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今年の西日本新人王戦予選は、早くも序盤のヤマ場。尼崎エーリックホールを舞台に、昼夜興行の形で全18試合が行われる。今年はエントリー者が少なく、ここで早くもベスト4以上が出揃う階級もある。ノーテレビの小会場、しかもオール4回戦ではありながら、マニアとしては是非押さえておきたい昼夜興行である。
しかし、この日はSバンタム級の有力候補・舟木隆太[オール]とライト級の2戦2勝(2KO)堀田武史[陽光アダチ]が病気・負傷欠場という“波乱”が。有力候補の不戦敗は毎年の話ではあるが、緒戦からいきなりというのは、やはり印象が悪いもの。望まれないリタイヤは出来ればこれで見納めにしてもらいたい。
あと、運営側に注文をつけたいのが当日配布のパンフレット。JBC発表の試合表を雛形にしたA4サイズのペーパーに戦績を追記したものであるが、これが名前、ジム名、戦績とあらゆる所に誤変換、記載ミスが続出してしまっていた。筆者もこの手のミスは頻繁にやらかしてしまうので他人を責められた話ではないものの、西日本協会作製の公式パンフレットで「進行ジム」や「(『林昭文』が)林田文」などの珍表記が並ぶのは、やはり頂けない話だ。先に関係者向けに配布されたトーナメント表でも同様のミスが見受けられ、明らかに印刷前の校正が行き届いていない模様である。パンフレットを印刷する前に出場選手の所属ジムにコピーをFAXするなどして、チェックを依頼するなどの手間を惜しまないで欲しい。
※駒木の手元の採点は「A」(10-9マスト)「B」(微差のRは10-10を積極的に採用)を併記します。「B」採点はラウンドマスト法の誤差を測るための試験的なものですので参考記録程度の認識でお願いします。公式ジャッジの基準は「A」と「B」の中間程度だとお考え下さい。
第1部第1試合・ミニマム級4回戦/▲西川潤也[八尾](判定1−1岩橋勝者扱い)岩橋裕馬[森岡]△
岩橋が2Rにダウン1回。
公式判定は坂本38-37(岩橋支持)、原田38-37(西川支持)、大黒38-38の三者三様ドロー。いーぶんとした大黒副審の優勢点投票により岩橋が勝者扱い。
第1部第3試合・フライ級4回戦/○樋口裕二郎[オール](判定3−0)河本幸也[大鵬]●
公式判定は原田39-37、半田39-38、坂本39-38の3−0で樋口。駒木の採点は「A」39-37樋口優勢「B」39-39イーブン
第1部第4試合・フライ級4回戦/○森田厳希[ウォズ](判定3−0)林昭文[川田]●
公式判定は半田40-36、宮崎40-37、坂本40-37の3−0で森田。駒木の採点は「A」「B」いずれも40-36で森田。
第1部第5試合・Sフライ級4回戦/●藤原大貴[ウォズ](判定0−3)川口勝太[オール]○
公式判定は原田40-36、坂本40-36、川上40-37の3−0で川口。駒木の採点は「A」39-37「B」40-37で川口優勢。
第1部第6試合・バンタム級4回戦/●張本陽介[陽光アダチ](判定0−3)仲田雅宗[八尾]○
公式判定は半田40-37、大黒39-37、原田39-38の3−0で仲田。駒木の採点は「A」「B」40-36で仲田優勢。
第1部第7試合・Sバンタム級4回戦/●奥健太郎[奈良](判定0−3)山崎浩一[明石]○
公式判定は川上40-37、大黒39-38、宮崎39-38の3−0で山崎。駒木の採点は「A」39-37「B」40-37で山崎優勢。
第1部第8試合・Sバンタム級4回戦/●舟木隆太[オール](舟木棄権のため恒岡不戦勝)恒岡朗[大星]○
舟木が病気欠場のため、恒岡が不戦勝で勝ち上がり。
第2部第1試合・フェザー級4回戦/○佐野充啓[西日本協会](判定3−0)吉田文郎[ハラダ]●
公式判定は大黒40-36、坂本40-37、原田40-37の3−0で佐野。駒木の採点は「A」39-37「B」40-37で佐野優勢。
第2部第4試合・Sフェザー級4回戦/○西永哲也[進光](判定3−0)多谷友宏[大星]●
公式判定は坂本39-37、宮崎39-37、川上39-38の3−0で西永。駒木の採点は「A」39-37「B」40-37の3−0で西永優勢。
第2部第5試合・Sフェザー級4回戦/○大谷康晴[クラトキ](判定3−0)正野晃[アポロ]●
公式判定は坂本、半田、原田の三者いずれも39-38で大谷を支持。駒木の採点は「A」39-37「B」40-38で大谷優勢。
第2部第6試合・ライト級4回戦/●山本雄也[仲里ATSUMI](判定1−2)山田新太郎[神拳阪神]○
山田新太郎は百合徹郎から改名。
公式判定は半田40-37、宮崎39-38(以上、山田支持)、原田39-38(山本支持)のスプリットデシジョンで山田。駒木の採点は「A」39-37山本優勢「B」39-39イーブン。山本のラフな攻勢を“アグレッシブ”要素に加味するか、乱暴な突進として評価しないかで判断が分かれそうな試合。
第2部第7試合・ライト級4回戦/○小浦佳斗[進光](堀田棄権のため小浦不戦勝)堀田武史[陽光アダチ]●
堀田が試合を棄権したため、小浦が不戦勝で勝ち上がり。
第2部第8試合・Sライト級4回戦/●塚本隆太[明石](判定1−2)村上拳弘[神拳阪神]○
公式判定は半田39-38、坂本39-38(以上、村上支持)、大黒39-38(塚本支持)のスプリットデシジョンで村上。駒木の採点は「A」38-38イーブン「B」39-38塚本優勢。
第2部第9試合・ウェルター級4回戦/○大森健太[尼崎亀谷](1R1分20秒TKO)ジョニー拳[奈良]●
ジョニー拳は、山本賢太のリングネーム。
全体の総括
優勝候補・有力候補のほぼ全員が順当に勝ち上がったが、試合内容は冷や汗ものの大苦戦も多く、今後へ向けての不安と課題が多く露わになった。これをバネと出来るかどうかが、後楽園まで辿り着けるかどうかのカギとなるだろう。
特筆すべき選手を列挙すると、痛恨のダウンで打たれ脆さを露呈しつつも卓抜したテクニックを見せ付けた岩橋、昨年の準V選手を全く寄せ付けず圧倒した本田、デビュー戦ながらなかなかの試合振りでパンチ力をアピールした竹中。樋口、川口、山崎、高埜、といった辺りもマズマズのスタートを切った。