加計学園認可を答申した設置審委員が「みんな納得していない」「訴訟で脅された」と告発も、安倍首相は国会から逃亡 - リテラ(2017年11月14日)

http://lite-ra.com/2017/11/post-3585.html

一体どこまでトンズラをつづけるのか。本日14日に加計問題について質疑がおこなわれる予定だった衆院文部科学委員会だが、昨日の理事懇談会で与党側の筆頭理事である自民党鈴木淳司衆院議員が質問時間の配分を与党・野党で「5対5にしたい」と要求。これに対して野党側の筆頭理事を務める立憲民主党川内博史衆院議員は応じず、本日の委員会は開催が見送られたのだ。
川内理事が自民党の要求を突っぱねたのは当然の話だ。自民党の鈴木理事は質問時間を「5対5」とすることの理由を「与党が(法案内容を)事前審査する法案審査ではない」からと主張したというが、疑惑は安倍首相の問題であり、その当人が「丁寧に説明する」と繰り返し訴えてきたのではないか。安倍自民党は「質問時間に野党が折り合わないから」と難癖をつけることで、加計疑惑の質疑時間を削っているとしか考えられない。
そもそも、実質数日間しかなかった特別国会を12月9日まで延長することで「疑惑から逃げてない」とポーズをとった安倍首相だが、会期中にはトランプ米大統領の来日や外遊日程が詰まっていることを見越してのこと。実際には加計問題の質疑が十分におこなわれることはない。
しかも、本日は全国の自治体でJアラートの訓練が大々的におこなわれているが、安倍首相は北朝鮮への圧力強化をあれだけ口にしながら、国会開催を逃げ回ってきたことによって北朝鮮の非難決議の採択さえ見送られつづけているのが現実だ。結局、北朝鮮の脅威とやらよりも、実際は加計問題から逃げることが優先されているのである。
しかし、安倍首相が逃げようとも、加計問題は吹き出すマグマのように、疑惑が次から次へと噴出しつづけている。
そのひとつが、文科省の大学設置・学校法人審議会(設置審)から飛び出した疑義だ。
ご存じの通り、設置審は9日に加計学園獣医学部の新設を認める結論の答申をしたが、設置審の委員のひとりが「みんな納得していない。忸怩たる思いだ」とTBSの取材に語っているように、委員たちがマスコミに不満を漏らしているからだ。
改善されていなかった教育内容、教員の3分の1が65歳以上
たとえば、委員のひとりは以前から疑義が呈されていた加計学園獣医学部の実習計画について「改善されていないのでは」とし、「(現在全国にある獣医学部)16大学のなかでもっとも教育の内容は低いと思う」と回答。
さらには、こんな報道まである。NHKは、設置審の議論では委員が「依然として実習体制が十分でない」と指摘したところ、〈取りまとめ役を務めた委員〉がこう述べたと伝えている。
「設置審としてこれ以上認可を先延ばしにすれば、学園側と訴訟を含めたトラブルになる可能性がある」
実習体制の不備を指摘するという当然の意見に、訴訟の可能性をもち出す……。この発言に対して「訴訟という言葉を聞かされ、何も言えなくなった」と話す委員もいたという。
設置審は専門的見地から教育内容などを審査する機関であって、訴訟リスクを考慮するような場ではけっしてない。以前から設置審の議論は非公開のため、「文科省が認可へ誘導する可能性はないのか」「委員のなかには官邸や加計学園の息がかかった人物がいるのではないか」と訝る声があがってきたが、その不信感が的中したとしか言いようがないだろう。
問題点は実習計画だけではない。加計孝太郎理事長は設置審の判断を受けて、こんなコメントを発表した。
〈国際的に通用する人材を養成するために、獣医学科75名、獣医保健看護学科12名という充実した教員組織を備えます〉
加計理事長はこう胸を張るが、この教員数はとても自慢できるような数字ではない。事実、加計学園獣医学部は定員140人としているが、国内の獣医学部でも最高レベルとされる北海道大学は学生80人に対して教員は100人弱。学生よりも教員数のほうが上回る体制なのだ。北大の稲葉睦教授も「(教員)75人でやろうとしたら寝てられないと思いますよ、先生方」と述べている(10日放送『NEWS23』より)。
