【レビュー】モテキ

なんというか、こう、
30歳前後の男子に見てほしい内容である。
見る側の性格、好みによるが、
びっくりする程共感出来る部分が多々ある筈だ。
時に嬉しく、時に悲しく。
男とはこういう生き物。

ドラマ版モテキの1年後の設定の本作。
主人公は相変わらずうだつの上がらない状況だが、
とあるニュースサイトに就職してから新たな出会いが。
そして、思いもよらぬトントン拍子に翻弄されていく。
果たして、彼は幸せを掴めるのか。

サブカルチャーのお手本とでも言おうか、
様々なアーティスト、楽曲、本、漫画などが至る所に散りばめられ。
好きな人にはタマラナイ小道具が多々。

物語の締めくくりだけ、賛否あるのではないか。
幸せ、不幸どちらに寄せるかは演出次第だが、
中途半端に思えてならない。
もう1カット、はっきりした形での提示があれば。

これを見て、いろんな意味でモヤモヤしては如何か。

モテキ DVD通常版

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モテキ Blu-ray豪華版(2枚組)

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モテキ (1) (イブニングKC)

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【レビュー】バグダッド・カフェ

物語の前半と後半で印象が様変わりする。
この、人間関係においても言える事が、詰まっている。
他人に受け入れられるか否か。
世界はそこから、見せ方を変える。

ラスベガス近郊のバグダッドカフェに、
砂漠のハイウェイに置き去りにされた主人公が辿りつく。
車もなしに歩きで来た彼女について、
女主人は警戒し続けるが。

前半の、違うコミュニティにおける疎外感。
後半、受け入れられた主人公の優しい顔が印象的。
人がどう生きるかは、感情の擦り合わせが不可欠だ。

有名過ぎるコーリング・ユーも、流石の名曲。
数少ない楽曲の、華の添え具合が美しく。
時間軸の経過具合の見せ方も、そっと触れるかのような。
なんとも、ゆるゆると流れていく作品。


バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]

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【レビュー】人のセックスを笑うな

http://http://www.youtube.com/watch?v=5oMvKDWRVsA

若干ではあるが、観る側のスキルが要求されるやもしれない。
どちらの視点で見るか、という事において。
女性であれば、問題なさそうだが、
男性目線で見ると、腑に落ちないやも。
なんて事はない、関係性が適当なだけなのだ。

たまたま知り合った大学生の主人公と、
講師で赴任したユリ。
急速に縮まった仲において、
恋愛とはなにか。
振り回されるのか、それとも。

話の内容はさる事ながら、
一枚絵の構図として見ると好印象な場面が多く出てくる。
話の内容が冗長化され気味なので、
こういった部分で楽しめれば。

各種いちゃつき具合は、まあ、こちらもニヤけるのだけれども。

人のセックスを笑うな [DVD]

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【レビュー】9 〜9番目の奇妙な人形〜

なんともRPG的キャラ分けである。
個々のオリジナリティは際立っている為、
非常に見やすい構造。
不必要なキャラや敵も登場せず、
シンプルな話も良いものだな、と。

主人公の9が目覚めた時、世界は荒廃していた。
訳も分からず外へ迷い出て、仲間と出会うが。
果たして。

ナイトメアー・ビフォア・クリスマスを彷彿とさせる、
あの感覚は脈々と続いており。
作り込まれた世界の限定されたストーリーは、
深さがあればある程面白い。

好みによって、各キャラに思い入れも出るだろう。
自らの感性に合うかどうか、判別してみては。

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【レビュー】パーフェクト・ワールド

説明過多は不要。
そう言われているかのような、
あっさりとして、淡々としたラスト。
もしかすると、お涙頂戴の脚色なんかいらないのか。

脱獄囚の主人公が、少年を人質に取り逃避行を始める。
目的地は、彼の父親が居るかもしれないアラスカ。
後は言わずとも分かるだろう。少年との心の交流だ。
ただ、それで行動に変化がある訳でもない。
交流、のみ。

少年側の視点で見た場合、
あまり抵抗もせず、従順なのだが。
自らが正しいと思う行動に出れる事を証明する。

山あり谷ありでは決してない。
あるのは、現実をどう過ごすか、という事。
どこか諦めているような雰囲気の中、
辿り着く結末をどう捉えるか。

パーフェクト ワールド [DVD]

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【レビュー】ロッキー・ホラー・ショー

初見で分からない部分も、二度観する事である程度は理解出来る。
逆に言えば、??となる所も多い。そんな作品。
でも、観た側に残すインパクトは、大きい。
曲が頭から離れない。

友人の結婚式後にプロポーズした2人が、
山道で車がパンクしてしまい、城に迷い込む所から話は急展開する。
作り的に明らかホラーなのだが、恐怖感は与えてこない為、
登場人物の奇抜さも相まって、混乱する事請け合いだ。
また、結末に向かうにつれ謎展開の連発。
随所に入るミュージカル部分が、流れを引っ掻き回す。
なんとも、混沌としている。

話の骨子を掴もう、と思いながらだと、入り込めないかもしれない。
DVD等の特典にあるような、ヤジを飛ばしながら、
周りの人間と見るのが正解のような。
そんなライブ感覚が、何故かハマりそうだ。

そして、意味の中を。
じわじわやられる。

【レビュー】トレインスポッティング

全体を通しての疾走感。
悪辣とさえ思えるシーンですら、軽快な曲調の音楽によって、
スタイリッシュな何か、へと変貌する。

ヘロイン中毒の主人公とその仲間達。
彼等の生き様は、他に選択肢がなかったのかとも思えるが。
認識出来る現実、選択肢はそこだけしかなかったのだろう。
退廃、ただ流れ去って行く時間の中、
変化を求めて一歩を踏み出してみるが…。

音楽に関しては上述の通り。
映像自体も目を見張る様な演出が多々。
尺の短さも相まって、あっという間に見終わる印象。

ラストシーンの語りは、本質は何も変わっていない事を彷彿とさせた。
ロッカーの中身を取り出したスパッドのニヤケ面が、
上手い具合に物語を締めくくる。
オススメです。

トレインスポッティング [DVD]

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トレインスポッティング [Blu-ray]

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