小説ちはやふる 中学生編

高柴です


ちはやふる18巻と同時発売だった「小説ちはやふる中学生編」を読みました。

小説 ちはやふる 中学生編(1) (KCデラックス)

小説 ちはやふる 中学生編(1) (KCデラックス)

表紙の千早と太一があまりにも可愛かったので、つい手が伸びました。
時海結以さんが小説を、末次さんが表紙と挿絵を担当されている作品。巻末には末次さんのコメントもあります。挿絵は描き下ろし。中学時代の千早と太一、彼らが中学で出会う人たちが描かれています。
以下、ネタバレ有りのあらすじと感想。



太一は中学入学直後の実力テストで学年10位という屈辱的な結果を出し、さすが超名門校だと、気を引き締める。学年トップは満点をとった平井という少年で、やたらと太一に懐いてくる。平井は教科書など一度読むだけで覚えてしまうという天才型。努力型の代表のような太一は平井を疎ましく思う。
太一がどんなに邪険に扱っても平井は懲りずに太一にまとわりつく。そんな日々を繰り返すうちに、太一は少しずつ平井を理解していく。そして太一はかるたをやめて、勉強に集中しようと決意。千早と原田先生にそれを伝えて白波会から去る。しかし、教養の授業で競技かるたをやったことをきっかけに、結局かるた同好会を発足させることになるのだった。
一方、千早は中学でかるた仲間を作ろうと張り切るが、空回りしすぎた結果クラスで浮いた存在になってしまう。それでもへこたれずに超前向きに頑張っていたが、とうとう唯一のかるた友達だった太一にまでかるたをやめると言われ、さすがに深く落ち込む。
そんな中、千早は交通事故で足を怪我した3年の稲葉奈保と知り合う。彼女は百人一首の恋の歌が好きで、千早にかるたを教えてほしいと頼む。千早はやっとかるた仲間ができたと有頂天になるが、競技かるた初心者へのかるた指導はなかなかうまくいかない。
それでも千早の情熱は少しずつ周囲を変えていく。


みたいな話。
うーん。私は太一の中学時代をめちゃくちゃ楽しみに読んだのですが、とりあえず
平井くんにイライラした。
なんだろう。すごくいい子なんですよ。頭ではよくわかってるんです。だけど
平井くんにイライラした。
としか言いようがない。しゃべり方(すべての語尾をー伸ばすー)とか性格(僕はー天才型すぎてー敬遠されるんだーしょんぼり)とか。
しかも、太一の章はほぼ太一と平井くんの話なので、ずーっとイライラ。
そしてトドメは太一の平井くんへのセリフ。
「すげぇ、大好きだっ!!」


ゾッとした。


書きながら現在進行形でゾッとしてます。
え?え?中1の男の子が友達にすげぇ大好きだっ!!とか叫ぶのって今どき当たり前なの?当たり前だとしても、あの太一が?太一が新に、すげぇ大好きだっ!!とか言いだしたらどうしよう。そっと漫画を閉じるかもしれない(混乱中)
太一って、他人に依存しないイメージでした。彼は、俺は俺でちゃんと頑張るから、だからお前もやれ、信じてるぞ、みたいな。うまく言えないんですけど、瑞沢のメンバーとか、白波会の人たちとかとの絶妙な距離感が好きなんです。だから、なんか新キャラ平井くんにベッタリというか、平井平井言ってる太一に馴染めませんでした。
そんなわけで、地味に疲労した太一の章でした。
千早の話のほうが面白かったかな。千早の、周りが一切見えていない猪突猛進キャラがうまく活かせていましたし。ちょっと奈保の友達が極端な性格すぎましたけど、中学生だしああいう子もいるかなと。


期待が大きかったので辛口感想になりましたが、作者の時海さんは本当によく勉強されていて感動しました。「百人一首」と「競技かるた」をどちらも大切に丁寧に扱っていらっしゃったイメージ。
小説オリジナルのキャラがかなり大きな役割を果たすので、原作ファンとしては評価が分かれると思います。読んで後悔はしませんが、当たり前ですが原作のキャラたちが好きだなとしみじみしました。
なお、新は出ません。


高柴