高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 呉とびしまマラソン:安芸灘とびしま海道ドライブ

2月21日土曜日、広島県呉市で明日2月22日に開催される「呉とびしまマラソン」に参加する為に、6時50分新大阪発のさくらで広島へ。
2月22日と言えば、「東京マラソン」の日であり、また記念すべき第1回大会である「世界遺産姫路城マラソン」の日だ。
いずれも落選してしまった為、今回、「呉とびしまマラソン」に出場する事にした。
東京マラソン」は10人に1人しか当選しないので落選は仕方ないとして、「世界遺産姫路城マラソン」は第1回大会で是非出場したかったのだが、悔しいけど来年に持ち越しだ。
「呉とびしまマラソン」は、前述の2大会ほど有名ではなく、今年からフルマラソンになった(広島県内では2つ目)ので参加しただけのローカルな大会であるが、知る人ぞ知る「安芸灘とびしま海道」の一部を瀬戸内海を眺めながら走ることができるなど、都市型マラソンでは味わえない良さがあって楽しみだ。

新大阪から1時間20分程度で広島駅に到着。

現在、広島駅は工事中で、新幹線口と繁華街や駅ビルのASSEがある南口の行き来が駅構内ではなく、地下道を行く必要があるので、遠回りしなくてはいけなくてかなり不便。
宿泊ホテルが新幹線口にあったので、南口に行くのに面倒だった。
工事が終われば便利になるのだろうが。
広島駅前のレンタカー店で予約していたレンタカーを借りて、一路、呉市へ。
呉市といえば、是非立ち寄ってみたかったのが、この「大和ミュージアム」だ。
今は日本最大の造船都市として、戦時中に大日本帝国海軍鎮守府(本拠地)があったことで有名な呉市が誇る造船技術の歴史が展示されている博物館だ。
博物館の前には、戦艦「陸奥」のスクリュープロペラと主砲身が展示されている。その大きさに圧倒。




そして、中に入ると、この博物館の一番の目玉である、世界最大の戦艦「大和」の10分の1サイズの模型が鎮座する姿に圧倒される。
実家の両親も過去にここに来て良かったと言っていたのはこれかぁと思い出す。
上から、横から、いろんな方向から写真を撮りまくった。



博物館の中には日本の戦争の歴史とそれに関わってきた呉市の歴史が数多く展示。
戦艦「大和」は、鹿児島県の徳之島沖に多数の水平の骸と共に轟沈しているそうだ。
自分よりも若い夢多き前途ある若者達の尊い命が、忌まわしき戦争で散っていく時代。
展示されている大和と共に海底に沈んでいった若者達の写真を見ていると、気持ちが重くなる。
広島県には原爆ドームの他にも、戦争の暗い歴史を知れるこんな場所があったなんて知らなかった。
時は、ちょうど戦後70年。
戦後50年の村山談話戦後60年の小泉談話に続いて、安倍首相は8月15年の終戦記念日に果たして何を語るのだろうか。こんな自分でもさすがに興味が沸く。
二度とこんな事があってはいけない。


戦艦「大和」と言えば、映画「男たちの大和/YAMATO」の主題歌を唄った長渕剛をイメージする。何やら近々イベントをやるそうだ。

大和ミュージアムの前には、巨大な潜水艦が展示されている。
てっきりそれだけのものと思って素通りしてしまったのだが、後からここに来たことがあった方に聞いた話では、中は海上自衛隊呉史料館であったとのこと(しかも入場無料)。
海上自衛隊の歴史や機雷を撤去する掃海艇の活躍、潜水艦の活躍などが展示されていて、こっちも興味深かった。行っておけば良かったと、大後悔。
しかもよく考えると、潜水艦って常に水中にいるので、こうやって陸で見られるのは相当レアだ。
この潜水艦は「あきしお」といい、「てつのくじら館」の愛称で呼ばれているそうだ。

大和ミュージアムを堪能した後は、明日の舞台になる安芸灘とびしま海道へ向かう。
明日は、安芸灘とびしま海道の一部しか走らないので、ひと足早く車で行ってドライブし、コースの下見がてら、安芸灘とびしま海道を堪能しようという魂胆だ。
安芸灘とびしま海道は、瀬戸内海に浮かぶ島々が庭園の飛石のように見えることから「とびしま海道」の愛称が付けられ、全国的に有名な「しまなみ海道」を文字って「裏しまなみ海道」と呼ばれているそうだ。
2011年と2012年に、しまなみ海道を舞台にした「しまなみ海道100kmウルトラ遠足」を完走してしまなみ海道を十二分に堪能しただけではなく、明日はとびしま海道も堪能することができる。
こんなに幸せなことはないなぁ。


安芸灘とびしま海道の始まりである安芸灘大橋を渡ってすぐの白雪楼というパーキングに車を停めて、ひと休み。
安芸灘大橋は、本土ととびしま海道をつなぐ最初の橋であり、ここだけ通行料金が必要になる。
ETCが設置されていない料金所なので、今日はひっそりとしているものの、明日はマラソン参加者の車で大渋滞になりそうだ。


安芸灘とびしま海道沿いに有名なお好み焼き屋があると聞いていたので立ち寄ってみる。
広島に来て最初のお好み焼きだ。広島風は、関西風と違ってボリュームがあって美味しい!

