kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

女性自衛官のブログ削除へ/週刊ポストの誌面が一変か

安保法案衆院通過の翌日(17日)の朝刊で、安保法案関係以外で目を引いた2件を取り上げる。

1件目は、今朝の朝日4面にも出ていた件だが、昨日「きまぐれな日々」へいただいた鍵コメで教えていただいた極右新聞・産経の記事が、さすがに御用メディアだけあって早かったので、産経の記事を引用する。

「慰安婦=性奴隷」と定義したクマラスワミ氏を礼賛 女性自衛官ブログ削除へ(1/2ページ) - 産経ニュース

慰安婦=性奴隷」と定義したクマラスワミ氏を礼賛 女性自衛官ブログ削除へ

 政府は15日、北大西洋条約機構NATO)に派遣している女性自衛官が在ベルギー日本大使館のホームページで公開しているブログの一部を、近く削除する方針を固めた。ブログは慰安婦を「性奴隷」とする国連報告書をまとめたクマラスワミ氏との会談について「光栄」とし、「とても穏やかで徳が感じられる方」と礼賛している。

 ブログは今年3月に公開された。歴史認識をめぐり日本政府と相いれない立場を取るクマラスワミ氏をたたえる内容のため、自民党国防部会で「軽率だ」などの声が上がっていた。ある議員は「自衛官にも表現の自由はあるが、大使館ホームページで公開する以上、国際社会からは政府の公式文書とみられる。内容をチェックしない防衛省にも責任がある」と指摘する。

 女性自衛官は昨年12月からNATO本部に勤務。自身の活動を定期的にブログで紹介している。政府が削除するのはクマラスワミ氏に関する記述があるブログのみの方向だ。

 クマラスワミ氏が平成8年に国連人権委員会に提出した報告書は、朝鮮半島で女性を強制連行したとする吉田清治氏の虚偽の証言を引用しながら慰安婦を「性奴隷」と定義し、日本政府に法的責任の受け入れや元慰安婦への補償などを勧告している。

 朝日新聞が吉田氏の証言を引用した記事の誤報を認めたことを受け、政府は昨年10月、クマラスワミ氏に報告書の一部を修正するよう求めた。クマラスワミ氏は拒否している。

(産経ニュース 2015.7.16 07:04更新)

これはいうまでもなく 女性自衛官のブログ記事まで弾圧しようとする自民党議員に呆れ返る - kojitakenの日記(2015年7月12日)に書いた件のその後だが、下記のURLにアクセスしてみればわかる通り、ブログ記事は確かに削除されている。
http://www.be.emb-japan.go.jp/japanese/archives_j/chizu_003.html

あともう1件は『週刊ポスト』の広告。昨年末以来、同誌のトップを飾ることが多かった安倍晋三批判の記事がきれいさっぱり消え失せ、トップは東芝の人事抗争。2番目に「緊急大特集『中国バブル大崩壊』それでも日本株は上がる」とある。昨年末以来、『週刊ポスト』は株価の記事ばかり書いていっこうに安倍政権批判をしないライバル誌の『週刊現代』をよく当てこすった記事を書いていたが、ポスト自身が同じような記事を書くようになった。

しばらく前に、『週刊ポスト』の編集長が、官邸の圧力によって就任後わずか1年で更迭されたという『リテラ』の記事を思い出した。私の好まない田部祥太氏の記事だが、下記に引用しておく。

安倍政権の疑惑を追及していた「週刊ポスト」編集長が突如の更迭! 背後に官邸の圧力|LITERA/リテラ

安倍政権の疑惑を追及していた「週刊ポスト」編集長が突如の更迭! 背後に官邸の圧力
【この記事のキーワード】圧力, 田部祥太, 菅義偉, 訴訟
2015.07.13

「マスコミを懲らしめる」「沖縄の2紙をつぶす」発言であらためて露わになった安倍政権の言論弾圧体質。実際、安倍政権はこの間、ずっと自分たちを批判する新聞・テレビに対して徹底的に圧力をかけてきた。一連の朝日新聞バッシング、『報道ステーション』(テレビ朝日)への圧力、『NEWS23』(TBS)への安倍首相自らの恫喝、選挙直前のテレビ局へ圧力文書送りつけ……。

 しかし、そのターゲットは、新聞とテレビだけではなく、週刊誌にまで及んでいたらしい。

 この7月、「週刊ポスト」(小学館)で、三井直也編集長が就任わずか1年で更迭され、代わりに前編集長の飯田昌宏氏が返り咲くという前代未聞の人事が発令されたのだが、この人事の背後に官邸の圧力があったという仰天情報が飛び込んできた。

 あまり週刊誌を読まない読者は、なぜ「週刊ポスト」のような軟派週刊誌に?と思うかもしれないが、三井編集長が就任してからの「ポスト」は、それまでの軟派路線とはうって変わって、反安倍政権の姿勢を鮮明にしていた。毎号のように政権批判が特集され、今年4月には、高市早苗総務相の大臣秘書官をつとめる実弟が関わったとされる「高市後援会企業の不透明融資」問題をトップページで報道。

