宇宙戦争つづき

読んで面白かったところ
id:maxon:20050630

スピルバーグいわく、「大阪は怪獣に対して経験豊富だからね。ガメラもいたし」…

なるほどですね!*1
id:tido:20050701#p2

トライポッドが出現する地面の石をトム・クルーズがポケットにしまい込むカットと銃に関するカットだ。

ああ、そういや石もなにかの伏線になるかと思いきやなりませんでしたね。ということを思い出しました。内部からの崩壊とか、まったく考えてなかったけどいわれてみればなるほどですね。
id:violent_jef:20050701

画像はとことん清潔なんですが、死臭や終末観はきちんと示されています。

そうそう。陰惨だと各所で書かれていますが、私はそんなに陰惨だと感じませんでした。理由は多分血が飛び散らないからです。そのぶんそれを連想させる画はちゃんとあるのですが。
どうして今回こんなに宇宙戦争の感想に拘泥しているかって、なんか不評なのが納得いかないからです!
ちょっとそれるけど、映画の感想に際しての麻草くんの意見id:screammachine:20050703#p1

つまらない映画はよりつまらなく、面白い映画も驚くほどつまらない映画に変えてくれる。役に立たない映画感想文のすごさは、ひとの心から記憶の輝きを奪うところにある。

におおむね同意。
ただ、こういった感想批判的なものは、なんていうか反感を買いやすいというか。それは「お前は楽しみ方をわかってねーな」的な見下し視点だという受け取られ方をしがちだからだと思うのですが。日ごろから人を見下したような物言いがお得意な麻草くんならではのバッサリした書き方で私は非常に愉快に思いました。
あと、そこからいったid:Projectitoh:20050701の感想が全面的に面白かったです。

*1:このあいだ本当にこれを連発する人に会ったので笑えてしょうがなかった

宇宙戦争妄想

ラストをネタバレます


ウイルス云々ではなくて、ボストンのほう。あれをハッピーエンドと受け取ることが私にはできません。昨日の感想でも書いたけど、私があそこで強く感じたのはレイの孤独というものでした。父親として成長したのに評価されない。あのあとレイは一人で「ごくろうさま、さようなら」ってされるんじゃないかという不安感。<追記>ていうか、されるよね。確実に。あそこにはレイの入る余地はないと明白に描かれていた。</追記>
ロビーが生きていたのは信じられないというか、おいおい展開だとは思いますが、でもなんていうか、あそこでせめてロビーがレイを親父として抱擁してあげなかったら救いがなさすぎるじゃありませんか。
ボストンの人たちがきれいすぎると昨日の感想で書きましたけれども、それは一種の暗示というか、レイとは相容れないメリーアンの新しい旦那の(言ってしまえばハイソな)世界の象徴であって、そのブルーカラーとしてのレイの世界とハイソなティムの世界の断絶というものはどんなに努力をしても(評価をされることはあるかもしれないけど)結局迎え入れてはもらえないというような絶望を感じました。
この映画は暴力の映画であるし、同時に私は絶望の映画だと思うのです。
ほいでもって、さらに妄想を進めるならば、あのロビーが生きていたくだりはレイの妄想だったりしてなーとかなり本気で思っています。映画を観ている最中から、ああ、このあとレイがどこかの廃墟で一人で目を覚ましたらどうしよう…と思っていました。本当の現実はあの道にポツンと立っているところで終了していて、あのあとレイは「ありがとう」の一言で放置され、自分を救済するためにせめてもの妄想として、レイチェルを選択したときに見捨てたはずのロビーを生き返らせたのですよ。それはつまり保護者としての自分の選択の肯定、ボストンの人たちの知らない苦しみへの自己評価。ああ、なんて孤独なレイ!
そう考えると、丘の向こうに消えたロビーが生きているはずがないというところに正解が見出せると思うのです。ということで、私はそう解釈することにしました。勝手に。