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子どもと法・21の管理人メモ RSSフィード

2017-10-06

[]ブラジル五輪会長逮捕はヒト事か - BLOGOS 郷原信郎さん(2017年10月6日)

http://blogos.com/outline/250667/

昨年、開催されたリオデジャネイロオリンピックの招致をめぐって、ブラジルの捜査当局は、5日、開催都市を決める投票権を持つ委員の票の買収に関与した疑いが強まったとして、ブラジルオリンピック委員会(BOC)のカルロス・ヌズマン会長を逮捕したことが、マスコミで報じられている。

NHKのニュースによると、ブラジルの捜査当局は、先月、リオデジャネイロへの招致が決まった2009年のIOC(国際オリンピック委員会)の総会の直前に、IOCの当時の委員で開催都市を決める投票権を持つセネガル出身のラミン・ディアク氏の息子の会社と息子名義の2つの口座に、ブラジル人の有力な実業家の関連会社から合わせて200万ドルが振り込まれていたと発表していた。

ブラジル五輪委の会長逮捕 リオ五輪招致めぐる買収に関与か(NHKニュース) http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171006/k10011169391000.html

https://megalodon.jp/2017-1006-1419-22/www3.nhk.or.jp/news/html/20171006/k10011169391000.html

捜査当局は、ヌズマン会長が、「贈賄側のブラジル実業家と収賄側のディアク氏との仲介役を担っていた」として、自宅を捜索するなど捜査を進めてきた結果、2009年のIOC総会の直後、ディアク氏の息子からヌズマン会長に対して、銀行口座に金を振り込むよう催促する電子メールが送られていたことなどから、票の買収に関与した疑いが強まったとして、5日、逮捕したとのことだ。

これを受けて、「IOCは捜査に全面的に協力を申し出ている。新たな事実がわかれば暫定的な措置も検討する」との声明を発表した。IOCの倫理委員会は、疑惑が報じられた昨年からフランス検察当局の捜査に協力し、さらに内部調査を継続していると強調。ブラジル当局にも情報提供を求めていることを改めて説明した(毎日)。

この「ラミン・ディアク氏の息子の会社」については、昨年(2016年)5月、フランス検察当局が、“日本の銀行から2013年7月と10月に、国際陸上競技連盟(IAAF)前会長のラミン・ディアク氏の息子に関係するシンガポール銀行口座に、「東京2020年五輪招致」という名目で約2億2300万円の送金があったことを把握した”との声明を発表し、日本でも、東京オリンピック招致をめぐる疑惑が国会で取り上げられ、日本オリンピック委員会(JOC)竹田会長が参考人招致されるなど重大な問題となった。

この問題については、私は、ブログ記事【東京五輪招致をめぐる不正支払疑惑、政府・JOCの対応への重大な疑問】で詳しく述べている。

フランス検察当局の声明によれば、“送金は2020年五輪開催地を決定する時期にあまりに近いタイミングであることから、開催地決定に関して権限・影響力を持つIOC委員を買収する目的で行われた不正な支払いだった疑いがある”とのことであり、JOC側に、そのような不正な支払いの意図があったのに、それが秘匿されていたのだとすれば、JOCが組織的に開催地決定をめぐる不正を行ったことになり、東京五輪招致をめぐって、極めて深刻かつ重大な事態となる。

この問題に関しては、その後、JOCが、第三者による外部調査チームを設置し、昨年9月1日に、「招致委員会側の対応に問題はなかった」とする調査報告書が公表されたが、それが、根拠もない「お墨付き」を与えるだけのものであることは、日経BizGate【第三者委員会が果たすべき役割と世の中の「誤解」】で、以下のように指摘した。

フランスで捜査が進行中であり、今後起訴される可能性があるという段階で、国内で行える調査だけで結論を示したということになるが、その調査はあまりに不十分で、根拠となる客観的な資料もほとんど示されていない。

この報告書では、「招致委員会コンサルタントに対して支払った金額には妥当性があるため、不正な支払いとは認められない」と述べているが、そもそも金額の妥当性に関する客観的な資料は何ら示されていない。世界陸上北京大会を実現させた実績を持つ有能なコンサルタントだというが、果たして本当に彼の働きによって同大会が実現したのかという点について全く裏が取れていない。

また、招致が成功した理由や原因、コンサルティング契約に当たって半分以上の金額を成功報酬に回した理由も、何1つ具体的に示されていない。そのような契約が「適正だった」と判断することなど、現時点ではできないはずだ。

結局のところ、疑惑に対して納得のいく説明を行えるだけの客観的な資料が全くない状態で、専門家だとか中立的な第三者などによる何らかのお墨付きを得ることで、説明を可能にしようとした、ということでしかない。

今回、BOC会長が逮捕された容疑は、リオオリンピック招致をめぐって、「IOCの当時の委員で開催都市を決める投票権を持つセネガル出身のラミン・ディアク氏の息子の会社と息子名義の口座に、約200万ドルが振り込まれていた」というもので、東京オリンピック招致をめぐる疑惑と全く同じ構図で、金額までほぼ同じだ。

