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子どもと法・21の管理人メモ RSSフィード

2018-02-14

[][][]「二枚舌だ」枝野氏が批判 国の「存立危機事態」の矛盾 - 朝日新聞(2018年2月14日)

https://www.asahi.com/articles/ASL2G552WL2GUTFK011.html

http://archive.today/2018.02.14-133650/https://www.asahi.com/articles/ASL2G552WL2GUTFK011.html

現職自衛官安全保障関連法は憲法違反と訴えた裁判で、国が「存立危機事態の発生を具体的に想定しうる状況にない」と主張していることについて、立憲民主枝野幸男代表は14日の衆院予算委で、「二枚舌だ」と批判した。国会では安保法制を正当化するために北朝鮮などの脅威を強調する一方、司法の場で「想定できない」と主張の使い分けをする安倍政権の姿勢が問われている。

現職自衛官裁判で、憲法違反安保関連法の定める「存立危機事態」になっても、防衛出動の命令に従う義務はないという確認を求めている。国は「国際情勢に鑑みても存立危機事態の発生を具体的に想定しうる状況にない」「(米朝衝突による存立危機事態は)抽象的な仮定に過ぎない」と主張。一審判決は自衛官の訴えを退けたが、1月下旬の二審判決は国の主張を「安保法の成立に照らし採用できない」と指摘し、一審判決を取り消し、審理のやり直しを命じた。

枝野氏は14日の衆院予算委で、安倍晋三首相北朝鮮情勢を「国難」と位置づけて衆院解散をしたことを追及。「(安倍政権は)すぐにも存立危機事態が生ずるかもしれないと言って安保法制(の成立)を急いだ。しかし一方でそんな具体的な危険はない、と堂々と国として正式に主張している。二枚舌ではないか」と批判した。安倍政権司法の場では、自衛官の訴えに正当性がないことを証明しようと、「いつ存立危機事態が発生するか確実なことは言えない」(法務省の舘内比佐志訟務局長)と主張するが、普段の安全保障上の脅威の強調ぶりとの矛盾が突かれた格好だ。(相原亮)

[] 児童養護施設の移転、地元反対で断念 「学校が荒れる」 - 朝日新聞(2018年2月12日)

https://www.asahi.com/articles/ASL285HL9L28OHGB00J.html

http://archive.today/2018.02.12-095653/https://www.asahi.com/articles/ASL285HL9L28OHGB00J.html

岐阜県関市児童養護施設「美谷学園」が、山県市内に施設の一部を移転新築する計画を断念した。移転先の地元自治会の「反対」が理由だ。ただ、その理由には学園側が「偏見だ」と訴えるものもあった。

関市の山あいにある美谷学園の現施設は老朽化に加えて、通学に不便で進路選択にも影響していた。学園は来年4月開設を目指し、現施設(定員74人)の隣接地に新施設(同45人)と山県市内にグループホーム(同16人)の二つを建てる計画だった。

だが移転先の自治会は16年9月、同じ中学校区に別の児童養護施設があることなどを理由に、住民計約1300人分の署名を添えて建設反対の陳情書を市に提出した。学園による複数回の住民説明会を経ても態度は変わらなかった。

それでも学園側は昨年9月、施設整備の補助金を国に申請するため、必要となる市町村による意見書作成を山県市に依頼。ただ、国は補助金の交付条件の一つに「地域住民の賛同」をあげており、市の意見書には自治会の反対が記された。

美谷学園の森川幸江理事長によると、学園側は意見書の内容を受けて昨秋に臨時理事会を開催。自治会の反対により補助金を受けられる見通しが立たない中で、グループホーム建設は財政的に困難だと判断。隣接地での新施設建設だけを進めると決めた。

国への補助金申請手続きを行う県は昨年11月、学園からこの意見書を含めた書類を受け取った。だが、県も住民の反対を理由に「補助金の協議を国にするのは困難」と判断し、昨年末に学園側に伝えた。

