超高層

kokuzo2014-04-06

先月大阪で「あべのハルカス」がオープンし、ほぼ一ヶ月が過ぎました。それまで日本で一番高かった横浜ランドマークタワー(70階建て296.33m、1993年完成)を超える60階建て高さ300mで、日本一高いビルとなりました。階数は10階ほど少ないですが、それはフロア構成の違いによるものでしょう。大阪では日本一高いビルができたということで、大きな騒ぎになっているのでしょうか。どうなのでしょう。来訪者はひと月で350万人を超えたということなのですが。
東京では全くと言っていいほど話題になりませんし、ほとんどの人が知らないのではないでしょうか。大阪のことなのでほとんど興味がないということかもしれません。高さだけで言えば、東京スカイツリー(634m)の方が高いということですかね。東京スカイツリーが完成した時は大騒ぎをしましたが、もはや日本で高いビルが出来たからと言って、それがそれほど大きな話題になることはなくなったということなのだとも思います。高いと言っても大したことないですから。横浜ランドマークタワーが出来た時も、そんなに大騒ぎしなかったように思います。それが日本一高いビルだということも、ほとんどの人が知らなかったですし。
ただし、ランドマークタワーができてから20年間、それを超える高さのビルができなかったということには、注目すべきだと思います。
あべのハルカス」は全く特別の建物ではありません。ただの超高層ビルにすぎません。特別にデザインされた建物でもありません。私の印象では、むしろブサイクな建物というところですね。設計は竹中工務店、外装デザインはシーザ・ペリです。ただし、外装デザインと言っても、建物の形自体は変えられないのですから、外装材の選定と窓の割り付け程度のことしかできません。
このような建物の設計は、建物に要求される内容をまとめることに尽きるので、外観はその結果でしかありません。そのこと自体は悪いことではないと思います。むしろそれでいいのだとも思います。ある種の意図的な外観デザインなどはアナクロニズムでしかありませんから。ただし、ブサイクなのはいただけないなあ。ブサイクなものは二度と見たくないですから。


先日、サウジアラビアのジッダで「キングダムタワー」の地上部分の工事が始まるという報道がありました。高さ1000mの超高層です。こちらは世界一です。現在の世界一は、ご存知のようにドバイ(アラブ首長国連邦)の「ブルジェ・ハリファ」、828mです。「あべのハルカス」なんて高さで話題になるようなものではないということですね。
このプロジェクトは2011年に発表され、その後の紆余曲折を経て、やっと地上部の工事にたどり着いたということです。完成までに5年3ヶ月かかり、建設費は約1240億円とのことです。設計は英国のエイドリアン・スミス+ゴードン・ギル アーキテクチュアです。
建物の内容はホテル、オフィス、コンドミニアム、それと世界一高い場所にある展望台です。ブルジェ・ハリファと同じですね。しかし、こんなに大きいものを建てる必要がどこにあるのだろうか。いや、建てること自体が目的なのですね。ですから、建物の外観も意図的なデザインになっています。
でも高さを云々したいのなら、このくらいの事をしないとね。ほとんど興味ないけど。