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kojitakenの日記

2017-05-24 森友学園・籠池町浪の「転向声明」は「偽装」だった?

括弧付き「リベラル」近衛文麿が大日本帝国を破滅戦争に駆り立てた

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20170523/1495496969#c1495541039

id:WatashiNingenDeAritai 2017/05/23 21:03

日独伊三国同盟大政翼賛会によって帝国日本を破滅の世界戦争に駆り立てていった近衛文麿の「新体制運動」は「リベラル」だったんだね。たしかに「国民健康保険」(1938)や「国民学校」(1941)を作ったのは近衛が首相のときだったけどね。(国保第一次近衛内閣の「国民精神総動員運動」の時期)

まあ「新体制運動」は看板こそ近衛文麿ですが、実際には岸信介あたりが仕切ったんじゃないかと私なんかは勝手に思ってますけど。岸は1939年に商工次官に就任し、翌1940年に成立した第2次近衛内閣の商工大臣への就任を要請されたんですよね。

岸信介は「革新官僚」として統制派の軍人たちとつながりが深く、だから東条英機内閣の商工大臣になったんですが、近衛文麿はその岸の統制経済政策を取り入れる一方、1937年の第1次内閣時代に行われていた2.26事件の真崎甚三郎の軍事裁判軍法会議)の時には、皇道派の軍人たちに近い極右の親玉ともいうべき平沼騏一郎一派*1に易々と屈して「真崎無罪」を容認してしまったんですね。

「君側の奸」という言い方を私は大嫌いですが、百歩譲って「君側の奸」という言い方を認めるならば、近衛文麿以上にこの言葉にぴったり当てはまる人間はいなかったように思います。近衛は西園寺公望にも昭和天皇にも気に入られていて、内心真崎を厳罰に処してもらいたかったに違いない昭和天皇も、真崎を有罪にさせるまでの力は持ち得ませんでしたから。

最近の政治家でいえば鳩山由紀夫ですかね。戦前の「崩壊の時代」の崩壊を決定的にしたのが近衛なら、現在の「崩壊の時代」の崩壊を決定的にしたのは鳩山だと私は思います。

松本清張の『昭和史発掘』全9巻(文春文庫新装版,2005)を今日読み終える予定ですが(残り60ページほどになった)、昨日読んだばかりの清張の文章が印象に残りました。以下引用します。

 (真崎甚三郎の=引用者註)判決文の謄写を天皇が手もとに残して置くというのは、いかにも曾て例のないことだったであろう。この真崎判決文こそは、法的な上でも実際の上でも「二・二六事件終結」を意味する。天皇にとっても、また事件当時の参謀次長杉山元にとっても、感慨深いものだったにちがいない。

 この「真崎無罪」判決と「大赦詔勅」論とのからみ合いでも知られるように、皇道派の実力は平沼騏一郎一派が継承し、近衛内閣圧力をかけ、事件発生時の天皇の気持ちをよく知る木戸や杉山まで真崎裁判について軟化させている。このへんに東京軍法会議の限界と、破滅戦争に向かう足音が聞える。だが、「真崎無罪」判決文に対し一言の不満も洩らずに謄写を手もとに保存する天皇の姿に、天皇の権限をも無力化している天皇制の本質がある。

 ともあれ、「二・二六事件」はこうして終った。そしてこの頃、二・二六の初年兵たちは、歩一歩三の二年兵として応急派兵され、北支の戦線でたたかっていた。もと安藤隊だった歩三第六中隊など、この戦闘でほとんど全滅したという。

松本清張昭和史発掘』第9巻(文春文庫新装版,2005) 322-323頁)


新装版 昭和史発掘 (9) (文春文庫)

新装版 昭和史発掘 (9) (文春文庫)


この清張の文章を読んで、昨今の「退位問題」で安倍晋三と水面下で激しいバトルを繰り広げたあげく安倍に敗れた現天皇を連想しました。極右の政治権力に対抗するのに天皇に依存する「人治主義」的な行き方の限界を感じます。

余談ですが、天皇の退位問題に関して、どうして共産党(や社民党)は、あのだらしない民進党よりも早くから「特例法」で政権と妥協してしまったんですかね。不思議でなりません。

特例法、典範に根拠規定=共産柔軟で調整進展も?天皇退位:時事ドットコム

特例法、典範に根拠規定=共産柔軟で調整進展も−天皇退位

 天皇陛下の退位をめぐり、衆参両院の正副議長は3日、与野党代表者の全体会議を参院議長公邸で開いた。共産党は「皇室典範改正が筋」と主張する一方、政府自民公明両党が検討する特例法も排除しない意向を表明。自公は典範改正による恒久制度化を主張する民進党に配慮して、特例法の根拠規定を典範に盛り込むことを検討しており、共産党の柔軟姿勢により、こうした方向で調整が進む可能性が出てきた。

 席上、共産党小池晃書記局長は「退位の立法化は、憲法の規定に適合すれば、今後の在り方においても先例になる」と述べ、特例法も容認し得るとの立場を明言。自民党高村正彦総裁が2日の全体会議で、特例法について「将来の天皇の退位を否定しているものではない」と発言したことを捉え、「ここに注目した」と語った。

 これに関し、共産党幹部は「退位の要件を事細かに典範に書き込むことは難しい。退位は与野党対立するテーマではない」とも指摘、自公の主張に一定の理解を示した。

 与野党合意には、民進党の対応が焦点となる。同党の野田佳彦幹事長は会議後、記者団に「あくまで典範改正をすべきだという立場で主張している」と強調。同時に「国民の総意に基づく天皇の地位だから、なるべく立法府が合意することが基本だ」と合意形成を探る考えも示した。

時事通信 2017/03/03-18:34)

森友学園・籠池町浪の「転向声明」は「偽装」だった?

