古事記を旅する(三浦佑之著)


古事記は、出雲を語る上で、避けては通れない道ですが、これを通読するのは、なかなか大変です。先日紹介した「レッツ!古事記」などから入り、周辺の読み物を読んでいくと、興味がわいてきて、古事記に向かう気持ちが強くなってくるようだったら、古事記の口語訳などに進まれるのがよいかと思う次第です。

三浦氏は、口語訳の古事記を出しておられて、「古事記を旅する」も、三浦氏による「古事記三部作」の完結編となっているそうです。

古事記を旅する」は、出雲を舞台にした国引き神話や国譲りの話だけでなく、全国の神々の神話があり、その神話の舞台を三浦氏が実際に訪ねて、古事記の記述をたどっていくという構成になっています。出雲では、大神殿があった出雲大社の周辺、美保関、加賀の潜戸などを訪ねておられます。また、それだけではなくて、もちろん諏訪、高千穂、伊勢、熊野など、日本の神話をひもときながら旅する紀行になっていて、全国の神話と出雲の神話の結びつきもよく理解できます。この本を片手に旅に出れば、日本の原点にたどりつけるかもしれないですね!

文藝春秋、2007年)