11月10日放送のアニメ『ドラえもん』

 11月10日(金)放送のアニメ『ドラえもん』、1本目は「葉っぱ探偵のび太」でした。アニメオリジナルのお話です。
 服を破ったりどら焼きを盗み食いしたりしたのでは、とみんなから疑いをかけられたドラえもん。その無実を証明しようと、のび太が犯人探しをするのですが、その過程でドラえもんのデートシーンをちょくちょく観られたのが楽しかったです。浮かれるドラえもん、恋のライバルに対抗心を燃やすドラえもん、抜群の気配りでエスコートするドラえもん。ストーリーは犯人探しが主眼でしたが、私はドラえもんのデートシーンのほうに意識が行きがちでした(笑)


 2本目は「二十一世紀のおとのさま」。てんとう虫コミックス21巻などに収録されている「二十世紀のおとのさま」が原作です。
 今回のアニメでは、おとのさまが肉体労働後に日の丸弁当を食べて「うまーい」と快哉を叫ぶところで『まんが道』で満賀道雄才野茂が叫ぶ「ンマーイ」の場面とイメージが重なりました。本当に「ンマーイ」と言っているのではないか…と録画した映像をもう一度確認したくらいです。おとのさまも満賀も才野も口がとがっていることですし、アニメ制作者の方もどこかで意識してやってくれたのではないか、と都合よく勝手に思っておきます(笑)
 原作のラストでは、元の時代へ帰って優しくなったおとのさまの笑顔だけが映し出されていましたが、今回のアニメでは、優しくなったおとのさまが実際にどんな行ないをしたかも描かれました。農民と一緒に畑仕事をしたのです。21世紀で道路工事の肉体労働を体験したおかげで、労働の過酷さと尊さを学び、そんな労働を日々行なっている農民への思いやりが芽生えたおとのさま。元の時代に帰ったら、さっそくその労働を実践してくれたのです。
 この作品のような、昔の人が時間移動で現在へやってきてカルチャーショックを受けたり騒動を起こしたり…というタイプのお話といえば、個人的には『ドラえもん』の「ホラふき御先祖」に最も愛着があります。ホラのびさんが自動車から逃げながら「鉄のイノシシだあ」と叫ぶコマが、子どもの頃からなんか好きなのです。
 ここ数年のうちに発表された非藤子作品では、マンガ『テルマエ・ロマエ』を読んだとき「ホラふき御先祖」を、映画『帰ってきたヒトラー』を観たときに「二十世紀のおとのさま」をちょっと思い出したりもしました(笑)