森友学園新理事長・籠池町浪が「旧教育基本法」に立ち返る声明を発表 - kojitakenの日記2017年3月31日)に昨日(5/23)いただいたコメント。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20170331/1490914955#c1495539387

id:WatashiNingenDeAritai 2017/05/23 20:36

あれから間もなく3か月たちますが、塚本幼稚園の公式サイトの「教育内容」のページは全く更新されていません。

http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/about/

「教育方針

先人から伝承された日本人としての礼節を尊び、それに裏打ちされた愛国心と誇りを育て、すべての子供が持っているたくましい生命力と包容力を指導者が明るい表情と態度と言葉で引き伸ばしていく教育を誠実に心を込めて実践しています。子供と父母共に人間力が高まります。」

「教育内容

毎朝の朝礼において、教育勅語の朗唱、国歌君が代”を斉唱します。

剣道ラグビー、スイミング、リズム合奏、そして日本の伝統文化である論語将棋そろばん大正琴、日本太鼓、毎月良書選定して読み書き・読み聞かせに力を入れています。それらにより、より一層の人間力を高めています。」

そして相変わらず「12の徳目」のニセ現代語訳を掲げ、「12の徳目の基となっているもの」として「教育勅語」を次のように説明しています。

「12の徳目には基となっているものがあります。今から約120年前、江戸時代から明治に変わり色々なことが変化している時代に発表されました。当時は文明開化の風潮により洋学が重んじられ、我が国伝統の倫理道徳に関する教育が軽視される情勢にありました。

そのような状態を非常に憂慮し、このままでは我が国が駄目になると考えられた明治天皇が、教育方針を明らかにするため明治23年10月30日、『教育勅語』という形で渙発されました。勅語には、日本人が祖先から受け継いできた豊かな感性と美徳が表され、人が生きていくべき上で心がけるべき徳目が述べられています。

教育勅語』は、よく教育関連のニュースなどで耳にされる事があるかと思います。しかし大変残念なことに、『教育勅語』の意味を全く理解せずにおられる方が大勢いらっしゃることです。

先祖から脈々と受け継いできた我が国の精神は、世界に絶賛され認められる民族性を形成しています。この精神を誰にでも分かるように文章化しているものだと言っても過言ではありません。

いま我が国の人々が忘れかけているこの事を、皆さんに思い出していただくために、塚本幼稚園では力を入れて教育しております。」

このうち「当時は文明開化の風潮により洋学が重んじられ」から「徳目が簡潔に述べられていま」すというところまでは、明治神宮の公式サイトに載っている「明治天皇様について」「教育勅語」のページの記述と同じです。明治神宮のサイトが

その後に続けて

「いましたが、戦後に教育勅語が排除された結果、我が国倫理道徳観は著しく低下し、極端な個人主義が横溢し、教育現場はもとより、地域社会、家庭においても深刻な問題が多発しています」

という部分は削られているものの、森友学園籠池泰典 前理事長が、現行憲法に基づく「極端な個人主義」を敵視し「教育勅語」の復権をめざす神社本庁神道政治連盟の教育観を共有し、籠池町浪 新理事長もまたそれをしっかりと継承していることは明らかだと思います。

新理事長の声明は偽装「転向声明」だったと言わざるをえないでしょう。

元記事の冒頭にも書いた通り、森友学園新理事長の籠池町浪も、両親同様の極右人士であると当初報じられていました。ですから、180度立場を旋回しての2か月前の転向声明には驚いたのですが、その後テレビの画面に母の籠池諄子の近くに町浪氏らしい人物が映っていることがしばしばあって、それを見る度に、転向声明をしたはずのこの人は何をしてるんだろうかと思ったことはあります。

もっとも森友学園の存続自体が怪しいから、ま、いいかと思って深く考えずにはいましたけど。

籠池泰典安倍晋三と仲違いして、森友学園が安倍夫妻や日本会議から「切断処理」されてしまった現在となっては、森友学園の「転向」が偽装であったところで、極右教育を続けたところで塚本幼稚園の未来はないし、まあなるようにしかならないだろうとは思います。そうはいっても偽装であれば現在幼稚園に通っている園児にとってはたまったものではない等の問題はあるのでしょうけれど。

私としては籠池町浪を追及するのに時間を割くくらいなら、本丸たる安倍晋三や、のうのうとネットへの意見発信を再開したらしい安倍昭恵を叩いて叩いて叩きまくりたいと思っています。

*1この一族も戦前から現在に至るまで日本に害毒しか流さなかったが、10年ほど前にネットの「政権交代を求める」一派が平沼やその子分の城内実を持ち上げる愚挙をなし(「喜八」と名乗る人物が中心になって動いていた)、それを激しく非難した私は彼らの「村」から追放された。その後10年の歴史は彼ら(私の論敵たち)が誤っていたことを証明した。