IOCの倫理委員会は、「疑惑が報じられた昨年からフランス検察当局の捜査に協力し、さらに内部調査を継続している」としているが、その調査は、当然、東京オリンピックをめぐる疑惑にも向けられているだろうし、IOCの声明の「新たな事実がわかれば暫定的な措置も検討する」の中の「暫定的な措置」には、東京オリンピックについての措置も含まれる可能性があるだろう。

JOCは、「その場しのぎ」的に、第三者委員会を設置し、その報告書による根拠もない「お墨付き」を得て問題を先送りした。それが、今後の展開如何では、開催まで3年を切った現時点で、“本当に東京オリンピックを開催してよいのか”という深刻な問題に直面することにつながる可能性がある。

今後のBOC会長逮捕をめぐるブラジル当局の動き、オリンピック招致疑惑をめぐるIOCと倫理委員会の動きには注目する必要がある。

[][] 衆院選 各党、手違い続々 - 毎日新聞(2017年10月5日)

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171006/k00/00m/010/161000c

http://archive.is/2017.10.05-173131/https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171006/k00/00m/010/161000c

首相演説、ヤジ懸念し場所変更

諸般の事情により、安倍総裁の演説は中止となりました」

5日午後4時半過ぎの新百合ケ丘駅前(川崎市)。印字された紙を持った男性が100人以上の人々に頭を下げて回っていた。実際に安倍晋三首相が午後5時前に登場したのは、同駅から4駅離れた向ケ丘遊園駅前(同市)だった。場所変更は告知されなかった。

背景にあるのは東京都議選での「秋葉原ショック」だ。演説中に「帰れ」「安倍やめろ」と繰り返す聴衆の一部に、首相が「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と語気を強め、批判を受けた。

場所変更のきっかけは、地元の自民前職の事務所が、新百合ケ丘駅への首相来援をホームページで告知してしまったこと。告知を受けてツイッターに「行ってヤジりたい」などの書き込みがあった。

前職の事務所関係者は「首相に批判的な方々が来る情報があり、安全に演説できるか懸念があった。首相の警備のため、最後まで場所変更を(新百合ケ丘駅の聴衆に)伝えられなかった」と明かす。

向ケ丘遊園では数百人の聴衆が拍手で首相を迎えた。演説後、首相は「総理ー」「安倍さーん」との歓声を浴びながら笑顔で握手やハイタッチを繰り返して立ち去った。

しかし、前職の事務所には場所変更の理由をただす電話が続き、ネットには「首相が逃げた」との書き込みが相次いでいる。

希望「顧問に大村氏」撤回

希望の党でも5日、手違いがあった。同党は同日午前、「顧問として、大村秀章愛知県知事を迎えましたことを、ここにお伝えいたします」と記した資料を公表。しかし、同日夕に「事務局による誤りでした。おわびします」と撤回した。

同党代表の小池百合子東京都知事は先月30日、大阪市内で大村氏と日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事と会談し、「三都物語」と銘打った地方分権に関する共通構想を発表したばかり。希望の党事務局は当初、「小池氏が大村氏に要請した。連携強化のためだ」と説明。その直後に「内定だった」と説明を修正し、そのまま報道された。

希望側は詳しい説明を避けているが、新党を設立したばかりで膨大な事務作業に少ない人員で臨んでいることが背景にあるようだ。大村氏は5日、名古屋市内で取材に応じ、「顧問という肩書は考えておらず、メディアに聞いて驚いた。事務的な早とちりだったと思う」と困惑気味に語った。

離党の福山氏「すっきり」

手違いの極みの混乱の中にある民進党では、新たな動きも出た。党に残る参院議員を束ねる小川敏夫参院議員会長は5日、ツイッターで、前原誠司代表から「立憲民主党無所属候補者を応援することを容認する」と電話で伝えられたと公表。「私も立憲民主党の候補を応援する」と書き込んだ。

一方、民進党に離党届を提出したのは、前原氏と同じ京都選出の福山哲郎官房副長官。福山氏は会見後、そのまま枝野幸男立憲民主党代表の議員会館の部屋を訪問し、「入党させてください」と握手を求めた。

枝野氏は「ようやく立憲民主党幹事長が生まれた」と応じて幹事長に任命。福山氏は「すっげえ、離党してすっきりしました」と笑顔を見せた。

[][](政界地獄耳)希望の党、これでは小池の個人商店だ - 日刊スポーツ(2017年10月6日)

https://www.nikkansports.com/other/news/201710060000196.html

http://archive.is/2017.10.06-013039/https://www.nikkansports.com/other/news/201710060000196.html

希望の党と同党代表・小池百合子の「緑のタヌキ」ぶりは、いささか度を過ぎている。自身の都知事選のように自分のことだけならともかく、党を率いる代表でありながら前言を翻すなど、発言が二転三転する。都合が悪くなれば、「リセット」と言えば通用すると思うのは、国民をバカにしている。そもそも党代表以外の役職がないのもおかしなことだ。政治はゲームではない。国民を混乱させてはならない。これでは小池の個人商店だ。小池は新しい政治を模索し、「スピード感」やテレビでの「小池劇場」を演出するが、ただの思わせぶり政治ではないのか。

