kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

この期に及んで腐り切った読売のプロ野球報道に呆れる

http://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/news/20101118-OYT1T00756.htm

新人王に巨人・長野、MVPはセ・パとも和田


 プロ野球の今年の最優秀選手(MVP)、最優秀新人(新人王)、ベストナインを選ぶプロ野球担当記者(経験5年以上)の投票結果が18日に発表された。

 MVPは、セ・リーグではチームの主軸として勝負強い打撃でリーグ優勝に貢献した中日の和田が、パ・リーグ最多勝(タイ)に輝いたソフトバンクの和田が、それぞれ初めて選ばれた。

 新人王はセが1年目で19本塁打と3割近い打率をマークした長野(巨人)と、中継ぎで10勝を挙げた榊原(日本ハム)が選ばれた。新人王は2008年の山口、09年の松本に続き、巨人から3年連続の受賞で、同一球団から3年連続選出は84〜86年の広島(小早川、川端、長冨)以来。

 表彰者は以下の通り

 ▽MVP セ 和田(中)パ 和田(ソ)▽新人王 セ 長野(巨)パ 榊原(日)

 ▽ベストナイン(セ) 前田健(広)、阿部(巨)、ブラゼル(神)、平野(神)、森野(中)、鳥谷(神)、マートン(神)、青木(ヤ)、和田(中)

 ▽ベストナイン(パ) 和田(ソ)、嶋(楽)、カブレラ(オ)、田中(日)、小谷野(日)、西岡(ロ)、多村(ソ)、T―岡田(オ)、栗山(西)、福浦=指名打者(ロ)
(2010年11月18日17時30分 読売新聞)


まるでパシフィックリーグセントラルリーグのMVPが同一の選手であるかのような見出しに吹いたが、よく考えてみるまでもなく、これは、福岡ソフトバンクホークス和田毅中日ドラゴンズ和田一浩両選手に失礼な見出しだ。

しかも、この見出しは両リーグのMVPより、セントラルリーグの新人王を獲った読売の選手の名前を先に持ってきている上、パシフィックリーグで新人王を獲得した、北海道日本ハムファイターズ榊原諒選手を見出しから除外している。

さすがに記事本文ではMVPを新人王より先に記載しているが、なぜか日本シリーズで敗れ、交流戦でも全球団がパシフィックリーグの順位を下回ったセントラルリーグの選手を先に載せている。

読売が日本シリーズを制した昨年ならともかく、セントラルリーグ日本シリーズでも交流戦でも敗れた上、リーグ戦でも読売が3位だった今年もこんな報じ方をするとは、いつものこととはいえ、読売の厚顔無恥さには呆れ返るばかりである。

「自衛隊は暴力装置」との仙谷発言を「右」から批判する朝日新聞に目を疑う

http://www.asahi.com/politics/update/1118/TKY201011180169.html より。

仙谷氏「自衛隊暴力装置」 参院予算委で発言、撤回

2010年11月18日11時33分


 仙谷由人官房長官は18日の参院予算委員会で、「自衛隊暴力装置」と述べた。その後、「実力組織」と言い換えた上で、発言を撤回し、謝罪した。

 暴力装置」の表現は、かつて自衛隊違憲と批判する立場から使用されてきた経緯がある。

 この発言は、世耕弘成氏(自民)の質問に対する答弁で飛び出した。世耕氏は、防衛省が政治的な発言をする団体に防衛省自衛隊がかかわる行事への参加を控えてもらうよう指示する通達を出したことを問題視し、国家公務員と自衛隊員の違いを質問。仙谷氏が「暴力装置でもある自衛隊は特段の政治的な中立性が確保されなければならない」と語った。

 世耕氏は仙谷氏に対し、発言の撤回と謝罪を要求。仙谷氏は「用語として不適当だった。自衛隊のみなさんには謝罪致します」と述べた。


 これは、直前に取り上げた読売のプロ野球報道なんか比較にならないくらいひどい記事で、一瞬産経かと目を疑った。もっとも、朝日がこんな記事を書くくらいだから、読売や毎日だって同じような表現を使いそうなものだけれど*1

 それにしても、

 暴力装置」の表現は、かつて自衛隊違憲と批判する立場から使用されてきた経緯がある。

こんな文章が朝日新聞に載るのか。私はネットより先に朝日の夕刊でこの記事を読み、直前にネットで見たZAKZAKの記事*2とほとんど変わらない表現に絶句した。

 自衛隊が「暴力装置」って、そんなのそうであるに決まってるじゃん。実質的に軍隊である自衛隊どころか、そもそも、「あらゆる政治行動の原動力は権力(暴力)である」と述べたのはマックス・ウェーバーだ。ましてや殺傷能力のある武器を持った自衛隊暴力装置でないはずがあろうか、と考えるのがごく自然であり、何も右翼週刊誌に「赤い官房長官」などと揶揄される仙谷由人ならずとも、ごく一般的な人が使ったって何の不思議もない、ごく当たり前の認識だと思うのだが、この発言に、すっかり極右政党と化した自民党*3がかみつき、仙谷はやすやすと謝罪し、朝日が、