腹ごしらえをした後は、安芸灘大橋を渡った最初の島である下蒲刈島(しもかまがりしま)にある観光スポットのひとつである「松涛園(しょうとうえん)」を散策。


自分の興味のあるものは無かったが、庭園内には梅が咲いていて、春がすぐそばまで来ている事を知れた。

庭園内からは、安芸灘とびしま海道の2つめの橋である蒲刈大橋が望めた。
松涛園前の売店で売っていたじゃこ天を頬張りながら、のんびり眺める。


この後は、蒲刈大橋を渡って明日のスタート&ゴール地点がある上蒲刈島に行き、豊島大橋を渡って豊島へ、更に豊浜大橋を渡って大崎下島まで一気にドライブ。
信号がほとんど無いこともあって爽快に車を飛ばすことが出来たので、サイクリングであれば、風とスピード感を感じられて相当気持ち良さそうだ。
大崎下島にある歴史が見える丘公園という展望台へ。
高台に登って、やっと「瀬戸内海の多島美」というものを眺める事が出来た。素晴らしい眺めだ。

彼方にはしまなみ海道が通る大三島が見えた。
安芸灘とびしま海道は、この後、平羅島、中ノ島、岡村島まで行って終わってしまうが、将来的には大三島まで橋ができて、しまなみ海道とびしま海道を繋げる事が計画されているそうだ。
あの橋は、しまなみ海道の最後の島である大島と愛媛県今治市をつなぐ来島海峡大橋かな。
全長4kmにも及ぶ長い橋であり、あの橋を走った際、いつになった終わるんだ!と橋の長さを憎らしく思った事を思い出す。

四国の山々も見えた。四国最高峰の石槌山が見えるかな。

歴史が見える丘公園に行く道は車1台分しか通れないような細さで、帰りに自分と同じように車で来る人が来てすれ違いが大変になってしまう事が想像されたので、あまりゆっくりできずに下山。
山を降りた麓の集落には、江戸時代の港町の町並みが残り、重要伝統的建造物群保存地区として指定されている御手洗(みたらい)の町を散策。ここで御手洗(おてあらい)を借りるのが流行っているとのこと(笑)。


御手洗の町並みの軒先には、1軒毎に花が飾られている。
2月末という事で春を伝える花が飾られていて、これは正月の縁起物として有名な葉牡丹に、水仙、ネコヤナギだ。

水仙は、ラッパのような特徴的な形をしていて分かりやすい。
雪中花とも呼ばれ、雪の中でも花を咲かす事で、春を知らせる花だそうだ。
英名は「ナルシサス」。ギリシャ神話の美少年の名前で、泉に映った自分の姿を毎日見つめ続けたらことから、「ナルシスト」という言葉が生まれたそうだ。

ネコヤナギ。確かに猫のしっぽに似ている。初めて見たので、覚えておこう。

御手洗の町には、港に小さな灯篭があった。古い町並みだけで何もない町だけど、レトロな雰囲気が良かった。

さて、ここで安芸灘とびしま海道の観光は終了。十分満喫したので、満足。
ただ、普段、車の長距離運転に慣れていない自分にとって、広島駅から安芸灘とびしま海道までの片道約60km、往復約120kmのロングドライブはかなり疲れてしまった。
しかも、広島市は中国地方の大都市であることもあって、広島市に近づくにつれて大渋滞になり、広島駅前のホテルに着いたのは19時前。
せっかく広島に来たので、広島市内も散策したかったのだが、疲れてグッタリしていた上に午後から降り出した雨で散策は断念。
広島市内観光であれば、いつでも来る事ができるので、またの機会にしよう。
そこで、広島駅のASSEにて、本日2度目の広島風お好み焼きと広島風つけ麺を食べて、明日のためにカーボローディング。


2月22日の呉とびしまマラソン当日は、スタート&ゴール会場である安芸灘とびしま海道上蒲刈島までバスで行くのに、朝6時に広島駅前のバス乗り場に集合なので、早く寝て今日の疲れを癒さなくてはいけない。
そして、午後から降り出した雨は明日も降り続くようで、2月22日もあいにくの雨のようだ。
呉とびしまマラソンは、久々の雨の中のフルマラソンになりそうで、ハードな1日になりそうだ。