衆院選に出るか出ないかをメディアは追いかけるが、それはこの選挙の本質ではない。有権者にとって小池が都知事を辞めることの問題や、都知事でありながら国政に首を突っ込むならば、党代表を辞めるべきか否かが問われているのではないか。政治のレベル低下を食い止めようとする声が上がる。

立憲民主党代表・枝野幸男は「右か左かなんていうイデオロギーの時代じゃないんです。上からか草の根からか。これが21世紀の本当の対立軸なんです。保守とリベラルがなんで対立するんですか。保守とリベラルは対立概念ではありません」。自民党の英訳は「リベラル・デモクラティック・パーティー」。個人の自由や多様性を重んじる穏健な自由主義思想を左派というのは、55年体制の価値観。古い政治ではないのか。

★つまり小池は新しい政治を演出しているように見えるが、古い政治の踊り場にいるだけだ。この衆院選の本質を小池にずらされてはならない。(K)※敬称略

[][] 衆院選 譲れぬ争点、声上げる - 東京新聞(2017年10月6日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017100602000124.html

https://megalodon.jp/2017-1006-0938-35/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017100602000124.html

九条の会 「改憲勢力2/3占める危険」

十日公示、二十二日投開票の衆院選を前に、護憲派市民団体九条の会」は五日、東京都内で記者会見し、「戦後日本の『戦争しない国』を作ってきた憲法の役割に改めて思いを致し、改憲を許さないという声を上げよう」との声明を発表した。

会見したのは、事務局長を務める東大教授の小森陽一さんら。声明は「戦後日本の歴史と憲法の岐路に立って」とのタイトルで、来年の通常国会で改憲案が発議される可能性に触れた。東京都小池百合子知事が率いる新党「希望の党」が憲法改正を掲げたことを挙げ、「自公勢力が後退しても、改憲勢力が三分の二を占める危険性が高まった」と指摘した。

◆ママの会 「違憲の安保法看過できない

子育て中の母親らでつくる市民グループ「安保関連法に反対するママの会」もこの日、都内で記者会見し、東京や愛知、大阪など各地で活動するメンバーらが「だれの子どももころさせない」との横断幕を掲げて臨んだ。

発起人の西郷南海子さん(30)は「安保関連法は憲法違反だと考えている。安保関連法だけが選挙の争点ではないが、重大な憲法違反をそのままにしておくことはできない」と述べ、安保法制廃止を訴える候補者を支援する考えを示した。

◆銀座デモ 「市民と向き合う政治家選ぶ」 

安全保障関連法や原発再稼働、「共謀罪」法などに反対する市民団体らのデモが五日、東京・銀座などであり、約二千人(主催者発表)が参加した。十日公示の衆院選に向けて、「市民と向き合う政治家を選ぼう」と声を上げた。

反原発団体などが中心となって開催。日比谷公園から銀座までの約二キロを、「安倍政権NO!」と書かれた横断幕を掲げて行進した。東京都杉並区の会社員三村正次さん(56)は「選挙後は受け入れがたい社会になるかもしれない。安保法制や改憲に反対だという意思表示のためにデモに参加した」と話した。

これに先立ち、日比谷野外音楽堂で集会が行われ、野党連携を訴える市民団体安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」世話人の山口二郎・法政大教授(政治学)が「理念に忠実な政治が求められている」などと訴えた。

[][]<衆院選消費税使途変更 社会保障が縮まないか - 東京新聞(2017年10月6日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017100602000147.html

https://megalodon.jp/2017-1006-0940-08/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017100602000147.html

安倍晋三首相は消費税率を10%に引き上げた際の増収分の使い道を変更し教育へも投入すると表明、自民党の公約にも掲げた。だが、使途が拡大すれば社会保障費が削られないか心配になる。

首相が打ち出した幼児教育・保育の無償化や高等教育の負担軽減策を歓迎する声は少なくないだろう。その時に必要な政策に優先順位を付け財源を充てる。その判断は一見、当然にみえる。

首相は、高齢者に手厚い社会保障の給付を教育や子育てにも回す必要性を説明した。その財源に二兆円を使うと言う。

増税は慎重であるべきだし、増税分の使い方にも疑問が湧く。

増収分の使途は、旧民主党政権下の二〇一二年に自民、公明の三党で合意した「社会保障と税の一体改革」で決めた。税率を5%から二段階で10%まで引き上げ、増収分を社会保障の充実と赤字国債で賄っている社会保障費の“借金”返済に回すことにした。

首相は財政健全化に回す分を使う考えだが、それでは新規に赤字国債を発行することと同じになる。現役世代が負担を引き受け、将来世代に回さないことが三党合意の核心だ。これでは次世代にツケ回す構造は変わらない。

