kivikic from ゲロマザファッカーズ


キビキック from
ゲロマザーファッカーズ

  • 菊池明明(左)

 菊池がエルサレムで産声を上げたのは、
 6月6日6時6分6秒のことだった。
 「悪魔の子」と呼ばれた彼女の手足は長く伸び、
 「地平線と同じ長さだった」との目撃談もある。
 わけあって、今は自由が丘に移り住んでいる。
 白湯を愛飲するあまり、
 血液は淡い桃色に薄まっている。 

  • 木引優子(右)

 22世紀の北欧ヘルシンキに生まれた彼女は、
 タイムマシンで2011年の東京にやってきた。
 ヘルシンキの記憶はあるのだが、
 どういうわけだか日本語しか話せない。
 現在は代官山に暮らしながら、
 フィンランドに思いを馳せる毎日。
 ひょっとこ乱舞では使い物にならなかった
 キビキのマザファッカーボイスが、
 プロレスの舞台に響き渡ることはあるのか……?
 

危口統之


危口統之(レフェリー)
 
 危口がレフェリーを志したのは数年前、
 ヤンキー夫婦の喧嘩に遭遇したのがきっかけだった。
 殴られて血まみれの奥さんをみた危口は
 「これはイカン」と仲裁に入ろうとしたが、
 血走った眼をした旦那に睨まれてしまう。
 「何だテメェは! お前もブッ飛ばすぞ!」
 そう凄まれた危口は、すごすごと引き下がった。
 部屋に帰り、眠りにつこうとしたとき、
 ふと昔の記憶がよみがえる。
 十年近く前に川崎球場で観た電流爆破デスマッチだ。
 爆風に飛ばされながらも最後までリングに立ち続けた、
 勇敢なレフェリーの姿だった……。
 
 ・得意技
 石膏ボードの搬入
 
 ・思い出の試合
 1994年川崎球場
 天龍源一郎×大仁田厚
 有刺鉄線電流爆破負けたら引退デスマッチ
 
 ・今大会の意気込み
「年明けの1/6〜8に渋谷ワンダーサイトで演劇公演やるんで
 よかったら観に来て下さい」
 

ロマンスメイツ


ロマンスメイツ

  • 森翔太(左)

 きっかけは、ジャニーズJr.に応募したことだった。
 応募がクラスの女子にばれた森は、
 「勘違い野郎」と女子に罵られるようになった。
 女性を、ひいては世の中を恨み始めた森は、
 修学旅行にはマキビシを持参したり、
 デニーロにあこがれて仕込みiPhoneを開発するなど、
 少しずつ世間に背を向けていった。
 そんな彼がたどり着いたのは、
 アメーバピグの世界であった。
 はたして森は、ピグの世界を抜け出し、
 会場にあらわれることができるのであろうか……。

  • 八木光太郎(右)

 幼いころに両親が他界した八木は、
 親戚の叔母のもとへ預けられた。
 しかし叔母は酒浸りのアルコール中毒
 「プロレスごっこ」という名の家庭内暴力がふるわれた。
 学校でもいじめられ、壮絶な幼少期を送る八木の希望は、
 中学生の時に観た「Shall we ダンス?」の世界だった。
 映画の舞台となった江古田にあこがれ上京した八木は、
 25歳になった今も江古田の夢を捨てきれず、
 資金繰りに明け暮れる毎日を送っている……。

坂口真由美


坂口真由美(お手伝い)
 
 小さな街の洋服お直し店に、坂口は生まれた。
 19の夏、たまたま父の代わりに店番をしていたとき、
 高山がリングコスチュームの修繕を依頼するため来店。
 初めて目にしたリングコスチュームはきらびやかで、
 彼女を女子プロレスの世界にいざなうきっかけとなった。
 ある日、いつものようにお直しにきた高山がつぶやく。
 「最近、人気が薄れてきてるんだよねー……」
 坂口は思った。
 何か私にも手伝えることはないだろうか、と。
 はたして彼女は、一体何を手伝うのだろうか……?
 
 ・得意技
 話がまとまらなくなる、三食食べ
 
 ・好きな精進料理
 肉、BIOヨーグルト
 
 ・好きなこと
 雑誌の切り抜き、連想ゲーム

コツブ桃山城


コツブ桃山城(王者)

  • 島田桃依(上)

 「タイで日本人の女はモテる」――。
 噂を耳にした島田がタイを訪れるのに
 さほど時間はかからなかった。
 男にモテる職業といえば、ホステスだ。
 カタコトの言葉で接客を始めたものの、
 どういうわけだか一向にモテない。
 何度目かの失恋に嫌気がさし、
 氾濫するメコン川で入水自殺をはかった島田。
 それを助けたのが、高山玲子であった。

  • 高山玲子(下)

 高山玲子はタイ山奥のジャングルで生まれた。
 幼少期から猛獣相手に稽古を積んだ彼女に、
 原住民のあいだでもかなうものはいなかった。
 彼女に目を付けたプロモーターたちが、
 何とかリングに上げようと誘い続ける。
 だが彼女は父の教えを守り、誘いを断り続けた。
 父はイギリスの新聞記者にそそのかされ、
 日本でボクシングのリングに上がり、
 再起不能となったのである……。
 
 

マームとジプシー


マームとジプシー

  • 伊野香織(左)

 ニューヨークで一番有名な日本人、
 それが伊野香織だ。
 抜群の歌唱力を武器に
 ブロードウェイだけに留まらず、
 ハリウッド作品にも多数出演してきた。
 そんな彼女がプロレスに目覚めたのは、
 アナコンダと格闘する役を演じたこと。
 女優か、レスラーか――。
 伊野が選んだステージは、四角いジャングルだった。

  • 召田実子(右)

 伊野と同じ悩みを抱えていた女優が、
 ロンドンはウエストエンドにいた。
 召田実子だ。
 幼児から老婆まで、
 多彩な役どころを演じてきた彼女の転機となったのは、
 童謡をモチーフとした作品に出演したことだった。
 マサカリ担いで熊にまたがったその瞬間、
 眠っていた何かが目覚めるのを、召田は感じたという……。