県によると、学園の現施設の定員は74人だが、国の児童養護施設の小規模化方針グループホーム建設を見越して、1月現在の入所児童は43人に調整されている。県の担当者は「今入所する子どもが別の施設に移ることはない」とし、県全体の受け入れ態勢についても「支障はない」としている。

住民「中学 荒れる」 施設「偏見だ」

地元の二つの自治会山県市に出した陳情書には、施設建設反対の理由の一つに「生活環境や地域住民だけでなく、学校や子どもたちにも著しい影響を与えると懸念」とあった。「中学校が『荒れた』過去があり、また起こる心配がある」と取材に語る男性もいた。

美谷学園の森川理事長は「施設の子が悪い子という決めつけ、偏見だ」と憤る。地元の賛同がないまま補助金申請に動いたのは「撤退すれば学園が偏見を認めたことになる」からだと説明する。

山県市の担当者は「市としては意見書を作っただけで、あとは県の判断。地元住民を説得することも、その逆もできない」。県の担当者は「施設は地域社会全体に受け入れられることが望ましい。住民の賛同がなければ計画の頓挫はやむをえない」としている。(山岸玲)

     ◇

児童養護施設〉 虐待や死別、貧困などで親が育てられない原則18歳未満の子どもを保護・養育する施設。厚生労働省の調査によると、2016年10月時点で全国603施設に2万7288人が入所する。近年は虐待を理由とするケースが増え、同省の別の調査では入所の半数近くに上った。

[]「生活ぎちぎち」「進学負担減らして」 貧困家庭7割 塾・習い事断念 - 東京新聞(2018年2月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201802/CK2018021402000120.html

https://megalodon.jp/2018-0214-0928-00/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201802/CK2018021402000120.html

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経済的な理由で子どもが諦めた経験を保護者に聞いたところ「塾・習い事」が約69%、「海水浴やキャンプなどの体験」が約25%、「お祝い」が約20%、「部活動」が約14%−。経済的に苦しい家庭の子どもを支援する公益財団法人「あすのば」(東京都)が昨年10〜12月、同法人の入学・新生活応援給付金を受けた高校・大学生世代子ども本人のほか、小学生から大学生世代子どもを持つ保護者に調査した結果、経済的な理由でさまざまな経験を諦めたことが分かった。(編集委員・上坂修子)

調査結果によると、世帯ごとの勤労月収について、多い順に並べた真ん中(中央値)の世帯で手取り十一万四千円、年収は百三十九万二千円だった。約76%の世帯が貯金五十万円未満と回答した。高校生の三割強がアルバイトをしており、週平均約三日、一日平均四・六時間働いていた。アルバイト代はスマホ代のほか、学校の費用や家庭の生活費などに充てた。

給付金の使い道を自由記述で聞いたところ、最も多かったのが「制服」で二百五十二件。「学用品」(百二件)、「靴」(八十六件)などが続いた。

特に改善してほしい支援について、保護者に聞いたところ「給付型奨学金や授業料免除など教育や進学の負担を減らしてほしい」が約80%と最も多かった。

保護者からは「給付金のおかげで入学を心から喜べるようになったと感じた。入学=不安にならず良かった」などの声が寄せられた。子どもからは「父の障害年金月十万円だけの生活です。生活がぎちぎちです。助けてください」と支援を求める声もあった。

「あすのば」が十三日、国会内で開いた調査報告会で、メンバーの大学生は「こんなに苦しんでいる子ども日本中にいるということを実感してほしい」と報告。「子ども子どもらしくいられる社会を望みます」と対策の充実を求めた。

「あすのば」は、入学するか新生活を始める低所得家庭の子どもに給付金を支給している。支給は一回で額は一人三万〜六万円。返済は不要。調査は、一六年度に給付金を受け取った二千二百人余を対象に行い、保護者、子ども約千五百人から回答を得た。

首相国会貧困悪化否定

政府は「子ども相対的貧困率は改善した」との立場だ。野党の主張とは大きく異なる。

安倍晋三首相は今国会で、総務省の全国消費実態調査に言及。同調査で、子ども相対的貧困率可処分所得が中央値の半分を下回る世帯で暮らす十八歳未満の割合)は二〇〇九年の9・9%から一四年に7・9%へ下がっている。首相は「雇用が大きく増加するなど、経済が好転する中で低下に転じた。格差が拡大し貧困が悪化したとの指摘はあたらない」と強調した。