増収分の使途は消費税法に年金、医療、介護、少子化対策社会保障四分野に使うことが明記されている。これに教育を加えると使途の「拡大解釈」を許すきっかけになりはしないか。

幼児教育・保育が無償化されても、そもそも保育所に入所できなくては支援策とはならない。待機児童対策が最優先のはずだ。子育て支援の財源は税率10%時に七千億円を充てる予定だが、対策の緊急性から既に同額を投入している。それでも足りない状況だ。教育に財源を振り向けても待機児童対策の財源を確保できるのか。

疑問はまだある。

一体改革には医療・介護の費用を一兆二千億円削ることも盛り込まれている。既に給付減や負担増が始まっている。首相は社会保障費の自然増の抑制を「これからも続ける」と述べた。財政健全化が遅れれば、この分野の費用をさらに削る事態になりかねない。

首相は少子高齢化を「国難」と言い、使途の見直しが必要と言うのならこうした疑問にもしっかり答える責任がある。

希望の党は増税の凍結を公約に掲げる。ならば社会保障の将来像や財源確保策を語るべきだ。

 

[][] 国会出席拒まれた、ALS患者の岡部さん 共生社会へ論戦を - 東京新聞(2017年10月6日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201710/CK2017100602000136.html

https://megalodon.jp/2017-1006-0949-05/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201710/CK2017100602000136.html

衆院選(二十二日投開票)では、社会保障制度のあり方が重要な争点だが、障害者政策を巡る論戦は今のところ脇に追いやられている印象は否めない。昨年、衆院厚生労働委員会で障害を理由に出席を拒否された、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で日本ALS協会会長の岡部宏生(ひろき)さん(59)は「人にやさしい社会を実現するために、どのような政策を進めるのか論戦してほしい」と期待を寄せる。 (城島建治)

バリアフリーが進めば、障害者は街に出やすくなる。そこで健常者との交流も生まれる」

岡部さんは、二〇二〇年東京五輪パラリンピックに向けて、健常者と障害者が一緒に暮らせる共生社会を実現するため、交通インフラなどのバリアフリーを進めるとした安倍政権の方針を評価した。

一方、障害者の権利を守る障害者差別解消法が一六年四月に施行された後も、障害者に対する差別的対応が相次いでいることについて、岡部さんは「(バリアフリー推進だけでは)お互いの理解は進まない」と指摘する。障害の種類や程度をその人の個性として受け入れることが、社会の共通認識として必要と訴える。

自身が国会出席を拒否された経験について「質疑に時間がかかるなどの理由を挙げられ、ショックだった」。ALSなどの難病患者は、医療費負担などが増えているケースが少なくない。「経済効率性を優先する安倍政権の姿勢を見ていると、私たちは『社会の重荷』と言われている気がしてしまう」

障害者が暮らしやすい社会は『人にやさしい社会』。それは高齢者が住みやすい社会でもある。どう実現するのか、各党は根本的な論戦をしてほしい」と指摘。「選挙が終わっても続けてほしい。国民一人一人が考えるきっかけになるはずだから」と訴える。

<国会出席拒否問題> 衆院厚生労働委員会は2016年5月、入院中の難病患者らにヘルパーの付き添いを解禁するなどの障害者総合支援法改正案を巡り、岡部さんを参考人招致したが、「質疑に時間がかかる」として一転、出席を拒否した。国会運営を巡る与野党対立が背景にあった。批判が殺到し、渡辺博道委員長(自民)が岡部さんに謝罪。参院厚労委は岡部さんが出席して質疑した。

ALSは全身の運動神経が侵されて筋肉が縮み、次第に動かなくなる難病。岡部さんは声を出せないが、五十音が書かれた文字盤を視線で追い、考えを伝えることができる。本紙のインタビューは、ヘルパーが通訳し行われた。

[] カズオ・イシグロ氏にノーベル文学賞 長崎生まれの英国人 - 東京新聞(2017年10月6日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201710/CK2017100602000137.html

https://megalodon.jp/2017-1006-0940-59/www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201710/CK2017100602000137.html

ストックホルム=共同】スウェーデンアカデミーは五日、二〇一七年のノーベル文学賞を、長崎市生まれの英国人小説家カズオ・イシグロ氏(62)に授与すると発表した。代表作「日の名残り」や「わたしを離さないで」などで知られる。日本出身の作家としては一九六八年の川端康成(かわばたやすなり)、九四年の大江健三郎(おおえけんざぶろう)氏に次ぎ三人目、二十三年ぶりの受賞となる。同アカデミーは授賞理由について「偉大な感性を持った小説によって、世界とつながっているという幻想に潜んだ深淵(しんえん)を明らかにした」とした。 =世界観、日本が影響<2>歓喜の声相次ぐ<27>面

イシグロ氏は五日「予想していなかったニュースだ。世界の価値観が揺らぐ中、少しでも平和に貢献できればうれしい」とのコメントを発表した。ロンドンの自宅敷地内で行った記者会見では「私の世界観には日本が影響している。私の一部は、いつも日本人と思っていた」とも述べた。

