頭は良いけど、ちょっと変な友だち

つい先日、あるお母さんから教育相談を受けました。
友だちとトラブルを起こすことが多いというのが主訴でした。
話を聞くと、文部科学省がいうところの「発達障害」の定義が当てはまるような子どもでした。
私がいろいろと子どもの言動の背景を説明していると、「わが子に発達障害があるかもしれない。」と思われたようでした。「発達障害があるかもしれないと思って、視覚情報などを手がかりに対応してあげた方がその子どものために良い。」と思ったので、それは良かったのですが、お母さんは「障害がある」という現実に直面し、涙ぐまれていました。
そこで私は、「(東大に入れるぐらい)頭は良いけれど、ちょっと変な友だち」がお母さんの周りにいなかったですか?と問いかけました。「何人か、そのような友だちがいました。」とお母さんは答えられました。私は、「そのような友だちが、もし医療機関を受診したら発達障害と診断されることが多いのですよ。」と伝えました。
かつて、教育の懐が深かった時代、発達障害がある子どもたちは、「頭は良いけれど、ちょっと変な子ども」として、特別視されることなく過ごしていたと、私は考えています。お母さんには、配慮はしても特別視しないよう、一生懸命説明を行いました。