-放浪腐女発酵観察日記- ブログ版

オタな海外放浪貧乏旅行者の腐女子覚醒日記。SF,ロボット、天文好きな皆既日食ハンターの筈が、ある日うっかり腐海に墜落。やおい免疫あったが仇のBL大発症。急遽、隔離病棟設置。こちら腐れ外道blog。 ダダ漏れ萌えと、オタク独り語り、阿呆バックパッカー海外貧乏旅行バカ話しか御座いませんが、お暇ならごゆるりと(^_^;)  ★はてなダイアリーがメイン。こちら同記事の予備です(๑╹◡╹๑) http://d.hatena.ne.jp/kokuriko-fufu/

 ★鬼畜眼鏡@世界一周SS メガミド オールド上海篇 <1>  

kokuriko-fufu2008-07-12

★キチメガ@世界一周SS メガミド オールド上海篇 <1> 





この曲を聴いていたら、暴走……ウッカリSSなぞ書いてしまった。
あうう。申し訳ありません。m(_ _;)m



BGM   COWBOYBEBOP -  Goodnight Julia....
D




 
メガミド・パラレルSS。
御堂は軍の士官。佐伯はサックス・プレイヤー。
第二次世界大戦中、オールド・ジャズの流れる陥落直前の上海を舞台に、二人の One-Night stand 一夜の恋、 を書いてみたくて。
 雰囲気的イメージ写真ww



いや、当時の上海にちょっとだけ似た、完全異次元ファンタジーってことで……ツッコミどころあり過ぎなので、どうか放置で。 第一、曲もオールドでねぇし、Left Aloneって60年代だって……(゚∀゚;)



  一応、用語これだけ
租界(そかい) 各国毎外国人居留地 行政自治権治外法権所持
外灘(バンド:中国語でワイタン) 河口近く、揚子江沿いの繁華街 コロニアル様式の建物の並ぶ、上海租界随一の美しい通り Wiki 外灘


 鬼畜眼鏡@世界一周SS 
              オールド上海篇 メガミド<1>




月の明るい宵だった。           


上海。
東洋の魔都と呼ばれる巨大な植民都市。
着任してひと月も経たないというのに、私は既にその街の退廃ぶりと享楽的な空気に倦んでいた。

  1. α


内地にいた頃から話には聞いていた。軍部は既に腐っていると。
今日も上官に酒席相伴を強要された。この時勢に贅を尽くした宴会を夜毎に続ける神経も疑うが、あろうことか、司令自ら宴席に堂々と男娼を連れ込み、私に向かって、こいつと貴様を同じ床で一緒に抱きたいなどと放言した。
激昂の余り、席を蹴りつけ、どのような面罵を上官らに浴びせ立ち去ったか、私自身憶えていない。




   ◆




「破廉恥な!」
噴き上げる怒りに我を忘れ、幾度か声に出しては路上に罵声を吐き捨てる。なお収まらず、石畳に軍靴を蹴りつけるように無闇に歩いた。南京路のアカシア並木を抜ける内、道を失い、いつしか租界も外れまで来ていた。幾許か足取りを緩め、息を整える。
さすがこの時間に一人で租界の外へ出るのは危険だ。我軍の占領下とはいえ、現地民居住区に軍人が不用意に踏み込んだ為、リンチや暴動が起きた例は、既にこの頃、絶えなかった。



ふと足が止まった。
風に乗って微かに流れてくる、あれは人の声だろうか。
嗚咽? 押し殺した悲鳴のような。
違う。楽の音か。サキソフォン
私は薄く歎息した。
この街ならば、余りにありふれた騒音の類だ。
どこかの酒場から夜通し漏れ出てくる軽佻浮薄な奏楽。
ジャズ。
ならばなぜその音に立ち去り難く惹かれたのか。
今も解らない。
私は、時折風に途切れる旋律を追って、暗く街灯のない裏通りを縫うように歩き出していた。