しかも、今年10月の文科省学部等設置認可申請書類から加計学園獣医学部の教員名簿を確認すると、獣医学科の教授はじつに11人が70歳以上。65歳以上が8人もいるのだ。私大教員の定年は一般的に65〜70歳といわれているが、獣医学部の新設後、定年を迎える教員が続出することは間違いない。その上、そうした教員が5〜6年次におこなわれる「卒業論文」の科目を担当としているなど、杜撰さが目立つのだ。
設置審の委員からも「加計学園の申請内容は4条件を満たしていない」
そして、最大の問題は、政府が獣医学部新設を認める条件として2015年に閣議決定した「4条件」が、加計学園は満たしていないのではないかという疑問だ。
この問題については、設置審の委員からも「加計学園の申請内容は4条件を満たしていない」と声があがったというが、文科省担当者は「4条件は特区での検討事項であり、この審議会では審査しない」などと述べたという。
たしかに4条件を満たしているか否かの議論は設置審がおこなうものではない。前川喜平・前文部科学事務次官が本サイトのインタビューで述べたように、「設置審の審議は、既存の基準に照らして設置するかどうかを判断する」場であり、4条件については、それ以前に国家戦略特区諮問会議でチェックされるべきものだからだ。
しかし、安倍首相が「すべて公開されている」と言って憚らない国家戦略特区諮問会議の議事録を精査しても、4条件についての議論はまったくなされていない。設置審委員から疑問の声があがるのは当然だろう。
前川氏は「設置審に加計学園が提出した内容を、あらためて諮問会議で審査すべき」と主張していたが、そのとおりで、本来なら、定員やカリキュラムが出揃ったいま、国家戦略特区諮問会議が閣議決定された4条件に加計学園が合致するのか否かを検討し、その上で文科大臣が認可判断しなければならない。だが、そのような正当なプロセスはやはり踏まれることなく、本日、林芳正文科相加計学園獣医学部新設を認可する予定だ。
弁護士や大学教授などで結成されたグループ「加計学園問題追及法律家ネットワーク」も指摘しているように、これは《内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する》という内閣法第6条違反にあたる可能性が極めて高い。
疑惑はまだある。獣医学部が設置される今治キャンパスをめぐっては、建築費水増しによる補助金詐欺疑惑が浮上しているが、校舎の設計を担当するSID創研の取締役は、加計孝太郎理事長の妻である泰代氏であるという。この問題について、「AERA dot.」の取材に応じた「今治市民ネットワーク」共同代表の村上治氏は、「加計孝太郎氏が今治市民の税金をSID創研を通じてマネーロンダリング資金洗浄)して、妻に流す装置なのではとの批判は残ります」と指摘している。
加計問題は韓国の朴槿恵前大統領の事件と同じ問題だ
ここまで挙げてきた問題は当然、国会でしっかり追及されるべきだ。しかし、疑惑が湧き上がっても安倍首相がトンズラしてきたことによって、ついには文科相が新設認可をおこない、疑惑の校舎建築は着々と進むという状況にいたったのである。異例中の異例で国会を冒頭解散し、大義なき総選挙まで仕掛けて、疑惑から遁走すると同時に加計学園獣医学部の2018年4月開学という「総理のご意向」を貫徹させたのだ。ここまで国民を馬鹿にした話が、かつてあっただろうか。
藤井裕久財務相は先日、「加計問題は韓国の朴槿恵と同じ問題」「朴さんは近親者に便宜を図り弾劾を受けている。安倍さんも弾劾を受けるべき」(TBS『時事放談』5日放送)と語った。だが、朴大統領の弾劾の背景には国民世論の高まりがあった一方、この国はメディアの忖度によって「怒り」がコントロールされてしまっている。だからこそ、加計問題は政治の私物化という弾劾に値する重大疑惑なのだということをいま一度確認し、政治の私物化にきちんと怒りを露わにしなければならないのだ。
(編集部)

