ファッションデザイナーブログ

2011-06-27

アミタ

アミタは、米国のアウトドア用品製造・販売大手、パタゴニアカリフォルニア州)の日本支社(神奈川県鎌倉市)が千葉県一宮町に新規開店した直営店「パタゴニア サーフ千葉」で、修理ができなくなったサーフボードとウェットスーツを回収し、再資源化工場でセメント原燃料に100%リサイクルサービスを始めた。廃サーフボード、廃ウェットスーツの100%再資源化は日本で初めての試みという。

 従来、再資源化されていなかったサーフボードとウェットスーツのリサイクルの方法を模索していたパタゴニアに対し、アミタが独自技術でリサイクルサービスを提供。回収したサーフボードとウェットスーツをアミタ茨城循環資源製造所(茨城県筑西市)に持ち込み、破砕機で細かく砕いた後、金属部品を取り除き、セメントの原燃料の規格に合うよう他の廃棄物と調合する。

 パタゴニアのサーフボードとウェットスーツは、セメント製造で避けなければならないポリ塩化ビニルを使っていないため、再資源化が可能になった。リサイクル工程では火、水、特殊薬品を使用することなく安全で安価にセメント原燃料が製造できる。パタゴニア サーフ千葉は、太陽光発電、太陽熱利用給湯、LED発光ダイオード電球などの導入で環境への配慮を高め、リサイクルもその一環となる。

 アミタは、茨城循環資源製造所に2010年5月に破砕機を導入し、企業からの廃製品、廃販促品などの横流しリスクを解消する機能破壊サービスを展開。耐久年数を超えたキャラクター製品や廃化粧品、廃シャンプーなどを受け入れ、破砕した廃棄物を100%リサイクルして資源にしている。サーフボードとウェットスーツもこのサービスを活用する。

2011-06-08

起業

成功の秘訣は知らないが、失敗するには誰もかもよろこばせようとすればいい。 ビル・コズビー

ツイッターでつらつらと呟きを眺めていたら、「調べたらオンライン英会話スクールはもう100社もあるらしい」との呟きを見つけた。それは起業家志望の学生のツイートだった。残念ながらどのような業種でもたいてい100社程度は競合他社は存在する。

起業するのに、何か新しい、誰も挑戦したことがないことをやる必要があると思い込んでいる人達が多すぎる。多くの場合「誰もやったことがない」ことにチャレンジすると、失敗に終わる。なぜならば、誰もそれに手を出さないのは、そこに市場が存在しないからだ。自分がオンライン英会話業界に参入を決めた時も、すでに100社以上は競業他社が存在していた。では、なぜそれでも参入を決めたかというと、自分のニーズを満たしてくれるスクールは未だ存在していないと思ったからだ。

一昔前までは、「万人に受けるサービス」を目指す必要があった。成功するためには、ある程度の規模が必要だったからだ。しかし、今は違う。インターネットのおかげで費用をかけずにマーケティングが可能になり、またソーシャルメディアの台頭により、差別化もより容易になった。

多くのマンパワーが必要だったことが、今では「フリー」で行える。これほどリスクを背負わずに起業できる時代はかってなかっただろう。これからの起業は、自分で出来ることは出来る限り自分で行い、いかにお金をかけずに運営していくかということが、成功の鍵を握る。

震災後、ますます低迷していく日本経済において、経済活性化出来る要素として、これからもっと起業という選択肢を考慮して欲しい。華々しい成功を収めることは難しいかもしれない。だが、自分自身の特徴を活かして、それなりの成功を収めることはそれほど難しいわけではない。

誰もがやったことがないサービスを提供して成功するよりは、既存のサービスを「より良いもの」にしたほうがはるかに成功する確率が高い。そして、万人にとってより良いものを目指すよりは、自分がターゲットと考える特定の人々にとって「より良いもの」を提供することを心がけることが重要だ。

2011-06-06

 UNIQLOOKSはユニクロにとって最も効果的なブランディング戦略

ファッションストアの着こなし提案新時代

6月3日の日経MJの一面に、ソーシャルメディア時代、スマホの普及に伴う、新時代のファッションストアの着こなし(コーディネート)提案に関する記事が掲載されていました。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、私のコメントも下欄に、ほんのちょっと掲載されています。

 記事では、複数のセレクトショップのショップスタッフによる着こなし提案の投稿(常時1000〜2000)を閲覧でき、そのショップへ誘導するiPhoneアプリ、スタッフスタイル(約15万ダウンロード済み)から、

以前、当ブログでも紹介した、ユニクロをパーツとして着こなしたおしゃれさんのスタイリングフェイスブックで閲覧、評価(いいねボタン)できるユニクロの「ユニクルックス」まで、スマホなどケイタイ端末上でコーディネート提案が楽しめる4つのサービスが紹介されていました。

 関連エントリー-UNIQLOOKSはユニクロにとって最も効果的なブランディング戦略

 店頭が唯一の顧客との接点だった時代から、今や、店頭で見てウェブで買う、ウェブで見て店頭で買う、その両者のシナジーがものを言う時代・・・

 特に、ユーザー参加型でインタラクティブソーシャルメディアブログツイッターMixi フェイスブックのようなSNS)時代においては、企業は、「プッシュ型」マーケティングだけでなく、さりげなく、その輪の中にいることが雌雄を決するようになるでしょう。