 続いて5月には、東京地検特捜部が捜査を始めた日本歯科医師連盟日歯連)から、菅義偉官房長官が代表をしていた自民党神奈川県連に3000万円が迂回献金されていたとすっぱ抜いた。大手紙の政治部記者が言う。

高市さんのスキャンダルは3月くらいから官邸内でも頭痛のタネになっていたね。もみ消しに動いたのが、菅さんだと言われている。高市さんの実弟に問題融資の回収を速やかに処理するよう指示したと言われたし、『ポスト』の報道後、高市さんの実弟名誉毀損で訴えたのも、菅さんの指示らしい。ところが、その菅さんを今度は日歯連との関係で追及した。官邸の『ポスト』憎しは相当なものだった」
 
 実際、この間、「ポスト」には、官邸から様々な方法での圧力がかけられていたという。

 最初に行われたのは、安倍首相との蜜月ぶりがすっかり有名になった幻冬舎見城徹社長から「ポスト」発行人・森万紀子氏へのプレッシャーだった。

「森さんは同じく小学館の『女性セブン』編集長を務めていた人物ですが、夫がバーニング系の事務所の社長を務めていることもあり、バーニングべったりで知られています。もちろん見城社長とも昔から仲がよく、『セブン』時代には見城社長をネタ元にしていた」(小学館関係者)

「ポスト」は今年2月に、テレビ朝日放送番組審議会会長である見城社長が審議会で『報道ステーション』は政権擁護もすべきと発言していたことを暴露。それに怒った見城社長が旧知の森氏に裏で執拗な抗議を行っていたという。

「すでにこの時点で、森さんは三井編集長の更迭を考えていたようです。ただ、1年で交代させるのはさすがに難しいということで、時期はもう少し先を考えていた」(同前)

 しかし、そこに加わったのが官邸からの訴訟攻撃だった。前述した高市総務相実弟が関わったとされる「後援会企業への不透明融資」報道をめぐって、高市氏の実弟がすぐさま「ポスト」を名誉毀損で訴えたのである。しかも、三井編集長だけでなく、発行人の森氏に、担当編集者、ライターまでを被告にするもので、さらに、高市氏の実弟は警視庁への刑事告訴まで行っていた。

「『ポスト』の記事は非常に慎重で、高市総務相が会見で否定した『日本政策金融公庫の不正融資に関与していた』というような話はそもそも書いていない。その不正融資が焦げ付いた後に、別の融資会社に口利きをしたという事実だけです。それなのに、民事、刑事両方で、発行人やライターまで訴えた。SLAPP訴訟の典型です」(前出・大手紙政治部記者)

 さらに5月、前述した東京地検特捜部が捜査を始めた、菅官房長官日歯連3000万円迂回献金疑惑の記事に対しても、「ポスト」は菅官房長官から訴訟を起こされたという。

「菅官房長官は報道直後、囲みの取材で『弁護士と相談して、法的措置も含めて、いま、検討している』と答えたきり、一切会見はしていませんが、すでに東京地裁に提訴ずみと聞いています」(同前)

 とにかく、この訴訟で発行人の森氏をはじめ、小学館の幹部は震え上がった。そして、慌てて三井編集長の更迭を決めたのだという。後任の飯田編集長は、前述の軟派路線の上、政治的には保守で、むしろ中国や韓国叩きに熱心だった人物。同誌から安倍批判が消えるのは確実と言われている。

「一説には、名誉毀損裁判と編集長人事をめぐって、官邸と小学館の間で、何らかの裏取引があったのではないか、とも言われています」(小学館関係者)

 まあ、裏取引はともかくとして、安倍政権と自民党がいま、訴訟に出るという手を使って週刊誌を押さえ込もうとしているのは事実だ。

高市総務相のケースもそうでしたが、自民党は閣僚や幹部のスキャンダルを週刊誌がやろうとすると、すぐに党の顧問弁護士をたてて、『訴訟するぞ』とプレッシャーをかける作戦をとっています。新聞とテレビは抗議だけで黙らせることができるが、週刊誌はそうはいかない。それで、週刊誌がいま、いちばん恐れる訴訟をもち出して、圧力をかけるわけです。週刊誌もよほどの鉄板の事実がない限り、スキャンダル追及なんてできなくなってしまいました」(週刊誌編集幹部)

 安倍政権によって脅かされているのは憲法9条だけではない。「言論の自由」がいま、危機に陥っているのだ。
(田部祥太)


編集長の交代はやはり官邸の圧力のせいかと思わずにはいられない『週刊ポスト』の広告だった。もっとも7月ももう中旬に入っているから、既に先週号か先々週号あたりから変わっていたのかもしれないが、毎週同誌の広告をチェックしたり立ち読みしているわけではないからわからない。だが、少なくとも安保法案が衆院を通過する直後の号になることがわかっていたはずだから、少し前までの同誌だったら、あんな広告になることは考えられなかった。

安倍晋三とその政権の「言論弾圧」の恐ろしさは本物だ。