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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

タクシーで受験生を送ったJR北海道の対応は正しい。自己責任厨は豆腐の角に頭ぶつけて氏ね

感想は一言。タイトルの通りだ。

タクシーで受験生送ったJR北海道が炎上 地元民も賛否│NEWSポストセブン

タクシーで受験生送ったJR北海道が炎上 地元民も賛否
2017.02.10 16:00

 センター試験が行われた翌日、新聞に「センター試験、タクシーで受験生送る」という見出しで、こんな記事が載った。要約するとこうだ。

 1月14日朝、JR函館線の旭川発札幌行き特急スーパーカムイ10号が車両の不具合で運休し、JR北海道滝川駅からこの特急で大学入試センター試験に向かう予定だった受験生7人を、タクシーで岩見沢市の試験会場に送った。 JR北海道によると、旭川市旭川運転所で14日午前7時35分頃、信号機のトラブルが発生。

 特急に乗る予定の受験生がいないか各駅の構内アナウンスで呼び掛け、滝川駅で7人が申し出た。 同社は後続列車では間に合わないと判断。タクシーを手配し、午前8時25分頃から順次、試験会場に送った。いずれも試験開始時間に間に合ったとみられるという。列車の料金は払い戻さず、タクシー代はJR北海道が負担した。

 JR北海道の「神対応」はどうして実現したのか。滝川駅関係者はこう説明する。

センター試験に限らず、公立高校や私立高校の受験日は把握し、何かあった時には対応できるよう、日頃から話し合っています。当日は朝5時から待機して、線路の除雪を徹底的に行うなど受験生がスムーズに移動できるように尽力するんです。この時は、復旧に40分ほどかかるとわかったので、受験生がいるかをアナウンスで確認し、タクシー輸送を決めました。めったにないことですが…」

◆美談から一転 大ブーイングのワケ

 これまでも、受験会場に向かう途中で乗り間違いに気がついた親子のために新幹線が臨時停車した話や、吹雪で電車が止まり、300kmの道のりをヒッチハイクして合格を勝ち取った親子の話など、人生に一度ゆえのお受験仰天話はたくさんある。

 今年も心温まるいい話が聞けてなにより──。誰もがそう思っているだろうと思いきや、インターネットの掲示板やツイッターではまさかの炎上が起きていた。

「そもそも、交通機関の遅れで遅刻するような人は自己責任だからその時点で不合格」
「受験生だけ特別扱いはおかしい。飛行機が8時間遅れた時だって、タクシー代は出なかったのに…」

 交通機関振替輸送について、鉄道ジャーナリストの梅原淳さんが解説する。

「JRの規定では、切符を買った区間を別の方法で送り届ける義務があるとなっています。通常は他の鉄道やバスで輸送しますが、今回は他の手段がなかったので、タクシーを使ったのでしょう。さらに、特急列車の乗客は優先して輸送されると規約にあることや、原因がJR側に責任があったことも一因です。かなりイレギュラーな対応といえます。東京メトロなどは、タクシー輸送は実施しない規定をもうけています」

 他の交通機関は、どうだろうか。梅原さんが続ける。

「例えば、飛行機の場合は空港から空港への輸送義務しかないため、到着が大幅に遅れたとしても、目的地の空港に着けば、義務を果たしたとみなされるため、基本的には空港から先の交通費は出ません。仮に深夜空港に到着し、目的地までの交通機関が動いていない時間になったとしても、原則としてタクシー代は出ませんし、宿泊の場合も代金は個々人で負担することになっています」