 誰が勝ち組?とかではなく、企業の規模にかかわらず、その輪の中にいるかいないか?いかに共感を呼び、イケてると思われるか?そして口コミの輪を広げられるか?が活用ポイントであると思います。

 この効果って・・・大資本が勝利するのではなく、むしろ、企業規模が小さいほど、その実行対効果(企業規模に対するインパクト)は大きいと言えるのではないでしょうか?ですから、今からでも遅くない・・・小粒な会社、新興企業ほど、どんどん活用すべきであると思っています。


 さて、今回紹介されているネットを利用した新しい着こなし提案の形は、それぞれが時代の先端を行くコミュニケーションツールのいくつかであると思いますが・・・

 その一方で、ファッションストアとしての大事な役目、顧客満足の真実も忘れてはならないと思います。

 それは、ストア側が魅力的な「提案」をし、それに興味をもってお客さんが「わざわざ」店に足を運んで下さった時、その商品の在庫をしっかりと店頭にそろえておく「責任」があるということです。

 いくらお客さんを期待させても・・・品切ればかりでは、お客さんをがっかりさせるだけ・・・提案が魅力的であるほど、失望も大きくなるのではないでしょうか?

 多くのファッション企業が広告宣伝やVMDで顧客を魅了する技術を持っていますが・・・それと同時に、売りにつなげるためのSKU単位までの在庫の裏付けを緻密に考えている企業がどれだけあるでしょうか?

 その点は、中間サイズ切れを起こした商品を、補充品が到着するまで、そのカラーごっそり顧客の目に触れないように(欲しがらないように)、バックヤードに隠してしまう、ZARAの気遣いを見習って欲しいものです。

 関連エントリー-ZARA(ザラ)に学ぶ顧客満足の真実

 期間限定、数量限定で希少性を訴えたり、少量入荷のため、今買わないと売り切れる、「売り切れ御免」とは違い、

 顧客との信頼関係を築きあげることを目的とした販売促進ツール、それはチラシでも、CMでも、カタログでも、今回のような最新デバイスコミュニケーションツールでも・・・表面のかっこよさだけではなく、しっかりとビジネスにつなげる、裏の在庫コントロールもしっかり考えてほしい、新しい提案が出る度に仕事柄、そう思う日々です。

 追伸:ここのところ、業務の関係で、ブログ更新が滞っております。電車の中から、時折ケイタイでアップしている、ツイッター(PCサイト左側バナー部分に内容表示されています)もありますので、よろしかったらお読みください。

2011-06-04

ベンチャーのすすめ

 こんにちは、ヒカルです。ベンチャー企業には、大成功する企業もありますが、うまくいかない企業もたくさんあります。

 「頭のいい人」は、ベンチャー企業に挑戦するリスク客観的にとらえることができますから、「ベンチャー企業なんて失敗する確率の方が高い」と考えて、「だから起業なんてバカバカしいのさ(ケッ!)」と考えたりします。

 しかし、分析は正しくても、その結論は必ずしも普遍的なものじゃないんじゃないかと思います。

 簡単な例で考えてみましょう。

 「世の中を変えるような画期的なことをしたい」という会社が10社設立されました。しかし、結果として大きく育って上場したのは1社だけで、なんとか食えている会社が3社、残りの6社は途中で事業をやめてしまったとします。

 この事実を見て、

「大成功するベンチャー企業なんて、ごく一握りだ」

「大半の企業は失敗する」

 というのは、客観的な話であって、異論の余地がありません。

 しかし、こうした事実から、「だからベンチャー企業にチャレンジするなんてバカバカしい」という結論を導き出すかどうかは、また別の話です。

 同じことを今度は金額ベースで考えてみましょう。

ベンチャーにチャレンジする意味は、お金だけではありませんけどね。)

 この10社すべてに、1000万円の資金が投下されたとします。つまり、全部で1億円の投資です。

 6社はツブれてしまったのでリターンはゼロ。(ベンチャー企業というのは、失敗するとたいてい後には何も残りません)。3社は1000万円が1.2倍になっただけ。しかし、大成功した1社の価値は元の200倍になったとします。

 つまり、企業価値の合計は20億3600万円になったわけです。元々投資した資金は1億円ですから、20.36倍になったわけですね。

 (数学で習ったことを思い出していただくと、「成功するかどうか」というのは「確率」の話、「全体で価値が増えるかどうか」をベースに考えるのは「期待値」の話です。)

 つまり、個別の企業が成功するかどうかはさておき、この例のようなチャレンジャーが現れれば、社会全体としての価値の総量は増えるわけです。

 しかし、評論家的な人は、「日本じゃベンチャー企業なんて成功しませんよ」と言っておいた方がいい。なぜなら、成功する企業が現れても何のリターンも無い「口だけ」の人なら、失敗する方に賭けた方がたくさん当たって賢く見えますので。