五四年、日本人の両親の間に生まれた。海洋学者だった父の仕事の関係により五歳で渡英、八〇年代前半に英国籍を取得した。英語で執筆し、人間の意思疎通の難しさや記憶の不確かさをテーマとした一連の作品は情景描写の巧みさなどで高い評価を受けている。

アカデミーのダニウス事務局長は「完成度の高い作家。(英作家)ジェーン・オースティンと(チェコの作家)カフカの要素を併せ持っている」と評価した。授賞式は十二月十日にストックホルムで行われる。

イースト・アングリア大大学院で学んだ。八一年の短編小説を皮切りに、八二年、英国に在住する長崎出身の女性の回想を描いた長編小説「遠い山なみの光」で王立文学協会賞、八六年には「浮世の画家」でウイットブレッド賞を受賞。文壇で有力作家として地位を固めた。

八九年には「日の名残り」で、英国で最も権威がある文学賞ブッカー賞に選ばれた。同作品は九三年、アンソニー・ホプキンスさん主演で映画化された。二〇〇五年に発表した「わたしを離さないで」は世界的なベストセラーになり、後にキャリー・マリガンさんらの出演で映画化された。漢字表記は石黒一雄。日本語はほとんど話せないという。著作は四十以上の言語に翻訳された。

ノーベル文学賞の賞金は九百万クローナ(約一億二千五百万円)。授賞式は十二月十日にストックホルムで行われる。これまでにノーベル賞を受賞した日本人と日本出身者は計二十五人で、イシグロ氏を加えると二十六人となる。

[] イシグロさん「私の世界観に日本影響」 - 東京新聞(2017年10月6日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201710/CK2017100602000134.html

https://megalodon.jp/2017-1006-0942-35/www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201710/CK2017100602000134.html

ロンドン=共同】二〇一七年のノーベル文学賞受賞が決まったカズオ・イシグロさんは五日午後(日本時間同日深夜)、ロンドンの自宅敷地内で記者会見し「信じられない出来事だ。予想していなかった」と喜びを語った。「私の世界観には日本が影響している。私の一部は、いつも日本人と思っていた」と述べた。

イシグロさんは丸首のシャツの上に紺色のジャケット姿。庭のベンチに腰掛け、写真撮影に応じながら、詰め掛けた報道陣に「もう少しきちんとした格好で出てきたかった」と笑みを浮かべ、照れた様子を見せた。

受賞決定は電話で知らされたといい「冗談かと思った。フェイクニュース(偽のニュース)がはやっているので」とおどけてみせた。

スウェーデンアカデミーからは十二月十日に予定される授賞式に出席するかどうか聞かれ「もちろんです。他の予定はキャンセルします」と答えたという。

また手元に用意した紙に目を落としながら、世の中が不安定になっていると指摘し、ノーベル賞受賞によって「小さい形であっても、平和に貢献できればうれしい」と表情を引き締めた。

◆「普通の人に光」 ロンドン市民、作品評価

ロンドン=沢田千秋】今年のノーベル文学賞受賞が決まったカズオ・イシグロさんは、英国で最も有名な小説家の一人。受賞のニュースは、瞬く間にロンドン中に広がった。

スウェーデンアカデミーのダニウス事務局長は、特に「忘れられた巨人」と「日の名残り」の二作品を「傑作だ」と評価。英国のユーモア文学の大家P・G・ウッドハウスや独自の世界観で知られる小説家フランツ・カフカに例えた。

ロンドン市内の大型書店店員アンディ・リッチモンドさん(23)は「外国の作家の文章は不自然な部分があるが、イシグロの作品は英語で書かれているから読みやすい」と人気の理由を説明。「日の名残り」を購入したアレックス・ボードマンさん(24)は「イシグロの『わたしを離さないで』を読んだことがある。情緒的かつ知的な作品だった。『日の名残り』を読むのが楽しみ」と興奮気味に話した。

イシグロさんと交流のある英王立文学協会フェローのクリス・ビグズビー氏は「彼は二十代のころ、ミュージシャンを目指し、デモテープまで作っていた」と明かす。「文章に無駄がなく、普通の人に光をあて、人生の目的とは何か、過去に学ぶことの重要性と危険性などがテーマだった」と作品を高く評価した。

イシグロさんは、政治や社会に関する発言も多い。昨年、英国が国民投票欧州連合(EU)からの離脱を決めた後には、「この国はひどく分断されている」などと憂慮し、国民投票の再実施を求めた。

[] カタルーニャ 冷静に自治拡大の道を - 朝日新聞(2017年10月6日)

http://www.asahi.com/articles/DA3S13167888.html

http://archive.is/2017.10.06-003441/http://www.asahi.com/articles/DA3S13167888.html

