藤子不二雄ファンはここにいる/koikesanの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-03-06 映画ドラえもん『のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー〜』感想 このエントリーを含むブックマーク

 3日から映画ドラえもんのび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー〜』(楠葉宏三監督)の公開が始まりました。

 私は、公開2日目の4日(日)、名古屋の劇場で鑑賞しました。


(以下、『のび太と奇跡の島』の内容に触れながら感想を記していきます。ネタバレしています。この映画をこれからご覧になろうという方はご注意ください)

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 ・パンフレット


 この映画は、絶滅動物を題材にした『ドラえもん』の短編「モアよドードーよ、永遠に」をアイデアの元にした作品です。ですから、いろいろな種類の絶滅動物が登場するわけですが、実際に本編を観てみますと、絶滅動物はこの映画において舞台背景みたいな扱いになっていました。

 舞台背景とは言いすぎだったかもしれません。

 希少な動物の絶滅を防ごう、というメッセージをとりあえずは読み取れましたし、いろいろな種類の絶滅動物の生態が描かれていました。

 にもかかわらず、絶滅動物の存在が後景に退いているように私が感じたのは、別のテーマが作品の前面に躍り出ているからです。(絶滅動物の描き方・動かし方がなんだか淡白だったこともありますし、絶滅動物よりカブトムシのほうが目立っていたこともありますが…)


 前面に躍り出ているそのテーマとは、「親子の絆」です。とくに、のび太とパパの関係が主軸となっています。

 冒頭場面では、パパがのび太とかかわる描写がこれまでの映画ドラえもんになかったほど多く描かれますし、のび太にそっくりの容姿をした少年ダッケは、のび太とパパの絆を描くための要員的なキャラクターであったと見ることができます。「親子の絆」というテーマを補強するために、既存の『ドラえもん』の短編「ぼくの生まれた日」や「ママをとりかえっこ」のエピソードを導入したりもしています。

 そして、このテーマを最も明示的に表現しているのが、何人もの登場人物たちが劇中で行なう、胸に手を当てて家族のことを思う行為です。


 このような諸要素から、この映画が「親子の絆」をメインテーマにしようと企図していることは歴然としています。

「親子の絆」というテーマ自体にどうこう言う気はありません。それは一般的に言って大切な事柄ですし、人々の心を揺さぶるものでありましょう。

 世情を汲み取ったテーマでもあると思います。このテーマは、震災の影響が大きく作用しているのです。楠葉監督のインタビューによると、もともとのび太とパパの交流が主軸となることは決まっていたのですが、震災後、そのテーマをもっと広げ強化していく方針が取られたそうです。


 ですが、そんな大切なテーマが、映画のストーリーのなかにうまく溶け込んでいるとは言いがたい面があったように思うのです。「ぼくの生まれた日」や「ママをとりかえっこ」のエピソードは、その断片だけを切り抜けばよいセリフがありよい描写が見られるのですが、全体のストーリーのなかにうまく溶け込んでおらず、なんだか強引に捻じ込まれている、という感じなのです。

 胸に手を当てる行為も、それ自体は(ちょっと恥ずかしいけれど)心温まる描写だと思うのですが、なぜこのタイミングでその行為が出るのだろうという不自然さがあって、作為的な印象が残ります。

 それから、子供の目線に立って「親子の絆」を自然に描写するというよりは、大人が子供に「親子の絆って大事なものなんだよ」と上から説いているるような目線が、作品の背後に潜んでいるように感じられました。

 せっかくパパの存在をクローズアップして意欲的なテーマを明確に設定したのに、取ってつけた感や上から目線があるため、そのテーマが生き生きと立ちのぼってこないのです。


 本作の監督をつとめた楠葉氏の印象といえば、私のなかでは、何よりも映画ドラえもん『のび太の人魚大海戦』の監督さんです。

『のび太と奇跡の島』も、『人魚大海戦』と同じ監督さんの作品だなあ、と強く感じさせるものでした。ですから、『人魚大海戦』をお好きな方や、楠葉監督の演出・センスと波長が合う方には、今回の作品も魅力的なものに感じられたんじゃないかと思います。