 だから、そういう意見のほうをよく聞く社会は、衰退していくはずです。つまり、こうした確率は低いけど期待値は高い領域の場合、実際にリスクを負ってビジネスをやってる人の話を聞かないといけません。

 他にもいろいろ反論は考えられます。

 ちょっと経済学金融の常識がある人なら「その例に使われている数字にはマヤカシがある」と言うかも知れません。

 「全体で価値が20倍になるということは、利益が1900%もあるということだ。銀行の預金の利率が1%を切っているような時代に、そんなウマい話があるわけがない。そんなに儲かるなら、裁定する力が働いて利回りはもっと低くなっているはずだ。」

 「ベンチャー投資が社会全体でそんなに割がいいなら、ベンチャーキャピタルも儲かるはずだ。しかし、日本のベンチャーキャピタルはみんな非常に苦労してるじゃないか。」


東証マザーズに新規上場したミクシィが初値で295万円を付けたことを知らせる電光掲示板(2006年9月)。上場初日は買い注文が殺到し、売買が成立しなかったが、翌日の終値は312万円で、時価総額は2199億円になった

 それはおおむね正しいです。「単に資金を出す投資家」の話だとすれば。

 実は、先ほど掲げた例は、基本的にはベンチャー企業を立ち上げて経営する創業者を念頭に置いています。

 仮に、500万円で設立した会社が上場して時価総額が100億円になり、創業者がその株式の半分を持っていたとしたら、投資した金額は1000倍になるわけです。1000億円なら1万倍。昨今は、よくある話で、あまり不思議ではありません。

 バイオなど、業種によっては巨額の資金を必要とするベンチャー企業もありますが、特にITベンチャーなどは昨今、初期に必要な資金が非常に小さくなってます。

 つまり、資金調達はマクロ的に見ればベンチャー側に有利になりつつあり、 単に資金だけを提供する投資家がオイシイ条件で投資させてもらえる可能性は相対的に低くなっています。(当然ですね。)

 日本の創業者アメリカ創業者に比べて他人に持ち分を渡すことに慎重ですし、上場時に暗黙に求められる安定株主の比率はアメリカより高めだと思います。結果として、社会全体でベンチャー企業が生み出す価値は、投資家より創業者に厚めに分配されることになるわけです。

 (それでも、ミクシィやグリーに投資した投資家は、世界でもなかなか見かけない数百倍というリターンを得ましたので、「日本のベンチャー界はアメリカと違って投資家にチャンスが無い」というのもウソだと思います。)

 失敗した場合のダメージに着目した反論をする人も多いと思います。

 「その例は、失敗しても『ゼロ』という想定だが、実際には、日本では失敗した人には大きなマイナスが付くはずだ。」と。

 確かに、成功した場合は青天井だが、失敗した場合も同様に奈落の底が待っているとしたら、期待値も上がりません。しかし、「成功するかどうか」のコントロールは難しいですが、「失敗した時に最悪の事態にならないようにする」ことは、技術でカバーできる面が大きいのです。

 ドラクエドラゴンクエスト)などのゲームで、「死ぬのが怖いからボスキャラと戦うのはやめておこう」という人はいません。なぜかというと、「死んでも大したことにならない」ことがわかっているからです。

 同様に、「ベンチャー起業して失敗しても大したことにならない」ための知識が広まれば、起業にチャレンジする人も増え、イノベーションが起こって沈滞したムードも吹っ飛び、雇用も増え、創業者投資家も金銭的に潤って、社会全体がハッピーになるはずです。

 

起業で成功

起業の相談を受けた。

起業を考えているのだが、どのような手順で実行したら良いか分からないという相談であった。彼に次の質問をした。

自分が楽しめる仕事で起業を考えているのか?

その仕事で誰かが助かるのか?助けたご褒美としてお金がもらえるのか?

市場開拓が自分でできるのか?営業できるのか?

話を聞いているとどうも頭の中だけで起業を考えているフシがあった。

彼にこう助言した。

頭で考えている計画を一度実行してください。ただし、実験として時間と予算を限ってやって脈があるかどうかを現実の世界から回答を得てくださいと。

お金稼ぎで起業する人は、失敗します。

頭だけで考えて現実を知らないで起業する人も失敗します。

パートナーと一緒にお互いを頼りながら起業する人たちも失敗します。

会社員でいられるうちに自分が考えているビジネスが市場で受け入れられるかをテストする実験をすることをお勧めします。そのフィードバックから次に何をすべきかを検討して起業の準備をすることです。

この余裕が無い人は、恋は盲目で突進できるビジネスであるか体で判断してください。頭ではなく体で。感じるものが強くなければ、起業でない別の道を選んだほうが良いでしょう。

2011-05-29

起業に年齢関係無し

「私はインド中国ばかり見ているシリコンバレーCEOたちに“日本を見ろ”と言い続けている。それは次世代のベンチャー東京から起こると思うからだ。東京のような文化・経済メディア・ファッションの巨大な集積はアメリカにはない。また、われわれが同じ土俵でビジネスができ、新しい技術やアイデアを学ぶことができるのは“日本だけ”だからだ」。これはエバーノートCEOのフィル・リービン氏が私の目の前で断言してくれた言葉である。


