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読書80年:名和小太郎

2018-05-02

ブラウジング:115】 田村隆「とぞ本にはべめる」『UP』n.547, p.17-22 (2018)

写本には、ときおり「ママ」という注記がある。これは書写者が、テキストのここが誤りと判断しても、それを訂正せずに、もとのままに写した、という注記だという。
ところが、平安時代の物語作品では、この表現は書写者を装った実作者による虚構であることがしばしば、という。たとえば「・・・と、本にも本のままと見ゆ」(『堤中納言物語』)、あるいは「・・・と本に」(『松浦宮物語』)など。
この論文、ヴェブレンの「目的のない好奇心」の見本ですね。すばらしい。

2018-04-27

ブラウジング:114】 尾池和夫・他4氏「地震予測と「第4の科学」:データに駆動された新たなアプローチへ」『科学』v88,n5 (2018)

地震予知について、なるほど、と思う指摘がいくつかある対談。
その1:物理モデルから局所的変化を説明することは難しい。
その2:初期条件がわからないと応力蓄積の評価は難しい。
その3:少数の観測例や観測点、あるいは一つの物理量の観測だけで「地震予知」の可否を議論することは難しい。
その4:「起こらない」という情報のほうが大量にある。
その5:ノイズはありえない。すべてがデータである。
その6:(多くの研究者は)データが足りないのではなく、解析をしていない。
 対談の参加者は上記の指摘を、だから地震予知の方法論を「第4の科学」(データ駆動型アプローチ)のなかへ組み込めと論じる。その論はよしとしても、読者の私は、ここに研究費がほしいよ、という機会主義的な訴えを見てしまう。

2018-04-26

ブラウジング:113】 「編集後記」『PATENT STUDIES』n.65, p86-87 (2018)より

法律の専門誌にマンガの分類が示されていた。意表をつかれた。マンガ通には自明のことかもしれないが、マンガに縁のない私には面白かった。以下、紹介する。
(1)対戦型(正統派)
(1A)人間同士の対戦(ライバル型):例「侍ジャイアンツ
(1B)人間以外との対戦(防衛型):例「マジンガーZ
(2)フロンティア型(フロンティア精神の継承):例「課長 島耕作」
(3)エッセイ型(四コママンガ的):例「あたしんち」
(4)課題解決型:例「恐怖新聞
(5)カテゴリー横断型:例「キン肉マン
じつは、このあとにマンガの未来論が続く。これも説得的。

2018-04-06

ブラウジング:111】 「2016年度定期演奏会 演奏ランキング」『日本オーケストラ連盟ニュース』, v.98 (2018)

1位、2位は自明。3位のショスタコーヴィッチは「まあ」納得。マーラー8位も「よし」か。ブルックナーの14位は「あれっ」という感じ。なぜか、シベリウスが落ちている。