気まぐれ読書手帖

2018-04-21

ウォーター&ビスケットのテーマ2 夕陽が笑顔にみせただけ (★★★★☆)

8月をループする街“架見崎”。プレイヤーが命がけのゲームをするこの地で、最大手チームの2つ“平穏な国”と“PORT”が、ついに交戦する―そう予見した香屋歩とトーマは、戦いを「引き分け」に持ち込むため、もうひとつの大手チーム“架見崎駅南改札前”へ向かう。そこには最強のプレイヤー“月生”ただひとりが所属していて―「そんな風に我侭に、貴方はなにを目指すのですか?」「安全な世界ですよ。僕でも安心できるほどの」架見崎全土を巻き込む戦いの裏側で、臆病な少年による、世界のルールを打ち破るための革命が、静かに進行する。

シリーズ2冊目。今回は「平和な国」VS「PORT」の戦いに歩たちも巻き込まれていく。前回は歩がトーマに刺されるという衝撃的な終り方でしたが、最初から歩もトーマもそれを予想して動いていたとは…。歩が臆病ながらも裏で暗躍する理由が実に彼らしい。やはり歩の存在は異質。そんな歩やトーマと同じ輪の中に入れないことを寂しいと感じる秋穂が良い意味で普通、秋穂は秋穂で頑張ってると思いますが。
そしてミケ帝国の象徴である白猫を崇拝する黒猫たち、誰か一人を崇拝対象にするというところは平穏な国と大差はないような。暴走した白猫さんマジで強い。色々な国の思惑が入り乱れているので頭の中を整理しないと追い付きません。次も楽しみです。

2018-04-19

月夜に溺れる(★★★☆☆)

月夜に溺れる

月夜に溺れる

警察小説にニューヒロインあらわる!二児の母親でありながら、横浜川崎の歓楽街を股にかけ、色と欲にまみれた犯罪者を取り締まる、神奈川県警生活安全部のエース・真下霧生。盛り場で起こる、青少年の絡む事件、謎めいた殺人事件には必ず駆り出される遊軍のような存在だ。神奈川県警本部の将来を担う二人の警察官を前夫に持つ(それぞれのあいだに子供が一人ずつ)ことが災いして、扱いに困られているのかもしれない。いや、恋愛体質が過ぎるからかも…。捜査能力と推理力(と美貌)を駆使して、真犯人を追いつめろ。軽快かつ濃密な本格推理警察小説!

前夫二人は同じ警察官、子供も二人いて離婚した今でも友達のような関係を築いている。一人目の夫と別れた理由は二人目の夫との浮気なのに仲良く接していて全体的に不思議な関係。主人公の霧生は良く言えばバイタリティ溢れる女性。惚れっぽくて事件の関係者と付き合ったりしている恋多き女性という一面には正直ついていけない。娘の紗霧はとても賢くて将来大物になりそう。もう伊地智とヨリを戻したら?
事件は売春や麻薬など重い内容で読みごたえがあった。「もし君にひとつだけ」はグロテスクな事件で、こんな奴が自分の教師だったら嫌だなと。お金を払っている以上学ぶ権利はあるはずなのに、何であんたの判断で殺されなきゃいけないの?続きがありそうな書き方だな。

2018-04-18

※妹を攻略するのも大切なお仕事です。 (★★★★☆)

ラノベ編集者の賀内亮二には、絶望的なくらい仲が悪い妹・涼風がいる。昔は「お兄ちゃんに初めてをあげるね?」なんて危ない約束をするほど可愛かったというのに、今では「お兄ちゃん」とすら呼んでくれない。けど、編集者の仕事は妹を忘れさせてくれるほど容赦無い。そう、アニメ化もした人気作のイラストレーターが病気で降板してしまった今なら特に!必死で後任を探すがなかなか見つからず、そんなある日、賀内は大人気エロゲのイラストに一目惚れし、その原画家に仕事の依頼をする―が、打ち合わせの場に現れたイラストレーターは、未成年で妹の涼風だった!?世界一仲が悪い兄と妹を巡るライトノベル×ラブコメ、ここに開幕!