これに対し、野党側は国民の所得が全体として下がり、可処分所得の中央値自体が下がっていると指摘。「貧困は悪化している」(共産党志位和夫委員長)と批判している。

[] 貧困問題調査 「塾あきらめて」低所得世帯7割 - 毎日新聞(2018年2月13日)

https://mainichi.jp/articles/20180214/k00/00m/040/115000c

http://archive.today/2018.02.14-003006/https://mainichi.jp/articles/20180214/k00/00m/040/115000c

子ども貧困問題に取り組む公益財団法人「あすのば」は13日、低所得世帯を対象にしたアンケート結果を公表した。経済的な理由で諦めた経験(複数回答)は、子どもが「洋服や靴など」で約5割、親は「塾・習い事」が約7割で最も多く、貧困子どもの日常や将来に及ぼす影響の一端が浮かび上がった。

あすのばは、生活保護世帯や住民税課税世帯などで、卒業・入学する子どもの新生活支援のため3万〜6万円の給付金を支給。昨春、給付を受けた高校、大学生世代子どもと、小学〜大学生の子どもがいる保護者を対象に調査を実施し、子ども547人と保護者959人から回答を得た。

回答した世帯の8割以上が一人親で、年収(生活保護費などの手当を含む)は平均約206万円。平均世帯人数は3・3人だった。

子ども貧困をめぐっては、国連児童基金(ユニセフ)が「定期的なレジャー活動」の経験があるかを取り上げるなど、収入以外の指標も注目されている。経済的な理由で諦めたこと(複数回答)は、2番目以降、子どもは「スマートフォン携帯電話」30%▽「塾」29%−−の順。保護者が子どもにやらせてあげられなかったことは、2番目以降「海水浴やキャンプなどの体験」25%▽「お祝い」20%−−だった。

アルバイトの経験がある子どもは高校生世代で33%、大学生世代で75%。バイト代の使い道(複数回答)はともに「お小遣い」が6割超で最多だったが、大学生では「授業料など学校費用」が50%あった。「家庭の生活費」との答えも高校生で15%、大学生で22%。

調査に携わった大学2年生の花沢昴乃(たかの)さん(20)は「当たり前のことができない苦しさを知ってほしい」と語り、あすのばの村尾政樹事務局長は「いろいろなことを諦めながら大人の階段を上らなければならない現実に、大人として向き合わなければいけない」と訴えた。【堀井恵里子】

[] 石牟礼道子さん 不知火の海の精として - 東京新聞(2018年2月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018021402000164.html

https://megalodon.jp/2018-0214-0930-33/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018021402000164.html

石牟礼道子(いしむれみちこ)さんの魂は天草の自然とともにあり、水俣の被害者と一体だった。そしてそのまなざしは、明治以来急激に進んだ近代化への強い懐疑と、そのためになくしたものへの思慕に満ちていた。

常世とこの世のあわいに住まう人だった。童女のように笑みを浮かべて、おとぎ話を語り継ぐように深く静かに怒りを表した。

水俣川の下流のほとりに住みついているただの貧しい一主婦」(「苦海浄土(くがいじょうど)」)が水俣事件に出会い、悶々(もんもん)たる関心と小さな使命感を持ち、これを直視し、記録しなければならないという衝動にかられて、筆を執る。

事件の原因企業チッソ告発する活動家、はたまた哲学者と呼ばれることもあった人。しかし−。

「近代日本文学初期化した唯一無二の文学者」だと、石牟礼さんの全集を編み、親交の深かった藤原書店店主の藤原良雄さんは言う。「自然を征服できると信じる合理的、効率的精神によって立つ近代西洋文学に、日本の近代文学も強く影響を受けてきた」。それを、いったん原点に戻した存在、ということだろう。