文科相「加計学園」獣医学部 来年4月開学を正式認可 - NHK(2017年11月14日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171114/k10011222611000.html
https://megalodon.jp/2017-1114-1057-14/www3.nhk.or.jp/news/html/20171114/k10011222611000.html

文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で、学校法人「加計学園」の獣医学部について、文部科学省の大学設置審議会の答申を踏まえ、来年4月の開学を、14日正式に認可したことを明らかにしました。

加計問題 衆院文科委開催見送り、質問時間の配分議論 平行線 - TBS NEWS(2017年11月13日)

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3210857.html
https://megalodon.jp/2017-1114-0909-47/news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3210857.html

学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐって、衆議院文部科学委員会は14日の開催を目指して与野党間で協議を進めてきましたが、質問時間の配分で折り合わず14日中の委員会は見送られることになりました。
衆議院文部科学委員会をめぐっては、10日に文部科学省の審議会が「加計学園」の獣医学部の設置を認める答申を出し、14日にも正式に認可される見通しであることから、与野党間でその日のうちに委員会を開会する方向で調整を進めてきました。しかし、与野党の質問時間の配分をめぐり、自民・公明の与党が「5:5」の比率を求めたのに対し、立憲民主党などの野党はこれまでの慣例に従って「野党8:与党2」とするよう求め、話し合いは平行線をたどりました。
このため、14日の委員会は見送られ、審議日程や質問の時間配分について改めて与野党間で協議することになりました。

与野党の質問配分見直し 自民党の主張は間違いだ - 毎日新聞(2017年11月14日)

https://mainichi.jp/articles/20171114/ddm/005/070/122000c
http://archive.is/2017.11.14-000203/https://mainichi.jp/articles/20171114/ddm/005/070/122000c

今月1日始まった特別国会は、首相指名選挙の後、何の質疑も行われず、質問時間の見直しをめぐる与野党の対立が続いている。
そもそも自民党が野党の質問時間を削り、与党の時間を増やすと言い出したこと自体が誤りである。具体的には従来の「与党2対野党8」の配分を「5対5」にするよう求めているが、野党が反対するのは当然だ。早急に提案を撤回すべきだ。
見直しを主導したのは安倍晋三首相や菅義偉官房長官ら官邸側だと思われる。菅氏は「議席数に(時間配分も)応じるのは国民からすればもっともだ」と踏み込んでいる。
だが議院内閣制の下では政府と与党は一体をなす。一方、国会は政府を厳しくチェックするのが大きな役割だ。それを考えれば、同じ議院内閣制の英国やドイツもそうであるように、質問時間を野党に手厚くするのは合理的な話だろう。
しかも自民党には「事前審査」の慣習がある。与党は政府の政策や法案に関し、政府から国会提出前に説明を受けて質問する時間が確保されており、情報量において野党とは大きな差がある。
質問の中身を見ても、これまで与党側の質問は政府の方針に同調し、礼賛して終わる例が多かった。ましてや「安倍1強」と言われ、首相への異論がほとんど出ない今の自民党だ。質問時間を増やして国会審議が充実するとは思えない。
改めて指摘しておくが、首相の地位は国民の代表による国会の首相指名選挙を通じて与えられる。首相は野党を含む国会全体に説明責任を果たす必要がある。質問時間見直しは国会の空洞化につながりかねない。
先の衆院解散は加計学園森友学園をめぐる疑惑隠しが狙いではないかと批判されてきた。衆院選自民党が大勝した途端に、こんな提案を持ち出すのは、やはり両問題を追及されるのを首相が嫌がっているからだと見られても仕方があるまい。
質問時間をめぐる与野党協議が決着しないことから、加計問題を質疑する衆院文部科学委員会の日程も固まらない。
衆院選後「謙虚に」と繰り返した首相自らが撤回を自民党に指示すると同時に、予算委員会などに首相が出席して丁寧に説明するのが筋だ。