『人魚大海戦』よりもストレートなメッセージ性があるぶん、一般層からは『人魚大海戦』以上に評判を得るかもしれません。興行成績も良好な結果を残すかもしれません。「親子の絆」というテーマに、文字通り“ほだされる”人が少なくないと思うのです。

 楠葉監督は真面目で平和的な性格の方なんだろうなあ、ということも作品から伝わってきます。


 しかし、それが私にとって魅力的な作品だったかというと、残念ながらそうとは言いがたいです。

 画面のダイナミズムやストーリーの起伏をフラットにし、物語の因果律やSF的な考証やキャラクターの人格的造形などにあまり神経を配らず、映画ドラえもんをドラえもんでなくてもよいような幼年向けアニメとして表現するところなど、『人魚大海戦』の難点を踏襲しているような気がして、私はそういう部分を評価できません。誉めたくても誉められません。誉めれば皮肉になってしまいます。


 少し細かいところでは、以下のようなことも感じました。


・ゲスト声優さんは、実力者揃いだったこともあって、個々には健闘していた。とくに、野沢雅子さんの元気な演技が印象に残った。けれど、ダッケに野沢さんが合っていたかはちょっと疑問。

・映画になるとヒーロー的な活躍をするのび太だが、今回はあまり活躍が見られなかったような…。のび太の飼っているカブトムシが最後に大きな活躍をするけれど、そうなるなら、このカブトムシとのび太の交流などを前の場面で丁寧に描いておいたほうが説得力があったんじゃないかなあ…。

・マスコットキャラとして宣伝やグッズで目立っていたドードー鳥のクラージョは、本編では存在感が薄く、ほとんど「いるだけ」だったような気がする。この「いるだけ」というのは、ある意味、マスコットキャラとして徹底された結果、と言えるかも。

・最初につかまったモアも、奇跡の島(べレーガモンド島)へ連れてこられて以降は、いてもいなくてもよい存在になってしまった。こういうところからも、本作における絶滅動物の扱いの軽さが感じられた。このモアとの交流や活躍を最後まで描いたほうが、物語としてなめらかな一貫性が出たのではないか。

・ロッコロ族がなぜ奇跡に島に住んでいるのか、この一族はどんな歴史や背景を持っているのか、きちんと描いてほしかった。ロッコロ族の素性が不明すぎてもやもやする。

・ゴールデンヘラクレスは、本作のキーとなる要素なのだから、その正体や価値観をもっと説得力の出るよう描いてほしかった。なんだかよくわからない存在だった。


 ああしてほしかった、こうしてほしかったという感想を私はあまり言わないほうなのですが、この映画に対しては、そう言いたくなるところが多いです。言っても詮ないことではありますし、言えば言うほど一鑑賞者のわがままや愚痴のようにもなってしまうのですが、それでも言いたくなるほど、この映画は釈然としないのです。さほど大きくない容量の胃袋にいろいろな食べ物を雑多に詰め込み過ぎて消化不良を起こしてしまった作品のような感じで…。

 全体的に見て、登場するキャラクターや動物やアイテムや出来事などが、ことごとく、物語を次へ進めていくために都合のよい駒や歯車のように扱われていたようにも感じられ、その点も残念でした。


 個人的な思いを言えば、絶滅動物を守る・絶滅動物と触れ合う・絶滅動物の生態を科学的に正確に描く、絶滅動物の姿に驚き感動する…といったふうにテーマを「絶滅動物」に絞り込んでシンプルな構成にしたほうがずっとよくなったと思います。絶滅動物たちにもっと生命感や存在感を授けてあげてほしかった…。

 絶滅動物よりも親子の絆の重要さを描きたいのなら、そちらにもっと焦点を絞って、テーマが物語に溶け込むように作品をつくるべきだったのではないかなあ。両方とも描きたいのなら、両方のテーマをもっと有機的に結び付けないと、分裂した物語になってしまいます。