 ◆


揚子江の支流沿いに出た。支流といえど、内地の河川より余程広い。
視界が大きく広がる。対岸の明かりが川面に揺らいで見えた。
河岸に沿い、丈高い鉄格子の外柵に延々と囲まれた緑地があった。
公園? いや外柵にそれらしき入り口はない。西洋館の外庭だったものが、荒れて残ったものらしい。闇の向こう、廃墟そのままに荒れ果てた洋館に灯火はなく、サックスの音らしき独奏はこの庭の奥から続いていた。


その時、月が雲を払って、辺りを照らした。
鉄格子に囲まれた廃園の中。
朧に浮かぶ痩身の影。東洋人だろうか。
河を渡る風を受け、淡い色の髪をなびかせ、一人、サキソフォンを吹く男。
流行の歌曲さえ知らず、堅物と揶揄される自分にも、その男が奏者として大した腕前だと知れた。
悲哀に満ちた調べ。


ふいに胸に痛みを感じ、私は混乱した。
外柵沿いに息を潜め近づく。月影は明るく男の貌を縁取っていた。
サックスの鈍い金の光沢、その上を踊る長く白い指。
切なげに寄せられた眉。細い鼻梁、息を求めて僅かに広がる鼻腔。吐息を吹き込む度に苦痛に歪むかのような唇。溢れ出し、胸を刺す慟哭の音色。
片手で鉄格子をつかんだまま、我知らずその光景に見入っていた。


一曲を吹き終えると、男は大きく息をつき、サックスを下ろした。
揚子江から吹き上げる強い風に身をゆだねるように、全身の力を抜いて立ち、川面に映る街灯の昏い揺らぎを見つめていた。シャツの胸を大きくはだけ、首筋の汗を拭く。
思わず目を背けた。何か見てはならぬ情景を覗いたかの羞恥に囚われ、踵を返そうとしたその時。
男は鋭くこちらを振り向いた。訝しげな視線は、注視に変わり、彼は一直線に近づいて来た。数瞬で間合いを詰め、呆然としている私の腕をつかむと、鉄格子越しに硬い声で言った.


“ Hey, officer. Thanks for listening, but... ”



そのまま強引に引き寄せられ、鉄格子に肩と胸がきつく押し付けられた。


“ Not free. You have to pay your bill… ”


押し殺した低い声が耳元で響く。
……代金を、払えと? 演奏の? なんの言い掛かりだ。
反射的に目を眇め、睨み返す。
呼気が混じりあうほど間近にある男の顔。銀枠の眼鏡をかけた端整な顔立ち。その瞳の奥には、不可解な迄に、強烈な苛立ちと怒りの色があった。
その瞳に触発されたのか。
私の中にも、先ほどまで囚われていた激しい瞋恚が揺り返し、目も眩むほどに苛烈な怒りが心に戻ってきた。
どうにもならぬ理不尽な日々。押し殺され、抑圧されてなお、開放を求めて荒れ狂う感情。
無言のまま睨み合った。噛み付くような視線から受ける熱と腕に走る鋭い痛みに思わず眉宇が寄る。
男の細い指は、見た目に逆らい、万力のように強く締め付け、私を離さなかった。
瞬間、男が動いた。空いた片手を私の襟足に回し、後髪を握り込むと、素早く自分へと引き寄せた。頭ごと鉄格子の間をくぐる。
視線を絡めたまま、男の唇が私の口腔を塞いだ。
余りに予期せぬ行為に、不覚にも一瞬思考が飛ぶ。


「…う、……っくぅ…っふ」


咄嗟に身体が動かぬまま、男の勝手を許した。
刃物を振るわれるなどの乱行暴挙の類ならば、軍人としてなんとでも対処しただろう。しかしあろうことかこんな……
戸惑う寸隙に何を思ったか、男の舌が更に唇を割って入ってきた。
その熱く濡れた感触。


「―っ!」


肘で男の胸を突き、同時に掴まれた腕を強く振って、男の指を外す。
男は呆気なく、草地に転がった。
呼吸を忘れていたことに気づき、大きく息をつく。
鉄格子から離れ、手套をはめた指で唇をぬぐった。
自分のものではない血の味がした。


「っつぅ。まったく。サックス吹きの舌を噛むとはな」


胸を押さえ咳き込みながらも、舌を出し、指で傷を確かめる仕草をする。男の指先に僅かに血がついた。舌打ちをし、顔をしかめる。


「大事な商売道具だぞ」


訛りのない日本語。……日本人か?


