを)用意して現場に行きました。だけど子役の子どもたちがとてもリアルでピュアで、ぼくも思った以上のリアクションを求められました」と手応えを明かす。
三島有紀子監督は最後に家族が一つになるようなハッピーエンドは用意していない。それでも浅野は、もっと見せない終わり方でも良かったと話す。「ハッピーエンドって、みんなが納得できる一つの形かもしれないけど、想像によって各自が明確な終わり方を思い浮かべることもあると思う。こうなるかもしれないという終わり方を描く方が映画的だと思うんですよ」
映画ばかりに出演してきた浅野だが、今年はTBSドラマ「A LIFE〜愛しき人〜」で木村拓哉と共演し、10月からはフジ「刑事ゆがみ」に主演するなど活躍の場を広げている。「映画もどんどん姿を変えていて、今ではインターネットの動画配信もある。アウトプットの問題じゃないと思うようになった」
2008年公開の映画「モンゴル」で訪れた砂漠の街で、子どもたちはネットカフェで映画を楽しんでいた。「もちろん作り手からすると映画は盗まないでほしいだろうが、目をキラキラさせて、これが映画の力だと思った。あのときから感じていた違和感に、ようやく自分でけりをつけられたんです」と笑った。

政治と世論を考える<5> 原発ゼロの民意どこへ - 東京新聞(2017年8月25日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017082502000139.html
https://megalodon.jp/2017-0825-0929-30/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017082502000139.html

討論型世論調査」を覚えていますか。
3・11翌年の夏、当時の民主党政権が震災後の原発政策を決める前提として実施した。
政府としては初めての取り組みだった。
無作為抽出の電話による世論調査に答えた全国の約七千人の中から三百人ほどに、一泊二日の討論会に参加してもらい、専門家による助言や質疑を織り交ぜながら、参加者の意見が議論の前後でどのように変化するかを見た。
二〇三〇年の電力に占める原発の割合として、ゼロ、15%、20〜25%−の三つのシナリオが示されており、学習と討議を重ねて理解を深めた結果、「原発ゼロ」と答えた人が全体の約三割から五割に増えた。併せて公募した意見では、九割近くが「原発ゼロ」を支持していた。
このような民意に基づいて、原発は稼働後四十年で廃炉にし、新増設はしないことにより「二〇三〇年代ゼロ」に導くという、「革新的エネルギー戦略」が決められた。それを現政権は「具体的な根拠がない、ゼロベースに戻す」と、あっさりご破算にした。
特定秘密保護法集団的自衛権、「共謀罪」などの時と同様、内閣支持率の高さだけを背景にした“具体的民意”の無視、というよりは否定とは言えないか。
その後も世論調査のたびに、脱原発には賛成、再稼働には反対の意見が過半を占める。
六月の静岡県知事選中に本紙が実施した世論調査でも、県内にある中部電力浜岡原発は「再稼働すべきでない」という意見が約六割に上っていた。
にもかかわらず、政府はエネルギー基本計画の見直しに際し、はじめから「三〇年20〜22%」の原発比率を維持する考えだ。
3・11前の割合は28%。老朽化が進む今、新増設なしには実現できない数字である。改めて国民的議論を起こす様子はない。
3・11を教訓に「脱原発」を宣言し、原発の新設工事を中断させた韓国政府は、世論調査や討論会でその是非を国民に問う。ドイツの脱原発は、専門家や利害関係者だけでなく、聖職者などを含めた幅広い意見によって立つ。
なのに当の日本は、政府の独断専行を“有識者”が追認するという“逆行”を改める気配がない。
国民の声より大事な何か、国民の命以上に守りたい何かがそこに、あるのだろうか。

(余録)ロシア語で「大きい」という意味のボリショイ劇場の… - 毎日新聞(2017年8月25日)

https://mainichi.jp/articles/20170825/ddm/001/070/135000c
http://archive.is/2017.08.25-002531/https://mainichi.jp/articles/20170825/ddm/001/070/135000c

ロシア語で「大きい」という意味のボリショイ劇場のバレエ団は帝政時代以来のロシア文化の象徴である。初来日はちょうど60年前の8月。そのころ国外公演はほとんどなく、羽田空港で「幻のバレエ団」をファン約500人が出迎えた。
実現させたのは神彰(じん・あきら)さんという35歳の無名の起業家だった。コネも資金もなく、当時のソ連代表部に通い詰めて「鉄の扉」をこじ開けた。その後ソ連交響楽団やサーカスの招待にも成功した神さんは「赤い呼び屋」と呼ばれた。
破産に追い込まれ、居酒屋チェーンで復活するなど最後まで浮き沈みの多い人生だったが、ボリショイを招いたころを「幻を呼ぼうと心に閃(ひらめ)きを感じると同時に行動に移した」と振り返っている(大島幹雄著「虚業成れり」岩波書店
以来ボリショイ・バレエは日本での公演を重ねてきた。今年も6月の初来日60年記念公演に続き、来月は人気プリマのザハロワさんらによる特別公演が予定されている。もう誰も「幻」とは呼ばない。
ロシアのバレエは、帝政時代もソ連時代も国家の手厚い保護を受け、古典的なスタイルを守ってきた、いわば伝統芸能だ。特にボリショイは、ダイナミックでストレートな感情表現が魅力とされる。
ロシア・バレエ界への日本人の進出も目立つ。その一人、岩田守弘さんはボリショイで活躍後、今は東シベリア・ウランウデの歌劇場で芸術監督を務める。とかく難しいロシアとの関係にあって、バレエは日露に開かれたひとつの窓である。