kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

池田香代子さんはいったいいつのことを書いているのだろうか?

池田香代子ブログ : 「若者がチマチマしている」 - ライブドアブログ より。

1985年、労働者派遣法が成立し、正規に就職しないで腰かけ的な仕事でつなぎながら、自分のやりたいことを追いかけることが、若い人びとの間でひとつの選択肢になりました。テレビコマーシャルは、「職業選択の自由〜」と歌い、世の中はそんな生き方をもてはやすような雰囲気でした。「自分探し」が流行語になり、私のところにもそんなテーマのエッセイ依頼がたくさん来ました。この年に訳出した『ソフィーの世界』という、ヨーロッパ哲学史をファンタジー形式で語るという本がベストセラーになったからです。なにしろその出だしは、「あなたはだれ?」だったのです。それで、哲学的な思考とは何かを説くこの作品とはおよそ無関係だったにも拘わらず、当時の風潮に押されて、私などのところにまで「自分探し」エッセイの注文が殺到したのでした。


これって一体いつごろのことを書いた文章なのだろうか。

労働者派遣法が国会で成立した、中曽根政権時代の1985年のことなのか。

それとも、「職業選択の自由〜」とシーナ&ザ・ロケッツが歌った、海部政権時代の1991年のことなのか。

はたまた、池田香代子さんが『ソフィーの世界』を訳出された、村山政権時代の1995年のことなのか。

私は85年ごろに書いた「自分探し」エッセイに、必ずそうした懸念をしのばせ、さらには編集者の意図をひそかに裏切って、『ソフィーの世界』が本来伝えたかったことに注目していただこうとしました。


ヨースタイン・ゴルデルが『ソフィーの世界』を書いたのは1991年なのに、なんで6年後に書かれた本の「本来伝えたかったこと」が1985年の池田さんにわかったのだろうか?


以下は、『きまぐれな日々』に寄せられたぽむさんのコメント*1より。

若者の雇用環境の理不尽な厳しさを批判しているのですが、途中まではまずまずまともなことを書いているのが、最後になって
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若者が湯浅誠さんの言う「すべり台社会」への恐怖に身をすくませているなら、多くの企業が若者を正社員として抱え込めなくなることを見込んで、「バイトで自分探し」を奨励したこの社会の罪は深いと思います。この残酷な話に飛びついたのは、正社員の既得権に守られた年長世代です。
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と世代間格差や「既得権」を持ち出されたのにはがっかりしました。


これを読んで、池田さんの記事に当たってみたのだが、内容以前に年数表記がめちゃくちゃなのに匙を投げてしまった。

世代間格差や「既得権」を安易に持ち出した池田さんに対するぽむさんの批判ももっともだと思うけれども、時系列を正しく踏まえない池田さんの文章は、はっきりいって内容以前の問題であり、論外だと思う。