今回は前回の主人公・紘のライバル役だった賀内が主人公。前回は嫌味なイメージがあった賀内だが、彼も編集者としての情熱を持っているからこそ「売れる」ことに執着しているんだなと。ツンデレな妹・涼風も横暴ながらも根っこの部分ではお兄ちゃん大好きで可愛かったです。
実は作家になりたくて夢半ばで挫折した過去を持つ賀内、穂花の件もそうだけど大好きなことを諦めるって辛いよな。確かに賀内は約束を破ってしまったけど好きで破ったわけじゃないことを涼風も少しは理解すべきだったんじゃないかな。違う形になったけど二人の約束がきちんと果たされて良かった。個人的には前回よりも今回の方が面白かった、やっぱりツンデレは強し。

2018-04-16

ぼくたちの青春は覇権を取れない。 ‐昇陽高校アニメーション研究部・活動録‐ (★★★★☆)

「どんな人間であれ、一日でアニメを約57本しか観ることが出来ない」ぼく、こと坂井九太郎が所属するアニ研は、上記のような世迷言を乱発する部長をリーダーとするダラダラ部活動だ。(ちなみに30分アニメからCMを抜くとOPED含め実質25分だからそれで計算して57本らしい。なんてアニメバカなんだろう)。部員はぼくと部長と、部長の幼馴染さん(女性。現実にいるんだ…なんてアニメキャラっぽいんだろう)の3人のみ。生徒会にも目をつけられてるようだし、果たして今後どうなるのかなと思っていたところに、来訪者が現れた。それはぼくの学年で一番注目を集めている美少女・岩根美弥美さん。彼女の出現を皮切りに、部には「アニメ」にまつわるちょっとした事件が次々と巻き起こり―?

前半はアニメに纏わる日常ミステリ、後半はアニ研廃部を阻止する為に伝説の自主制作アニメを探す展開に。岩根とお兄さんの大切な思い出のあるアニメを探したり、保健室登校だったアニメ好きの田中にアニ研という居場所を与えたりなどハートフルな展開に和みました。岩根やツンデレな馬越も可愛いけど、アニメ大好きオーラ全開な田中がお気に入りです。
後半はアニ研が廃部の危機に陥るわけですが、理事長一家による一方的な私怨にウンザリ。部長が生徒会長達に啖呵をきった場面にスカッとした、何でもアニメのせいにするとか馬鹿だね。最後まで諦めずに部長と同じ答えに辿り着いた坂井に拍手。続きがでるなら読みたいです。

2018-04-15

サンリオ男子 好きと嫌いのアシンメトリー (★★★★☆)

西宮諒、高校一年生。砂糖菓子みたいな容貌と人見知りのせいであまり友達はいない。でも、大切な仲間はいる。三年の誠一郎、二年の康太、祐、俊介。全員がサンリオキャラクター好きなサンリオ男子だ。一年のみ参加するスキー合宿直前、なんだか気にさわる同級生の雨ケ谷がばつ丸好きらしいとわかる。諒は、自分の卒業後を心配した誠一郎から、「合宿で彼と友達になれ」と宿題を出されるが…。

久しぶりのコバルト文庫サンリオ好きな男の子たちによる友情ストーリー。好きなものを共有できる仲間がいるってすごく大切だよね、イケメンたちがサンリオキャラへの愛を語る場面はクスッと笑える。主人公の諒はキキララが好きな人見知り、末っ子気質で先輩達から可愛がられている諒をみると和みます。特に誠一郎とのやり取りは完全に兄弟みたいで、諒は割りと誠一郎にべったりで可愛い。
昴との関係は諒が女の子だったら恋愛小説でもおかしくないような関係でした(笑)二人ともお互いが気になるんだけど素直じゃないから喧嘩ばかり。昴も諒達みたいに好きなものを素直に好きといえたら楽なのに、と思いました。最後の吹雪の中で諒が怪我をしてしまって昴が助けに来る場面にニヤリ、早く二人が仲良くなってくれますように。