彼女の魂は、不知火の海、そして出生地の天草水俣の人や自然と混然一体だった。例えば、「しゅうりりえんえん」という詩とも童話ともつかぬ不思議な作品について、こう語ったことがある。「狐(きつね)の言葉で書きたかった」

その作品は、ふるさと海山ふるさとに生きとし生ける命が産み落とす熱い言霊(ことだま)だったのだ。

不知火海にかぎらず、わたしたちの国では、季節というものをさえ、この列島のよき文化を産んだ四季をさえ、殺しました」(「天の病む」)

そんな、かけがえのない世界を、悪(あ)しき「近代」が支配する。わが身を蝕(むしば)まれるほどに、耐え難いことだったに違いない。

有機水銀不知火海を侵したチッソは「近代」の象徴であり、水俣病患者ではない石牟礼さんも被害者と一体化して、その「近代」に言霊を突きつけたのではなかったか。

「大廻(うまわ)りの塘(とも)の再生を」。藤原さんに託した遺言だったという。塘とは土手。幼いころ遊んだ水俣川河口の渚(なぎさ)は、チッソの工場廃棄物とともに埋め立てられた。

ふと思い出した歌がある。

♪悲しみと怒りにひそむ

    まことの心を知るは森の精

            もののけ達だけ…。

                  (「もののけ姫」)

石牟礼さんは、まこと、不知火の海の精だった。

[] AV出演強要 相談体制の充実を急げ - 朝日新聞(2018年2月14日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13358048.html

http://archive.today/2018.02.14-003526/https://www.asahi.com/articles/DA3S13358048.html

若い女性がアダルトビデオ(AV)に出演を強要される被害が問題となっている。

アイドルをめざしませんか」などとスカウトしたり、ネットで高給のバイトと誘ったり。夢につけこみ、AVと告げることなく、時にはうその説明で契約させる。出演を拒めないよう追い込む手口である。

被害者は10〜20代前半に集中する。高額の違約金をたてに、いやがる女性を出演させ、性行為を強いる。心身を深く傷つける性暴力で、許されない。

いったん販売配信されると、映像などの削除は困難だ。業者に削除を求めても、ネットに流れたものまで完全に消すことは難しい。家族や友人に知られないかと不安になり、自分を責め、心を病む女性もいる。

根絶のために、官民あげた取り組みが必要だ。

政府は昨年3月、若い女性の被害を防ぐため、関係府省庁による対策会議を設置した。だが体制はまだ十分とはいえない。

被害者から聞かれるのは、どこに相談していいのかもわからなかったという声である。性暴力に関して広く相談を受ける窓口は、NPO法人などが開設している。そこもボランティア寄付金が頼りで、人手と費用の確保に悩む所も少なくない。

AV強要に関して、「ポルノ被害と性暴力を考える会」は、NPO「ライトハウス」とともに年間百件の相談を受ける。電話は深夜まで続く。それでも潜在的な被害の一部とみられる。

被害者に寄り添うには、力のある相談員が必要。窓口が都市部に偏在することも問題だ。各地のNPOなどが情報共有の場を設け、支援の輪を広げられないか。それを国が資金的に後押しすることが望ましい。

もちろん違法行為はまず警察が目を光らせるべきだ。

昨年6月には、女子高校生にAV出演への同意を強制したとして、DVD製造販売業の男が強要容疑などで大阪府警に逮捕され、保護観察付きの有罪判決を受けた。窓口の通報で事件化される例もあろう。その意味でも相談体制の充実は急務だ。

米国務省は昨年、世界の人身売買をめぐる報告書(17年版)で日本のAV出演強要を、詐欺的な勧誘と脅迫だと指摘した。

性暴力は人権を踏みにじる行為だ。社会全体で根絶への動きを強めたい。

業界ではメーカーなど約200社でつくる団体が中心となり、弁護士らによる第三者機関を発足させた。被害者をうみだした現実を重く受け止め、改革を進めるべきである。

[] 森友問題 佐川氏招致は不可欠だ - 朝日新聞(2018年2月14日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13358047.html

http://archive.today/2018.02.14-003141/https://www.asahi.com/articles/DA3S13358047.html

