東原氏のペショ(1)プロローグ

  そもそもお名前の読みが不明です。「ひがしはら」でしょうか?「とうはら」でしょうか?東原信夫氏は知る人ぞ知るナロー黎明期の名人で、憧れていました。氏の作品は、没後オークションで転売されたようで、あの名作のポーターが誰の手に渡ったか?はある時期に話題になりました。その中でさるお方がこのペショを落札されましたが、何とか走るようにしてほしいというご要望でコンの工場に入場しておりました。しかし、クソ忙しいコンですので、2年近く放置していたのですが、たまたま10.5mmのローラー運転台の注文があり、線路を取りにいったときに目が合ってしまいました。そう、このモデルは1/64で10.5mmなのです。今風に言えばSn2です。ペショはバルブギヤが繊細で、しかもフェアリー(で良いのかな?)ですので、東原氏の後も模型化されたものが非常に少ない、いわば「高嶺の花」です。ローラー運転台で撮影しましたが、あとから後部台車の脱線に気づいたお粗末。

  分解を試みましたが、かなり苦労しました。ようやく分解して、ただただ驚愕。

  モーターはDH105の改造でしょうか?鬼気迫る者があります。森長平氏より東原氏が先だったのですね。

  伝動方式は、旧型の凸電に準じています。ドライブシャフトは間違っていますが、そんな事等誰も知らなかったでしょう。このことはU氏のシェイの記事でも問題になりました。Dさんが詳細を解説されています。

  相当期間放置されていたようで、動力部は錆び付いて動きません。構想では2モーターにするつもりですが、難物です。ドコービルの目処が立ったし、ちょっと弄ってみたくなりました。各部の造作は素晴らしいです。