マジで夢に出た。−『芋虫』
素晴らしい書評配は以下↓
[漫画]芋虫 / 丸尾 末広:
http://d.hatena.ne.jp/risa8/20091028/1256830046
強烈な作品を強烈な絵でマンガにしました。という特濃なマンガ。江戸川乱歩がこの作品を発表した当時は「悪夢」という題名がついていたらしいのですが、あまりにも強烈だったせいかマジに芋虫にたかられる夢を見ました。
でもこの作品はそんなグロだけじゃない。主人公はある女性なのだが、夫が戦争で四肢を失い、耳も聞こえず話すこともできなくなって帰ってきた。そこに妻は嗜虐的な方法で複雑な感情をぶつけ始める。
あくまで複雑な感情なのだ。昨今巷に溢れたストレートに言葉にできるような感情ではない。いや言葉にできないからこそ変態的な方法でぶつけてしまうのだろう。妻の愛がゆえに息苦しい。また、圧倒的な画力が妻のどうしようもなさを本当に息苦しく伝えてくる。
そして衝撃のラストは夫からのたった一つの言葉。これもまた愛なんだろう。全体的にグロイために、余計に強調された夫からの愛情がカタルシスを呼ぶ。
普遍性を感じるからこそこんなエログロ作品でも人に勧めたくなる。そんな特濃愛の物語。
- 作者: 江戸川乱歩,丸尾末広
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/10/26
- メディア: コミック
- 購入: 8人 クリック: 109回
- この商品を含むブログ (39件) を見る