 PTA的なところからクレームの来ない健全性が確保され、家族連れで安心して観られる内容になっており、マーチャンダイジングや宣伝がしやすいよう配慮されているようでもあり、そういう方面での神経はかなり行き届いているように感じました。そういう意味でも、これは子供が欲する作品というより、大人が子供に「与えたい」作品、という側面が強いように思います。というか、大人が子供に与えたいと思うような作品にしたい、という願望が優先された作品と言ったほうがよいなかなあ…。


 歴代の映画ドラえもんのなかで「面白かった作品」を順位付けするとしたら、今回の『のび太の奇跡の島』は決して上位に来きません。それどころか、相当下の方に位置してしまう作品になりそうです。

 下位に来るからといって、この作品を冷淡に突き放すようなことはやめておきました。なんだかんだ言ったって、私は映画ドラえもんが好きなのです。ですから、厳しめの内容とはいえ、『のび太と奇跡の島』について、こんなにもいろいろと語ってしまったのでした。ゴンスケがゲストキャラとして登場したことで、ゴンスケグッズがいくつか発売されたことは素直に嬉しいです。


 毎年確実に傑作・佳作を生み出していくのは極めて難しいことでしょう。昨年の『新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』が非常に素晴らしかったわけですが、これを観終えたとき、今後の映画ドラえもんでこれほど素晴らしいと思える体験はしばらくないかもしれないな、と覚悟しました。ですから、今回の作品の出来がかんばしくないことに大きな落胆やショックや怒りはありません。ただ、もうちょっとなんとかならなかったものか、という気持ちが芽生えたのも正直なところなので、上記のようなことを言わせてもらいました。

 来年は、今年よりは面白い作品であることを願います。もちろん、期待以上の傑作であれば、それは望外の大きな喜びとなるでしょう。

才賀道茂才賀道茂 2012/03/06 21:05 はじめて、才賀と申します。
いつも拝見していますが、初コメなのでよろしくお願いします。
今回の映画ドラえもんの件には管理人さんとほぼ同意見で残念だったのでコメントさせてもらいました。
個人的にはリメイクを中心に映画化してもらいたいと思っているのですが、時代背景が違うので難しいのでしょうね…。

koikesankoikesan 2012/03/06 21:24 >才賀道茂さん

はじめまして。
才賀さんも私と同様の感想を抱かれたんですか。残念な作品でしたよね…。

わさドラになってからの映画でオリジナルとリメイクを比較した場合、今のところ、面白い作品・傑作といえる作品はリメイクばかりという結果になっています。オリジナルではきつい…という思いが募るのもよく理解できます。

来年は、まだはっきりしませんが、どうやらオリジナルっぽいので、今度こそ、オリジナルでもここまでやれるんだ!というところを見せ付けてほしいところですが…。はたして、どうなることでしょう。

ドラえもん大好きドラえもん大好き 2012/03/07 05:57 私の感想は、上手く説明が出来ませんが、話が飛ぶ所があり残念に思いましたが人魚に比べると多少良くなっている感じました。

ドラえもんが大好きな自分は体調が赦す限り寅さんのように毎年の恒例行事として鑑賞するのが楽しみですが…

来週は原作本(映画ストーリー)も出るので相違を探してみます。

koikesankoikesan 2012/03/07 07:47 >ドラえもん大好きさん

私も映画ドラえもんは、毎年この時期に訪れるお祭りのような気分で堪能していますよ。だから、今後もずっと続いてほしいと思っています。

「奇跡の島」は、3月3日〜4日の興行成績で1位を獲得していて、滑り出し好調のようですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120307-00000001-flix-movi

