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諏訪耕平の研究メモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-11-15

スパコン事業仕分けの詳細(読売新聞)

読売新聞2009年11月14日(土)6面


理化学研究所・次世代スーパーコンピューティング技術推進(267億5900万円)


文科省:科学技術で米国との最後の戦いを成し遂げたい。中国も追いかけてきている。


財務省:これまで545億円を投入し,今後も完成までに約700億円かかる。民間3社のうちNEC,日立の2社が撤退し,見通しが不透明だ。


文科省:基礎科学は費用対効果になじまない。世界で1位を取ることが国家基幹技術として大事だ。


仕分け人:開発できなければ二流国になるなんて,ありえない。見直しても,国益には何のマイナスにもならない。


仕分け人:米国との競争より,強調すべきだ。


文科省:米国にその雰囲気はない。


仕分け人:科学技術予算は,自民党のおかげで確保できたかもしれないが,結果的に損をした。予算は足りないぐらいが,アイデアが出ていい場合もある。


【結論】限りなく予算計上見送りに近い予算縮減。(太字は引用者による)

まあ,面白い議論だと思います。博士号を持っておられる鳩山さんが,研究という営みを擁護するより攻撃しようとしているように見えるのは,研究の世界に身を置いて色々と不愉快な思いをされたとかがあるのかもしれません。あるいは非合理的な印象を持たれたとかね。まあ,否定できない部分もあります。

研究をやっていると,「現場に還元」という言葉よりも,(指導教授の関心的に)「面白い」とか,「学知の発展」とかで評価されることが多い。じゃあ「学知の発展」って具体的に何?と聞くと,「先行研究の不足を補っている」ということになるわけですが,「先行研究を補ったから何なの?」ぐらいまで聞くと,割と露骨に「何言ってんだこいつ」みたいな顔で見られることになるわけです。

ちなみに,個人的には,対象を細分化し,要素に分け,それぞれについて解明していき,その積み重ねによって全体を理解しようとする「要素還元主義」は,自然科学においては有効でも,人間科学においてはあまり効果的でないと思います。

研究は究極的には「人々の役に立つ」ということを目指すべきだし,基礎科学であっても,その有効性,射程を考察において議論するということは可能で,今,日本という国で研究で食っていきたいと思うなら,そういう感覚を持っていかざるをえないということが今回の議論で明るみに出たということじゃないでしょうか。

palousepalouse 2009/11/19 11:29 タイムリーな話題なのでちょっと興味を持ちました。
管理人様の言う、日本という国で研究で食っていくためには「人の役に立つ」という事を念頭において研究を進めなければならない、という意見は感覚的には理解できます。しかし、日本は欧米に比べて「人の役に立たねばならない」という圧力が強いような気がします。やはり明治時代に科学と技術(=人の役に立つ物)をセットで輸入した所為でしょうか?加えて、科学の歴史や科学哲学を学ぶ機会が少ないのもその理由の一つかもしれませんね。
少なくとも自然科学においては、「人の役に立つ」、あるいは「おもしろい」のどちらとも研究に対するモチベーションとしてはありだと思います(有名になりたいなどという名誉欲もあるかも)。どちらからスタートしても、最終的に得られた結果を積み重ねて行くとこで新たな科学の土台ができていけば、それでよしといった感じでしょか。
社会で生まれるさまざまな問題を解決する為の学問の場合は、還元主義が有効でないのは同意します。もとから土俵の違うものですから比較する事に意味は無いでしょうね。
個人的には、あまり人に役立つ系の研究ばかりが増えてしますと、ちょっと日本に帰りにくくなります(笑)。

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