有名な観光都市バルセロナを抱えるスペインカタルーニャ自治州は、古くから独自の文化や言語を持つ地域だ。

この州で今週、国からの独立を問う住民投票が行われ、中央政府との対立が高まっている。投票日には、警官隊と独立派の衝突で1千人近くが負傷した。

州側は、投票の9割超が賛成したとして、一方的な独立宣言の構えを見せる。これに中央政府は反発を強めている。

ここは双方とも冷静になるべき時だ。州側は無秩序な宣言に走ってはならない。中央政府も流血を起こした対応を猛省し、対話で解決策を探るべきだ。

混乱の背景には、どの先進国も悩む財政問題がある。

カタルーニャ国内総生産の2割を占める豊かな州だが、国の債務危機のために緊縮予算を強いられている。そのため税負担と交付金の分配が不公平だとの不満が高まっていた。

だが、この投票には法的な根拠がない。憲法は「首相の提言と下院の承認を経て、国王が国民投票を発議する」とするが、この手続きを経ておらず、憲法裁判所も差し止めを命じた。

地元も割れていることは、投票率がわずか4割だった事実が示している。多数の負傷は不幸だったが、州の指導者らが民衆の感情をあおるように国からの離反を叫ぶのは無分別だ。

中央政府も力による抑え込みでは秩序を取り戻せないばかりか、国民統合の責務も果たせないことを悟るべきだ。

賢明な選択は、双方が対話の席につき、自治権の拡大をめざす協議を始めることだろう。

バスク自治州では、所得税法人税を含む、ほぼすべての税徴収の権利が認められている。社会保障分野の権限強化などでも妥協点はあるはずだ。

カタルーニャには、財政問題より、深い歴史に根ざす感情がある。1930年代の内戦から75年まで続いたフランコ総統の独裁時代は抵抗の拠点だった。指導者らは投獄され、地元の言語や音楽なども規制された。

欧州には、独立や分離を志向する地域が各地にある。英国のスコットランド北アイルランドベルギーフランドル地方やイタリア北部などだ。

そうした地域の事情も考慮すれば、欧州連合(EU)はカタルーニャ問題で仲介的な関与を検討すべきではないか。

欧州は統合で「国家」の垣根が下がった半面、自国第一主義も広がっている。独立志向の地域に安定的な統治モデルを探ることは、EU全体の将来を考える上でも役立つだろう。

[](筆洗)カタルーニャ州議会は近く独立を宣言する構えだと伝えられる - 東京新聞(2017年10月6日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017100602000148.html

https://megalodon.jp/2017-1006-0943-31/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017100602000148.html

二十世紀音楽界の巨匠パブロ・カザルスが生まれて初めて、投票したのは、五十四歳の時だった。愛するカタルーニャに自治をもたらすため、一九三一年の選挙で一票を投じたのだ。

新生カタルーニャの出発を、彼はベートーベン交響曲第九番を指揮して祝ったが、わずか五年後にファシストが反乱を起こした。反乱軍が迫り、どんな明日が訪れるかも分からぬ状況で、カザルスは、第九の終楽章を奏で、歌って、お互いの別れのあいさつにしようと、楽団員に呼び掛けた。

<♪やさしき翼の飛び交うところ すべての同胞(はらから)はちぎりをむすんだ兄弟…>

その響きは無上のものだったと、巨匠はふり返っている(『パブロ・カザルス 喜びと悲しみ』)

その後の内戦と独裁政治でカザルスは亡命を強いられ、異国の地で生涯を終えた。彼が九十六歳で逝って、四十四年。カタルーニャで独立を問う住民投票が行われ、結果は「独立賛成」と出た。

しかし、スペイン政府はこれを頑として認めない。投票率の四割という低調さには、住民の複雑な思いもにじんでいるのだろう。独立がスペインはもちろん、カタルーニャ内部にも分裂と対立をもたらすのではないかとの懸念もある。

カタルーニャ州議会は近く独立を宣言する構えだと伝えられる。それは、カタルーニャの人々と「兄弟」にとって、「歓喜の歌」となるのだろうか。

[](余録)バルセロナカタルーニャ語バルサローナと発音する… - 毎日新聞(2017年10月6日)

https://mainichi.jp/articles/20171006/ddm/001/070/190000c

http://archive.is/2017.10.06-003649/https://mainichi.jp/articles/20171006/ddm/001/070/190000c

バルセロナカタルーニャ語バルサローナと発音する。だからサッカーのFCバルセロナを「バルサ」という。歴史上、宿敵レアル・マドリードとの対戦はしばしばスペイン中央政府との対決の様相を帯びた。

カタルーニャ民族主義が弾圧されたフランコ政権時代、レアルに1対11で敗れた試合は選手や審判に露骨な圧力をかけた政権への怒りと共に語り継がれる。逆に独裁末期の5対0での快勝とリーグ優勝は解放の象徴として記憶された。

カタルーニャ語の使用が禁じられたフランコ時代も土地の言葉が大声で叫ばれたバルサのスタジアムである。その無観客試合が行われた先日だった。カタルーニャ自治州の分離独立をめぐる住民投票の警察による妨害への抗議という。

