そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子#9(終)

http://www.ktv.jp/on/index.html
脚本:古谷和尚 演出:白木啓一郎 原作:内藤了
 
最後、殺す殺さない、そこを超えるかどうかってことではちょっと「BORDER」みたいだったけど、思ったよりきれいに終わったなあ。
比奈子の自分探しは「誰かを殺すかもしれない自分」じゃなく、「それでも殺さない自分を確認すること」だったと。
父親や真壁永久に言われたことが呪いのように食い込んで自分は人を殺すかもしれないと思い込んでただけで、心の奥では殺さない自分を肯定する材料を探していたってことだよね。
これちょっと難しい話だけど、感情がないという人間を逆説的に使って人が人を殺さない理由を証明してると思うと、それはそれでもしっくりは来るし。
でも感情がないから人を殺すかもしれないわけじゃなく、人を殺す理由があると思うから人を殺すってことだよね、東海林のことを考えると。(一応言うけどそれはサイコパスの永久さんの解釈ね)
しかもそのストッパーはなぜ人を殺すのかを追求することでなく、誰かに抱きしめて承認されること、周囲の人間の愛情だった…というのは理屈として美しく対比されてて何も言うことないね。
ずっと上メセで余裕しゃくしゃくだった真壁永久がそれを指摘されて抱きしめられた途端に半狂乱になるのも、そういうかわいそうな人だったから…と思えば気の毒だよなあ…と思うし。永久が暴れたのは比奈子に哀れみをかけられたとかマウンティングされたからじゃなくて、単純に自分の思うようにならなかったからじゃないかと思うけどさ。サイコパスってそういうキャラだよね?
というかこの話はすごく論理的な展開と構成でできてるよね。だから中島先生のプロファイリングの完璧さも逆に嘘くさくなく信じられる気がするし。(それが最終的に比奈子を救うわけだし)
お話としてはそんな感じに最後まで面白かったです。
比奈子への救いとして母親の「あなたはきっと、間違えずに正しく生きていくことができるから」があったお陰で比奈子は自分を見出せたんだし、自分探しとしては正解よね。
ってだけじゃなく、東海林に「お前と繋がってんのは俺だけじゃねぇぞ。ここにたすけにきたぜんいんだ。そのこと忘れんな」って言わせることで、周りのみんなが比奈子のことをどう思ってるのかわかるし。ちょっとええ話やったよ。

まあそれはともかく、冒頭から佐藤都夜が真壁永久にあっさり殺されちゃったのは、正直メッチャスッキリしたよ!(笑)
リアルサイコパスな真壁永久と比べたら佐藤都夜は単なる気狂い殺人鬼なので、逆ギレして暴走して粛清されてもザマアとしか。
てか真壁永遠がガソリン撒いてライター出してきた時に、本当にこの人火を点けるの?マジで?とは思ってすごいハラハラしたけど。そこで本当に気軽に人間焼き殺す永久さんまですげえよ。それを見せるこのドラマもすげえ。これ完全にPG指定必要じゃね?大丈夫なの?(かなり心配)
にしても、この最終回で比奈子を助けたヒーローは中島先生でもなければ東海林でもなかった!まさかの倉島さんのタックルwwwwwwいやーまさかここで活躍するとは!!!
いくら何でも要潤なのに比奈子にメロメロのただのボンクラ刑事で終わるはずが…と思ってたけど、そこかよwwwって(笑)
あと厚田主任と石上さんのこと、いつまで引っ張るのかと思ったらこんな最後の最後で出してきたw 辞表洗濯機で回すってどんな不注意よ。ってか入れといたのってスーツじゃなかったっけ、それワザとだろwww
あーでも最後の夢で、夢の中ででも比奈子が永遠をささなくてよかった。ちゃんと逮捕して終わったってことで比奈子の中では折り合いついたんだよね。よかったよかった。
最後まで楽しめたよ。関テレはやっぱり手堅いね。