冥王星、惑星から除外される

2006年8月24日午後10時35分頃NHKで速報のテロップが入り、その3分後の38分頃テレビ朝日報道ステーションでも伝えられましたが、チェコプラハで開かれてた国際天文学連合IAU)の総会で、太陽系の惑星とされてきた「冥王星(プルート/Pluto)」が惑星から格下げされました。これで、太陽系の惑星は、太陽から近い順に水星・金星・地球・火星・木星土星天王星海王星の8つとなります。なお冥王星は「矮惑星」という分類になりましたが、矮惑星は惑星としない提案が採択されました。
今回の総会では当初、冥王星の衛星とされてきた「カロン」が冥王星との二重惑星として、また火星・木星間の小惑星帯にあり最も大きな小惑星である「セレス(ケレス)」、更に2005年7月29日に米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)が冥王星より大きいとして「10番目の惑星を発見した」と発表した「2003UB313」(発見は2003年10月31日)を加えて、惑星の数を12個とする案が提示されていましたが、最近は冥王星の質量が小さく「エッジワース・カイパーベルト天体」という天体郡に属す小惑星の一種ではないかという意見が主流で、反対が多く、議論は二転三転していました。ちなみに、「2003UB313」を発見した米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)は、海王星以遠天体・小惑星セドナ(2003VB12)」も発見しています。発見当初は第10惑星ではないかと話題になりましたが、質量が小さいことから惑星とは認定されませんでした。2003UB313とセレスは、今回の採択で矮惑星となりました。
冥王星は1930年2月18日にアメリカのクライド・トンボーによって発見された天体で、発見時から今回の決定までの76年間、太陽系の第9惑星として親しまれてきました。軌道は楕円で、第8番惑星の海王星の内側を通る期間があるほか(最近では1979年〜1999年の間、内側を通っていました)、軌道傾斜角が約17°あります(地球を基準にした場合。なお他の惑星は金星の3.39°が最高です)。組成などは詳しく分かっていません。発見当初は地球の数倍の質量を持つと考えられていましたが、最近では直径が月より小さいことが分かっていました。