スペイン憲法裁判所が法的正当性を認めないなか強行された住民投票だった。自治州政府は賛成90%という暫定結果を発表したが、投票率は独立反対派のボイコットで4割にとどまった。中央政府は投票は違憲として認めていない。

警察との衝突による流血で独立派の感情も高ぶるなか、州と中央の対立は深まる一方である。州首相は欧州連合(EU)の介入を求めたが、EUは内政問題だと取り合わない。週明けに独立が宣言されれば混乱は危険水域に達しよう。

「セニイ」はカタルーニャの民族性を表す言葉という。思慮深いリアリズム、バランス感覚のことで、この地域の経済繁栄の基礎である。民族が誇るべきものを見誤ってほしくないカタルーニャ州民だ。

[] 補助犬法15年 なぜ、まだ拒否するの - 東京新聞(2017年10月6日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017100602000146.html

https://megalodon.jp/2017-1006-0944-36/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017100602000146.html

身体障害者補助犬法の施行から十五年。盲導犬や聴導犬、介助犬と暮らす障害者の自立と社会参加を後押ししようと定められた。だが、残念ながら受け入れ拒否が絶えない。理解をもっと広げたい。

不特定の多くの人々が利用する交通機関や飲食店、ホテル、病院といった公共性の高い場所に補助犬の受け入れを義務づけている。二〇〇二年十月から施行された。

一定規模以上の事業所は、補助犬同伴での勤務を拒めないとの規定も途中で入った。

補助犬盲導犬のほか、聴導犬、介助犬の三種類。聴導犬は呼び鈴や電話、警報機など多様な音色を聞き分け、聴覚障害者に知らせ、誘導する。介助犬は指示された物を持ってきたり、脱衣を手伝ったりと肢体不自由者を支える。

そうした重要な使命と役割を担っているのに、まるでペットのように拒絶される事例が相次ぐ。

例えば、昨年三月には、金沢市のタクシー運転手が盲導犬を連れた男性の乗車を拒んだ。車内が汚れると思ったという。国土交通省道路運送法の引き受け義務違反で、タクシー会社行政処分を出したが、ほんの一例にすぎない。

二年前、NPO法人日本補助犬情報センター(横浜市)が尋ねたら、法律を説明しても同伴を拒否された経験があると答えた人は四十七人中三十一人、66%に上った。障害者の暮らしの手段という意識がまだまだ乏しいようだ。

とはいえ、昨年四月から施行された障害者差別解消法は、補助犬の同伴を理由にサービスを拒否したり、制限したりすることを差別として禁じた。もはや人権の問題として捉え直さねばならない。

国によれば、四月現在、盲導犬は九百五十頭、聴導犬は七十五頭、介助犬は七十一頭を数えた。十年前に比べ、盲導犬はほぼ横ばいだが、聴導犬は六倍、介助犬は二倍に増え、需要が伸びている。

補助犬は福祉サービスとして無償で貸与されるが、一頭の育成に三百万〜五百万円程度かかるという。育成団体は多くを寄付金に頼っていると聞く。安定供給に向け、公的支援を厚くしたい。

補助犬の使用者は、胴輪などにその旨を表示し、認定証と公衆衛生上の安全性を示す健康管理手帳を携帯し、求められたら提示せねばならない。周りに迷惑を掛けないよう重い責任を負っている。

東京五輪パラリンピックには、世界各国から補助犬が来日するに違いない。快く受け入れることができる社会でありたい。

[](大弦小弦)本土への米軍基地引き取りに「道理」は立つのか…沖縄タイムズ(2017年10月6日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/152629

https://megalodon.jp/2017-1006-0945-18/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/152629

本土への米軍基地引き取りに「道理」は立つのか。高橋哲哉東大大学院教授が都内であったシンポジウムで、一部で論議になっている批判や異論に答えていた

▼まず「引き取り論は日米安保容認になる。沖縄の負担解消は安保解消で行うべきでは」という疑問。これには、安保解消まで沖縄を待たせられないとし「現実に安保がある中で基地反対行動をすることと、安保を認めることは違う。そうでないと、どんな行動も否定されてしまう」

▼次に「本土に基地被害を移すことになる。責任を取れるのか」という批判。これには、沖縄への米軍占領継続を望んだ終戦直後昭和天皇メッセージや、本土から来た海兵隊の歴史を挙げ「本土が負うべきものを沖縄に押し付けてきた。日米地位協定を改定して被害が出ない体制をつくればいい」

▼「根本的解決にならない」との指摘は、「まずは基地を減らす。米軍解体論こそ非現実的で、沖縄に基地を固定化する」と切り返した

▼「反対運動を分断する」という批判もあるそうだが、「本土側が拒むことを前提にしている。引き取りに協力すれば沖縄との連帯が生まれる」と説く

▼学者らしい明快で分かりやすい説明だ。〈道理に向かう刃(やいば)なし〉。ことわざにあるように、基地を巡る誤解、無理解がはびこる昨今、筋の通った理(ことわり)は胸に響く。(西江昭吾)