2017-05-23 2.26事件に関する無知(無恥)な右翼のコメントに朝から激怒した

政党政治を公然と否定する迷文句に「イイネ!」をつけて喜ぶ「リベラル」たちに絶句した

ついにこんなことを言い出す人間が現れた。

https://twitter.com/ImagawaSugisaku/status/866436336940572672

今川杉作

@ImagawaSugisaku

本当に必要なのは自惚れや党派心個人的な金銭欲に左右されない指導者、つまり人々の幸福だけを願う長老を沿える事。茶番劇たる政治政党制を廃止しそれに伴う政争をなくす事。医療福祉年金これらが十分に受けられない日本は異常なのだ。

16:31 - 2017年5月21日

私が目撃したのはこのつぶやきそのものではなく、これが「リベラル」の集う某所に転載され、28人もの人間が「イイネ!」をつけている場面だった。目を疑ったが事実だった。

リベラル」が公然と政党政治を否定するつぶやきに「イイネ!」をつける。これがいまどきの「リベラル」の姿なのだ。信じたくないがこれが今の日本の「リベラル」の実態なのだ。劣化しているのは何も安倍晋三とその不愉快ななかまたちだけではない。「リベラル」の劣化は、もしかしたら保守の人たちよりももっとひどく、安倍晋三・昭恵を筆頭とする極右たちと同レベルかもしれない。もしかしたら彼らは「現天皇の親政」でも待望しているのだろうか。

これぞ「崩壊の時代」ならではの光景!

なお、ふざけたことに上記「今川杉作」はあちこちで何度もこの迷文句を繰り返しているようだ。たとえば下記でも確認できる。

2.26事件に関する無知(無恥)な右翼のコメントに朝から激怒した

昨日(5/22)公開した きまぐれな日々 安倍や極右人士同様「リベラル」も立憲主義を理解していない に、無知(無恥)な右翼妄言のコメントを寄越してきた。

http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1476.html#comment20480

226財閥や農村の貧困無視の政治家への怒りだったのでは?


殺人クーデターじゃなくて、全国抗議デモをとでも思ってたが、政府側にはどっちも共産革命されるのを恐れて鎮圧してただろう

実際 ロシア革命共産主義の嘘に騙されて穏健派や社民は潰された。イラン革命皇帝の急激な変革や格差に抗議だったのがイラン イスラム革命にされた

その意味でマルクスの罪は重い。資本論が無くてもアメリカで八時間労働が決まったように社民主義が生まれただろう

共産主義フランスでもドイツでも貧困を無くそうとした社民政党コミンテルンの命令で議会で攻撃した

貧困が酷くなければ現代のように「革命」なんかに参加しなくなるからな

共産貧困を武器にするから

2017.05.22 18:48 博本

このコメントで多少なりとも理があるのは冒頭の「226財閥や農村の貧困無視の政治家への怒りだった」という部分だけであって、あとは嘘八百ばかりである。

まず、「殺人クーデターじゃなくて、全国抗議デモをとでも思ってた」というが、現に犯人たちは政府や軍の要人を虐殺したではないか。これは間違いなく「殺人」に該当する。

次に、犯人たちには漠然としたクーデタの構想はあった。彼らは真崎甚三郎ではなく柳川平助を担ごうとは思っていたものの、計画性はまるでなくずさんそのものではあった。しかし、それだけでも彼らが軍事クーデタを企図していたと断定できる。

そこからあとの上記右翼のコメントはデタラメの限りを尽くしたものだ。なるほど、ネトウヨの世界ではこういう「歴史修正(主義)」が蔓延してるのかと妙に納得してしまった。

政府側にはどっちも共産革命されるのを恐れて鎮圧してただろう」というのがその最大の嘘だ。

2.26事件が起きた時には、既に1925年治安維持法(今また、その再来ともいえる「共謀罪法案が成立しようとしているが)が成立してから11年が経過し、共産党1928年の「3.15事件」と翌1929年の「4.16事件」という二度の一斉検挙を経て、さらに特高のスパイ・飯塚盈延(スパイM)が非常時共産党の家屋資金局の責任者になって「大森銀行ギャング事件」(1932年)を引き起こしたり、幹部や党員が次々と逮捕されたりして(特高のスパイが党の要職を占めていたのだから当然だ)、1936年当時には「共産革命」の「脅威」など絶無に等しかったのである。

2.26事件の直前まで起きていたのは、陸軍内部の「統制派」と「皇道派」の内紛だった。戦犯として処刑された元首相の東条英機や、あの悪名高い世紀の極悪人(たとえば半藤一利は「絶対悪」と言っている)の辻政信統制派の一員であって、1934年の「陸軍士官学校事件」、これはWikipediaには

