感受性の変容
前 *1掲書読了。白鳥和也「スローサイクリング―自転車散歩と小さな旅のすすめ」平凡社新書、平凡社、2004年。
自転車のたのしみを随筆ふうに綴る。速度や走行距離や獲得標高などを競うのとは別のたのしみである。
ノウハウなどを体系だてて論じたものではない。ゆえに、ときに散漫な印象をうけたり、もしかしたらとっつきにくいところがあったりするかもしれない。
でも、すでに趣味として自転車をたのしんでる向きには、自分の経験や嗜好に照らして、なるほど、そうだよねえ、と気づいてうなずくことが多いのではないか。
町や野山を自転車でのんびり走ることで、初めて感得できるものは何か。本書はこの答えをあますところなく描きだしているようだ。
体系論に非ずとはいえ、自転車を安全かつ円滑に運行するためのごく初歩的なノウハウの網羅も試みている。法令やマナーなどに関する留意事項も安心して読めると思う。
ただ、写真に法定駐車違反とみられるものがあるのは残念。もっとも、この点で完璧を期した文献や記事は世に稀有といえるかもしれない。
ご夫婦でタンデムをたのしむくだりは羨ましいかぎりである。タンデムで公道を自由に走れる長野県で専らたのしまれてるごようす。
なぜみなさんタンデムに乗らないのかふしぎ、などと著者はいう。同じ台詞をわたくしの身近でもきいたことがあるような?
本書にふれて自転車に興味をもつ人がふえてほしいと思うのはもちろんであるが。
多少の経験のある自転車乗りにこそ本書は読まれるべきかもしれない。
自転車でゆっくり走ると自分の感受性が変容をとげるという視点を私は本書に教えられた気がする。
新手法?
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日付: 2005/09/01 木 午前 08:06:02 JST
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新手の無差別宣伝なのかな。