マンガ版、今回はむぎわらしんたろうさんが描かれていますね。私もコミックスが発売されたら購入するつもりです。

名無し名無し 2012/03/07 13:54 来年は寺本監督の(多分)オリジナル! 色々不安だけどとりあえず楽しみ!
そう思うことにして観た後の残念な気持ちを忘れました(笑)
一体どんな映画になるのか検討がつかないところが期待を膨らませます
来週は新鉄人が地上波でやりますがとんでもないカットがされてそうで非常に不安です

koikesankoikesan 2012/03/07 18:55 >名無しさん

予告映像など見る限りでは、来年は寺本監督によるオリジナル作品になりそうな感じですね。
まだ正式なアナウンスがあったわけじゃありませんが、もしそうだとすれば、名無しさんがおっしゃるように、わさドラになって以降のオリジナル映画でようやくちゃんとした作品が見られるかもしれない…という希望を持てますよね。

「新鉄人兵団」のテレビ放映はカットが不安ですよねえ…。「恐竜2006」のカットがひどかったのに懲りてから、映画ドラの地上波放映はまともに見ていないのですが、「新鉄人兵団」となれば、やっぱり気になります。

ブリキLOVE ブリキLOVE 2012/03/08 01:36 同感です。この監督さんとゆうかまわりの関係者も会議とかで意見とか言い合わないのでしょうか。例えば「人魚」のラストでブイキンは体感メガネを掛けてないのに架空水にやられてましたが明らかにおかしいと思うことが多すぎるんですよね。今回でいうとのび太が島から現代にカブトムシを持ってくる描写がありますが島から離れると黄金ヘラクレスの恩恵が得られずに弱ってしまうはずなのにぴんぴんしてましたよね。それとも自分が気にしすぎなのでしょうか(^^;

koikesankoikesan 2012/03/08 03:37 >ブリキLOVEさん

この映画は(人魚大海戦も)、そういうツッコミどころや矛盾点や変なところがいっぱいですよね。細かいことを気にしだすと耐えられなくなりそうなのであまり気にしないようにしていますが、せめて重要なポイントだけでももう少し神経を払ってほしかったですね^^

kuzira_wanderingkuzira_wandering 2012/03/08 19:57 こんばんわ、自分も先日見てみました。

私も同じ感想ですね…う〜ん…
序盤ののび太パパのとの約束はよかったのですがそれをうまく繋げられたかといえばNOでしたし、約束のほうも果たして守っていたとは思えませんでした。まあ気にする場面はありましたが、カブ太自体が島からほぼずっとポケットの中で幽閉状態、大切にしていたとは思えませんしラストで戦ったのも単なるカブトムシとしての闘争本能からでしょう

ロッコロ族も島もゴールデンカブトという宇宙昆虫も考えれば考えるほど矛盾というか説明不足な面が否めません
特にロッコロ族は未来人?の割りに生活水準が低すぎますし
サーベルタイガーやら肉食獣がいる島で武器という概念すら失ってるとは一体どうなってるのか?
また島の管理人とどういく関係であるのかetc

なんともこのほかにも突っ込み所が多すぎて…
残念です
余談ですが今回の作品がポケモン映画の「セレビィ時を越えた遭遇」に似ていてなんだかなあ…と

koikesankoikesan 2012/03/08 20:06 >kuzira_wanderingさん

そうですよねえ…
設定やら世界観やら物語のつながりやら、いろいろなところで矛盾や不整合やテキトーさが見つかりますよね。
べつに意地悪な目で見ているわけじゃなく、相当ハードルを下げて見ているのですが、それでも変なところがいっぱい目につくのですから、細かく点検していったら大変なことになりそうです^^