マウンテンビュー市内に張り巡らされるWIFIアンテナ

 ここはシリコンバレーの中でも最もホットな起業家が集まる地域、マウンテンビュー。グーグルが公共インフラとしてワイヤレスインターネット網をひいている街だ。ここを案内してくださったのが、アップルジャパンマーケティング本部長などを経てシリコンバレー起業家として活躍している外村仁エバーノートジャパン会長。まずは起業家の巣窟といわれるスポット、レッドロックカフェを見学した。

 ワイヤレスの電波がビンビン張り巡らされている。グーグルがひいた公共のものもあれば、このカフェのものもある。そしてコーヒーがやたらうまい。アメリカとは思えないくらいスィーツやパンのレベルもなにげに高い。客層は若い。多くがラフな格好でパソコンを打ち続けている連中だ。


エバーノート本社は、予想に反して、コンビニのような外観

 パソコンの画面をチラ見すれば、難解なアルゴリズムやデザインの図面等々。今やサーバーの性能の向上と価格の下落はすさまじい。またクラウドシステムもITの世界を劇的に変えた。これらがIT系のベンチャー起業コストを急激に下げている。資金が要らない起業が増えて、シリコンバレーでもベンチャーキャピタルも解散が目立ち始めたという。IT系ならちょっとしたポケットマネーで、世界で戦える起業ができる。

 日本でユーザー数が150万人を超えたエバーノートの本社を訪ねてみる。日本での存在感も勘案し、10階建てくらいのビルを想定していた私の予想は見事に覆させられた。ガレージとはいわないが、外から見たらコンビニのようにしか見えない平屋建てなのだ。

中に入るとエンジニアが懸命にパソコンに向かい仕事をしている。しかし、目が合うと立ち上がって握手を求める気さくな連中が多い。挨拶を交わせば、「日本の震災をとても心配している。でも日本は必ずさらに強く立ち上がってくるよ」とまず言い出してくる。会社の冷蔵庫には“おーいお茶”が。ミーティングルームにはカッパ橋で購入された食べ物の見本もあった。

 こんな雲一つない青空に年中恵まれた場所でよく懸命に働けるものだと思う。この意見をシリコンバレー起業家としても高名な外村会長に振ってみると「失敗した時にこの環境がいいのです。この青空とさわやかな風があれば、“うつ”にならなくてすむのです」とこれまたさわやかな笑顔が返ってくる。

勤労文化と人口集積

リービンCEOと”おーいお茶”を交えて

 CEOを待つため、ミーティングルームに入ると、ペコリと頭を下げながら名刺を渡してくる気さくな人物が!そう彼こそがCEOのフィル・リービン氏だ。

「私は日本が好きなのです。うちの社員もよく働いているでしょ(笑)。まず何より先に、懸命に働くことを美徳とするカルチャーがなければベンチャーは育たない。これが明確にあるのはアメリカと日本だけだと思う。新興国にはまだ“勤労の美徳”はないと思う。日本にはベンチャーが育つ稀有な土壌があるのです」と切り出す。

「日本は儲かるのです。弊社の場合、10%の追加投資で30%の追加リターンがあった。こんな市場は他にはありません。この日本市場の高い収益性の(話)も私がシリコンバレーで広めています」

慶応大学とコラボしています。日本のアイデアや技術は素晴らしい。シリコンバレーで生まれるのは100%が新しいアイデア。その次に東京東京で生まれるアイデアの80〜90%は世界のどこにもないもの。新規上場が急増している中国シンガポールですが、そこでは新しいアイデアはほとんどありません」と続けざまに日本市場とその生み出す技術やアイデアを高く評価してくれる。シリコンバレーで最もイケている起業家の日本評は、私を含め自虐的すぎる自国民の評価とは全く違う。何か自信が出てくる。そして冒頭の話へ。

アメリカは人口が分散し過ぎています。ニューヨークでも東京に比べれば小さな街。シリコンバレーなんてただの田舎です。東京アメリカにはない人口集積。そこから新しいアイデアや技術が生まれるのは間違いない。具体的には、ファッション、都市交通、クリーンテック、スマートパワー、エンターテイメント、そしてこれらの分野の融合が有望だと思います」

新興国では巨大な人口集積が起きつつあり、そこが必要とするアイデアや技術をアメリカつまりシリコンバレーが生み出すことはなかなか難しいでしょう」

「日本のベンチャーに4つか、5つの新しいアイデアや技術をシリコンバレーに持ってきてほしい。日本は過剰に自信を失い過ぎに見えます。私はロシアからNYに来て最終的にシリコンバレー起業しました。ロシアでもNYでもここ(シリコンバレー)でも日本のイメージと言えば、“技術とアイデアにあふれる未来都市”。私の周りで誰も日本の将来を悲観していません」

 なんとリービンCEOとは2月にモスクワの国際会議で出会っていたことが判明。その会議の主催者は共通の友人でロシア最大手の投資銀行創業者なのだ。彼も日本の技術に投資したがっている。

失敗から学ぶ風土を!

