気まぐれ読書手帖

2016-12-10

あしたはれたら死のう(★★★☆☆)

あしたはれたら死のう (文春文庫)

あしたはれたら死のう (文春文庫)

なぜ、私は「あしたはれたら死のう」と書いた翌日、橋から飛び降りたのか―。自殺未遂の結果、数年分の記憶と感情の一部を失った少女、遠子。そのとき一緒だった同級生男子の志信は亡くなったが、周囲も、遠子自身もなぜ自分たちが死を選ぼうとしたのか、わからない。唯一の手がかりはSNSに残された日記だけだった…。
自殺未遂で記憶の一部を失った少女が、一緒に自殺した同級生と自分の自殺理由 について模索していくお話。志信の自殺理由が思ったよりもハードで驚いた。周囲には優しいムードメーカーで通っていた彼が裏で抱えていた不安を抱え込んだまま自殺に踏み切ってしまったのがやるせない。母親はとても良い人でしたが、だからこそ逆に心配させたくなかったのかな。紙飛行機の大会での一件は最低としかいえない、自殺するぐらいなら志信の墓前できちんと謝れよ!彼を支えるべき人間が彼を裏切り、それを隠蔽しようとしたのには大人の汚さをまじまじと感じてしまった。
最後に志信が遠子に託した言葉は素敵だけど、やっぱり一緒に生きて欲しかった。それを抜きにすればベストな形で終わってくれたかと。遠子とお母さんの本音のぶつかり合いも良かった。遠子はこの一件を通して逞しく成長したと思います。

2016-12-07

文豪ストレイドッグス 55Minutes(★★★★☆)

盗賊退治の依頼を受けて探偵社の一行が訪れたのは、横浜近海を“航海する島”、スタンダード島。しかしそこでは今まさにテロリストの手により未曾有の異能兵器が起動しようとしていた。敵を追う敦の前にH.G.ウェルズという異能者が現れる。彼女は敵か味方か、迷う敦にタイムリミットは迫り…。そして真相へ辿り着く太宰に、黒幕の凶刃が迫る―!!大ヒットコミックスの原作者による小説版、待望の第4弾!
遂に敦も小説版で主人公に。文ストは小説版もクオリティが高いので安心して読めます、なんか映画化しそうな内容だなと思いました。いつか出てくるかなと思っていた「タイムマシン」の能力が小説版で出てくるとは…!ミステリアスだけど優しい心も持ち合わせているウェルズのキャラは結構好みでした。いつか本編にもひょっこり出てきてほしいな。
裏で暗躍している太宰さんが相変わらず有能過ぎて逆に怖い。国木田さんは格好いい筈なのに太宰さんに弄ばれていてギャグ要員になってる(笑)そして芥川は任務で来た筈なのに敦を抹殺することを優先していいの?死ぬ間際になっても最後に思い出すのが太宰さんのことというのが芥川らしい、一途だな。なんだかんだいいつつも最後は新双黒コンビ大活躍でした。また近いうちに小説版出してくれないかな〜。

2016-12-06

カードキャプターさくら クリアカード編(1)(★★★★☆)

夢の鍵と透明なカードに導かれ、さくらの新しい物語がはじまる!桜満開の4月、中学1年生になったさくら。大好きな小狼と再会し、一緒に学校へ通えることになって笑顔がはじけます。しかし不思議な夢から目覚めると、さくらのカードに異変が・・? 友枝町で次々起こる事件に、さくらが再び立ち向かう!累計部数1500万部突破、世界が待ってた新章「クリアカード編」ついに開幕!!
久しぶりに漫画の感想でも。久しぶりのCCさくら…!当初本誌を買うか迷いましたが、さすがにこの歳で買う勇気はなかったのでヾが出るまで大人しく待ちました。絵柄が昔とあまり変わってないのは嬉しかったです。そして2018年にはアニメ化も決定しているとか。キャストは少なくとも現在発表されているメインキャラは変更なしのようですね。良かった、また丹下さんのさくらが聴ける…!
肝心の本編はまだ色々と謎だらけでこれからどんどん面白くなっていきそうです。最初のさくら小狼の抱き合うシーンが可愛らしい。さくらが次々に起こる問題に精一杯で小狼とイチャイチャしている場面があまりないのが残念。小狼とエリオルは何か知っているみたいですね。知世は相変わらず包容力が高くて素晴らしい。余裕があったらAmazonで仲良しを取り寄せてみようかな。

2016-12-05

文句の付けようがないラブコメ 6(★★★★☆)

果てなき輪廻の果てに。数多の被験者のうち、“非人道的実験”に成功して生き延びることができたのは少女Aだけだった。世界を救う英雄たる使命を背負った少女A。周囲にあるのは無数の書物が並ぶ図書館のみ―彼女の心象世界には時間も空間もない。世界救済を探るためのあらゆる可能性を、ただひたすら演算するだけの存在として、少女Aは存続していく。そんな彼女の前に突如、異物たる少年Bが現れてこう言った。「お前さ。俺と結婚しねえ?」「はい。よろしくお願いします」永遠とも思えた輪廻の果てに待つ、少女Aと少年Bの結末とは?『文句の付けようがないラブコメ』がここに終わり、そしてまた始まる―
世界を救済するために生贄となった少年少女たち。なぜこの理不尽な舞台が用意されたのか、おチヨ・ハルコ・クルミの三人で考察しながら物語の核心へと迫っていく。セカイとユウキばかり目立っているけどこの三人も同じぐらい辛い立場なんだなと。大切な主を守りきれないおチヨ、ユウキが好きなのにも関わらず友達というポジションでしか傍にいれないと分かってしまったハルコ、才色兼備ながらも唯一好きになれる相手が血の繋がった兄であるクルミ。それぞれ報われない思いを抱えながらも大切な人のために協力する姿勢が健気だ…。
引き裂かれ続けたセカイとユウキが遂に残酷なゲームから抜け出せて良かった。ユウキは本当にチートで敵にはしたくないキャラだな。これでやっと一段落ですが、まだエピローグが終わったに過ぎない。これから始まるのは今度こそ平穏なラブストーリーだと思いたいけど落とし穴があったりして。

2016-12-04

シャーロック・ホームズの十字架(★★★★☆)

世界経済の鍵を握るホームズ遺伝子群。在野に潜む遺伝子保有者を選別・拉致するため、不可能犯罪を創作する国際組織―「機関」。保有者である妹・七海と、天野直人は彼らが仕掛けた謎と対峙する!強酸性の湖に立てられた十字架の謎。密室灯台の中で転落死した男。500mの距離を一瞬でゼロにしたのは、犯人か被害者か…。本格ミステリの旗手が挑む、クイーン問題&驚天動地のトリック!
「不可能犯罪」に挑むという設定なだけに派手なトリックばかりなのが面白い。救えた命もあるけど救えなかった命もある、一筋縄ではいかない事件に立ち向かっているからこそ遭遇してしまうほろ苦さは仕方ない。第3話「象になる扉」で死んでしまった警官、そして最後に辰巳から渡されたリストに載っている行方不明の人達のことを考えて落ち込む直人。でも辰巳たちがいる限り大丈夫でしょう。1巻の時と比べるときちんとした信頼関係が築けているのが伝わります。
陽菜が無事だったのにはひと安心。直人のひらめきが冴えていました。最後はストーリーのスケールが一気に大きくなったような気がします。どういう形で終わらせるのか気になる。