ポケモンのその映画は未見なのですが、「奇跡の島」と似通っているんですか。機会があったらチェックしてみたいと思います。

ハナハナ 2012/03/09 00:56 F先生の原作があれば、すばらしくアレンジできるのにオリジナルだとなんかツメが甘い気がします。楠葉監督のFせんせい原作映画はないのですが、渡辺監督も恐竜2006はあんなにすばらしいのに、緑の巨人だと大味になったりするんですよね。テーマはいいんですけど。やっぱり難しいのですかね。

koikesankoikesan 2012/03/09 01:25 >ハナさん

リニューアル後の映画ドラえもんのオリジナル作品は、今のところ調子がよくないですねえ。素晴らしい、面白いと思えるのはリメイク作品ばかりです。

こうしてオリジナル作品に批判的なことを言っている私のような者の鼻を明かすような、質の高いオリジナル作品が出てきてほしいです。
来年が大方の予想通り寺本監督のオリジナル作品だとすれば、ちょっと期待してみてもいいかなって思います。

kou.blue97kou.blue97 2012/03/16 08:12 はじめまして。
僕は前情報なしで子供連れて映画を見にいきました。
直後の感想は「震災後だから親子の絆を全面に出したのかな。ちゃんと押し付けてる部分もあるけど、いい映画だった。」と思いました。

大人目線ではいろいろあるでしょうが、子供達には「親子の絆」どう捕らえたのかな、ちゃんと理解出来たのかなとも思いました。

小学校の子供向けには、胸に手をあてる等、わかりやすくて良いんじゃないでしょうか。

全部含めて、いい映画だったな、親子で見に行って欲しいなと強く感じました。

子供達にとって、どうだったと思われますか?

よろしければご意見お願いします。

http://blue97.livedoor.biz/

koikesankoikesan 2012/03/16 09:10 >kou.blue97さん

はじめまして。

親子連れでこの映画をご覧になった方の率直な感想をうかがえて、ありがたく思います。

上の本文でも書きましたように、「親子の絆」というテーマは重要なことであり普遍性のあることだと思いますから、そのテーマに感動したり涙したり心洗われたり考えさせられたりする人がいらっしゃることはよく理解できます。私も人の子ですから、そうしたテーマに何も感じないわけではありません。

私はテーマそのものに何か言いたいわけではありません。親子連れの方が、これは良い映画だ、子供に見せたくなる映画だと感じるのも、もっともな面がある、と思います。

私が問題にしているには、その大切なテーマが肝心の物語の中に溶け込んでいない、テーマがつぎはぎのようにねじ込まれている、ということです。
私は物語を愛する者として、この映画を面白いとも優れた作品とも思いません。
「胸に手を当てる」という行為についても、上で書きましたように、それ自体は心温まるもので良いと思うのです。その行為が、物語の中で、唐突な形で行なわれてしまっていることに違和感をおぼえるのです。物語の整合性、因果律、連続性という点で難があるのです。

この映画が子供達にとってどうだったと思うか、という問いに答えるのは難しいです。
子供といっても、それぞれに多様な人格や背景を持っていますから、この映画のテーマに良い影響を受ける子もいれば、テーマには無関心でキャラクターのかわいらしさに魅力を感じる子もいるでしょうし、ドラえもん達が動いていることに満足する子もいるでしょうし、退屈に思う子もいるでしょうし、見たくもないと思う子もいるでしょう。
そのことを前提としたうえで言えば、やはりこれも上で書いたとおり、この作品は親が子に与えたいと思うものであるかもしれないが、子供の心を虜にするような魅力的なアニメーションではない、と思います。ですから私は、この映画を他人(子供を含む)に薦めるなんてことはできません。

この映画を素晴らしいと感じた人が多くいることは存じ上げていますし、そう感じた方々の感性を否定するものでもありません。
私自身はこの映画に魅力を感じなかったし、人(子供含む)に薦めたいとも思わないという、それだけのことです。

私が好ましいと思わない作品ではあるものの、映画ドラえもんが人々に愛され評価されること自体は好ましいことだと思っております。
ですから、kou.blue97さんがこの映画を良い作品だとお感じになり、お子さんもこの映画をお好きなのであれば、その思いを大切にしながら、「ドラえもん」を愛し続けていっていただきたいなと、一ドラえもんファンとして僭越ながら願っております。