 日本ベタ褒めのリービンCEOに敢えて彼が思う日本の課題について聞いてみた。

「日本に唯一課題があるとしたら、それは“失敗”をどう考えるかです。失敗をポジティブにとらえるというより失敗から学ぶ姿勢が大事です。失敗ほど学べる機会はありません。逆に“成功は最低の教師”です」

シリコンバレーには失敗談披露大会(通称:フェイル・コン)があります。私も事業で何度も失敗しています。その経験談を同業者や後輩に伝えるのです。アメリカでも失敗を学びの機会ととらえることは簡単ではありません。しかし、失敗からしか学べないことは多いのです。失敗談を披露するのは、失敗から学び今や大成功している起業家ばかりです。成功者が失敗を語るところに意義があるのでしょう」

「日本は極端に失敗を嫌う社会だと聞きます。もちろん、失敗を恐れるところが日本の素晴らしさに大きく貢献していると思います。しかし、これからの世界を変えていくような技術やサービスを生み出すためには失敗を学びの機会ととらえる考え方が社会に根付くことが必要だと思います。多少時間がかかるかもしれないが、日本はそちらの方向に向かうのではないでしょうか」

 なるほど。減点主義カルチャーを変えていくことが日本経済の成長の原点なのだろう。

起業に年齢関係なし!


起業家の巣窟”レッドロックカフェ

 最後に「移民で若返っている米国高齢化している日本では活力に差があって仕方ないのではないか」と聞いてみた。

「映画やテレビで若い起業家ばかりが取り上げられています。ただ、私のまわりの事例をみても、起業家の年齢が若返っているとは思えません。50代、60代でも起業する人はいます。つい最近、私の知人が大手銀行をリタイアして自分のアイデアで起業しました。そこそこうまくいっているようです。日本は高齢化していると聞きますが、起業に最適年齢はありませんよ(笑い)」

 なるほど日本にもまだまだチャンスがありそうだ!素晴らしい懇談の機会に感謝。

サムライインキュベート起業

「リーンスタートアップ」という言葉を聞いたことはあるだろうか? これは、米国起業家であるEric Ries氏が提唱したもので、アジャイル開発やフリーソフトオープンソースソフトなどを組み合わせ、大規模な資金調達などを行わず、すばやくサービスを立ち上げ、ユーザーのニーズにあわせてサービスを柔軟に変更していくというビジネス手法だ。

 日本でも、少人数、少額の資本ですばやくサービスを立ち上げる起業家が増えており、同時に彼らを支援するインキュベーターも増えつつある。

 サムライインキュベートはそんなインキュベーターの1社だ。スタートアップ企業や起業志向のある学生や社会人に対して最初の運営資金となる数百万円程度の出資を行うファンドを運営するほか、起業やその支援者を対象とするイベントなどを行っている。

サムライインキュベート代表取締役CEOの榊原健太郎氏。イベントはマイクではなく、拡声器を使って進められた

 同社は4月、イベント「第3回Samurai Venture Summit〜若き野心、世界へseason2〜(SVS)」を開催した。会場となった東京代官山のビルでは、3つのフロアで、起業家投資家らによるセッションやデモ、展示などが繰り広げられた。ここではその中からMOVIDA JAPAN代表取締役などを務める孫泰蔵氏の基調講演の様子を紹介する。

 前回のSVSでも基調講演を行ったという孫氏。前回の講演を振り返る形で、まず起業家の姿勢について「楽観的であるべき」と語る。さまざまなプレッシャーと戦う起業家が、ネガティブなことを表に出さず、楽観的になるのは難しい。そこで孫氏は「失うものはない、どうせやるなら楽しくやろう、と考える。ここまでやれば、たとえうまくいかなくてもそれまで得られた経験や出会い、ノウハウにも価値がある。そう思えばビジネスで攻められるはず」(孫氏)

孫泰蔵

 また、世界を狙う起業家に必要な心構えとして、英語でサービスを提供することの重要性を説く。「まず日本で成功してから、海外へ」と語る起業家はいるが、日本でまだ成功していない時点でこういったことを語るのではなく、サービスも英語版から出す、もしくは日本語版と英語版を同時に提供していくべきだという。

 さらに、「Think Big」「Different」「Convincing」「Simple」「Logical」「5year-lasting-service」といったキーワードで、世界で勝負するために持つべき視点を説明する。

 たとえ現時点で実現していなくとも、「世界で成功する、世界を変える」という意識を持ち続け(Think Big)、ほかのプレーヤーと違うことをする(Different)。また、なぜ自分たちのサービスがおもしろいのか、インパクトがあるのかということをユーザーや投資家らに説得できる必要がある(Convincing)。

 さらに言語や環境の壁を越えて「おもしろい」「便利だ」と思えるシンプルなものでないといけない(Simple)し、論理的に理解できるものでないといけない(Logical)。加えて、サービスを提供する現在ではなく、5年先を見据えた設計が必要になる(5year-lasting-service)。「Gmailは2005年にサービスインした。当時、ウェブメーラの容量はせいぜい数十から数百Mバイト。そんな中で2Gバイトの容量を用意したことでユーザーは驚いた。こういったことはなかなかできない」(孫氏)