磯部浅一、村中孝次ら皇道派青年将校陸軍士官学校生徒らが重臣、元老を襲撃する計画だったが、情報漏洩により主なメンバーが憲兵に逮捕され未遂に終わった。

と書かれているが、東条英機統制派将官の意を受けた辻政信皇道派を罠にかけた陰謀事件であった可能性が濃厚だ。この1年あまりあとに2.26事件が起きた。

つまり、2.26事件は二派に分かれた極右軍人グループ同士の内紛が引き起こしたといえる。

もちろん、犯人の青年将校の一人・安藤輝三が事件中に自刃しようとして部下に引き留められた時に発した、「いつか前島に、中隊長殿は農村の現状を知っていますか、と叱られたことがあったなァ、今でも忘れないよ。お前の心配している農村もとうとう救われなかったなァ」という言葉に代表されるように、青年将校たちの最初の問題意識が「農村の疲弊」にあったことは間違いないが、それは極右軍人グループ同士の内紛に回収(利用)されてしまった。そして、2.26事件の4年前の1932年に起きた5.15事件の犯人たちにはあれほど同情を寄せた国民も、2.26事件を引き起こした青年将校たちに対しては冷淡そのもので、同情どころか青年将校ら(や北一輝西田税)への厳罰を求める声の方が圧倒的に多かったのだ。

右翼が寄越してきたコメントに戻ると、「政府側にはどっちも共産革命されるのを恐れて鎮圧してただろう」という文章がとんでもない大嘘だから、それに続く文章が意味をなさないことはいうまでもない。

以上、右翼のコメントを批判したが、「現天皇依存症」の「リベラル左派」たちには、下記『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事をよく読んでもらいたい。

天皇陛下を盾に安倍ジャパンを批判するのも危うい : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)2017年5月22日)

天皇陛下を盾に安倍ジャパンを批判する傾向がリベラルにもあります。

しかし、それは筋が悪いのです。


戦前の政党内閣期、野党は、与党を攻撃する際、「天皇主権」「統帥権干犯」を盾に取りました。

いわゆるパリ不戦条約(1928年)では、田中義一(立憲政友会)政府に対して野党立憲民政党は「人民ノ名二於イテ厳粛二宣言」という一文を攻撃しました。

政権交代後は浜口雄幸(立憲民政党)政府に対して、ロンドン海軍軍縮条約(1930年)を政友会が「統帥権干犯」だと攻撃しました。

こうしたことも、政党政治をダメにしたことは忘れてはいけません。

あくまで立憲主義的な見地からの批判安倍総理総理のお友だちには浴びせるべきなのです。

2017-05-21 自衛隊明記を批判する石川東大教授インタビューを東京新聞が有料配信

おい小池百合子、「都民ファ□ストの会」こそお前に対する「忖度政党」そのものだろうが

これはひどい。朝日はこんな記事載せるな。載せるにしても、こんな記事こそ全文有料記事にしろ。そう怒鳴りたくなった。

小池都知事、自民を痛烈批判 都議選の対立構造鮮明に:朝日新聞デジタル

小池都知事自民を痛烈批判 都議選対立構造鮮明に

石井潤一郎 二階堂勇、中崎太郎 末崎毅、小林恵士

2017年5月21日02時59分

 「忖度(そんたく)政治、これこそ自民党都連そのものだと断言しておきます」「自民党都連では東京を引っ張る力はない。足を引っ張る力はある」。20日昼、東京・田町駅前で演説した小池百合子東京都知事は、痛烈な自民批判を繰り返した。

 知事になって初の都議選告示(6月23日)まで約1カ月。小池氏は20日に初めて、特別顧問として率いる地域政党都民ファーストの会」の立候補予定者とともに街頭演説で都内5カ所を回った。「忖度」をキーワードにこれまでにない勢いで攻め込み続けた。「ボスの気持ちを忖度し良い子ちゃんでないと議長になれない」(渋谷駅前)、「忖度しなければ、議会を怒らせれば、条例案も通らない。忖度に次ぐ忖度をやったのは自民党都連そのもの」(有楽町)……。所々で聴衆から大きな拍手が湧く。

 矛先は、昨夏の就任後から対立する自民都連のみならず安倍政権にも向けた。「(女性の社会進出を促す国の政策は)急に言い出したでしょ、安倍政権が。でも本質を理解していないから形だけ」

 小池氏はこれまで、2020年東京五輪パラリンピックなどを巡る国との連携も重視し、露骨な政権批判はしてこなかった。

 この日の変化は何なのか――。「自民への反撃」と小池氏周辺はみる。

 自民はここへ来て党本部や政権の幹部も加わり、五輪準備や築地市場移転問題を踏まえ「決められない知事」と小池批判を強めている。自民小池氏派。その対決構図が固まり、国政への影響もはらみながら、ヒートアップしている。(石井潤一郎)

朝日新聞デジタルより)

おい小池百合子、「都民ファ□ストの会」こそお前に対する「忖度政党」そのものだろうが。そう思ってキレたのだが、残念ながらこの記事についた「はてブ」のコメントに同案はなかった。同案多数だろうと思ったのだが。もちろん自民党もひどい「忖度政党」だが、小池百合子個人政党である「都民ファ□ストの会」だって体質は自民党と全く変わらない。そもそも小池は今も自民党籍を有している。

それに朝日。こんな記事を載せて、このところ落ち目ともいわれる「都民ファ□ストの会」を援護射撃でもしようというのか。こんな政党都議選で躍進したら、朝日の社論であるはずの「9条改憲阻止」がますます難しくなるぞ。いったい何考えてるんだよ、まったく。

「自衛隊明記」を批判する石川健治東大教授インタビューを東京・中日新聞が有料配信

石川健治東大法学部教授が東京中日新聞のインタビューに答えた、「『憲法から軍事力の統制なくなる』 自衛隊明記 最も危ない 石川健治東大法学部教授に聞く」と題した記事が21日付の中日新聞及び東京新聞に掲載されたようだが、なんと有料記事だ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2017052102000116.html東京新聞