(政界地獄耳)憲法問題が政界再編へ、公明離脱の可能性も - 日刊スポーツ(2017年11月14日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201711140000228.html
http://archive.is/2017.11.14-015230/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201711140000228.html

★好調な与党の中で敗北した公明党。同党代表・山口那津男は12日のラジオ日本の番組で、憲法改正について「国会で多数を形成し、無理やり発議をして、国民投票でぎりぎり過半数の賛成が取れたという改正は望ましくない。大きな反対勢力が残り、国民の憲法としては不幸な誕生になってしまう。国会で3分の2以上が賛成して憲法改正を発議する背景には、それ以上の国民の支持があることが望ましい。木の実が熟すような進め方が基本だ」と自民党の性急な改憲への動きを強くけん制した。
★10日には同党憲法調査会長を務める党中央幹事会会長・北側一雄も「事前に与党協議をするたぐいの話ではない」と自民党との会見についての協議に否定的な考えを示すとともに「公明党案を提示する予定はない」と、改憲論と距離を置く発言を強調している。各メディアの世論調査を見ても、改憲論は賛否が大きく分かれるとともに、どこを改憲するかによっても考えが分かれる。
★「憲法問題が政界再編につながる可能性は大きい。公明党は場合によっては連立を離脱する場合も考えられる。無論、日本維新の党、希望の党民進党など自民党の2軍が待機しているから、与党を構成しなくても公明党以上に尻尾を振ってついてくる」と自民党に近い政界関係者はいう。連立組み替えがすでに視野に入っているということか。別の政界関係者が言う。「公明党は自力で党勢を立て直すことができる。だが、その場しのぎで党や政策が変わることをいとわない議員たちのいる党はあっという間に消滅する。つまり維新や希望など、その時々で与野党を渡り歩く『ゆ』党は憲法改正の時だけの使い捨てになる可能性があることを忘れてはいけないし、有権者が忘れまい」。憲法改正の駆け引きはすでに始まっている。(K)※敬称略

公明、慎重姿勢強める 改憲「国民3分の2以上支持で」 - 東京新聞(2017年11月14日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201711/CK2017111402000106.html
https://megalodon.jp/2017-1114-1025-19/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201711/CK2017111402000106.html

公明党から衆院選後、改憲に前向きな自民党の動きにくぎを刺すような慎重発言が相次いでいる。山口那津男代表は十二日放送のラジオ日本番組で、国会発議には衆参両院の三分の二以上の賛成が必要なことを踏まえ「それ(三分の二)以上の国民の支持がある状況が望ましい」と強調した。連立政権として安全保障関連法や「共謀罪」法の成立で自民党に協力しながら、衆院選議席を減らしたことへの危機感が漂う。
山口氏は改憲について、仮に国民投票の結果が可決に必要な過半数ぎりぎりの場合は、大きな反対勢力が残り「不幸な誕生となる」と指摘。立憲民主党の名を挙げ「野党第一党との合意をつくり出す努力が大事だ」と語った。安倍晋三首相らが改憲を「結党以来の党是」としていることにも「党是だから結果を出したい、とアプローチすると誤る」とけん制。国会論議について「改憲を否定しない勢力でも、何をどう変えるか相当隔たりがあり、煮詰まっていない」と語った。
衆院選自民党が大勝した一方で、公明党は六議席減の二十九議席にとどまった。与党に希望の党など野党の一部も加えた「改憲勢力」は三分の二を大きく超えた。参院は希望が三議席しかないこともあり、改憲勢力は公明を除くと三分の二に届かない。公明の協力がなければ改憲は困難だ。
自民党改憲議論を進める中心議員は公明党に「安保法と同様にチームをつくり合意をはかりたい」と期待を寄せる。だが安保法の与党チームで公明党責任者を務めた北側一雄憲法調査会長は「憲法は法律とは相当性格が異なる。事前に与党協議する類いの話ではない」と突っぱねている。
公明党が全国の地方幹部を集めて衆院選を総括した十日の会合では、「平和の党」として九条改憲への党見解が曖昧だとする意見も出た。(我那覇圭)

