・お手伝いは脳を発達させる

先ごろ、飯島町で「子どもの生活習慣確立講演会」というものが開催されました。

講師は信州大学の寺沢宏次教授です。

会場に足を運んだわけではないのですが、CATVの番組でたまたま見つけました。


難しい脳の話を交えて、子供の脳の発達について科学的に説明されています。

わが意を得たりと感じたのが、「お手伝い」と「集団遊び」の効能です。


教授は、テレビとテレビゲームが子供の脳の発達に障害になっていると思っていたが、研究の結果2%程度の影響にとどまることが分かったらしい。

そこでさらに調査研究を進めたところ、「集団遊び」が「テレビとテレビゲーム」にとってかわった影響に加えて、「お手伝い」が「勉強」にすり替わったことで、子供の脳の発達に悪影響を及ぼしていることがわかったようです。

子供にお手伝いをさせずに勉強ばかりさせておくと、頭脳の発達に悪影響が及ぶとは世の親どもは気が付いていないでしょうよ。


手前味噌で申し訳ないが、うちの家訓は「勉強はお手伝いが終わった後」となっています。

勉強があるからといってお手伝いをさぼる口実にはできない家風です。

手伝いが知恵と体作りに最重要だというのが私の持論だからです。


たまたま目にしたテレビで寺沢教授の講演に遭遇し、持論が正しかったことが証明されました。

楽をすることが脳の発達を止めてしまい、ボタンひとつで動く便利な家電が子供の知能を低下させているという。

教授が、「昔は風呂を薪で焚いていた」と言及したところでは、薪の並べ方や空気の流れなどに頭を使うことが重要なんだということだったが、我が家では小学一年生になったら薪風呂焚きの当番になる。

古き良き習慣を今に取り入れることの効能が、そのものずばりで指摘されたのには感激です。


かつて、学校が週休二日になったとき、我が家はお手伝いをたくさんさせられると大歓迎だった。

ところが保護者会でその話になると、「土曜日も家にいて手伝わせることもないからテレビを見てるだけになる」と嘆いていた親御さんがいた。

当時、寺沢教授の研究成果を知っていれば、手伝いをさせずにテレビを見せることが最も子供の脳の発達を妨げるのだと気が付き、家庭の在り方を見直すチャンスが得られていたかもしれない。


こういう重要な調査研究は、教育委員会でまとめて、学校で共通認識とすることはもちろん、PTAを通じて家庭に浸透させるべきだ。

外遊びよりもテレビゲーム、お手伝いよりも塾通いを優先している家庭に警鐘をならすべきだ。

子供の脳の発達を科学的に検証して、昔の子供の置かれた社会環境の方が子供にとっては良かったと分かったのだから。


正しい子育てができていたと知った今日は、とっても晴れがましい気分です。