気まぐれ読書手帖

2016-09-26

異人館画廊 当世風婚活のすすめ (★★★★☆)

成瀬家は、代々“禁断の絵"を守ってきた旧家だ。その絵が盗まれた。現当主の美津に絵をさがしてほしいと頼まれた千景と透磨だが、件(くだん)の絵は異人館画廊に置き去りにされていた。同時期、失踪中の次期当主候補・雪江が遺体で見つかるが、容疑者として浮上した男が千景の誘拐事件の関係者だと判明し!? 深まる謎の中、記憶の封印が次第に解けてゆく。緊迫の美術ミステリー!!
千景の過去も少しずつ明るみになり、千景と透磨の仲も進展した巻でした。遂にカゲロウさんも姿を現しました、学生に見えるということはまだ若いんですね。過去と向き合うことを決意した千景、どんな出来事が千景を襲ったのか想像も出来ませんが透磨たちがそばにいるなら大丈夫なはず。千景には意地悪なことを言いつつも、内心では千景のことで色々と葛藤してると思うと透磨も苦労してるんだよね…。
今回の事件は後味悪かったな…。でも意外な結末で面白かったです。図像術の蘊蓄にはなるほどな〜と思いつつも、一枚の画にこんな仕掛けが出来るなんて未だに信じられない。いつか積木を追い詰めてほしい。

2016-09-25

おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界(★★★★☆)

あるSNSの書き込みが話題になっている。一人の高校生・大村音彦が、何人もの中学生を支配し、恐喝した。その額、累計3000万円―。そして今晩、ついに三人の中学生を半殺しにしたという。「けれど、それは最悪な嘘だと知っている。だって、大村音彦は俺の名前なのだから―」最悪な一夜の逃走劇の中、大村が掴んだ唯一の手がかり。それは「榎田陽人」という女子中学生の存在だった。逃げる少年と、追い詰める少女。壊れた世界に生きる彼らが出会う時、思いがけない事件の真相が明かされる。圧倒的感動で話題を呼んだ『ただ、それだけでよかったんです』に続く、待望の衝撃シリーズ第2弾。
表紙の竹岡先生のイラストが素敵。前作に引き続きいじめ等を題材にしたシリアスなストーリー。全てを一人で背負おうとする音彦が切なくて、音彦の想いが報われていないことがただただ残念でなりません。最初は妙に尖ってる子だな〜と思っていた陽人も蓋を開けてみれば一人の少女を必死で守った純粋な女の子に過ぎないんですよね。それだけに最後の黒幕の変貌っぷりは嫌悪感しかわかなかったです。陽人が断罪した奴らは自業自得…。
こんな結末になった以上、音彦にはまた陸上部の部員達と笑い合える日がくるといいなと思っているけど難しそうだよね…。色々と考えさせられることの多い作品のような気がします。最近のラノベの中では珍しい作風だと思うのでまたぜひ似たような系統で書いていただきたいです。

2016-09-24

『このライトノベルがすごい!2017』のアンケート

ということで先程回答してきました。
今年から文庫と単行本を区別するようになったんですね。正直基本的に文庫派の人間なので単行本をほとんど読んでなくて苦労しました。やっぱり値段も良心的でかさばらない文庫の方が私は好きです。
今年もコメント掲載してくれないかな〜と思ってます。結果はもちろんのこと、たくさんの方の作品紹介で面白いラノベに出会えることも楽しみです。

2016-09-22

ヴァンパイア/ロード ~君臨するは、終焉の賢王~(★★★★☆)

特殊な血液型を持つ男子高校生・神鎚黎は、早くに両親を事故で亡くしたものの、引き取られた先の養父母や義理の妹にも恵まれ、充実した生活を送っていた。しかし謎の襲撃者に命を狙われたことで、その穏やかな日常は一変する。激しい戦闘の最中、混乱する黎の前に現れた美しき吸血鬼の少女・リーリヤ。彼女は黎へと膝を折り、絶対の忠誠を誓ってみせた。この瞬間から黎は吸血鬼たちの争いの中心―王として、敵対勢力の殱滅を決意する!!
吸血鬼の王になった主人公が分裂する二つの勢力の戦いに巻き込まれていくヴァンパイアストーリー。手堅くまとめられていて、これからますます激しくなるであろう敵対勢力との戦いのことを加味すると面白くなっていきそうな話だなと。ただいくら冷静なキャラとはいえ黎が両親の死を受け入れるのが早すぎ、特に妹の美紘はブラコンを強調し過ぎていて、そこら辺の描写が省かれていたので違和感がありました。
でもきちんと自分の運命を受け入れて立ち向かおうとする黎だからこそ魅力的なヒロインが3人も味方になってくれるんだろうなぁ。武闘派のリーリヤ、サポートに特化した京香、妹の美紘という組み合わせ。今回は序章といった感じだったので、次回からは主人公と各ヒロインの恋愛要素も期待したいですね。まずは貴族派の殲滅、最終的には吸血鬼の歴史を終わらせることが目標。続きが楽しみです。

2016-09-21

千年紀のレガリア 帝宝審理騎士は働かない(★★★★☆)

武の名門クルツシルト侯爵家の若き当主ユリエル。没落した家を復興させようとする彼女に下された使命は、帝国国立美術館の館長レインと共に、敗戦によって散逸してしまった「三種の帝宝」を奪還すること!しかし肝心のレインは下手な絵を描くだけで、まったく働く気がない。ユリエルはレインを叱り飛ばし、どうにか捜査を始めるのだが―その任務は、レインと帝国の秘密に迫るものだった!千年の謎を解き明かすクロニクル・ファンタジー登場!
期待していた以上に面白かった。没落した家を再興しようと頑張る真面目なユリエルには好感が持てましたし、やる気がないようでいてユリエル達がピンチの時は颯爽と敵を倒すレインもかっこ良かった。お転婆だけど皇女としての自覚をきちんと持っているエリザベートは作中の癒しキャラでした。
最終的にどんな着地点になるかと思いきや、なんでもありな方向に進んでしまった…。結局「三種の帝宝」も奪還出来なかったので、もし続きがあるならどうやって広げた風呂敷をたたむのか気になります。行くべき方向へ導かなければいけない大人があんな独善的だったら駄目じゃん。キリエが無事だったのには一安心。