[]9・25沖縄シンポジウム ヤマトンチュの選択−問われる責任、その果たし方 - 琉球新報(2016年9月30日)

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-378490.html

http://archive.is/2017.10.06-010709/https://ryukyushimpo.jp/news/entry-378490.html

【東京】沖縄の米軍基地を日本本土に引き取るべきかどうかなどを問う「9・25沖縄シンポジウム ヤマトンチュの選択−問われる責任、その果たし方」(同実行委員会主催)が25日、東京都千代田区東京しごとセンター講堂で開かれた。

このシンポは昨年9月、沖縄の自己決定権をテーマにした議論から始まり、今回で4回目。引き取り論の是非を巡る本格的な討議は都内では初めてとなる。

本土への基地引き取り論者の高橋哲哉東京大学大学院教授と引き取り論に否定的なジャーナリストの成澤宗男さんが対論した。200人以上が参加し、熱心に耳を傾けた。

高橋哲哉氏(東京大大学院教授) 「安保解消」まで本土に

【冒頭発言】

沖縄への基地集中、辺野古基地問題は非常に厳しい。基地引き取り論は私自身、日米安保体制に反対であること、基地集中が構造的差別であることも前提だ。現在の沖縄の差別的状況は、薩摩侵略あるいは琉球併合から続く歴史的な沖縄差別の現在的な在り方だ。

基地引き取り論は、安保廃止だけでは沖縄から出てきた県外移設論に応答し切れないと考えた結果だ。理由の一つは、各種世論調査で国民の圧倒的多数、最近では9割近くが安保支持だ。昨年の調査では私を含め「解消すべき」はわずか2%。この状況で安保を解消する政府ができるには極めて時間がかかる。一方で、今の体制は沖縄を犠牲にしてのみ成り立つ。

政治もメディアも「安保維持支持」であれば、少なくとも私たちは安保解消までは沖縄の米軍基地を引き取るべきだ。在沖米軍基地は原理的には本来、本土に置かれるべきだ。新・旧安保とも沖縄選出国会議員が1人もいない中で成立・改定され今日に至っている。安保を政治的に選択してきた本土の力で沖縄への基地集中を変えるべきだ。

辺野古問題で日米政府は「辺野古が唯一」と言っている。これに対し基地引き取りを打ち出せば「唯一ではない」と反論できる。それは辺野古の闘い、安保反対いずれとも矛盾しない。日米政府の言い分を崩す意味でも本土への引き取りを市民から示し、政府に真剣に検討させる選択肢があるはずだ。

日本政府は本土で反対が起きることを口実に沖縄に基地を押し込めてきた。逆に本土が受け入れるとなれば選択肢が増える。そうすれば、普天間返還合意以降の混迷の20年はなかったかもしれない。辺野古を阻止できた場合、日米政府は普天間を固定化すると言う。その時に本土で引き取るとなれば少なくとも普天間は返還される。

[高橋氏への反論 成澤宗男氏]どの県にも基地はいらない

私たちにとって責任とは何か。それは、私らの子どもたちに米軍のない日本にすることだ。高橋さんは「安保への当事者意識を持たせる」と言うが、多くの米軍基地を抱える神奈川県でさえ保守王国だ。本当に当事者意識を持っている人は少ない。基地がある自治体でさえそうなのに、日本にあまねく基地を置くことで当事者意識が広がるのはいつになるのか。そんな時間があるなら「安保をなくして米軍基地は出て行け」と言うことが優先だ。

沖縄では自衛隊が強化されている。これからもそうだろう。米軍基地を引き取れとは言うが、自衛隊のそれは聞いたことがない。自衛隊はいいのか。そうではないはずだ。米軍であれ、自衛隊であれ、基地はいらない。どんなに状況が苦しくても「あなたの県はゼロなので基地を置きなさい」とは言ってはいけない。どこにも人殺しの基地はいらない。それを貫く以外に選択肢はない。安保の枠をいったん認め、安保をなくすというのはあり得ない。原則は、いらない物はいらない、あっていけない物はあっていけないのだ。だから安保撤廃まで歯を食いしばって頑張るしかない。

米軍ジェット機事故があった宮森小を訪れると心が痛む。しかし日本でも同じような事故があった。人の生き死にに差別はない。

基地引き取り論は戦争に対する意識の後退だ。今一番直面しているのは「日本国憲法を持っているから私らは素晴らしい」ではなく、戦争への加害の側面だ。日本から出撃した米軍機が世界中で戦争を起こしている。私たちの税金で米軍の戦争に加担している。それを知れば、基地をどこが引き受けるかは意味をなさない。

日本の植民地主義と言うが、根源は米国の植民地主義だ。沖縄の米軍基地の集中、人権侵害はその結果だ。植民地主義の問題は米国と日本の間にも存在する。日本と沖縄の一方的問題ではない。それを打破するには日本と沖縄が共通の敵と闘うしかない。なぜそこに分断を持ち込むのか。基地引き取りは米国に向かって言うべきだ。共に手を携え、日本から基地を持って行けと。