kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「都ファ圧勝、自・民・ネ惨敗」直後の「有象無象」の動きに思う

都民ファ□ストの会」が圧勝し、自民・民進生活者ネット(いずれも当選者が前回都議選の半分未満)が惨敗した都議選が終わって、早速小池百合子都ファの代表を辞任し、鬼畜のような極右として悪名高い野田数が都ファ代表に復帰した。

Twitterではこの日記の過去の記事にリンクを張って、「今度代表になる野田さんってこんな人だったの? 読んでちょっとびっくり」みたいなことをつぶやいている人がいたが、こちらがびっくりした。「今度代表になる」も何も、つい1か月前まで超極右の野田数は都ファの代表だったんだよ。猛烈な突風に煽られて都ファに投票した人とはそんなものなのか。

本当は惨敗したのに、なぜかまるで「勝った」かのようなムードがあるらしい民進党では、早速参院比例区の藤末健三が離党届を出した。下記は毎日新聞記事。

民進:藤末健三参院議員が離党届「中道政党立ち上げたい」 - 毎日新聞

民進
藤末健三参院議員が離党届「中道政党立ち上げたい」

毎日新聞2017年7月3日 18時59分(最終更新 7月3日 20時02分)

 民進党の藤末健三参院議員(比例代表)は3日、国会内で記者会見し、2日夜に党本部に離党届を提出したと明らかにした。藤末氏は「民進党選挙協力の名の下に左に寄っている。同じ政策理念を持った仲間と中道政党を立ち上げたい」と語った。都民ファーストの会との連携については「国政政党を作ると表明したわけではなく何とも言えない。合流するために離党するのではない」と述べるにとどめた。当面は無所属で活動する。

 藤末氏は参院3期で、旧民主党政権で副総務相などを務めた。参院民進党会派で政審会長を務めている。藤末氏を参院選で支援した立正佼成会は「本人の決断。今後の支援のあり方は検討中」とコメントした。【影山哲也】


昨日は、小池百合子が「国民ファ★スト」なる妄言を吐いたことも話題になったが、「国民第一の会」ってどっかで聞いたことないか。そう、衆院選の直前に「日本未来の党」に化けて惨敗したあの党だ。藤末が「国民ファ★ストの会」入りを狙っていることは疑う余地がない。

今回の都議選で明らかになったことは、「一強」のはずの「(安倍)自民」も実はその地盤は脆弱だということだ。都市部では今回の「都民ファ□ストの会」みたいな新自由主義的な政治勢力に簡単に食い破られるし、地方でもかつての小沢一郎の「国民の生活が第一」路線で議席がひっくり返る。ただ、その理屈でいえば、「国民ファ★ストの会」は地方への展開に大きな課題を抱えているといえる。来年予想される衆院選の前に「国民ファ★ストの会」が立ち上がったとしても、直ちに都議選と同じような結果を導き出せるかといえばそれは未知数だ。しかし、よく指摘される「小池百合子安倍晋三と昵懇の仲だ」という事実のほか、「小池百合子小沢一郎とも昵懇の仲だ」という紛れもない事実があるので、小池は地方の選挙区での戦術を小沢に相談するかもしれない。ゆめ油断は禁物だ。

「国民ファ★ストの会」の発足自体は間違いないだろう。昨夜の報棄てだったかでも、渡辺喜美の上機嫌な顔を見せつけられて血圧が上がったが、ほっといても渡辺や長島昭久若狭勝らが勝手に(実は裏で小池百合子と密接に連絡しながら)動くだろう。なぜか衆院選は来年と予想されているので、小池はその直前まで「都政に専念」しておけば良い。あるいは、一回衆院選をスキップして次の次の衆院選を狙う可能性もある。

「国民ファ★ストの会」が発足したら、安倍晋三に締め付けられた自民党議員の集団離党の可能性も出てくる。今までは「自民党にいれば当選できる」と思っていたからいくら安倍に締め付けられても服従していたが、「自民党にいる方がかえって当選が危うい」事態になり得ることが今回はっきり示されたから、政局は流動化し、先が読めなくなってきた。

なお、都議選の「党派別総括」については下記『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事を挙げておく。

東京都議選 党派別総括 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2017年7月3日)

東京都議選 党派別総括

小池ファースト 公認49議席+推薦の無所属6議席
マスコミ予測通りの大勝。真のグローバリスト・新自由主義者・金融帝国主義者小池百合子が日本初の女性総理へ大きく前進。
新自由主義タカ派中流階級以上の女性受けする政策のサンドイッチは、戦前の立憲民政党・永井柳太郎をほうふつとさせる。
創価学会と大都市ブルジョワインテリを支持基盤とする。
国家戦略特区については安倍総理みたいにお友達のためにヤルのではなく、本来目的である「金融大手企業や欧米中の大金持ちのため」の特区である。友人への自分の温情に振り回される安倍とは役者が違い、本格派の帝国主義者新自由主義者が小池の本質である。
ただし、所属議員の質に問題あり。マスコミの自分の意見を言えない議員多数でどうするのか?議員とは知事と議論するのが仕事ではないのか?
元代表制の議会が成り立つのかという問題がある。

ただし、民進党などを離党して都民ファースト推薦を受けた無所属議員は6議席にとどまった。9議席から減らした。柿沢議員(民進党代議士の妻)など、民進党を離党しない方が良かったのでは?というケースも。有権者もそのあたりは見極めている?

