KogoLab Research & Review

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工藤順一+国語専科教室『国語脳ドリル 作文王 トップレベル』

国語脳ドリル作文王トップレベル (学研頭のいい子を育てるドリルシリーズ)

国語脳ドリル作文王トップレベル (学研頭のいい子を育てるドリルシリーズ)

著者の工藤順一さんから献本いただきました。1999年にこのブログで、同著者の『国語のできる子どもを育てる』(講談社現代新書)を紹介しています(http://d.hatena.ne.jp/kogo/19991004/p1)。

この本は小学校3〜6年を対象とした、ドリル式の作文教材です。小学生向けとはいえ、その内容は、パラグラフライティングのトレーニングです。まず、中心文(トピック文)、展開文(サポート文)、結語文(まとめ文)のパターンでの一段落の文章の書き方を練習します。

具体的には、

  • なぜなら作文
  • たとえば作文
  • なぜなら・たとえば作文

のパターンでの作文練習をします。

それ以降は、パラグラフのパターンを一つひとつ練習していきます。

  • 作り方作文(手順)
  • ちかみち作文(結果から原因)
  • とおまわり作文(原因から結果)
  • いわせて作文(意見とその理由)
  • ぐるぐる作文(循環)
  • 比較作文(比較)
  • こうである作文(定義)

これは題材を変えれば、そのまま大学生の作文のトレーニングにも使えそうです。なんと、トゥールミンの三角ロジックの話題も出てきます。

何かをロジカルに主張したいときの作文を書くためには、トゥールミンの三角ロジックをマスターしておく必要があります。

そのために、大学生には、福澤一吉『議論のレッスン』を読むことを勧めました(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20020503/p1)。高校生には、横山雅彦『高校生のための論理思考トレーニング』を読むことを勧めました(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20080525/p1)。そして小学生にはこの本を勧めたいと思います。