 イベントには、約300名の起業家起業志向者が集まった。またサムライインキュベートでは第4回SVSを9月17日に開催するとしている。開催場所などは未定。申し込みについては、同社サイトを参照のこと。

漫画全刊ドットコム

 「漫画本を1冊ずつ買うのは面倒くさい! 全巻まとめて家に届けて欲しい」そんな願いを叶える通販サイト、「漫画全巻ドットコム」。2006年夏にサービスを開始してから、多くの漫画好きに支えられ、年商10億円の会社に成長した。

 運営する株式会社TORICO代表の安藤拓郎さんは、1973年宮城県仙台市で生まれた。大学時代の就職活動では、JR東北電力、日本たばこなど、かつて国有企業だった会社ばかりを回った。「安定のある公務員的な生活が送りたく、起業なんてまったく考えていませんでした。しかしそのような大企業入社試験で落とされ、外資系企業に入ったことが運命の分かれ道でしたね(笑)」

 大学卒業後、日本オラクル入社し、国内営業を担当した。「仕事は勉強になったのですが、『目指したものと何か違うな』と感じて、早期退職プログラムを使って退職しました」。その後1年間ニューヨークへ遊学し、帰国後は「海外と直結できる、海外営業がしたい」と三井物産転職した。中国香港台湾携帯電話バックライトに使うLEDを売り込む営業担当となり、工場を1軒ずつ訪ねて歩く日々が始まった。

 そんななか、中国でスニーカー工場との出会いがあった。「技術は確かな工場で、どれくらいで生産できるのかを聞いたら『30万円くらいで、100足から作れる』と。スニーカーを作って、日本で販売したら面白そうだと思いました」。そして会社に勤務したまま、まずは趣味としてスニーカーを売ってみることにした。

ボーナスを元手にスニーカーを生産し、自分で作った通販サイトで、週末に営業を始めてみると、2ヵ月間で100足近くが売れた。1年間続けた後、「週末だけ営業して結構売れたので、『独立して専業でやればもっと売れるのではないか? 』と思いました」

 しかし、起業するほどの資金はなかったため、ベンチャーキャピタル事業計画書を持ち込んだ。はじめて訪れたベンチャーキャピタルで、思わぬ高評価を得た。「お金を出すので、勤めている会社は辞めて独立して欲しい」とまで言われた。数百万円の資金調達に成功すると同時に、急に独立することが決まった。

 2005年7月、30歳の時、高校時代からの友人と一緒に、資本金1,000万円で株式会社TORICO設立。社名は「外国語っぽい響きを持つ日本語」を探し、「日本のスニーカーを世界中で売り、世界をトリコにしたい」との思いからつけた。

 オフィスは、家賃3万5千円の古いアパートを借りた。それまでの安藤さんは、エリート街道をまっしぐらに走ってきた。「東京の一等地にあるオフィスで働いていたので、いきなり古いアパートの和室4畳半でスニーカーを売り始めた時のギャップは大きかったですね」

それからがたいへんだった。順調な滑り出しのはずが、思わぬ誤算があった。「調子に乗って会社を辞めた途端に、売れなくなって……。大人2人が働いたのに、ひと月に2〜3足しか売れず、1年間で50万円しか売れませんでした。後から気付いたのですが、最初の100足がすぐに売れたのはスニーカーの強烈なマニアが購入したからで、その層が買わなくなったらパタリと売れなったんです」

 しかし、安藤さんたちにそれほど危機感はなかった。1足売れたら嬉しくて飲みに行っていた。「まだ資本金の1,000万円があるから、数ヵ月間は何とかなるだろう」と焦りはなく、デジタルハリウッド大学院に通い、HTMLやフラッシュなどWeb制作の技術を勉強した。

 あまりに売れない日常に飽きて、別の商売を始めることにした。取扱う商品へのこだわりはなく、「スニーカーの代わりに売る商品はないかな?」と、共同経営者の友人とアイデアを出し合ったのは「ビジネスマンが休日に1日中、家に引きこもれるサービス」。もともと安藤さんは休日、家に引き篭もる生活が好きだった。

 「会社に勤めていた頃、土曜は外出するけど、日曜は朝から買い物に行って、漫画や雑誌、お酒とジュース、昼食の弁当、夕食のインスタント焼きそば、お菓子を買って、DVDを借りて帰宅、その後は1日中家にこもっていました。スニーカーを副業で売っていた頃も、土曜は営業して、日曜は同じように引きこもっていたので。『これらのセットを家に届けてくれるサービスがあればいいなあ』と。あまりにも暇だったので、カッコつけずに、身の丈にあった漫画でも売ってみようかという事になりました」

 世の中に溢れているコミック、そこは思わぬニッチ市場であり、安藤さんたちは、本を抱えて右へ左へと忙しい生活を送ることになる。その快進撃をお届けしよう。

漫画の通販サイトを始めることにしたものの、コミックの在庫を持てるような資金はない。そこで在庫を持つビジネスはあきらめ、「注文が入ったら、近所の古本屋に買いに行こう」と気軽に考えていた。最初は、50アイテムのコミックを取り揃え、すべての書名で検索連動広告を打った。