 戦争放棄を定めた憲法九条の一項・二項は残し、三項を新設して自衛隊を書き込む−。安倍晋三首相が提案した改憲案が波紋を広げている。憲法学者石川健治東京大法学部教授は「最も危険な提案だ」と指摘する。改憲案の問題点を聞いた。(聞き手・桐山桂一)

東京新聞 2017年5月21日)

http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=459773&comment_sub_id=0&category_id=144中日新聞=無料で読める部分は上記東京新聞と同じ)

実はネットでググる東京中日)新聞の記事を転記したらしい人間がいて無料で読めるのだが、ここには転記しない。無料でも読めるタイトルの通り、石川教授は、自衛隊を明記してしまうと軍拡に歯止めがかからなくなることを説いているのだが、その論理は必ずしもわかりやすいとはいえない。だからこそ「リベラル」が安易に「多くの国民が認めている自衛隊憲法への明記は、リベラル側からこそ提案すべきことだった」などと言い出すのだろうが、私はこの手の言説に接するたびに、「わかりやすさの落とし穴」という言葉を思い出して自戒することにしている。

一件「わかりやすい」言説には、往々にして落とし穴がある。

リベラルでありたいのであれば、まず、一見わかりやすそうな「憲法9条への自衛隊明記は、リベラル側からこそ提案すべきことだった」という言説に対し、「本当にそうなのか?」と疑ってかかる必要がある。ググれば無料で読める石川教授の主張を読んで自分の頭で考えてみるのも、リベラルでありたい人間にとって有益な行為なのではないか。

しかし、それにしても、東京中日)新聞はどうして石川教授のインタビューを有料配信するのかね。安倍晋三に対する「忖度」でも働いているのではないかと勘繰ってしまう。

ちなみに石川教授は樋口陽一門下の憲法学者毎日新聞の昨年5月2日付の「特集ワイド」に掲載された「『クーデター』で立憲主義破壊 憲法学者石川健治東大教授に聞く」も読める。こちらも有料記事だが、毎日新聞の場合はまだ月5ページだけ無料枠があるので、東京中日)新聞と比較するとまだマシだと思う。私は今月3ページ目の無料枠で読んだ。但し、昨年のインタビューだから当然ながら「9条への自衛隊明記」に関する見解は知ることができない。

https://mainichi.jp/articles/20160502/dde/012/010/009000c

2017-05-20 違憲の疑いが強い「共謀罪」法案が衆院法務委員会で可決

民進党支持者の7割が「安倍晋三の9条改憲構想」に反対らしいが……

前々からそうなのだが、民進党支持者と民進党国会議員政治思想にはめちゃくちゃ大きな開きがある。

下記の産経新聞記事は、データの解釈自体は滅茶苦茶だが一応一部だけ引用する。私が議論の材料にするのはリンク先産経記事のグラフに示された数字だけであって、下記引用文に示した産経記者の文章は嘘八百であると私が認識していることをあらかじめおことわりしておく。

【産経・FNN合同世論調査】憲法改正、自民、公明、民進、維新…“お家事情”は各党各様(1/5ページ) - 産経ニュース より

産経・FNN合同世論調査

憲法改正自民公明、民進、維新…“お家事情”は各党各様

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が13、14両日に実施した合同世論調査で、憲法9条改正への賛成が5割を超えた。改憲を目指す自民党は高い世論の支持を追い風に改憲議論を加速させたいところだが、具体的な改憲案の作成には曲折も予想される。連立を組む公明党や党内で意見が割れる民進党なども改憲めぐり“お家事情”を抱えている。

自民、調整は難航?

 自民党支持層では、自衛隊の存在を憲法9条に明記する考えを示した安倍晋三首相(党総裁)の提案に77.4%が賛成し、自ら具体案を示すことで議論を加速させたい首相の“作戦”は奏功しているようだ。ただ、党内には「戦力の不保持」を定めた9条2項と自衛隊の存在明記とが矛盾するとの意見もあり、この調整が改憲原案作成の焦点となる。(以下略)

公明、支持層とねじれ

 公明党の支持層では自衛隊の存在を明記する憲法9条の改正について、賛成が58.6%で、反対の37.9%を上回った。井上義久幹事長は「憲法上明記しなければ、直ちに安全保障に支障がある状況でもない」と当面の9条改正に慎重な姿勢を示したが、支持層とのねじれが生じた。(以下略)

左旋回で民進、逃げた保守層

  民進党支持層のうち憲法改正に「賛成」との声は20%しかなかった。細野豪志環境相のように党内には改憲論者も多いが、足元の支持層は改憲自体に否定的な意見が多くなっている。調査全体では各党が憲法草案を作るべきだとの意見が圧倒的多数ではあるが、政権交代前後の旧民主党を支えた保守層が逃げてしまったといえそうだ。

 首相が提案した憲法9条改正については民進党支持層の71.3%が「反対」。現行憲法が「今の時代に合っている」との回答も60%を占め、改憲に否定的な意見が目立った。

 民進党野田佳彦幹事長は15日の記者会見で、「憲法議論は大いにやってもいいが、(党の考えを)早急にまとめる必要性はない」と強調。首相が提案した2020(平成32)年の新憲法施行についても「喫緊の課題は、北朝鮮への対応などたくさんある。憲法は丁寧にいろいろな問題を議論していくのが基本だ」と否定的な見方を示した。

