ファンドレイジングについて学ぶ(その2)

この2日間のセミナー、9つのセッションを通じて学んだことを備忘録として記載しておきます。

NPOなどに所属してファンドレイジングを行う立場だったら‥
1) 寄付を募るという「ファンドレイジング」は、「受けての意識を変え、共感してもらい、そして対価を払う(できれば継続的に)」という点で、企業が消費者に対して行うブランディング、マーケティング活動とほぼ同じ仕組みだということ。
2) 寄付を募る行為は、「株式投資」を仰ぐ活動とも似ている。信頼性、実績、成長性、代表者などの要素。
3) 上記のような要素、すなわち「共感」+「リターンを実現する能力」に加えて、さらに効果的なのは「第三者の評価」。
このあたりは格付け会社やマスコミの記事を求める金融機関とよく似ています。
4) Unicef以外のNPOは消費者の意識のなかで差別化されておらず、この点に発展/改善の余地がかなりありそうということ。f:id:koikesumito:20110206145003j:image:left

ということから、消費者の記憶に残るため、NPO同士の競争も今後発生する(好むと好まないに関わらず)


5) 「寄付を仰ぐ」ためには企業活動でいうところの「Buy Me」のメッセージがきちんと設計される必要がある。
曖昧でもダメ、またあからさまに初対面の人に言ってはいけない、ということ。
6) とはいえ、結局どうしてほしいのかは言うべき。
7) 商品力がないのに、販売力がないのに、広告宣伝を起こすような愚はおかさないこと。registration, engagementが大切で、attentionは最後。


●企業に所属してNPOと関係をもつなら
1) ナンバーワンよりもオンリーワンの実績を残すNPO
2) ミッションの実現を目指す組織拡充=キャパシティビルディングが理想
3) 企業もコンテキストづくりが肝要
CSRの面ではNPOから学ぶべきことも多いが、民間企業のネットワーク、人的資源、広報力や資金はとても貴重なので少しの活動でも社会を変える一歩になることの責任を感じるべき。

●個人の立場として
2日間のまとめとして、「寄付する」という行為はこれからもっと一般的に、普通の活動になっていくと思いました。社会貢献活動の基盤を固め、そして財を偏在させることなく有効に活用するためには、プロフェッショナルなファンドレイジングの手法がこれからも研究され、そして実行される必要があると思いながら帰りました。自分も、微力ながらこれからもこのスキルと知識を身につけていきたいものだと思います。

ということで、大好きな映画「ナイロビの蜂」のアーノルドに敬意を評し、家に帰ってから「国境なき医師団」のホームページを立ち上げました。そして、居酒屋1回分のわずかな募金をしてみました。