 まさかこれほど……というほど売れた。「まんが全巻ドットコム」と名付けた通販サイトをオープンした当日から注文が入り、最初の1ヵ月で50万円を売り上げた。「たった1ヵ月で、それまでのビジネスの1年分の売上を稼いでしまいました。スニーカー販売を辞めることにこだわりはなかったので、『もう漫画を売る会社にしよう』と、スパッと気持ちを切り替えました」

 近所では本が見つからなければ、バイクを2人で走らせ古本屋を何軒も回り、全国に電話をかけてかき集める日々。忙しく身体は疲労したけれど、売れることがとにかく楽しかった。「大企業で何億円と売っていた時より、漫画が1セット売れることの方がすごく嬉しかった。『自分たちが売ったんだ』という達成感がありました」

その後はひたすら注文に応える毎日、順調に右肩上がりで売上を伸ばした。漫画好きの人は、1シリーズ読み終わる頃、すぐに次の漫画を取り揃える傾向がある。「家に漫画全巻が一気に届く快感を味わってもらうと、また次の購入につながるみたいです。2〜3ヵ月に1回購入されるお客様は多いですね」

 次第に、テレビドラマ化された人気コミックを古本屋で調達することが難しくなった。そしてサイト開設から約1年後、発送する商品を、流通量の安定しない古本から一括で取り揃えやすい新品に切り替えた。新品に切り替えたことで、多くの在庫を持つことになった。

 売上急上昇のきっかけになったのは、ある芸能人だった。ある日、サーバが急にダウンし、丸1日Webサイトが開かない状態になった。原因を調べると、タレント・中川翔子さんのブログに同サイトが掲載され、アクセス数が急増していた。

 「中川翔子さんがうちのお客様だったらしく、ブログでうちのサイトを褒めてくれたのです。中川翔子さんが『漫画全巻ドットコム』と書かれていたので、その日のうちに名前を漢字に変えちゃいました」。安藤さんの持つ柔軟性が功を奏し、この日を転機に、売上は急上昇した。

売上が増えるとともに、在庫が激増して倉庫スペースが足りなくなり、発送業務が煩雑化した。

 まず、八王子の小学校廃校跡の図書館教室2部屋を安価で借り、引っ越した。図書館を倉庫として使い、その本棚にマンガを並べた。図書館が3階だったため、毎日100箱くらい届くダンボール箱を、従業員7名で、エレベーターもクーラーもない階段で運んだ。皆が汗だくになり、ゲッソリ痩せていった。「図書館に約3万冊の在庫があったのですが、売上が増えて、廊下にダンボールが山積みになるほどでした」


 資金的な余裕ができた2007年10月、物流業務をアウトソーシングすることにした。従業員の力仕事だった在庫管理、発送業務を外注することで、新規開拓や制作作業に集中するなど、業務の効率化を図ることができた。

現在のアイテム数は、約2万5,000。「僕も世の中にこれほど漫画の数があるとは思わなかったですね」。顧客の平均は33歳で、一番多い顧客層は20〜30代のビジネスマンと主婦層だ。「開業当初は、9割が男性のお客様だと想像したのですが、実際は男性6:女性4くらい。漫画を買う女性の方が多いことにびっくりしました」。20〜30巻セットの購入が多く、客単価は12,600円くらいだ。

 漫画全巻ドットコムの売上は、1年目4,000万円、2年半後の2009年3月期に5億4,000万円、4年半後の2011年3月期には10億円となり、急成長中だ。従業員は正社員7名、アルバイト3名の合計10名。本社オフィスと提携倉庫にそれぞれ配置されている。

 安藤さんに「売上が増えたら、おしゃれなオフィスに引っ越そう」という感覚はない。今まで事務所と倉庫のキャパシティを広げるため、4〜5回引越しをしているが、オフィスは前述の古いアパート、小学校廃校跡の図書館教室等、家賃のあまりかからない場所が多い。

 「現在もそうですけど、事務所の家賃にはお金がかかっていないですね。分相応“以下”のオフィスでしか営業したことないというか。社員にとってはもっとシャレた場所が良いかもしれないですが、僕自身、オフィスはどんな所でもいい。日本じゃなくても良いと思っているくらいです。だから弊社を訪問された方の多くはびっくりしていますね」

コミックを販売する通販サイトは、Amazon楽天ブックスなど大手通販サイトに限らず多く存在する。そのなかで、「漫画全巻ドットコム」が後発でありながら急成長できた理由は、「休日は家に引きこもって、漫画を一気読みしたい」というニッチライフスタイル欲求に焦点を当てたから。既存の「本屋さん」とは違う切り口で事業を始めたからこそ、新しいニッチ市場を見つけることができた。


 サイト開設当時、たとえば漫画本シリーズ30冊を購入する場合、Amazon楽天ブックスなどの大手通販サイトでは一括購入できず、30回クリックして買い物カートに納める必要があった。また人気コミックの場合、書店に最新刊はあるけれど、全巻すべて揃っていない場合がある。同社サービスには「たった1回のクリックで、シリーズ30冊を一括で注文できる」点に優位性があった。