「高校生に退出要求もできる」核保有国が日本に圧力か 平和大使の演説阻止 外務省公電で判明 - 西日本新聞(2017年11月14日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171114-00010001-nishinpc-soci&p=1
http://archive.is/2017.11.14-011718/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171114-00010001-nishinpc-soci&p=2

2014年以降、毎年8月にジュネーブ軍縮会議核兵器廃絶を世界に訴えてきた日本の高校生平和大使の演説が今年は見送られたことに関し、核保有国とみられる一部の加盟国が今年2月以降、高校生にスピーチをさせないよう日本政府に圧力をかけていたことが、西日本新聞が入手した外務省の公電で分かった。同国の軍縮大使は「自分は高校生に議場から出て行くよう求めることもできる」などと日本の軍縮大使に迫り、当初強く反論していた日本側も見送りに応じた。
本紙は外務省に、この問題に関する情報公開を請求。軍縮会議日本政府代表部の高見沢将林軍縮大使がジュネーブやウィーンで他国の軍縮大使らから受けた「問題提起」について、岸田文雄外相に報告した公電などが開示された。公電は秘密指定を解除されているが、相手国名や発言の詳細は黒塗りにされていた。
公電の国名は黒塗り、核保有国か
高校生平和大使は、日本政府が1日だけ政府代表団に登録する形で、軍縮会議本会議場でスピーチを認められてきた。開示された公電や外務省の内部文書によると、同国の軍縮大使や次席が今年2月以降、日本側に「軍縮会議の手続き規則は、高校生が政府代表団の一員になることを認めていない」と数回にわたり指摘。「毎年続くようであれば、しかるべき対応をせざるを得ない」とスピーチの見送りを求めた。
日本政府側は当初「若い世代の活動を通じて、核兵器使用の惨禍について正確な認識が深まり、『核兵器のない世界』に向けた国際社会の機運が高まっていくことを期待している」などと反論した。
しかし、同国の軍縮大使は「自分は高校生に本会議場から出て行くよう求めることもできるし、実際にそうすることも考えたが、無垢(むく)な高校生を困惑させることはしたくないので思いとどまった経緯がある」「今後は手続き規則違反として異議を申し立て、ブロックする」とまで迫った。
こうした要請を受け、外務省は見送りを決めたという。理由について外務省は(1)高校生を政府代表団に含めるには加盟国の合意が必要なため、手続き上難しい(2)本会議場で高校生がスピーチしようとしても、報道機関に公開されている場で止められてしまいかねない−と説明している。
公電の国名は黒塗りされているが、前後の文脈などから核保有国とみられる。
外務省軍備管理軍縮課は「強硬な言い方で問題提起する国が出てきたのは今年になってからだが、手続き面を問題視する声は以前からあった。(今年7月に採択された)核兵器禁止条約の制定とは無関係。来年以降の対応は未定」としている。

■背景に核禁止条約も
<鈴木達治郎・長崎大核兵器廃絶研究センター長の話>
高校生のスピーチをここまで強く阻むのは異常だ。昨年までは容認していたことを考えると、核兵器禁止条約制定の動きも踏まえて核保有国が被爆国・日本に核保有国寄りの態度を鮮明にするよう圧力をかけたのではないか。スピーチを例年通りに行うと、軍縮会議の円滑な運営に影響を与えるリスクはあるが、公の場でスピーチに抗議するほどの理由があるとは思えない。日本として堂々と主張を貫く選択肢もあったかもしれない。「核なき世界」への日本の立ち位置をもっと明確にし、核保有国と非保有国の橋渡しのための政策をきちんと作っていくべきだ。