公明党 23議席。いつも通りのお見事な組織戦。危機感を煽り立て、なんとか全議席を確保した。自民党に対しては「うちが抜けたらこうなるぞ」という脅しのカードを手に入れた。

自民党 23議席自民党公明党+地方の土豪+大都市ブルジョワインテリという構図があったが、公明党が離脱し、大都市ブルジョワインテリが都民ファーストに流れたために、大敗した。地方(都内含む)の土豪の票とはこんなものというのが今回、確認できた。
そもそも、安倍総理が支持されてきたのも「民主党よりマシ」とかそういう理由で、大都市のブルジョワインテリにも支持されてきたことも大きいが、森友・加計問題を契機に離反されてしまった。

共産党 19議席格差是正・庶民生活重視勢力の旗頭に。
文京区や中野区でぎりぎりで議席を落としたのは痛いが、それでも、議席を伸ばした。民進党が5議席にとどまり、無党派の投票先でも、都民ファーストに続く二位に。腐敗した自民にも、衣の下に新自由主義の鎧の小池ファーストに対しても疑問を持つ無党派層を広く集めた。「土豪優先=安倍」とも「大手企業・大都市大金持ち優先」の小池とも違う色彩が最も強いことが、支持につながったのではないか?
今後も、きちんと「個人を尊重する再分配政策」の旗頭として期待される。

民進党 5議席。当初の0議席とか1議席という予想は覆したが、後退は後退。かつての国政与党・都議会第一党の面影はどこにもない。初動を誤った。小池ファーストに対して秋波を送ったものの、袖にされた上に、議員を引き抜かれてなすすべもなかった。今後は、せっかく近代立憲主義を綱領としたのだから、立憲主義に基づいて、きちんと小池都政に切り込むべきだし、国政でも、「行政をゆがめた」とかそういうことではなく「憲法に反しているのではないか?」という切り込み方をしていくべきだろう。とにかく、軸をハッキリしないと自民、小池、共産の間に埋没するだけだろう。

生活者ネット=1議席 国立市共産党と小池ファーストの相乗りでやっと議席を確保。政策はリベラルでも、もともとは、「お金持ちインテリの奥様」を中心とするする政党だったために、小池ファーストともろにかぶってしまった。
生活者視点と言っても庶民のそれではなく、中流以上のインテリのそれが強いイメージがある。今後の方向性が問われる。

維新の会=大田区で1議席を確保したが、他は厳しい結果に。やはり、公務員をぶっ叩けば大阪は良くなる、日本は良くなる的な考え方は、東京では通用しないのかもしれない。連合も含めて抱き込んだ小池ファーストに完敗してしまった。


そうそう、柿沢幸絵の落選には快哉を叫んだ。今頃柿沢夫妻が壮絶な夫婦喧嘩をしてるかも知れないと想像するだけで「ざまあ」と思い、笑いが込み上げてきた。おかげで都ファ圧勝の悪夢を一時忘れそうになってしまった。

その民進党だが、この期に及んでまだ小池百合子に秋波を送っているようだ。どうしようもない。現執行部(蓮舫・野田)が続く限り、この政党に浮上の目はない。

わずか5議席の民進党にホッとした空気が流れた2つの理由

わずか5議席民進党にホッとした空気が流れた2つの理由
主役にも、脇役にも、悪役にもなれない選挙戦を終えた民進党だが……
2017/07/3 11:03
石戸諭 BuzzFeed News Reporter, Japan


2017年7月2日、都議選選投開票日の民進党本部。党都連会長の松原仁衆院議員が午後9時過ぎに姿を見せた。

民進党こそ安倍政権の暴走を止められるという期待、支援の輪が広がっている。手応えはあった」となぜかポジティブな言葉を選んだ。

なぜ、ここまで前向きになれるのか?

