そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

嫌われ松子の一生

 
公式 http://kiraware.goo.ne.jp/
電車を乗り間違え開映時間に大遅刻、チケット予約済みだから止めるわけにもいかず仕方なしに入場。15分も本編を見そこねてしまいましたが、まあ大筋には問題なし(だと思う…)
映画は何というか、素晴しかった!面白かった!そして泣けたよ。
オレは松子みたいな人間には全く共感できないんだけど、それでも泣けた。
何だろう、共感できないというかハッキリ言ってあの手はダメなタイプなので、松子の一生に何か思う所(同情とか)があったわけじゃないんだけど、どんな人でもいろんな過去があって何だか判んないうちにそういうふうになるのかもしれないってとこに泣けるのかなあ?人に過去あり歴史あり。あんまりいうとネタバレになるから言えませんが。あ、お父さんの日記のところは普通に泣けたよ。
でも実際大なり小なり有りそうじゃん?松子みたいな人生。人生は一度きりしかないから失敗できないと思ってたり、捨てられないものが多すぎる人間からすると、ああいう破天荒な生きかたは憧れもあるけどやっぱコワイよな。人生九回くらいやり直せるんなら一度くらいああいうふうに生きてみてもいいけどね。だからこそ松子は魅力的なんだけど、やっぱオレはいいです(苦笑)
でも松子は幸せというか常にハイテンションで自分で選んだ結果がそうなんだし、それで人生思うようにならなくても生きることに希望があったと思うから、それがああいうふうに終わってしまうことに妙な無常感はあるような。
とにかく中谷美紀の演技がスゴ過ぎて何も言えないです。この人は本当に底知れないなあ。あと瑛太がカワイかった。彼はああいう微妙なキャラをやらせると本当に上手いですな。なんか画面に出てくるとホッとするよ。松子のシーンがハイテンション過ぎるからか?


監督は「下妻物語」をやった人としか知らなくて、しかも下妻も未だに見てないし。というのは公開時に友達に半券(1000円で見られる)をもらっていながら仕事で行けず、今手元に借りたDVDがあるにも関らず…ってことですが。もう速攻見るよ。
とにかく原作がどうなのかは判らないけど、多分こんな話じゃないんだろうな。映画に関しては圧倒的に映像と音楽と役者達の演技力と存在感に負うところが大きいと思ったんだけど。
多分この人が監督してなかったらこんなに面白いとは思えないんじゃないだろうか、原作ファンには悪いけど。この画面がとにかく超好き。


てことでちょっとパンフを見てみたらこの中島哲也監督、CMクリエイター出身で山崎努とトヨエツのサッポロ黒ラベル対決編、キムタクのJRAシリーズ、NTTのスマップガッチャマンなど、まさにオレのツボでした。(どれくらいツボかというとこれらのCMを全部コレクションしてるくらい)そりゃあ好きなはずだよ。
もちろんミュージカルなんで音楽もいいんだけど、ものすごく画面にも話にもあってて、その辺さすがCM出身だけあるという感じ。普通の邦画の監督にはない感覚だなあと感じました。
で、監督インタビューを読むとやっぱり原作とは随分かけ離れたミュージカルコメディになってるらしい。
光ゲンジは監督のアイデアらしいけど、それがあるかどうかは作るうえでのスタンスの違いがあると思う。オレはあそこはウケたし好きなんだけどね。あれがないと、監督が言うように松子の最後の「キラキラした部分」に繋がるものはなかったと思うしさ。
そしてどうも冒頭を見そこねたのはまずかったらしい。何とかもう一回くらい見に行きたいなあ。
とりあえず誰にでもお奨めってわけでもないんだけど、そんな松子の哀れにも楽しい一生をぜひ確認して欲しいですね。


いいけどやっぱり気になった場内の雰囲気、変なところで笑う人が多くて「?」となった。レディスデーのせいか若い女性ばかりなんだけど、あまり変な場所で笑われるとこっちが興ざめ。笑わせるつもりのカットじゃないと思うんだけど?