「貴様っ、何を考えている」


ようやく息を整え、私は言った。間に鉄格子がなければ更に殴り倒し、蹴りつけているだろう。怒りの余り、罵倒の言葉が喉に詰まる。


「ギャラを徴収したまでだ。タダ聞きは戴けない、将校さん」


悪びれず男は言い放ち、私の軍服をさも軽蔑したように一瞥した。


「あんたらなんかより、俺たちは余程稼ぐんだ。一晩でな」


膝を払って立ち上がる。先ほどの悪鬼じみた様子は微塵もなく消え、嘘のように飄々とした態度に虚をつかれた。霧散した怒りを掴みかね、ただ当惑する。そんな自分に苛立ち、挑発の言葉を投げた。


「貴様は男娼か?」
「失敬だな。バンドマンだ。見れば判るだろう」
「似たようなものだ。夜毎他人に享楽を売って身過ぎにする。この上海の魔窟に巣食う、ダニのような奴腹が」


男はただ肩を竦めた。否定も肯定とも取れる皮肉な口元の笑み。


「そうだ、似たようなものだな。大陸の利権に群がるハイエナどもに比べれば、ダニ稼業なんぞ可愛い悪徳だ」
「……軍部を揶揄して只で済むと思うか」
「俺は何も言ってやしない」


鉄格子に顔を寄せ、そう吐き捨てると、男は私に背を向け、草地に転がるサックスを取りに戻った。軽く息を吹き込んで音を確かめる。
その音に、私も男に背を向けた。なぜか今はあの音色を間近に聞きたくはなかった。これ以上虫ケラの相手をしてどうなるものでもない。ダニに噛まれただけの事。来た道を戻り、全て忘れればいい。


「“ブルークロウ”って店だ。外灘沿いの。
土曜の夜は必ずそこで演ってる」


歩き出した途端、男の声が背中を追ってきた。張り上げると意外に良く通るその声は、サックスの音色にどこか似ていた。風に混じって、喉奥でかすかに笑う声。


「釣りを取りに来い。払い過ぎたと思うならな」


一体、何を考えて生きている? 
私は振り向かなかった。
その笑いに奇妙に心掻き乱される自分を叱咤し、足早にその廃園を後にした。


  ◆


宿舎に戻り手套を外すと、白生地に赤錆色の染みを見つけた。あの格子の鉄錆か、或いは……。思わず頬に朱の差すのを感じて、頭を強く振り、記憶を払った。
どちらにせよ、一度汚れの付いた白は使い物になるまい。私は血痕じみた鈍色を暫く眺め、汚れた手套を屑籠に捨てた。



       ◆   to be continued...更新途中. 





 



 

SSメイン・テーマ: レフト・アローン


 BGM  Left Alone  # lyrics by   Billy Holiday
 Left Alone   # lyrics by   Billy Holiday  試聴、歌詞、日本語訳

日本語訳歌詞、私の捏造翻訳ですけど(^-^;;
ファースト・シーンで、佐伯の吹いている曲です。


 




 
  絶対厳禁、と自分に課した一人称SS、しかもよりによって御堂一人称やっちまった…… ((((o_ _)--o
しかも、メガミドだっつうのに、エロくねぇ。でも、鉄格子越しの接吻って、やってみたかったんだ。目指すのは、Forbidden fruit tastes the sweetest. ストイック故のエロス! なんだけど……。あああ、ど下手素人SSで御免なさい。m(_ _;)m





 Project M ゴゴー様に贈呈致します、無理やりw(^-^;;;;
華麗な絵に一目惚れ。受け取って下さって感激です(7/23)
そして、このSS読んでくださっって、もし一人でも好きだと言ってくださる人がいたら、嬉しいのですが。 kokuriko