リーフのバッテリー欠陥

日産自動車の電気自動車『リーフ』は、先進技術の粋を集めた優秀な車です。
経済的で環境負荷も少なく、次世代を先取りした数少ない車の一つだと言えます。

しかし、先駆車であるがために欠点があることも否めません。
最たるものが初期型車両に搭載されたバッテリーです。
発売当時の技術水準では最高レベルのバッテリーを搭載して、実用にして十分な性能を発揮してくれますが、一般消費者向けの工業製品としては致命的な欠陥があります。

使い方によって性能に大きな差が出てしまうからです。
車に乗る距離、スピードの出し方、走る道路の状況などにより、バッテリーの劣化速度が変わってしまう。
50Lのタンクを備えたガソリン車に例えると、ロングドライブや山道を楽しむユーザーAの使い方だと変化は気が付かないが、近距離の買い物や通勤に使うだけのユーザーBだと2〜3年でタンクが40Lに小さくなってしまう。

EV(電気自動車)に使われるバッテリーは、現在の技術だと劣化が避けられません。
ユーザーは、将来的な劣化(5年で80%)を見越して、実用になると判断して購入しています。
しかし、使い方によってその判断に大きな狂いが生じることをメーカーからは知らされてしません。

一般に市販されている車が、常識的な範囲内の乗り方で走行性能に著しい差が発生することはないと思います。
劣化がある程度予測されるEVでも、ユーザー個人の使用環境で維持できる性能に差ができてしまえば許容範囲を超えてしまいます。

優れた車を世に送り出した日産に求めたいのは、欠陥に謙虚に対応して、欠陥により性能低下が進んだバッテリーはメーカーの責任において交換する姿勢を見せてほしい。
加えて、バッテリーの劣化を招いている制御システムの抜本的な改善に取り組み、早急に既存のユーザーに提供して欲しい。
改善の見込みがないなら、劣化を招く状況や劣化を抑える使い方の取扱説明書を配布して欲しい。

危険に直結しないからリコールの対象にはならないかもしれないが、ユーザーに隠すのは止めて、誠実に対応することが信頼を得ることにつながると思います。

一部に欠陥があってもリーフは素晴らしい車です。
更に評価を上げるために、欠陥への対応が重要だと思っています。


・参考資料
欠陥により大変に苦労しているユーザーのレポート
【電気自動車の電池寿命は厳しい! リーフユーザーへ】
http://blog.livedoor.jp/toshi_792t/


現時点では、メーカーが欠陥を認めていないので、ユーザーは自助努力で欠陥に対応する必要があります。
そのための対策については、次回。