 党内では細野氏が先月、独自の憲法私案を発表後、蓮舫執行部が改憲に消極的として代表代行を辞任した。前原誠司外相改憲論者も多いが、蓮舫代表は今月3日、首相主導の憲法改正に「絶対反対しないといけない」との考えを示している。

 民進党は昨年の参院選から、憲法の全条項厳守を掲げる共産党との共闘路線にかじを切った。支持者に護憲論が多くなったとはいえ、憲法論議を避ける姿勢は「野党第一党」の存在意義を問われかねない。

維新無償化浸透せず

 調査では、日本維新の会憲法改正の最優先項目に掲げる大学などの高等教育無償化に対し、十分な理解が得られていない状況が浮き彫りになった。維新の主張通り「憲法改正して無償化すべきだ」と答えたのはわずか17.5%で、維新支持層でさえ17.2%にとどまった。(以下略)

産経ニュース 2017.5.15 22:24更新)

産経記者の駄文は全くのデタラメであって、民主党政権が見放されたのは、戦前の立憲民政党浜口雄幸内閣なんかと同じで、緊縮財政政策に走って雇用賃金を悪化させたためだと私は考えている。民進党国会議員改憲派保守右翼だらけなのに支持者には護憲派や「リベラル」が多いことは以前とは全く変わらない。民進党が左傾したから支持者が逃げたなどという産経記者の主張は、政権交代前の小沢一郎代表時代からずっと選挙の度に民主党国会議員に占めるリベラル議員の比率が低下し続けてきたことや、昨年の民進党代表選で3人の候補者全員が保守派だったことなどから明確に否定される。

問題は、民進党支持者の7割が安倍晋三9条改憲構想に反対し、賛成は2割5分程度しかないのにもかかわらず、もう投開票日まで6週間に迫った東京都議会選挙において、彼らが支持しているはずの民進党ではなく、極右野田数が代表を務める「都民ファ□ストの会」に投票する人間が多数いると思われることだ。直近では「都民ファ」の支持率ピークを過ぎてやや落ち目だとも聞くが、それでも投票までにはあと6週間しかないから、これまで民進党(前回都議選までは民主党)に投票していた層の「都民ファ」への流出は避けられないだろう。仮に都議選の結果民進の議席が数議席に終われば、国政政党レベルでの「政界再編」が起きる可能性が高い。その局面で「都民ファ」の国政政党版新党が立ち上がるなら、それはく小池百合子野田数や音喜多駿などの思想を反映した「改憲政党」にしかなりようがない。

産経の記事には共産党支持者の改憲賛成・反対についてはなぜか文章がないが、グラフを見ると共産支持者の3割が安倍9条改憲を支持し、6割が反対している。この数字もにわかに信じ難いものがあるが、数字を見る限り、民進支持層は共産党支持層以上に「安倍の9条改憲に反対」の傾向が強いにもかかわらず、彼らは自らが支持する政党の多くが保守右翼である現状を批判しないし、それどころか私の知る限り批判を封殺しようとする傾向が強い。それにもかかわらず、「小池都知事公明党民進党の連携にちょっとワクワクしている」と書いた「リベラルブログに端的に見られるように、小池百合子自身が自らも自民党籍を持つ極右であること、「都民ファ」代表の野田数安倍晋三など比較にならないほど過激な「超極右」であることなどを直視しようとせず、流行に身を任せて「都民ファ」へと靡こうとしている。

「都民ファ」への投票が、民進支持者たちが嫌っているはずの「安倍9条改憲」への道を切り開くものにほかならないことなど誰が考えても明らかであるにもかかわらず、彼らはそういう行動をとってきたし、今後もとるだろう。なんでそんな自己瞞着を続けるのかといくら問い続けても、彼らは答えてくれない。

この光景を目にして私が思い浮かべる言葉は「集団自殺」である。

違憲の疑いが強い「共謀罪」法案が衆院法務委員会で可決

今週は月曜から金曜まで、『きまぐれな日々』のコメント承認などを除いて、ブログ活動を休んだ。仕事が忙しかったためだ。その間ネットはほぼROM状態で、政治に関するマスメディア情報は専ら朝日新聞と『NEWS23』の報道だけだった(帰宅はたいてい『報道ステーション』は天気予報かスポーツコーナーの時間帯だった)。秋篠宮家の長女の件は、まだ婚約もしてないのに何を騒いでいるのかと思っていた。

共謀罪法案の採決は、一時は来週にずれ込むとの観測もあったが、昨日(19日)、衆院法務委員会で採決、自公維の賛成多数で可決されてしまった。週明け23日の衆院本会議で可決する方針らしい。

今朝(20日)の朝日新聞は、「『共謀罪』熟議なき可決」、「採決強行 異論を軽視」(軽視ではなく無視だろうと思ったが)との見出しをつけてこれを報じたが、「共謀罪法案にせよ、憲法記念日安倍晋三読売新聞紙上でブチ上げた改憲構想といい、朝日新聞を含むマスコミ憲法学者の意見をあまり取り上げていないように思う。今回の「共謀罪法案は、内心を縛る言語道断の法律であって違憲の疑いが強いと思ったので、検索語「共謀罪 違憲」でググってみたが、先月の東京新聞の記事が2件引っかかったのが目についた程度だった。下記はその一つで4月23日付の東京新聞記事。

