伝説の地方紙石見タイムズ〜山陰の小都市浜田のもうひとつの戦後史(吉田豊明著)


浜田で戦後に発行された新聞「石見タイムス」の興亡を描いています。昭和22年から47年まで発行された新聞です。

小さな町で、新聞を出していくというのは大変なことだったと思います。でも、あの戦争がやはり、市民の中に言論の自由が失われたことが原因だったという反省から出発したのだし、この石見タイムズの挑戦は、戦後のもうひとつの戦後史、という副題に込めた思いがよく伝わってきて、すごく素敵です。いま、メディアの状況は厳しいものがありますが、ネットも含めて、地方の情報発信、言論をどうやって守っていくのか、この本を読んで身に染みてしまいました。

明石書店、2004年)