最近のニュースから

オーム真理教の指名手配されていた二人が、相次いで逮捕されました。今年はじめの平田容疑者を入れると、三人すべて逮捕されたことになります。なぜ、今になって急にという疑問はありますが。
「宗教は阿片である」と言ったのは、マルクスだったか、エンゲルスだったか。宗教は、「抑圧された人々の、革命への意欲を奪うもの、人を無気力にするもの」というのがその趣旨だが、どうもそうではないようだ。同じ麻薬でも、人を凶暴=狂暴にする麻薬なのではないかと、ふと思ってしまう。
現在の日本で暮らしている我々にとって、宗教というのは平安を求めるものというのが、一般的な認識だと思います。暴力とは最もかけ離れたものというのが、私たちの考える宗教の姿ではないでしょうか。しかし、実際はそうではないのですね。
今世界中で起こっている紛争のほとんどが、宗教戦争だと言えるのではないでしょうか。民族紛争も多いですが、民族紛争=宗教戦争という面もあると思います。
私が最近気になっているのは、ミャンマー西部のラカイン州で発生した民族紛争です。イスラム教徒である少数民族ロヒンギャ族仏教徒ラカイン族との争いで、虐殺や焼討ちが行われています。ロヒンギャ族というのは、国連で「最も迫害された民族」と認定されていて、ミャンマー政府は自国民として認めていません。これまでも多くの難民が出ていて、その難民がタイで虐待されたりもしているのです。タイも仏教国ですね。
もうひとつはやはりシリアです。シリアで、なぜこれほど自国民に対する虐殺が行われているのか疑問だったのですが、これも宗教戦争だったのです。シリア国民の70%はイスラムスンニ派で、イスラム教他派が20%、キリスト教シリア正教会が10%ということです。シリアのアサド大統領は少数派のアラウィー派に属していて、スンニ派の国民を虐殺しているわけです。だから女性でも子供でも、平気で殺せるのですね。
シリアの反体制派を隣国のトルコが支援しているのですが、トルコはイスラムスンニ派が多数を占める国です。トルコの戦闘機がシリアによって撃墜されましたが、今後どのように推移してゆくのか心配です。自国民をこれだけ虐殺して、シリアが国としてこのまま成立して行くとは思えませんが。
ナイジェリアでは、イスラム教過激派によるキリスト教会への襲撃が続いています。
宗教というのは人間のマインドに関わるもので、それによって起こる紛争は憎悪などの人間の感情に作用するわけで、厄介ですね。永遠に憎しみ合うことにもなってしまう。罪深いものだ。宗教や民族と全く関わりのない戦争や紛争は無い、とも言えるかもしれません。
今TVでオーム真理教の番組が流れているのだが、日本人の宗教に対する思い込みが、事件の解決を送らせた面もあると思います。しかし、その宗教観は大切だと思います。ヨーロッパなど、成熟した社会では、そのような宗教観になってきていると思います。宗教はそうあって欲しいですね。


もうひとつ、最近のニュースで気になっているものがあります。スウェーデンのリングハルス原子力発電所で爆発物が見つかったというものです。この原子力発電所は、スウェーデンの電力の20%を供給しています。爆発物探知犬が発見したそうです。
このニュースは、わが国で報道されたのでしょうか。私がこれを知ったのは、フランスの報道機関による国際ニュースからです。わが国のマスコミのひどさは目に余るものがあるので、最近はあまり信用していないし、ニュースを見ることも少なくなったので、定かではありませんが。これは大きなニュースだと思うのですが、わが国の報道で目にしていないからには、少なくともその程度の扱いだったのでしょう。
爆発物が見つかったということも重大ですが、私が注目したのは、スウェーデンでは爆発物探知犬を使った警戒をしているということです。軍事施設などと同じような警戒体制がとられているのです。原発というのは、そういう施設なのだということです。
わが国ではどのような警戒体制が取られているのでしょうか。安全性もきちんと確保されていない原発を稼働させる国だから、追って知るべしだな。このような危機意識の低い、安全に対する認識の低い国は、原発を持ってはいけないのですよ。