<学校と新聞>選挙結果報道の比較 自ら価値判断できる力を - 東京新聞(2017年11月14日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/education/nie/CK2017111402000166.html
https://megalodon.jp/2017-1114-1027-50/www.tokyo-np.co.jp/article/education/nie/CK2017111402000166.html

群馬県太田市の小中高一貫校ぐんま国際アカデミー」は、中等部の生徒(中学三年)が衆院選投開票翌日(十月二十三日)の新聞各紙の見出しや社説を読み比べる授業を行った。選挙結果の評価がそれぞれ異なることを知ることで、新聞のみならずテレビやインターネットにあふれる情報を比較しながら、自分で価値判断できる力を身に付けるのが目的だ。
同校は批判的思考力の育成が教育目標で、授業はその一環として実施。東京、朝日、毎日、読売、産経、日経と、群馬県の県紙である上毛、の計七紙を比較した。
生徒たちは三〜六人のグループに分かれ、各紙の一面と社説を読んで見出しをワークシートに転記。続いて衆院選の結果に対し、どの新聞が肯定的か、否定的か、を話し合った。
ある男子生徒は産経の社説「自公大勝 国難克服への強い支持だ」を取りあげ「相当積極的に支持しているのでは」と主張。女子生徒の一人は東京の社説「首相は謙虚に、丁寧に 安倍政権が継続」を読み「(政権の)批判をずばずば書いている。かなり否定的」と指摘した。
朝日の社説「政権継続という審判 多様な民意に目を向けよ」を読んだ別の男子生徒は「自民の力で勝ったわけじゃないと言いたいのだと思う」と感想を述べた。
授業後、金子莉紗(りさ)さん(15)は「読み比べてそれぞれの新聞のスタンスを知ることができた。どちらかの考えに偏らず、両方を取り入れて自分の考えを決めるように心掛けたい」、高橋旭光(ひかる)君(14)は「僕たちは将来いろんな選択をしないといけないので、比較して検討することはとても大事だと思った」と語った。
授業を企画した社会科の今井信一先生(30)は「生徒にはいつも、メディアの情報は書き手のフィルターを通っていることを伝えている。この子たちがこれからの人生で、情報を吟味して価値判断し、行動する第一歩になってくれればうれしい」と話した。 (上田融)

日中首脳会談 接点見いだす努力こそ - 朝日新聞(2017年11月14日)


http://www.asahi.com/articles/DA3S13226212.html
http://archive.is/2017.11.14-013232/http://www.asahi.com/articles/DA3S13226212.html

アジアの安定に向けて日中が役割を果たせるよう、両首脳の粘り強い努力を期待する。
安倍首相が中国の習近平(シーチンピン)国家主席と訪問先のベトナムで会談し、関係改善で一致した。
象徴的なのは、この首脳会談を「日中関係の新たなスタートになる会談だ」と位置づけた習氏の言葉である。
中国共産党大会を終えた習氏と、衆院選で圧勝した安倍氏。ともに政権基盤を固めた両首脳にとって、長く停滞してきた日中関係を仕切り直す環境が整ったということだろう。
この機運を生かしたい。一度も実現していない両首脳の相互訪問など日中関係の進展はもちろん、アジアの安定に向けた両国の協力につなげてほしい。
いま日中が角を突き合わせている場合ではない。喫緊の課題は、北朝鮮の核・ミサイル開発による挑発にどう歯止めをかけるかだ。
会談で両首脳は、国連制裁の完全な履行に向けた緊密な連携を確認した。
北朝鮮の最大の貿易相手国である中国の協力がなければ、制裁の実効性は保てない。中国もこれ以上、北朝鮮への制御が利かなくなる事態は避けたい。
ただ、対話重視の中国と、圧力重視の日本とでは力点に違いもある。米韓、さらにはロシアと歩調をあわせて北朝鮮の非核化をどう実現するか、日中間の綿密な調整が求められる。
先の日米首脳会談で共通戦略として打ち出した「自由で開かれたインド太平洋戦略」も、中国のシルクロード経済圏構想「一帯一路」と競り合うばかりではなく、日中で協力の余地がないかを検討すべきだ。
中国が重視する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)も同様だ。立場に違いはあっても、多国間の枠組みをめざす日中の方向性は一致している。接点を見いだす努力が必要だ。
一方、東シナ海南シナ海での中国の強引な海洋進出は地域に影を落とし続けている。
中国側によると、習氏は会談で「互いに脅威にならないという戦略的共通認識を体現することを希望する」と強調した。ならば中国も、脅威になるような行動をとるべきではない。
安倍首相はきのう李克強(リーコーチアン)首相ともフィリピンで会談。日中の関係改善を印象づけた。
日本にとって、日米同盟や日米韓の連携は欠かせないが、それだけで十分ではない。
アジアの責任ある二つの大国が認識と行動をともにする。一歩一歩の努力の先にこそ、地域安定への道は見えてくる。

