京都本社移転について思うこと

僕はちょうど2年前(2006年2月)に、16番目の社員としてはてなに入社しました。 はてなスタッフの中では比較的社歴が短い人間ですが、米国進出、新サービスリリース、そして京都移転という大イベントが続いていて、退屈しない日々が続いています。 大変ながらも楽しく仕事をしています。

入社前に聞いた米国進出の話

入社当時は米国進出の構想を練っていたころで、僕を誘ってくれたid:kawasakiからその話を聞かされたとき「日本から世界へ、っていいじゃん!」と思いました。 というのも、僕はそれまでeグループ、Yahoo! JAPANと米国生まれのサービスを運営する会社で働いていて、シリコンバレーのすごさを感じていた一方で、そろそろ国産のネットサービスが世界市場で受け入れられる時代が来て欲しいな、と思っていたからです。 なので、次に行く会社は日本でサービスを作っている、世界に目が向いている会社にしよう、と決めていました。


ただ、正直なところ「米国進出は確かに夢があるけど、たった14人(当時)のベンチャー企業で、オーナー社長が海外行っちゃって大丈夫なの? もうしばらく日本で力を蓄えたほうがいいんじゃないの?」と不安に思ったのも事実です。


米国進出で得た経験、人脈は今後も世界市場向けにサービスを展開して行く上で大きな意味があると思っていますが、純粋に数字だけで見れば米国事業はユーザー、収益ともに大きく伸びてはおらず、現時点ではお世辞にも成功したとは言えない状態です。

京都移転の意味

今回、本社を京都に移すという大きな決断をする上では社内でもかなりの議論があり、最後は「はてなの長期的な成長を考えた上で、ものづくりに集中するためには創業の地である京都が最適である」というid:jkondoの強い思い(詳しくは本人がどこかで話すと思います)があり、スタッフも最後は納得した、という経緯がありました。


もちろん社内では「なぜ京都なの? 東京じゃだめなの?」という意見も出ました。 実際、僕も東京で生まれ育った人間で、配偶者も東京で働いているため、京都移転の話を最初に聞いたときは「困ったな、単身赴任かなー。」と思いました。 その後の議論を通じて、はてなが京都に行く理由、意味をいちおう理解、納得したつもりですが、それを実際に自分の体で感じるのはこれからです。 今回の京都移転が1つのきっかけになって、昨年末から数名のスタッフが退職しましたが、面白かったのは退職したメンバーも今回の京都移転について「はてなにとってはよい決断」と応援してくれていることです。


今回、「はてな京都移転」というニュースを各所で取り上げていただいているのはとても嬉しいのですが、重要なのは京都に行くことではなく、「京都で世界市場に受け入れられるサービスを作る」ということだと思っています。 何年かかるかは分かりませんが、任天堂、京セラ、オムロン日本電産島津製作所などのように「京都発の世界企業」として認められるようなものをつくり、その結果で評価してもらえるような会社になりたいです。

新オフィスは約3倍に拡張

ちなみに、昨日お電話をいただいた記者さんから「事業縮小ですか?」「固定費削減ですか?」という質問をいただいたので補足しておくと、どちらでもありません。(笑)

京都オフィスについての話はまた後日書きますが、京都・東京の新オフィスの面積は現在の約3倍に拡張します。 今のオフィス面積は約40坪ですが、新しい京都オフィスは約80坪になり、東京にも40坪弱の新拠点を設ける予定です。 結果として、賃料も今の1.7倍くらいに増える見込みです。 オフィスの面積が大幅に増えるので、人材採用もこれまで以上に積極的に進めて行きたいと思います。

※なお、いちおう創業以来7年間増収増益が続いており、それなりのキャッシュもありますので、財務的な問題はありません。
 

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という訳で、最後に宣伝です。 今回は京都に「ものづくりの拠点を結集」しますが、会社としてのはてながより大きく成長するためには、ものづくり系以外の人材も必要です。 総務・経理・人事、ユーザーサポート、事業開発などのスタッフ(正社員、アルバイト)も京都・東京の両拠点で募集中ですので、ご興味をお持ちの方は求人情報ページからぜひご応募ください。(実は、もう京都オフィスに入社予定の内定者もいます)