「非難する前に、北海道特有の交通事情を知ってほしい」。そう訴えるのは、北海道大学で地方の活性化や地方経済や交通について研究している小磯修二教授だ。

「雪の深いところで、冬場の交通は非常に大きな問題です。先進国かつ人口100万人以上の都市で、こんなに雪が降る場所はないです」

 北海道においては鉄道はもちろん、飛行機の欠航も頻繁に起きるし、ひとたび雪が降れば、バスの時刻表はあてにならない。

「東京だと地下鉄や私鉄なんか他の路線がたくさんあるから電車での振替輸送が可能だろうけど、こっちはJRしかないから、それが運休したら、頼れる交通手段はバスかタクシーしか選択肢がない。東京の人はタクシーなんてぜいたくって思うかもしれないけど、選べるものがそれしかないんだからしょうがない」(滝川市のタクシー運転手)

 さらに「タクシーはぜいたくだ」と、外で復旧を待ったり、雪の中を歩くのは危険だ。

「吹雪の強かった日、100m先のわが家にたどり着けなくて亡くなった友人がいました。また、今回の遅延となった『信号機トラブル』も大本の原因のほとんどは、路線のセンサーがついている部分に雪が挟まってしまうことだと聞きます」(北海道出身者)

 実際、記者が取材した日もタクシーに乗った昼間は晴れていたものの、夕方から少しずつ雪が降り出し、夜には1分外に立っているだけで髪が雪で真っ白になってしまうほどの悪天候に。視界がぼやけ、10m歩くのもつらい。

 しかし、地元民に「今日はお天気悪いですね」と言うと「こんなの降っていないのと同じ」と鼻で笑われた。

 天気のよかった昼間でさえ、積もった雪の中から足場になりそうなところを探し、「ブラックアイスバーン」に気をつけながら歩くため、かなり時間がかかった。慣れた様子で、すたすた歩く高校生に、なんとかついて行こうと頑張るが、歩くスピードが追いつかず、「これだから東京の人は…」と苦笑された。

「天気予報をこまめに見たり、電車が遅れるならば早めに家を出たり車を使ったり…そんなふうに知恵をしぼって日々生きているのが、北海道の現状なんです」(前出・小磯さん)

週刊ポストセブンより)


実は私自身もJRがストップしてタクシーで輸送してもらったことがある。それも単なる遊びで。

今を去ること10年前の2007年4月、当時住んでいた高松から兵庫県北部の余部鉄橋を見に行くべく青春18きっぷで出かけた。予讃線瀬戸大橋線山陽本線播但線山陰本線を乗り継いで行き、帰りは山陰本線鳥取まで出たあと因美線津山線経由で岡山に戻り、瀬戸大橋線に乗り換える予定だった。

ところが、午前中から昼にかけての晴天が一変し、因美線に乗っている頃から雨が降り出した。次第に雷を伴って雨脚が強くなった。そして、岡山駅まであと数駅というところまで来た時に津山線の信号機が落雷の直撃を受けて、津山線がストップしてしまったのだった。

何しろ青春18きっぷを使った鈍行列車の長旅だったから、津山線が止まった時にはもう夜もかなり遅くなっていた。下手したら瀬戸大橋線の終電に間に合わないかもしれないと思ったが、タクシーで岡山駅まで運んでもらい、ことなきを得たのだった。

私の場合は、梅原淳氏の言う

「JRの規定では、切符を買った区間を別の方法で送り届ける義務があるとなっています。通常は他の鉄道やバスで輸送しますが、今回は他の手段がなかったので、タクシーを使ったのでしょう。」

というケースにずばり当てはまっていた。さすがは鉄道ジャーナリストだ。さすがはJR(というより元国鉄。その昔、スワローズの親会社だった)だ。

今回のケースは、こんな規定のあるJRを使った受験生が偉かったのであって、

「そもそも、交通機関の遅れで遅刻するような人は自己責任だからその時点で不合格」
「受験生だけ特別扱いはおかしい。飛行機が8時間遅れた時だって、タクシー代は出なかったのに…」

などとブーたれる馬鹿どもの方がおかしい。後者については何も「受験生だけ特別扱い」などではなく、観光客だって同じ恩恵にあずかれる。前者の自己責任厨に至っては論外であり、自己責任厨らしく豆腐の角に頭をぶつけて氏ぬべきであろう。