あらためて、貴重なご意見ありがとうございました。

ヒデヨヒデヨ 2012/03/18 15:35 今回の作品のメインテーマは(絶滅動物を守る)でも(親子の絆)でもないと思いました。

おそらく監督が見せたいテーマは(子供から大人へ)でしょう。

(絶滅動物と今を生きる動物)(大人と子供)(古きものと新しきもの)(過去と未来)あらゆるもののつながりをテーマとしているように感じました。
東京タワーとスカイツリー、30年前と現在、敵の巨大メカとカブトムシなど意図的にそういうシーンを入れたのでしょう。

父親(大人のパパ)の目線と子供(のび太)の目線が別々に描かれていて対比するようなシーンが印象的でした。

おそらくこの映画はかつて子供だった大人(子供の親世代)をターゲットにしているのでしょう。
(子供の頃感じたことも大人になったらわかるよ)というのがテーマではないでしょうか?

去年の新鉄人兵団の主題歌を担当したBUMP OF CHICKENの歌に(魔法の料理)という曲があります。
この歌は(子供のころにわからなかったこともいつかはわかるよ。そういうつながりや思い出は大切だよ。)ということを歌ったものです。

この歌のようなことを描いたのではないでしょうか?


…と評価はしていますがこれでは映画ドラえもんである必要性がありません。説明不足や意味不明な展開も散見します。

冒険の舞台が未来であること、新しい試みだったパパ(のび助=ダッケ)をストーリーに絡めるのはよかったと思います。

koikesankoikesan 2012/03/18 17:36 >ヒデヨさん

ヒデヨさんの見解をお聞かせくださってありがとうございます。
ヒデヨさんが感じ取った「子供の頃感じたことも大人になったらわかるよ」というテーマを、BUMP OF CHICKENの歌を例示しながら解説してくださっていて、とても興味深く拝読しました。

「親子の絆」というテーマ自体は、私がこの記事を書いたあと楠葉監督のコメントを読んだら、文字通り「親子の絆」がテーマであるとおっしゃっていましたので、これが意識された大枠のテーマであることは間違いないと思います。「親子関係の大切さをもう一度見つめ直そうと思った」とのことです。
ですから、ヒデヨさんが感じ取ったそのテーマは、「親子の絆」というテーマを描こうとしたところから生み出された要素であり、この二つのテーマは表裏一体というか密接につながったものじゃないかと、ヒデヨさんのコメントを拝読して、思いました。

「絶滅動物」は、テーマというより、物語の材料として使われたという感じで、メインテーマからは退いている印象を受けました。

私は、テーマ自体のセレクトは原則としてどうであってもかまわないと思うのですが、その肝心のテーマが物語に溶け込んでいないことに違和感をおぼえますし、ヒデヨさんがおっしゃったように、映画ドラえもんである必然性を感じられないので、やはりこの映画への評価は低くなってしまいます。

エモドランエモドラン 2012/03/19 13:22
遅まきながら昨日鑑賞してきました。


結論から述べると、この作品はかなり“駄作”だと思います。


まず、テーマが物語に溶け込めていません。
私は「親子の絆」というテーマはすばらしいと思います。(映画ドラえもんでこのテーマを扱う理由が分かりませんが)
とにかく、これが物語に溶け込んでいればある程度は見応えのある作品になっていたと思います。


ところが、実際はどうでしょうか?
物語に溶け込むというより、上から塗りつぶした、と言った方が的確でしょう。
作品のテーマを、登場人物が台詞としてしゃべっているのです。直接的すぎます。
だから、感動の押しつけと感じるのではないでしょうか。


テーマというのは、鑑賞者側がある程度深読みして理解するものだと考えています。
深読みまで行かなくとも、話の流れ・言動・行動に気を配らなければ理解できないものです。




というか、私のありのままの思いを言うと、「映画ドラえもん」に必ずしもテーマは必要ないと思います。

私が映画ドラえもんで感動したシーン…例えば「ピー助との別れ」や「コーヤコーヤ星を去るとき」etc
これらの場面はテーマとは無関係だと思います。

テーマよりも物語に感動したのです。

そして、物語と同じくらい、画面の効果などの形式的な点にも感動したのです。
それは、挿入歌であったり、目線の移り方であったり、人物の些細な表情。最初期の作品ならば、ラストにのび太の家を月が照らすシーン。