東京新聞:「内心」「表現」の自由 侵害 「共謀罪」違憲性の指摘:政治(TOKYO Web)

「内心」「表現」の自由 侵害 「共謀罪違憲性の指摘

2017年4月23日 朝刊

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案に対し、憲法違反との声が上がっています。連載「いま読む日本国憲法」の特別編として、憲法のどの条文に照らして違憲性が指摘されるのか、国会論戦や学識者の主張を基に整理しました。

     ◇

 共謀罪法案との関係でよく議論になるのは、<憲法一九条>が保障する思想及び良心の自由内心の自由)。人は心の中で何を考えようが自由。旧憲法下で思想弾圧が行われた反省から、国家は人の心の中に立ち入らないという大原則を定めた条文です。

 その点、犯罪が実行される前に、合意しただけで処罰できるのが「共謀罪法案。犯罪をすると考えた人の心を罰することになり、一九条違反が疑われているのです。安倍晋三首相は「準備行為が行われて初めて処罰対象とする」と説明していますが、何が準備行為なのかあいまいです。

 <憲法二一条>は、自分の考えを自由に発表できる「表現の自由」を定めています。旧憲法下で反政府的な言論が取り締まられた歴史を踏まえた条文で、国家権力を批判できる自由をも保障している点が重要なポイントです。

 政府は今回、捜査対象は「組織的犯罪集団」と説明する一方、普通の市民団体が性質を変えれば対象になるとしています。米軍基地反対や反原発など、自らの主張を表現する市民団体の行動が対象になったり、活動を萎縮させたりする恐れが指摘され、表現の自由の侵害が懸念されています。

 さらに、「共謀罪法案が成立すれば、共謀を立証するために捜査機関が電話やメールなどの通信傍受を拡大する可能性があると言われます。このことを根拠に、幸福追求権を定めた憲<法一三条>違反を問う声もあります。一三条にはプライバシー権が含まれるという解釈があるためです。

 また、<憲法三一条>は、何をすれば処罰されるのか法律で明示するよう定めています。「共謀罪法案は何が準備行為と判断されるか分からず、処罰対象が不明確なため三一条違反という意見があります。

 一方、政府も、国際条約を「誠実に遵守(じゅんしゅ)する」ことを求めた<憲法九八条>に言及し、国際組織犯罪防止条約の締結に向けて法案の成立を訴えています。

東京新聞より)

安倍晋三が言い出して、読売新聞NHK世論調査では予想通り賛成が反対を大きく上回った「憲法9条自衛隊を明記する」改憲構想についても、例えば前々から9条改憲憲法の「改正限界」を超えるとの説を唱えている水島朝穂はどう考えるのか、他の憲法学者はどのような見解なのか、などに私は興味を持っており、世の一部の「リベラル」たちが「自衛隊憲法に書き込む改正は、リベラル側から議論を出すべきだった」と言っていることについては全く同意できず、安倍晋三に対する「忖度」しか認めないのだが、ジャーナリストたちはいっこうに議論を深めようとしていないように見える。

そもそも一昨年の安保法案政局においても、安倍内閣支持率を下げるのにもっとも貢献したのは同年6月4日に開かれた衆院憲法審査会で憲法学者3人が同法案を「違憲」と断じたことだった。下記は、当時元朝日新聞の柴田鉄治氏が書いた『マガジン9』のコラムより。

「安保法案は違憲だ」憲法学者の断言で空気が一変!│柴田鉄治のメディア時評 | マガジン92015年7月1日

 日本を「戦争のできる国」に変えようとしている安倍政権安保法案は、先月から国会審議が始まったが、この僅か1カ月間で、憲法違反の疑いが極めて濃いことが浮かび上がり、国民もはっきり反対の方向に動き出して、日本社会の受け止め方は様変わりした。

 空気を一変させた最初のきっかけは、6月4日の衆院憲法審査会で各党推薦により参考人として国会に呼ばれた憲法学者3人が、そろって「安保法案憲法違反だ」と断言したことだった。

 自民公明両党推薦の長谷部恭男早稲田大学教授は「集団的自衛権行使は、個別的自衛権のみ許されるという憲法9条に違反する」、民主党推薦の小林節慶応大学名誉教授は「憲法は海外で軍事活動をする法的資格を与えていない」、維新の党推薦の笹田栄司・早稲田大学教授は「これまでの定義を踏み越えてしまっており違憲だ」とそれぞれ明白に違憲論を展開した。

 なかでも与党推薦の学者から憲法違反だと断定されたことに、政府与党は衝撃を受け、「人選のミスだ」「責任者は誰だ」と大騒ぎとなった。菅官房長官記者会見で「違憲ではないという憲法学者もいっぱいいる」と語ったが、国会で「いっぱいいるなら名を挙げよ」と迫られて3人の名前しか挙がらず、「問題は数ではない」と弁明する一幕も。

 小林節教授によると、日本に憲法学者は何百人といるが、違憲ではないという学者は2、3人で、「違憲とみるのが学説上の常識だ」と語っている。

 大慌ての政府与党は「違憲かどうか判断するのは学者ではない。最高裁だ」とか、「国民の平和と安全を守るのは政治家の役割で、学者ではない」といった反撃に転じ、6月9日、「憲法違反ではない」という政府の見解を発表した。

