kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

<九大医学歴史館>生体解剖 展示か否か 27日に落成式(毎日)

昨夜(9/26)20時台から21時台にかけて、当ダイアリーへのアクセスが一時的に増えていた。

そこでちょっと調べてみたら、下記の毎日新聞の報道があったことがわかった。

http://mainichi.jp/edu/news/m20140926ddg041040004000c.html

九大医学歴史館:生体解剖、展示か否か 長年タブー、抵抗感 教訓残し、慰霊必要−−あす落成式

 九州大医学部のシンボルだった旧解剖学講堂を復元した資料館「九大医学歴史館」が、福岡市東区の医学部キャンパス内に完成した。27日に落成式を行い、来年4月オープンする。医学部創設から110年余の歴史を伝え、太平洋戦争末期に起きた米国人捕虜への「生体解剖事件」の資料を展示することも検討している。負の歴史の展示には慎重意見もあるが、当時学生として事件に立ち会った医...

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http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/education/mainichi-20140926k0000e040256000c.html

<九大医学歴史館>生体解剖 展示か否か 27日に落成式

 九州大医学部のシンボルだった旧解剖学講堂を復元した資料館「九大医学歴史館」が、福岡市東区の医学部キャンパス内に完成した。27日に落成式を行い、来年4月オープンする。医学部創設から110年余の歴史を伝え、太平洋戦争末期に起きた米国人捕虜への「生体解剖事件」の資料を展示することも検討している。負の歴史の展示には慎重意見もあるが、当時学生として事件に立ち会った医師は「歴史の教訓にすべきだ」と話している。

 九大医学部は福岡藩の医学校「賛生館」を母体に、1903年、京都帝国大学福岡医科大学として創立された。最初の卒業生で、12年に甲状腺の病気「橋本病」を発見した橋本策(はかる)氏ら1万人以上を輩出している。

 復元された解剖学講堂は、医学部生が最初に学ぶ講堂として創立時から使われてきた洋風2階建ての建物で、97年に取り壊された。医学部が持つ歴史的資料を保管し、後世に伝えるため、医学部同窓会が寄付金を募り、正門左手の庭園内に完成させた。

 歴史館では明治時代のカルテや標本のほか、橋本氏の論文などを展示予定で、一般にも公開する。同窓会建設実行委員会の原寛委員長(82)は「医学の進歩に九大医学部がどう貢献してきたか学生に見てほしい」と話す。

 一方で医学部の負の側面を伝えることも検討している。45年5〜6月、米軍のB29搭乗員だった捕虜8人を人体実験し全員を死亡させた「九大生体解剖事件」だ。

 遠藤周作の小説「海と毒薬」のモデルにもなった事件では、医学部教授が軍医とともに捕虜に麻酔をした上で片方の肺を摘出したり、海水が血液の代わりになるかなどの実験を4回にわたって実施した。執刀した教授は連合国軍総司令部(GHQ)による逮捕後に自殺し、大学の関係者14人が戦犯として裁かれた。

 福岡市内で産婦人科医院を経営する東野(とうの)利夫さん(88)は当時、医学部に入学したばかりで最初の2回の実験に立ち会った。生存する最後の目撃者でもある東野さんは、館内に犠牲者の写真などを公開して慰霊スペースを設けるよう要望しており、実行委も検討している。ただ、長年タブー視されてきた事件の記録を伝えることにはOB内に一部反対の声もあるといい、今後議論する。

 東野さんは「医者には国境を超えて人命を救うという使命感が必要。だが戦争によって狂わされた。犠牲者を慰霊するとともに、歴史的な教訓にしてほしい」と訴えている。【関東晋慈】

毎日新聞 2014年9月26日(金)14:27


一昨年(2012年)、上記記事に出てくる東野利夫さんが書いた本『汚名 - 「九大生体解剖事件」の真相』(文春文庫,1985)を読み、さらに関連の出来事についてネット検索で調べた結果を加味して書いたのが下記記事であり、昨夜はこの記事へのアクセスが増えていたのだった。


上記リンク先をご覧いただければわかるが、一昨年に東野さんの本を読んだきっかけを作ったのも毎日新聞記事だった。その時の記事を書いた記者は、今回の関東晋慈記者ではなく金秀蓮記者だった。上記記事より引用する。

 この記事について、2ちゃんねるでは「金秀蓮」という記者の名前に条件反射したヒステリックな反応が起き、生体解剖事件は捏造だったと証明されたんだろ、などと息巻く向きもあった。しかし、捏造であることが明らかになったのは、この事件に絡んでセンセーショナルに取り沙汰され、遠藤周作の小説『海と毒薬』の終わり近くにも取り入れられた「人肉試食」(生体解剖された米軍飛行士の肝臓を摘出してそれを西部軍関係者が試食した疑惑)だけだ。生体解剖事件はれっきとした歴史的事実である。


要するに一昨年にも、無知で無恥な頭の悪いネトウヨが「変態新聞が在日記者に捏造記事を書かせたキイキイ」などと叫ぶことによって、ネトウヨ自ら「歴史の捏造」を行っていたのである。

「九大生体解剖事件」の真実を包み隠さず伝える展示を、九大当局は行うべきである。