kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小沢一郎に何も言えない「市民様」と「都会保守」の怯懦

先週も体調は回復基調ではあるものの回復の速度はいたって遅く、夜帰ってきたら食事をして、普段見ていた報棄ての後半とNews23も見ないで寝ている習慣になっていたので、また1週間ぶりの日曜日の更新になった。その間にもろくでもない話はたくさんあった。たとえば先週も書いた例の小沢一郎前原誠司橋下徹の3人が引き起こした妄動だが、あれに玉木雄一郎も加わり、この動きをを普段は仲が悪そうな日刊ゲンダイ夕刊フジが揃って応援している。夕刊フジはいつものことだが、日刊ゲンダイもまたも馬脚を現した。

ネットでは、もう1週間前の話だが、こたつぬこ(木下ちがや)氏の下記ツイートには開いた口が塞がらなかった。

https://twitter.com/sangituyama/status/1061625706470301698

小沢一郎は組織戦術を学んだ自民党の組織基盤を捨て、連合、創価学会、ふたたび自民党民主党、そして共産党、さらには小池新党と、この四半世紀ありとあらゆる政治勢力と手を組んだり離したりしてきた。クラッシャーであるとともに、大変な経験を持っている。経験の部分はみんな引き継ぎたいだろう。

6:24 - 2018年11月11日

ここでこたつぬこ氏は、小沢一郎小池百合子と(もちろん前原誠司とも)「手を組んだ」ことを認めつつ、小沢を評価している。氏や共産党の信奉者たちがしばしば使う、「希望の党設立劇について小沢氏は何も知らなかった(知らされてなかった/関与しなかった)」などという明らかな嘘である欺瞞は使わず、確かに小沢は前原を介して小池百合子とつるもうとし(て失敗し)たことを認めつつ、小沢を擁護しているのである。

世の「共産党信者」「『野党共闘』信者」は、彼らの軍師がこういうことを平然と呟いている事実を直視しなければならない。

しかし、実態は情けない限りだ。私とは立場の違う(それもかなりかけ離れた)人が発した下記の一連のツイートに共感した。

https://twitter.com/ixabata/status/1060872863954038786

橋下徹と小沢と前原が密会した件、前原は立憲はもとより国民内にも都合よく戦犯とか思ってる奴が多数いるだろうからおそらくもうそこまでの影響力はないだろう。むしろ希望合流劇をまんまとノーダメでやり過ごした小沢の方が危険。まーーだありがたがってる市民様もたくさんいるし

4:32 - 2018年11月9日


https://twitter.com/ixabata/status/1061113245849673728

橋下小沢前原の密会記事に触れてる市民様見てると、見事に小沢だけいなかったかのようにスルーしてる奴らがいるな。橋下と前原だけ叩いてる。希望合流劇だって小沢が噛んでたのにスルー。本当にあの連中の特定勢力への「媚び」と「忖度」気持ちわりーな。安倍ヨイショしてる自民の茶坊主と変わんない

20:21 - 2018年11月9日


https://twitter.com/ixabata/status/1061113245849673728

市民様=オザシンじゃないよ。でも小沢は共産党に媚び媚びだから小沢は批判しない市民様多いじゃん。だからあいつら今回の件でも小沢だけスルーしてる。共産党との距離だけが善悪の物差し。本当に気持ち悪い

20:28 - 2018年11月9日

ああ本当に気持ち悪い。虫酸が走る。吐き気がする。ここで批判されている「リベラル・左派」の堕落こそ安倍政権の寿命を長らえさせている元凶だ。

こういう傾向は、何も「共産党信者」系の人たちに限らない。右派(特に経済右派ネオリベ)との親和性の高い、私の用語で言えば「都会保守」に該当する人たちについても当てはまる。

たとえば、下記の『日本がアブナイ!』の記事「前原が妙な動きを始めたわけ〜秘書が参院選に出馬で共産を敵視、立民とも対立。保守新党を目指す」がその一例だ。


この記事では、さすがに「小沢を完全スルー」まではしていないが、主犯を前原とみなして叩いている。ちなみに、このブログにはもう1か月もコメントが1件もついていないが、ある1つのブログからずっとトラックバックをもらっている。そのブログのタイトルは『国民の生活が第一は人づくりにあり』といい、いうまでもなく「小沢信者」が運営するブログだ。『日本がアブナイ!』は、民主党政権時代には事実上の「小沢信者」御用達のブログとして振る舞ってきたため(もっともブログ主は菅直人小沢一郎を両方応援するという特異な立場をとっていた)、今でもその惰性から小沢を強く批判できないのではないか。惰性力は社会を動かす最大の力だとは普段からこの日記にずっと書いていることだ。

