依存と自立−『孤高の人』『今夜、すべてのバーで』
『孤高の人』の素晴らしい書評を↓
坂本眞一『孤高の人』4 巻読了。:
http://yamano-kakeru.blog.eonet.jp/default/2009/06/4-8313.html
『今夜、すべてのバーで』の素晴らしい書評を二つ↓
この本は座右の書にして僕のバイブル:
http://www.kototone.jp/media/livre/ka/bars.html
中島らも「今夜、すべてのバーで」:
http://norabako8.blog93.fc2.com/blog-entry-806.html
「依存」の対義語は「自立」との事。
漫画『孤高の人』はまだ途中までしか読めていないのでなんとも言えないが、人間関係で起こる摩擦に非常に敏感な主人公が、ストイックなまでに全てを捨てて山へ取り組む姿が印象的な本作。なんだかずいぶん悲しい社会観だなぁと思いつつも、ハンパじゃない断捨離っぷりが格好良く映る。依存への恐怖感がそうさせるのだろう。山という皮膚と空気の境界線を敏感に感じるような極限の世界こそが、彼にとっては「自立」という高次の安心感を与えてくれる場所なのかもしれない。
んでは依存とはどんな状態なのか。それは、『今夜、すべてのバーで』を読むべきだろう。本書はマリファナより依存性が強いと言われるアルコール依存症の話。著者本人がアルコール依存症の際に描き上げたらしい本書には、読んでてクラクラするするほど強烈、かつ精緻な依存状態の記述にゾッとさせられる。正直読後はお酒飲むのが怖くなります。
『孤高の人』を読んで生物的な自立を考えたり、『今夜、すべてのバーで』を読んで社会的な自立を考えたり…自分はどのぐらい「自立」の状態に近づいているのだろうか。どんなものに依存しているのだろうか。果たして完全な自立が一点の曇りもないくらいに疑いなく目指すべき姿なのか…そんな事を思ったらまずはこの2作品を。
…という高尚な話じゃなくてもこの2点、方や迫力満点の画力とキャラづくり、方や迫力満点の表現力と説得力で迫るエンタメとしても抜群の作品なのである。是非ご一読あれ。
- 作者: 坂本眞一,鍋田吉郎,新田次郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/04/18
- メディア: コミック
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- 作者: 中島らも
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/03/04
- メディア: 文庫
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