森友学園への国有地売却問題を、野党がきのうの衆院予算委員会で改めてただした。

焦点は、昨年の通常国会で、学園との交渉記録を「すべて廃棄した」と繰り返した財務省佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長(現国税庁長官)の答弁の正当性だ。

財務省は学園側との交渉経過が含まれる内部文書を1月に5件、先週には20件公表した。

佐川氏の虚偽答弁の疑いが強まるなかで、驚かされたのは麻生財務相の説明である。

「あくまでも(省内での)法律相談であって、面会記録ではない」というのだが、一連の文書に交渉の過程が記されている事実は否定しようがない。

佐川氏は、学園側と価格交渉を事前にしたことはないとも答弁してきた。これに関しても近畿財務局職員が「ゼロに近い金額まで努力する」と述べていた音声データが明らかになり、後任の太田充理財局長は「価格」ではなく「金額」のやりとりだと無理な答弁をしている。

会計検査院が昨年11月、国会に提出した報告書には文書の内容は反映されていない。財務省が検査院の調査に間に合うように出さなかったからだ。

佐川氏はなぜ国会で、国民を欺くような答弁を重ねたのか。財務省の組織ぐるみでの情報隠蔽(いんぺい)はなかったのか。真相解明には佐川氏本人を国会に呼び、説明を求めることが不可欠だ。

理財局長は国民共有の財産を管理し、処分する責任者だ。佐川氏はその理財局長としての答弁の適正性が疑われている。さらにいまは納税者に向き合う徴税組織のトップ、国税庁長官である。

その佐川氏が国民の代表である国会議員に、明らかに事実と異なる答弁を繰り返していた。自らきちんと説明することなしに、納税者の理解を得られるとは思えない。

16日には所得税確定申告が始まる。麻生氏はきのうの予算委で、苦情などの支障が「十分にあり得ると思っておかないといけない」と認めた。

一方で、麻生氏はきのうも佐川氏の長官起用について「適材適所」と語った。安倍首相も「財務相が答弁した通り」と答えた。納税者と省内人事のどっちを向いているのか。

森友問題が問いかけるのは、一人の財務省局長の答弁が虚偽だったか否かにとどまらない。

行政が公平・公正に行われているか。国民の「知る権利」にこたえようとしているか。

麻生氏はもちろん、安倍首相をはじめ政権全体の姿勢が問われている。

[](「働き方改革」法案)労働者保護優先させよ - 沖縄タイムズ(2018年2月14日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/209397

https://megalodon.jp/2018-0214-0926-08/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/209397

いったい誰のための改革なのか。

政権の目玉政策である働き方改革関連法案が、近く国会へ提出される。

安倍晋三首相が「歴史的な大改革」と位置付ける法案は、労働基準法のほか労働者派遣法労働安全衛生法など8本の改正案を一つにまとめたものだ。 

法案の柱は罰則付きの残業規制。上限を原則「月45時間、年360時間」とし、繁忙期は特例で「月100時間未満、年720時間」とする。

正社員非正規といった雇用形態にかかわらず、同じ仕事をする人には同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金の実現」がもう一つの柱である。

働く人の健康を守り、パートや契約社員など非正規の待遇改善を図る方向に異論はない。ただ特例とはいえ「月100時間未満」の設定は、過労死ラインぎりぎりまで働かせることにお墨付きを与えるもので再考を求めたい。

問題は、セットで法案に盛り込まれた、高度プロフェッショナル制度(高プロ)の導入と裁量労働制の拡大だ。

高プロは年収1075万円以上の専門職労働時間規制や残業代支払いの対象から外すもの。裁量労働制はあらかじめ決めた分だけ働いたとみなす制度である。

いずれも「成果で評価する制度」とされるが、労働者の立場の弱さを考えると、賃金を抑えて長時間働かせることができる仕組みにつながりかねない。

労働時間規制の強化と緩和では目指す方向がまったく異なっており、一本化は乱暴なやり方だ。

■    ■

高プロは、ホワイトカラー・エグゼンプションとして導入が検討された10年以上前から「残業代ゼロ法案」と強い批判を浴びてきた。

政府は「対象者は給与所得者の3%程度」と説明するものの、過去に経団連が「年収400万円以上」とするよう提言したことがある。導入された後、なし崩し的に適用が広がらないだろうか。