 安藤さんたちは、「コミック、DVD、雑誌、お菓子、ドリンクをセットで届けるサービスを始めよう」とライフスタイルの提案を考えたので、「大手通販サイトや普通の本屋もあるし、後発が勝てるわけないじゃん」とは思わず、躊躇なくサービスを開始できた。蓋を開けてみれば、「全巻揃えて、自宅に届けてくれる」サービスは既存の本屋はない、埋もれたニッチ市場だったわけだ。

ビジネスの仕組みを作っている最中のベンチャー企業には、とても地道で泥臭い仕事が多いことも事実だ。安藤さんは採用面接で、困難なことに耐えるガッツがあるかどうかを見ている。

 「僕たちはベンチャー企業なので、大企業でスマートな仕事をしてきた人より、泥臭い地道な作業でも楽しんでやれる人が合いますね。ベンチャー企業は『どこの馬の骨かも分からない』と無下に扱われることも多いし、気持ちが折れそうになる出来事は日々あります。今後も新しい取引先を探すことも増えていくでしょう。そんな環境の中で一緒にやっていく人材を考えると、“つらい場面で折れない気持ちの強さ”がある人がいいですね。できれば、既にそのような経験のある人だといい。

 逆境にもめげずに立ち向かえるマインドは、あまり良い学歴、良い育ちをしていない方が強いような気がします。エリート街道を歩いてきた人は泥臭い仕事を経験していないので、案外、折れやすいのではないでしょうか。僕自身がそうで、新卒大企業に入って7年近く営業の仕事を経験しましたが、あまり努力しなくても商品が売れる状態だったので、いざ自分が起業した際、泥臭い営業ができませんでした。

 スニーカーを作っていた時、販売提携店を増やすため、全国の靴屋に1日100軒電話営業したんですね。それがつらくて、つらくて……。電話を100軒かけてやっと1軒扱ってくれるかどうか、ほとんど無下に電話を切られ続けるんですよ。また原宿渋谷にある靴屋に直接売り込みに行った時も、学生アルバイトから虫けらのような扱いを受けて悔しかったですね。それまでは大企業の名刺を見せれば、良い部屋に通されてきれいな営業ができたので、その扱われ方の違いに気持ちが折れたのです」

夢は「日本の漫画をもっと世界で販売すること」

 安藤さんの究極の望みは、「楽しく生きられる」こと。

 「起業を考えたのも、仕事をする平日の朝から晩まで、そして1週間がずっと面白い生活を目指したから。独立以前に、転職したり、社内で部署を変えてもらったりしたけれど、そこまで面白い毎日にはならなかった。だったら自分で会社を作れば、日々を面白く、少なくとも僕自身が楽しく過ごせる会社を作れるのではないかと思いました」

 現在、その生活は実現しつつある。「休日も楽しいですが、一方で休日ですら『はやく月曜日になって、会社で◯◯を始めたいな』と思っています。平日も週末もどちらも楽しい、という感じで過ごせています」

カオリ ヤマザキ

カオリ・ヤマザキ Kaori Yamazaki

ニューヨーク在住の日本人デザイナーが手掛けるグリーンファッションブランド、カオリ・ヤマザキ

美術館クオリティの豪華なドレスから、日常に着られるエコクローズまで幅広いコレクションで、多くのエコ・ファッショニスタたちを魅了しています。

カオリ・ヤマザキの服は、とことんサステナブル

グリーンファッションブランドであっても、染色時に化学染料を使ったり、大規模展開する中でサステナビリティを犠牲にすることを止む無しと考えるデザイナーも多いのですが、カオリ・ヤマザキは違います。

自分が納得し、安全であることをお客さまに説明できる布や染色方法でないと、絶対に採用しないというポリシーを貫いています。

カオリさんはテキスタイルデザインの学位を持っていることもあり、素材へのこだわりは人一倍。

たとえば、ウールひとつとっても、ニューヨーク郊外のシープフェアに顔を出し、牧場主がどういう考えでどのように育てているかを直接話して確認します。

オーガニックであるだけでなく、羊がハッピーな環境下で育てられているかどうかまで把握したうえで、素材を厳選しているのです。

そして、そのこだわりぬいた素材に、一針一針愛を込め、服という製品にしていきます。

だから、彼女は量産しません。

彼女にとって、自然も動物も人間の生活もどれも大切。

それら全てを害することのないものものしか作らないから、必然的に、限られた数しか生産できないのです。

使用する素材は、オーガニックコットンオーガニックウール、オーガニック麻、そしてヘンプのみ。

今のところサステナブルだと納得できる素材はそれだけだから、という理由。

以前は、ニューヨークのエコデザイナー集団eko-labに属していましたが、2009年に脱退。

現在は「カオリ・ヤマザキ」ブランドで展開し、ニューヨークではエコバルセット、日本ではBeauty & Youth (United Arrows)やOptitudeで取扱いがあります。

丹精込めて作られたカオリ・ヤマザキの服。

一生大切に着続けたい、本物のサステナブルブランドです。