駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

バンタム級展望

バンタム級は昨年と同じく9名参加。しかし一昨年までは二桁を超える激戦が常だっただけに一抹の寂しさも。

出場選手及び08年以降の戦績

  • 吉岡哲兵[奈良] 2勝(1KO)1敗 
    • 08/09/27 VS橋本広大[正拳]○(2R1分21秒TKO)
  • 橋本広大[正拳] 1勝(1KO)2敗  
    • 08/09/27 VS吉岡哲兵[奈良]●(2R1分21秒TKO)
    • 08/06/08 VS土田浩亮[ヨシヤマ]○(1R2分59秒KO)
  • 徳山雅之[大阪帝拳] 1勝(1KO)2敗1分 
    • 08/11/16 VS上村徹[ワイルドビート]●(1R2分56秒TKO)
  • 張本陽介[陽光アダチ] 3勝(3KO)4敗 
    • 08/11/24 VS山川浩平[Gツダ](判定1−2/40-36.38-39.37-39)
    • 08/09/14 VS岩元怜央[井岡]○(4R2分51秒TKO)
    • 08/08/02 VS高田小次郎[六島]○(2R2分18秒KO)
    • 08/06/22 VS稲村吉紀[ホワイトフォックス]○(1R2分00秒KO)
    • 08/02/24 VS加藤請之佑[大一スペースK]●(3R1分27秒TKO)
  • 仲田雅宗[八尾] 3勝(1KO)2敗 サウスポー 
    • 08/10/25 VS角田大地[大阪帝拳]○(4R0分35秒TKO)
    • 08/06/22 VS加藤毅[ヨシヤマ]●(判定1−2/39-38.38-39.37-40)=F級西日本2回戦
    • 08/05/25 VS山中康弘[クラトキ]○(判定2−0/40-37.39-38.38-38)=F級西日本1回戦
  • 大村起論[ハラダ] 1勝(1KO)無敗  
    • 08/11/24 VS斉藤大祐[エディ]○(1R1分26秒KO)
  • グレート・アボ[六島] 3勝(0KO)1敗1無効試合 
    • 08/10/25 VS吉原涼人[正拳]○(判定2−0/39-37.39-38.38-38)
    • 08/04/05 VS山崎浩一[明石]×(ノーコンテスト)=SF級西日本1回戦
  • 山本隆寛[尼崎] 2勝(2KO)無敗   
    • 08/12/13 VS浅野量平[JM加古川]○(1R2分41秒TKO)
    • 08/09/14 VS森永真一[新日本大阪]○(2R1分25秒TKO)
  • 中岡雅司[西日本協会預] 2勝(2KO)3敗  
    • 08/07/20 VS大前健太[クラトキ]●(判定0−3/37-39.37-39.36-40)=B級西日本準決勝
    • 08/04/05 VS中谷聡一[ヨシヤマ]○(2R0分33秒TKO)=B級西日本2回戦

トーナメント展望

今年もバンタム級はやや小粒なメンバー構成。筆者近況未見の選手もおり、地方興行で俄に力をつけた成長株がいる可能性もあるが、現状では全日本決勝以前の段階をどうクリアするか、という段階からの話になりそうだ。
現時点でやや地力上位かと思われるのは、変則的なフック・アッパー攻勢で、昨年3連続KOをマークした張本、サウスポースタイルからの左ストレートが武器の仲田、威力のある強打攻勢でKOを量産中の山本、渋太い圧力手数攻勢が持ち味の中岡の4人。しかしこの4人は緒戦で潰し合いを演じることになっており、ますます情勢は混沌としている。これに加えてデビュー戦で秒殺発進の大村など、伏兵も多数。優勝候補を決めるのは、とりあえず全選手の試合を1回ずつ観てからという事になりそうだ。

前半戦各試合展望

◎Aブロック=吉岡哲兵×[橋本広大×徳山雅之](3/8IMP1部&5/5尼崎1部)
率直に言って、余り褒められない事情で混戦ムード。ぶら下がり1回戦の橋本×徳山は、共に前回TKO負けと近況良くない上に、技術・体力的にも未完成な所が多く、予想が難しい。技術的には徳山がやや優位だが、以前はスタミナ難にも悩まされており、空振りを連発して息切れすると橋本にも勝機が。
2回戦から登場の吉岡も、07年に観戦した時は、体力・技術両面で不安残しで、どこまで成長したかがカギ。また、過去の2勝はいずれも橋本相手だっただけに、1回戦どちらが上がってくるかで相性的に随分違った話になりそうだ。

◎Bブロック=張本陽介×仲田雅宗(3/21尼崎1部)
形勢互角の乱戦ムード。ここを勝てばAブロック3者との実力比較上で決勝進出が有力なだけに、今期この階級最大の大一番といって良いかもしれない。手数豊富な両者によるアグレッシブな打撃・乱打戦になりそうだ。
張本は豪快なフック、アッパーが持ち味ながら、オープンブローと変則的な立ち回りが悪目立ちする所があり、戦術を間違えると判定になると分が悪そう。前々回の試合のように、守備中心の持久戦に持ち込むのも一手か。仲田は手数で弾幕を張りつつ、主武器の左ストレートを狙う作戦が主体。昨年のトーナメントで加藤毅相手に健闘した時の粘り強さが出れば、ジャッジを味方につけられそうだが、連打は少々粗いところがあるだけに、これも強引さが前面に出過ぎると悪い方向へ流れそう。まさに一長一短の両者である。

◎C・Dブロック=[大村起論×グレート・アボ]×[山本隆寛×中岡雅司](4/10府立第二&3/22淀川区&5/17新大阪)
まず初戦、大村×アボは、大村の初陣の出来がホンモノだったかどうかに尽きる。キャリアのある相手でボロが出るようなら、アボがアグレッシブな攻勢で優位に立つだろう。山本も連続KOはいずれもデビュー戦の相手だっただけに、これまでの実績を妄信出来ないところがある。中岡はとにかく序盤の強打攻勢を凌いで圧力と手数で主導権を奪い、山本の低いガードを咎めたい。
準決勝の組み合わせは現時点では予想困難だが、山本×中岡の勝者が有利だろう。ただ、大村が強打者開眼となれば、一気に面白くなって来る。