そのブログ主から「主犯」として批判された前原誠司が、立憲民主党枝野幸男や無所属の野田佳彦の前で言った言葉が報じられている。

(#政界ファイル)「野党は大きな固まりに」前原氏、枝野氏を前に強調:朝日新聞デジタル

(#政界ファイル)「野党は大きな固まりに」前原氏、枝野氏を前に強調
2018年11月14日05時00分

 国民民主党前原誠司元外相は13日夜、東京都内で開かれた立憲民主党岡島一正衆院議員のパーティーで「野党は大きな固まりにならないと1強多弱を打破できない」と強調した。パーティーには立憲の枝野幸男代表や、衆院会派「無所属の会」の野田佳彦前首相も出席。昨秋の衆院選で旧民進党分裂を招いた前原氏だが、両氏…

朝日新聞デジタルより)


この前原誠司の発言は、誰が見ても「ああ、小沢一郎の言ってることの受け売りだな」とわかるだろう。実際その主旨のツイートが多数見られる。下記に一例を挙げておく。

https://twitter.com/kgssazen/status/1062919469998125056

こうやって小沢一郎の受け売りをやっている時点で、前原誠司は小沢氏の傀儡に過ぎないことが分かる。希望の党騒動で信用が失墜した前原氏に影響力はなく、小沢氏を批判せず、前原氏ばかりを批判しても、意味はないと思う。

20:05 - 2018年11月14日

そう、小沢一郎を批判しなければ意味はない。

以上では、主に前原について見てきたが、橋下徹も近著『政権奪取論』でしきりに「野党が一つの塊になる」必要性を強調している。橋下もまた小沢の受け売りをやっていることは明らかだ。

さらに、先週に入って夕刊フジに載ったらしい玉木雄一郎インタビューで、玉木も橋下を担ぐ動きに加わろうとの意欲満々であることを明らかにしたが、玉木もまた小沢一郎とズブズブの関係にある。それは、以前から『週刊朝日』と並ぶ「小沢信者」御用達の週刊誌である『サンデー毎日』で、フジテレビ出身の反安倍政権右派系政治評論家である鈴木哲夫(前記『日本がアブナイ!』のブログ主氏が一頃ずいぶん気に入っていた御仁だ)が民主党時代の玉木を持ち上げた記事をしきりに書いていた時期があったので、その頃から知っていた。

どう考えても一連の「右からの『野党再編』」への動きの主犯は小沢だ。なんと言っても小沢には政治生命の残り時間が少ないし、かつ直近の沖縄県知事選で配下の玉城デニー沖縄県知事に送り込むことに成功するという、近年の小沢にはとんとなかった大金星も挙げた。動くなら今しかないし、妄動を起こす動機は前原誠司橋下徹玉木雄一郎の誰と比較しても飛び抜けて強い。一番強い動機を持つ者が真犯人だというのは、何も推理小説に限らず社会一般に当てはまる公式だ。

それなのに、「市民様」も「都会保守」も何も言えない。それが安倍晋三にやりたい放題を許してしまう遠因になっている。なぜなら、2009年の政権交代以後、小沢の妄動は常に野党にダメージしか与えていないからだ。

辛うじての救いは、岡田克也の下記の発言だろうか。財政再建志向の強いこの人の経済政策には賛成できないが、下記の発言には強い説得力がある。

https://www.asahi.com/articles/ASLCJ3PHJLCJUTFK00B.html

岡田克也氏「昨秋の野党再編で痛い目に遭ったはずだ」
2018年11月16日13時38分

 (橋下徹氏や国民民主党が中心となった野党再編の可能性について)議論することが、なにか存在感を高めてしまう。私は、橋下さんが近々政治の世界に戻るとは思っていないので、話題作りという程度に考えている。

 国民(民主)の支持率は1%です。国民の気持ちと離れた所で色んなことをやったとしても、それがうまくいかないのは、(小池百合子東京都知事が野党再編を主導した)去年の秋に、十分痛い目に遭って(分かって)いるはずだと僕は思う。やっぱり立憲民主が(野党)第1党だから、立憲を軸にして考えていかないといけない。(国会内で記者団に)

朝日新聞デジタルより)

岡田克也イチ押しの立憲民主党もまた問題山積の政党ではあるが、それ以外については岡田氏の仰る通りとしか言いようがない。

なお、橋下が近々政治の世界に戻るとは思わないとの岡田氏の考えにも同感だ。

橋下とは、たとえ安倍晋三だろうが小沢一郎だろうが彼らの手下になることは考えられないほど上昇志向の強い人間だ。彼は、自らがトップに立って、かつ「必ず勝てる」確信がない限り自らは立たない。そして現総理大臣の安倍晋三は、出自においては橋下とは対極だが、思想信条的には同類の人間だから、橋下は安倍には絶対に勝てない。だから、安倍政権が続く限り、橋下の政界復帰はない。私はそう確信している。

従って、今回もまた、小沢の構想は絵に描いた餅に終わる。