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読書80年:名和小太郎

2018-05-26

【読書80年:537】

富士正晴『乱世人間案内:退屈翁の知的長征』影書房(1984)
17世紀英国オーブリーという伝記作家がいた。その人に『名士小伝』というゴシップ集がある。その舞台を20世紀後半の日本に移してつくった『贋・名士列伝』がこの本ということになるだろう。サブタイトルの「知的長征」とは関西人の著者が東京の知識人をオチョクルという意味のようだ。

2018-05-08

【読書30年:536】 光野有次『バリアフリーをつくる』岩波新書 (1998) 

20年前に刊行されたものではあるが、示唆にとんだ指摘が多い。「ヒトは1日の半分以上は体軸を重力軸に添わせている」、あるいは「できるだけ抗重力姿勢をとれ」など。

2018-05-07

【読書80年:535】 浜野洋三『地球の真ん中で考える』岩波書店 (1993)

4半世紀前に刊行された本だが、素人目には面白い。地球大気、海洋、地殻マントル、核を要素とするシステムと理解し、それぞれの要素間の相互作用を、エネルギー収支の視点から一元的に解き明かす。明快!

2018-05-02

【ブラウジング:115】 田村隆「とぞ本にはべめる」『UP』n.547, p.17-22 (2018)

写本には、ときおり「ママ」という注記がある。これは書写者が、テキストのここが誤りと判断しても、それを訂正せずに、もとのままに写した、という注記だという。
ところが、平安時代の物語作品では、この表現は書写者を装った実作者による虚構であることがしばしば、という。たとえば「・・・と、本にも本のままと見ゆ」(『堤中納言物語』)、あるいは「・・・と本に」(『松浦宮物語』)など。
この論文、ヴェブレンの「目的のない好奇心」の見本ですね。すばらしい。