男女平等日本114位 政界に女性増やす施策を - 琉球新報(2017年11月14日)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-612984.html
http://archive.is/2017.11.14-013436/https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-612984.html

男性優位なこの国の政治は、今衆院選でも変わる兆しはなかった。立候補者の一定割合を女性に割り当てるクオーター制など、女性議員を増やす仕組みづくりに本腰を入れるべき時だ。
ダボス会議を主催するスイスの「世界経済フォーラム」が発表した2017年度版の男女格差報告で、日本は144カ国中114位となり、過去最低だった前年の111位からさらに後退した。先進7カ国では最下位という残念な結果になった。主な要因は政治家と企業幹部に女性が少ないためだ。
差指数は女性の地位を経済、教育、政治、健康の4分野で分析し、ランキング化した。指数を分野ごとに見ると日本社会の課題が分かる。
「政治」は123位と前回から20も順位を下げた。国会議員の男女比が偏っていて、女性閣僚の比率が低いことが順位を押し下げている。
「経済」はほぼ横ばいの114位だった。労働参加率、賃金の男女差はそれほど大きくないものの、男女の収入格差が大きく、専門職や技術職で女性が少ない。女性にパートタイムや非正規雇用が多いことを示唆している。幹部・管理職の割合も男女差が大きい。
格差はそれほど大きくないが、問題があるのは「教育」だ。日本は中等教育までは男女はほぼ平等だ。しかし大学進学率で男女差があり、さらに理工学系などの分野での男女比が大きく偏っている。高等教育を受ける機会が少ないことが女性の就職に影響し、ひいては管理職の少なさや収入格差につながっているのではないか。
格差を是正するために、まずは政治分野で女性の政界進出を促す取り組みを進めるべきだ。今衆院選も女性の割合は全立候補者の17%、当選者の10%にとどまる。参院議員は20%で、両院で13・7%しかいない。
このままでは政治の世界で、政府が掲げる「20年までに指導的地位の女性割合を30%にする」との目標達成は見通せない。
先の通常国会では、候補者の男女比率を「均等」にするよう政党に努力義務を課す「政治分野における男女共同参画推進法案」を成立させる動きがあった。しかし、臨時国会冒頭解散のあおりで与党案、野党案とも廃案になった。
国会のほとんどを男性議員が占めてきた日本では、政策立案に女性の意見が反映されにくかった。少子化や待機児童の問題など、当事者性を持つ女性国会議員が参画することで現実的な議論ができる。経済や教育の分野で女性活躍を促す施策も提案できるだろう。
女性の政治進出を阻む壁はいまだ高い。理念として女性参画を掲げるだけではなく、政府は女性議員を増やすことができる仕組みを早急に取り入れるべきだ。