 暴力装置」の表現は、かつて自衛隊違憲と批判する立場から使用されてきた経緯がある。

などと「右」側に同調して追い討ちをかける。

 あまりにひど過ぎないか。

*1:ちょっと見た限りでは、読売と毎日は朝日のような文章は載せていなかったが、主筆ナベツネと岸井である以上、両紙にも何の期待もできないだろう。

*2:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20101118/plt1011181654010-n1.htm

*3:世耕はもともと自民党の中でも右翼的な人間ではあるが。

なぜ朝日と夕刊フジが「かつて自衛隊を違憲と批判する立場から使用されてきた経緯が(も)ある」という、同じ表現を使ったのか

 朝日夕刊の記事を読む前にネットで見た、ZAKZAKの記事がみつかった。


http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20101118/plt1011181654010-n1.htm

仙谷も蓮舫も失言…民主ボロボロ末期症状 みんな渡辺「左翼のDNA」

2010.11.18


 参院予算委員会は18日、菅直人首相と全閣僚が出席し2010年度補正予算案に関する基本的質疑が行われたが、仙谷由人官房長官自衛隊を「暴力装置」と述べて委員会が紛糾。蓮舫行政刷新相も発言の撤回に追い込まれたほか、細川律夫厚労相などの答弁をめぐっても度々審議がストップ。まさに「政権末期症状」との指摘が出るほどの惨状となった。

 まず、この日の失言王となったのは仙谷氏だ。同日午前の委員会では、防衛省が関連行事の来賓に政治的発言を控えるよう求める通達を出したことに対する質疑が行わた。この中で、仙谷氏は「公務員の世界では、(言動に)政治的中立性が求められる」と指摘。そのうえで、「暴力装置でもある自衛隊、軍事組織でもあるから、シビリアンコントロールが効かなければならない」と語ったのだ。

 「暴力装置」という表現は、ロシア革命で主導的役割を担ったレーニンの著書「国家と革命」に出てくるほか、かつて自衛隊違憲と批判する立場から使用されてきた経緯もある。

 当然、委員会室は怒号で包まれ、質問者である自民党世耕弘成幹事長代理は発言の撤回と謝罪を要求。仙谷氏は「不適当だった。自衛隊のみなさんには謝罪致します。撤回して実力組織と言い換える」と陳謝した。

 また、菅首相も同日午後の委員会で、「(仙谷氏を)後で呼んで注意する」と述べるとともに「内閣の責任者として私からもおわびしたい」と述べた。 

 また、仙谷氏は、中国漁船衝突事件をめぐる自民党丸山和也参院議員との電話での会話を同氏から公にされ、丸山氏を「いいかげんな人」と批判したことについて、「失礼なことを申し上げた。その点については謝る」と語った。

 このほか、補正予算案についても蓮舫、柳田両大臣の答弁をめぐり審議が度々ストップしたが、みんなの党渡辺喜美代表は「昔の左翼時代のDNAが図らずも明らかになっちゃったということではないか。(失言が相次ぐのは)政権末期症状だ」と斬って捨てた。


 なんということだ。前のエントリ*1で批判した朝日新聞記事*2と、ZAKZAKの記事にほとんど同じ文章が用いられている。

朝日の記事は下記。

暴力装置」の表現は、かつて自衛隊違憲と批判する立場から使用されてきた経緯がある。

一方、ZAKZAK夕刊フジ)の記事は下記。

暴力装置」という表現は、(中略)かつて自衛隊違憲と批判する立場から使用されてきた経緯もある。


 違いといえば、ZAKZAKの方には、

ロシア革命で主導的役割を担ったレーニンの著書「国家と革命」に出てくるほか、

という文章がはさまっている*3のに伴って、朝日の「が」が「も」に代わっているだけだ*4

 これは単なる偶然なのか。

 どちらかがどちらかの表現を借用したか、または第三者が用いた表現*5を両者が借用したかのどちらかではないのか。

 いずれにしても呆れた話である。

*1:http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20101118/1290079499

*2:http://www.asahi.com/politics/update/1118/TKY201011180169.html

*3:ZAKZAKマックス・ウェーバーには触れずにレーニンを持ち出していることには笑える。

*4:他にも「の」と「という」の違いがあるけれども、意味は同じである。

*5:政治家のコメントか何かか? もしかして渡辺喜美のコメント?