なぜか前向きな民進党

主役にも、脇役にも、悪役にもなれない選挙戦だった。

安倍政権の支持率低下、加計学園問題、下村博文自民党都連会長のスキャンダル、稲田朋美防衛大臣の「失言」――。

民進党の都連幹部は、この政治状況を「民進党にとっては逆風どころか、神風が吹いていた」と例えた。

ところが選挙前の7議席に対して公認23人を立てたが、結果はわずか5議席現有議席の維持すらできず民進党の存在感は最後まで薄い、はずだった。

党本部に設けられた開票センターで、ラジオのレポーターは「2009年には54議席を獲得した都市型政党の面影はありません」と現場の様子を伝えるべく、リハーサルを繰り返していた。

ホッとした空気の理由その1:壊滅を免れた

それにもかかわらず、現場に流れていたのは意外なまでのホッとした空気だった。開票が始まる前から、関係者の表情は安堵感でいっぱいだった。

理由は2つある。

ひとつめの理由は明確だ。当初、都議選を前に離党者が相次ぎ、離党ドミノと揶揄された。民進党の獲得議席は現有7議席に対し、0や1という数字も報じられた。

つまり、民進党壊滅という予想である。それが「なんとか、議席数を気にするところまで持ち直したのだから」(党関係者)というわけだ。

当初は険しい表情で、報道各社のインタビューを受けていた松原さんも時間を追うごとに笑顔も見せるようになった。

午後10時過ぎには、待機時間中に「インタビューは何分?えっ10分、そんなにやるの?」と軽口をたたく余裕も見せる。

時間を追うごとに言葉も強さを増していく。

都民ファーストのチラシに国政のことは書かれていない。民進党のチラシには、加計学園問題など国政のことが書かれている。いまは手に取ってもらえる」

有権者は戦えるのは民進党だという認識を持っている。手応えはよくなっている。流れは従来とは変わってきているのは間違いない」

小池都知事に対する距離感の近さもアピールした。

「はっきり言って、都民ファーストの中にもともと民進党の支持者はたくさんいた。区会議員や市会議員も一部は都民ファーストの候補を応援していた

都連幹部の一人は「我々は小池応援団でもある」とまで語っていた。

ホッとした空気の理由2:自民党の大敗

2つ目の理由は自民党の大敗だ。幹部からも繰り返し語られた。

「都民から、安倍政権が傲慢な政権運営を行ったことに対して、本質を明らかにしてきた働きを評価いただいた。政権与党の歴史的大敗は重く受け止めるべきだ」(馬淵澄夫・選対委員長)

民進党が中心になって、権力の暴走や私物化を暴いてきたことが自民党のダメージになっている。これは私たちの大きな実績だ」(松原さん)

つまり自民党大敗の理由の一つに、民進党の追及があったと言うこともできる。これが彼らの安堵感につながっている。

松原さんは囲んだ報道陣の前で、歴史的惨敗を喫した自民党に対して「言わずと知れた(安倍政権の)権力の私物化を都民、国民が嫌った。権力の暴走が鼻について仕方ないという認識を持っているのではないですか」と敗因分析まで語った。

しかし、非自民の受け皿になったのは、結局のところ「風」を味方につけた都民ファーストだった。

最後は「解党的出直し」?

都議選で離党ドミノが発生した民進党が、再び非自民層が支持する対象になるのか。

そのために繰り返し必要だと語られたのは解党的出直し」(松原さん)だった。

それが一体、何をさすのか。風を頼みに、新しい看板を掛け替える歴史を繰り返すことなのか。最後まで具体的なものは何も示されないままだった。

記者会見など予定されたスケジュールが終わった午後11時40分すぎの開票センターで、民進党のスタッフたちがテレビの前に集まっていた。

そこに映し出されていた獲得議席数は「5」。勢いよくスタッフの声が聞こえてくる。「よし、これならなんとか……」。

数字はそこから、最後まで動かなかった。

BuzzFeed Newsより)


開いた口が永遠に塞がりそうもない能天気な「総括」だ。

もっとも、都議選直前になって都議選での民進党支持を表明した某ブロガーは、「都連の松原会長の『23名のブレない候補予定者を見て欲しい』という言葉に、共感するものがあった」と書いていたから、こんな民進党、こんな松原仁すぎやまこういちに「ジンジンジン」を連呼する応援歌を作ってもらった極右政治家)に「共感」する方もおられるということだ。私は、この人はやっぱり「リベラル」というよりはれっきとした「都会保守」なんだなあとはっきり確信したけれども。都会保守であれば小池百合子に違和感を持たないことも理解できる。

だが、こういう人たちはごく少数派であって、今回の都議選での、これほどはっきりした負けを負けと認められず、従って敗因を正しく分析できもしない民進党は、今後も衰退の一途をたどるだろう。

そうすると、民進党に代わる保守系野党へのニーズが高まる。そこに待ち構えているのが「新・新進党」たる「国民ファ★ストの会」であろう。この新党が立ち上がることはもはや100%間違いないと確信する今日この頃なのである。