ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

「縄文VS弥生展」@東京国立科学博物館

いつ行ったか忘れたのですが、先々週とかに行った気がします。だいぶ薄れているので薄れきらないうちに書きます。
縄文VS弥生展、はてなメイツの間ではそれなりに話題になっていたような気もしますが、世間の注目は低い。土曜か日曜に行ったのですが、こんな感じ…▼

かつて小中学校で習う歴史認識の根底にあったのは「時代を追うごとに、世の中はよくなっている」という考えでしたが、その観点からすると「縄文VS弥生」という捉え方は出てこない。「縄文<弥生」だからです。
縄文時代と弥生時代が、包含関係にない、対峙していることを「縄文VS弥生」という言い方が端的に表している(ぼくは「ねじれの位置」にあると思うけど)のですが、思い出すのは岡本太郎の縄文文化論。弥生時代ののっぺりした埴輪と、細かく文様が刻まれた土偶。「モダニズムの産物である」と言い間違えそうなシンプルな弥生式土器と、もういいから、と言いたくなるほど燃えている、躍動感ありすぎの火焔土器(新潟県唯一の国宝)。▼
 

これだけを見ていると、なんだか縄文時代の方がいい時代であったかのような錯覚に陥ってしまいます。

▲さらに、フィーチャリングされているモデルも(以下略)

場内は、弥生と縄文を比較しながら並べています。注目なのは、四国で、縄文文化圏にとつぜん弥生文化が輸入されてきたところ。以後、縄文と弥生がミックスされた暮らしを送ったそうな。高知県行きたい。在来人が真似して作った弥生式土器!面白すぎる!

まあ、子供たちは、こんな地味な展示、面白いと思うはずもなく、ひたすらメモに励んでおりましたとさ。しかし、8月半ばに自由研究に手をつけているとは…すごいよい子ちゃんだと思う。ぼくは25日からだった。▼

あと、弥生時代の食事があまりにもおいしそうだった。考えてみれば、和食って、加工していないものが多いので、その意味では、弥生時代からそんなに変わっていないのかも。▼

▼で、ひさびさに常設展に。


▲常設展は、クジラと馬の間くらいの海獣の骨に感動したのと、外骨格化著しい板尾魚類の黒光りする姿にウットリ…あと、ウクライナのマンモス製ハウスがあまりにもかっこよすぎた。ぼくが女だったら、こんな家に招待されたらどんなブサイクな男でも抱かれてしまうことでしょう…

科学的じゃない方の博物館


とにかく、やることのない休日(最近ないけど)の埋め草として大活躍なのが、東京国立博物館。こんな楽しい場所、伊勢の秘宝館以外は思いつかない。
ということで、遣唐使みたいな特別展があったけど、特にあれは見なくてもオッケー。注目すべきなのは、「模写・模造と日本美術」。こっちは常設展の扱いなので、追加料金は不要。そして、足を踏み入れると、無着・世親像とか法隆寺百済観音像とか、秘仏浄瑠璃寺吉祥天立像とか…高松塚古墳壁画まで…模造品とはいえ、ここまで集まってたら頭がクラクラする。国宝ばかりで体に悪そうだ。
圧巻なのは玉虫厨子。日本鱗翅学会が小中学生を動員して集めた5000匹以上の玉虫が敷き詰められている!小学生が玉虫ハンティングに必死になっている姿を想像しながら見ると100万トキメキ獲得!
っていうか、本物の玉虫厨子の玉虫は誰が集めたんだろ…役人が舌打ちしながら?