蓮舫の戸籍の件、絶対に公開すべきではないというのが私のスタンスだ。朝日新聞社説(7/14)の表現を借りると、
蓮舫氏は「いつでも戸籍開示の用意がある」と戸籍謄本を公開する意向を示したという。
とのこと。だが、これについては同じ朝日の社説の末尾に書かれた下記の「懸念」を私も強く持つ。
もう一つ懸念されるのは、蓮舫氏が戸籍謄本を公開することが社会に及ぼす影響だ。
本人の政治判断とはいえ、プライバシーである戸籍を迫られて公開すれば、例えば外国籍の親を持つ人々らにとって、あしき前例にならないか。
正論そのものだと思う。しかし、私の心証では、蓮舫は歴代の民主党・民進党の代表としては例外中の例外として、朝日よりも読売の社説に耳を傾ける人間のように見える。旧社会党やかつての民主党の政治家は、蓮舫が心酔する野田佳彦を含め、朝日の社説に影響される人たちが多かった。たとえば野田佳彦の財政再建原理主義など、私が「経済極右」として批判する原真人に代表される朝日新聞の社論とみごとなまでに平仄を合わせていた。あの悪名高い「三党合意」でも、朝日は特に熱心に野田の尻を叩いていた(私はそこに星浩の影を見たものだ)。
しかし蓮舫は違う。岡田克也のあとを襲って民進党代表に就任した蓮舫は、読売が強く勧める「対案路線」に舵を切り、2005年の前原誠司同様失敗に終わった。前川喜平をめぐる謀略報道を持ち出すまでもなく、読売は安倍政権や自民党を助けて「権力と一体となった新聞のあり方を追求する」メディアだ。蓮舫は完全に「敵の術中にはまった」と私はみている。その読売は、今回の蓮舫の国籍公開の件については社説を出していないようだが、昨年の「二重国籍」云々の騒ぎの時には、下記の社説を掲げていた。
- 【読売新聞】 蓮舫氏の台湾籍 「二重国籍」への認識が甘い – THE 社説一覧(2016年9月14日)
読売の社説など引用するのも汚らわしいからここには引用しないが、「対案路線」といい今回の「戸籍謄本を公開する意向を示した」件といい、右派にいい顔をしようとする蓮舫はいったい何を考えているのか。
前記朝日社説曰く、
民進党の議員たちに問う。
蓮舫氏が戸籍を公開すれば、党勢は上向く。そう本気で思っているのか。
とのことだが、民進党右派の議員たち自身さえそんなことは思っていないだろう。昨日も書いたが、これはむしろ、民進党からおん出て近く結成されるであろう「国民ファ★ストの会」に参加するための右派政治家たちの口実だろうと私は推測している。
そもそも旧民主党が政権交代を果たした頃、「戸籍法を考える議員連盟」があり、この議連は戸籍の廃止を視野に入れていた。私はこの動きに期待していたのだが、その後民進党は急激な右旋回を果たし、蓮舫に戸籍謄本の開示を迫るまでになった。もうこの党につける薬はない、あとは自壊を待つばかりだと思う今日この頃。
なお、戸籍について、『広島瀬戸内新聞ニュース』の下記記事を引用しておく。
民進党は戸籍廃止こそ進めよ・・「戸籍開示」でマイノリティのハシゴを外していいのか?民進党 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2017年7月12日)
戸籍制度はもはや実質日本だけの制度
戸籍制度は古代中国を発祥としています。
今の日本のような形の戸籍は、日本と中国のみで存続。ただし、中国のそれは形骸化しています。
韓国と台湾については「日帝時代」に日本の現在のような制度が導入されましたが、現在では廃止されています。
韓国では、戸籍のかわりに、自分を中心とする系図を役所に請求すれば手に入れることが出来ます。戸籍ではなく「個籍」です。
蓮舫代表の戸籍云々と言うこと自体が、日本人以外にはまったく理解できないことだというのは前提として押さえておく必要があります。
日本においても、住民票と、相続問題に備えて韓国のような自分を中心とする系図さえ残しておけば、問題はないと考えます。ハッキリ言って、住民票と戸籍両方あるのは、うざいし、無駄です。単なる役所の仕事づくりになっているだけです。
民進党は、こういう無駄な仕組みの廃止こそ進めるべきである。え?戸籍担当の役人の仕事がなくなり、民進党最大級の支持団体の自治労が反発する?じゃあ、その役人をより住民に役立つサービスに回せば良いじゃん。以上、簡単です。