そうした、感動の要素が消え去っていると思います。





リメイクもオリジナルも安定して面白いと思える日が来てほしいですね。

koikesankoikesan 2012/03/19 15:16 >エモドランさん

「奇跡の島」は残念な出来でしたよね。共感します。

エモドランさんがおっしゃった「作品のテーマを台詞としてしゃべっている」というのは、この映画の難点の一つですよね。登場人物の心情や物語の進行なども台詞に頼りがちなところが随所にあって、これではアニメーションにする意味がなくなってしまいます。

画面の魅力が乏しかったというのも、そう思います。
全体的に平板に描かれてしまっているな、という印象を受けました。

来年もオリジナル作になるようなので、今度はもっと魅力的な作品に仕上げていただきたいと願っています。

ハナハナ 2012/03/24 16:03 来年は探○モノ。映画クレヨンしんちゃんの裏で上映されているパーロ映画と被るんじゃないかと言われていますね。話がほぼ同じポケモン映画を2本を同日公開したり、ルパン対コナンという奇策を許可する悪名高き小学館(だけじゃないけど)ですからね(笑)。へたしたら、ドラとバーロ映画のコラボ映画になるかもしれないですからね。期待50不安50です。特にドラは5〜6年おきに同時上映の交代や声優交代など企画を行う映画ですからね。

koikesankoikesan 2012/03/24 17:27 >ハナさん

予告映像を観る限り、そのようですね。

前例から言って、オリジナル作品は非常に不安ですが、監督が寺本幸代さんというところに一縷の望みをかけております^^
数ヵ月後になるであろう、次回作の具体的な情報を待ちたいと思います。

モジモジ 2012/03/25 00:42 はじめまして。いつも楽しく読ませていただいております。
いつも見ているだけだったのですが、この映画が結構好きだったので、つい書きたくなりました。
私は、6歳の娘と二人で見に行きました。父の立場で子どもと見ると、なかなかグッと来るところがあったんですね。
自分が子どもの頃に心躍らせたドラえもん映画に子どもと来ている、というだけで感慨深いもんですが、
今回の作品はパパにクローズアップして、その辺りのツボを狙って作られてるなあ、と感じました。
実際、周りを見ても父と子の二人で来ている人が多くて、これは今回狙って作ったんじゃないかと思いましたね。
微妙によく分からない年代設定の「30年前」に、唯一時代っぽい印が80年代アイドルソング風の曲だったり、
ダッケの声が野沢雅子さんだったり、いいところで流れる曲が堀江美都子さんだったり、
なんかある世代を狙った記号がちりばめられている感じを受けました。
台詞で語っちゃってるテーマというのも、親が子どもに言うには照れくさいことを作中人物に代弁させている感じというか。
そういう意味で、大人に向けた作り方であるとも言えちゃいそうですが、子どもと心地よい時間を過ごすことは出来ました。
子どもの方も、6歳という年齢の子にとってはとても分かりやすく、暗い部分や怖いところがなくて、楽しめていました。
「鉄人兵団」は怖くて無理だったので。逆に、「鉄人兵団」が好きな小学高学年とかは幼稚に感じたかもしれませんが。
ドラえもんは対象年齢が広いので、この辺りの設定は難しいと思います。
幼児がテレビで楽しんで、そのつもりで映画館に楽しみに来て怖くて見られない…というのはどうかなあ、と思うので、
個人的には今回の映画はとても良い印象でした。

