(長坂) 夢はありますか?   8

剃髪の効用 3


 3年時のスキンヘッド騒動も一段落し、4年生の後半からキャプテンを拝命しました。当時の陸上は50名ほどの大所帯でしたが、幽霊部員が実に多く生意気でヤンキーな連中(1・2年)が集まっていました。人呼んで、
陸上部=ヤンキー部
(写真は昔流行った映画「ピーパックハイスクール」)


こうなると、
「あいつは生意気だ。ちょっと殴ってやれ!」
上級生の目に留まるわけです。

ある時、可愛い生意気後輩(C君)が殴られたと聞きました。私は殴ったD君(留年して番長風を吹かしていた)も知っていました。

真意を確認するため、C君の部屋に行って聞くと
「僕は何もしてないのに。。。」
ちょっと涙ぐんでいました。


これで私の頭はプツッと切れました。
 “D。。バカ野郎!”

そして、D君の部屋に行き
「おい。ちょっと俺の部屋に来い!」

後から考えると、この一言で全て決着したようです。
「ごめんなさい。長坂さん。。。」

部屋に連れていく途中に、D君が泣き出しました。
「泣くぐらいなら、初めから殴るな!」
この一言だけ言いました。


部屋に連れて来てからは、ただD君の話を聞いてました。
"高専の正門で他校と喧嘩があった"とか、"他校が殴り込んできたが、高専の相手がE君で喧嘩が強かったので騒動にならずに済んだ"とか。。
(写真は高専正門から撮影した桜並木 今年も咲いたことだろう)


 きっと彼は、私を威嚇するつもりだったかも知れませんが、私にはどうでも良かった。そして、最後にD君は
「もう、陸上部には手を出しません。」
こう言って帰って行きました。


 こういう類の話は決して表には出ませんが、この日を境に陸上部員(生意気な)のモメゴトは無くなったように思います。

   続く


プラス1 遥かなるアメリ
 写真は、シカゴのギャング“アルカポネ”の墓をバックに寝そべって撮影した一枚。

シカゴはアメリカ中西部にあり、ニューヨーク、ロスアンゼルスに次ぐ人口を有する大都市である。
 シカゴと言えば。。。。
と思い巡らすも、これと言った観光地が思い浮かばない。そんな地味な?シカゴだが、赴任地デトロイトから車で5時間と日帰りも可能な距離にあったため年数回は訪れた。せっかく行くのだから、皆に自慢する場所はないか? 確か、シカゴと言えばマフィアで有名な。。。
 早速旅行会社に、シカゴマフィアのボス“アルカポネ”の墓を見学したいと頼んだ。私のような無鉄砲な観光客も若干はいるようで、気軽に?案内してくれた。写真はちょっとおどけて横になったポーズである。
 “ピストルでマフィアに撃たれるかな?”
 若干の不安はあったが、無事に納まった。旅行ガイド曰く
“今まで寝そべった人はいないよ。長坂さん、よくやるね!”

 
 さて、カポネは写真の人物だが、今からおよそ100年前の1920年代に酒の密売で名を馳せ、実質的(裏)に市長ともいえる存在で、1927年頃にはシカゴで有名人となる
 
今回の掲載がヤンキーの話だったので、ちょっとヤンキーのボスの話を載せてみた。


夢はありますか?