 それによると、その理論的な根拠として、1959年の最高裁の砂川判決と1972年の自衛権をめぐる政府見解を挙げている。ところが、最高裁の砂川判決では、個別的自衛権を認めただけで集団的自衛権についてはひと言も触れていないし、72年の政府見解にいたっては、「集団的自衛権行使憲法違反だ」と明確に指摘しているものなのである。

 それに、最高裁の砂川判決は、当時の田中耕太郎最高裁長官が事前に駐日大使と会って「全員一致で逆転判決を出しますから」と約束したという事実が、米国公文書から明らかになっており、本来なら無効だと言ってもいいような経緯のある代物なのだ。

 当然、それらの点は国会でも追及され、安倍首相も中谷防衛相も「集団的自衛権でも限定的なら違憲ではないのだ」と同じ釈明を何回も繰り返しているが、いかにも苦しそうだ。

 それも当然だろう。戦後の日本政府は、そのほとんどは自民党政権だったが、終始一貫、「集団的自衛権行使憲法違反だ」という見解をとってきて、それに異を唱える憲法学者はいなかったのだから。

 それを昨年7月、安倍内閣は突如、憲法解釈を変え、「集団的自衛権行使を認める」と閣議決定をして、それを具体的な形にまとめたのが今回の安保法案なのだ。これまで終始「憲法違反だ」と理論的な論拠を示してきた「法律の番人」内閣法制局まで突如見解を変えたのである。

 今度の国会審議のなかで横畠祐介・内閣法制局長官が「安保法案はフグのようなもの」との比喩を用いて「毒キノコは煮ても焼いても一部をかじってもあたるが、フグは肝を外せば食べられる」と答弁した。

 この比喩を逆手にとれば、今回の安保法案では、自衛隊が海外で武力行使できる条件が極めてあいまいで、いわば「肝を除去したかどうかもあいまいなまま、フグを国民に食べさせようとしているものだ」ともいえよう。

 ところで、社会の空気を一変させたこの憲法学者国会での証言に対するメディアの感度は極めて鈍かった。6月4日の午前中の発言だったのに、夕刊で報じたのは東京新聞だけで、他の新聞はみんな朝刊回しにした。

 しかも新聞は例によって二極分化し、読売産経日経は政治面などに小さく報じただけ。毎日新聞東京新聞は一面トップだったが、朝日新聞は朝刊でも感度が鈍く、一面トップにはしなかった。朝日新聞は、いまだに委縮しているのだろうか。

 ただし、朝日新聞は5、6日と2日連続で社説に取り上げ、昨年の閣議決定以来、集団的自衛権行使容認に対して批判しながらも煮え切らないところもあった姿勢を排して、はっきり「安保法案違憲だ」と社論を明確にした。「憲法違反ではない」と主張する読売新聞社説と、またまた朝・読対決が鮮明に浮かび上がったのである。(後略)

(『マガジン9』〜「柴田鉄治のメディア時評」より)

今回は「自衛隊9条に明記」するという改憲構想だから賛否はもう少し割れるだろうが、「共謀罪法案については大方の憲法学者が「違憲」と考えているのではないか。そう思うのだが、ちょっとびっくりするくらいマスメディアへの憲法学者たちの露出が少なく、ろくすっぽ議論のないままに「共謀罪法案委員会採決で可決されてしまった。

なお、安保法案政局の時には、立憲主義という「保守思想の最終兵器」(私は当時そう感じた)の威力に驚いたものだったが、法案反対派の主流はその言ってみれば「敵方」(なんたって立憲主義保守思想だからね!)の最終兵器の破壊力の大きさを十分理解できなかったらしく(としか私には思えなかった)、SEALDsなどという際物を担ぐ戦法に転じてしまった。SEALDsが前面に出始めてからは、安倍内閣支持率が急速に下げ止まり、7月には底を打ち、安倍が例の「4つのキーワード」を盛り込みながら「村山談話」を骨抜きにした「戦後70年談話」を出した時には、既に支持率微増の局面へと転じていた。私はこれについて法案反対派の戦略の誤りだったと当時から書いてきたし、SEALDs解散後奥田某氏が東京・毎日・朝日などにコメントを発することもほとんどなくなった今となっては、SEALDsを担いだ戦略の誤りがますますはっきりしてきた。

そして今回も「共謀罪法案についての議論を深めることなく、無策で敗北しつつある。今はまだ「共謀罪法案違憲であるという議論ができるが、憲法が「改正」されてしまえばそれもできなくなる。もちろん最初の「9条への自衛隊明記」を含む改憲では19条や21条には手をつけないだろうが、いずれ「『憲法改正』が日常茶飯事になる」時代を安倍や日本会議などは目指しているに違いない。

憲法については、敵(改憲派)に勝つためには、「自衛隊違憲論」では自衛隊容認論が圧倒的多数である現状では難しく、「9条改憲限界を超える」論法でなければ勝てないと私は思うが、その意味でも、また「『憲法改正』が日常茶飯事になる」時代を自ら呼び込まないためにも、「9条への自衛隊の書き込み」は間違っても「リベラル側から言い出すべきこと」などではないと強く訴えるものである。