koikesankoikesan 2012/03/25 02:30 >モジさん

娘さんと一緒にご覧になったご感想を丁寧に書いてくださってありがとうございます。

楠葉監督は、この作品について「(震災を受けて)こういうときに、あまりにも悲惨な映像を見せるべきじゃないと思った」「(武器っぽいひみつ道具を使用しなかったことによって)戦い方が小粒になっているのはいなめないけど、それはそれでおもしろいものになっていると思いますよ」「テレビアニメと違って映画のドラえもんやのび太は戦うから見たくないという子どもたちもいるんですね。今年は、そこにも配慮してみました」と述べていました。
モジさんと娘さんは、そうした監督の考えとピッタリ波長が合った、監督が届けようと思ったものをしっかり受け取った鑑賞者でいらっしゃっるんだなあと感じました。
作品と鑑賞者の相性みたいなものは確かにあって、本作の場合、残念ながら私の波長には合いませんでしたが、逆に、こういう作品だからこそ「良かった」と感じる方もいらっしゃるわけで、それについて私は“感じ方の多様性”みたいなものをしみじみと実感しております。
その意味でも、こうしてモジさんが感想を書き込んでくださってよかったと思います。

ドラッチィドラッチィ 2012/04/04 01:07 今年の作品は去年と比べると劣っています。
ただ人魚や巨人伝(自分は好きですが)よりも世間一般の評価は悪くないようなきがします。
自分もこの作品はオリジナルの中でもまだまとまっているほうだと思います。

これからさき、新鉄のような良さは当分無いかもしれないと言ってますが
リメイクではないオリジナルで新鉄を越える作品を作るのがスタッフ達の本望だと自分は思います。

来年は寺本監督のオリジナルと言うことで確定しています。ギャグが多い作品になると聞いてますが期待しています。

koikesankoikesan 2012/04/04 01:16 >ドラッチィさん

ご意見を聞かせてくださってありがとうございます。

「新鉄人兵団」ほどの作品は当分ないかもしれない、と感じられるほど「新鉄人兵団」を見終えたときは満足感がありました。
むろん、「新鉄人兵団」に匹敵するほどの、あるいはそれを超えるほどの傑作が今後早いうちに生み出されるなら、それは良い意味で予感を裏切られることですし、スタッフもファンもそうなることを望んでいると思います。

来年の寺本監督によるオリジナル作は、私も期待を寄せています。

スライムナイトスライムナイト 2012/06/15 15:10 初めまして。古い話題で今さら感があるかもしれませんが、このブログを今日初めて知ったのでコメントさせて頂きます。この映画は劇場に見に行きました。私は「伝えたいものがはっきりしすぎてる」といった感じがあります。監督は親子の絆を描きたかったみたいですがはっきり言ってそれを考えさせるのではなく、ただ伝えただけ。おしつけがましい感は半端じゃありません。ちなみに私は大長編ドラえもんでは魔界大冒険が一番好きです。藤子先生が魔界大冒険で何を伝えたかったかは個々の捉え方によると思いますし、もしかしたら藤子先生は特に何も伝えるつもりはなかったかもしれません。ただ当時子供だった私には魔界大冒険に心躍らされており、言葉では言い表せられないものを感じました。私はドラえもんに限らず考えさせられる作品が大好きです。音楽では甲本ヒロト、映画ではスタンド・バイ・ミー、小説は星新一といったものが好きですがこのすべてがどこかドラえもんはもちろん、藤子F作品には含まれている気がします。(全て個人の感想ですが。)素人の私がいうのもなんですが伝えたいことを伝える事なんて誰にでも出来ます。来年の映画ドラえもんは考えさせられるものにして頂きたいです。

koikesankoikesan 2012/06/15 17:35 >スライムナイトさん

はじめまして。

今年の映画ドラえもんは私にとっても残念な出来でした。来年は、こんなことにはならないでほしいと願うばかりです。まずは、今後の公式情報を待ちたいと思います。

スライムナイトさんが好きな音楽として挙げられた甲本ヒロトさんは、ドラえもんの映画では特に「鉄人兵団」が好きだとおっしゃってましたよね。「キョーレツにおもしろい」「20歳くらいの時、たまたま映画館でひとりで観てて、ぽろぽろ泣いちゃった」とのこと。甲本さんがドラえもん好きというのは嬉しいことですね。