対象範囲を拡大する裁量労働制にも同様の不安がつきまとう。残業実態がつかみにくい分、会社側の健康管理はなおざりになりがちで、不当に長時間残業を強いられていると訴える労働者が少なくない。

労働時間規制の強化と緩和の抱き合わせに、野党が「禍根を残す」と反発するのは当然だ。

高プロ導入と裁量労働制の拡大を関連法案から分離する必要がある。

■    ■

もともと法案は昨秋の臨時国会で審議される予定だった。だが安倍首相の突然の衆院解散で先送りとなった経緯がある。

その先送りの影響を受けて、中小企業の残業規制導入が当初予定より1年遅れて2020年4月になる見込みという。同一労働同一賃金導入も1年ずれ込む。

政権の「自己都合」で、施行が先延ばしされるというのは納得できない。

長時間労働是正非正規の待遇改善は待ったなしの課題である。働く人を守るための改革を優先すべきだ。

[] 久間元防衛相発言 新基地の正当性揺らいだ - 琉球新報(2018年2月14日)

2018年2月14日

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-664764.html

http://archive.today/2018.02.14-002823/https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-664764.html

米軍普天間飛行場返還を巡り、名護市辺野古の新基地建設の正当性を揺るがす発言である。

普天間飛行場の返還合意時に防衛庁長官を務めた久間章生防衛相が「辺野古でも普天間でもそういう所に基地がいるのか。いらないのか」と必要性を疑問視した。琉球新報のインタビューに応えた。

久間氏は軍事技術が向上し、ミサイル防衛態勢の強化や無人攻撃機といった防衛装備品の進歩などを挙げ「あんな広い飛行場もいらない」と飛行場建設に疑問を投げ掛けた。重い問い掛けだ。

辺野古が唯一」と繰り返し、別の選択肢を検討しない日本政府の硬直した姿勢が沖縄との対立を生み、解決を遅らせている。思考の転換が求められる。

例えば、民間のシンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」は、米軍の運用を見直せば、新基地を建設する必要はないと提言している。

これまで政府は、普天間飛行場を県外ではなく県内移設する理由として地理的、軍事的理由を挙げていた。しかし、2012年に森本敏防衛相(当時)はまったく違う発言をしている。

「例えば、日本の西半分のどこかに、三つの機能(地上部隊、航空、後方支援)を持っているMAGTF(マグタフ=海兵空陸任務部隊)が完全に機能するような状態であれば、沖縄でなくてもよい。軍事的に言えばそうなる」と述べている。軍事的理由から県外移設は可能という認識を示した。だが、森本氏は「政治的に考えると沖縄が最適地だ」と述べている。

 返還合意時の官房長官だった故梶山静六氏は、普天間飛行場移設先が沖縄以外だと「必ず本土の反対勢力組織的住民投票運動を起こす」との書簡を残している。今国会安倍晋三首相も「移設先となる本土の理解が得られない」と答弁した。

これらの発言から、政治的な理由で沖縄に基地を押し付けていることは明白である。他府県の意見は聞くが、沖縄民意は無視するというなら差別でしかない。

一方、久間氏は、普天間返還交渉で米側が「辺野古に造れば(普天間を)返す」と提案し、政府もこれに「乗った」と証言している。

なぜ辺野古なのか。米側は1966年に辺野古周辺のキャンプ・シュワブ沖に飛行場軍港、大浦湾北沿岸に弾薬庫建設を計画していた。辺野古の新基地はV字滑走路、強襲揚陸艦が接岸できる岸壁が整備され、辺野古弾薬庫の再開発を加えると、過去の計画と酷似している。普天間飛行場移設に名を借りて、基地機能を再編・強化しているのである。

政治的理由で辺野古に新基地を押し付け、基地の整理縮小で合意した日米特別行動委員会(SACO)最終報告に反する行為に、正当性があるはずがない。